IMFを解散、インダストリオール結成を決議
800名の金属労組代表の賛成多数で決定
コペンハーゲンで2012年6月18日に開催
IMFは2009年にスウェーデン・イエテボリで開催した第32回世界大会で、製造業3GUF(IMF・ICEM・ITGLWF)の組織統合に向けた協議を開始することを決め、2010年以降3GUFで合同タスクフォース会議を設置して議論を重ねてきた。各地域においても新組織結成について協議し、2011年末までに各GUFは2012年6月19日に新GUF結成大会をデンマーク・コペンハーゲンで開催することを確認した。
これに伴いIMFは6月18日午前に、日本JC代表を含む金属労組代表800名の代議員が出席して、コペンハーゲンで臨時大会を開催し、その119年のIMFの歴史に幕を閉じ、正式にインダストリオール・グローバルユニオンを結成することを決議した。
ベルトホルト・フーバーIMF会長は大会開会挨拶で、新GUF統合に向け賛否両論の議論をしてきた経過にも触れ、「時には大胆に前進することが必要、我々は新たな一歩を踏み出す。皆さん共にチャレンジに取り組んでほしい」と述べた。また新組織での重点取り組み課題として、「健全な財政基盤」「活動に優先順位を付け、効果的でより現場に近い取り組みを実施する」「3組織が一緒になるので、それぞれの特徴・強みが反映される様に配慮することが必要」の3点を掲げた。大会ではフーバー会長の挨拶に引き続き、草野忠義IMF-JC元議長をはじめとした2009年のIMF世界大会以降に逝去された組合幹部への黙とうが行われた。
大会議題「産業部会長の選出」では、2011年12月にジャカルタで開催したIMF中央委員会で「ジェンダー、地域バランスが確保されていない」との意見が出され承認されなかった部会長リストについてユルキ・ライナ書記長は、この点については引き続き調整を行うとの説明し、部会長の候補者リストが提案された。一部代議員からは「見直しを先送りにすべきではない」との意見も出されたが、審議の結果リストは承認された。ICT・電機・電子部会長には有野正治IMF-JC副議長/電機連合委員長が選出された。また、ジェンダー・地域バランスの観点から、同副部会長にはインドネシアFSPMIのプリハナニ(女性)を選出した。
議題「IMF規約の修正」では、新GUF本部が設置されるジュネーブ州の組織合併法に基づき新組織結成手続きを進めるための規約改正が提案され、修正案A「執行委員会は大会と同様に別の連合または団体、特にICEMとの合併またはその他の転換に関する決定を承認する権限も有する」については、一部反対意見も出されたが法対策のために必要だとの説明を受け承認された。
引き続き開催した合併大会ではまず、大会資格審査委員会・動議委員会・開票人が承認された。 議題「インダストリオール結成のためのIMFとICEMの統合による合併に関する決定」では、ジュネーブ州の法律に基づき、法的にはまずIMFとICEMが組織合併し、2013年にベルギーの法律に基づきITGLWFが解散しインダストリオールに統合されるが、結成大会では3組織でインダストリオール・グローバルユニオンが結成されることが「政治的合意」文書に明記されることが説明され、「合併合意文書」「合併報告書」が承認された。
「インダストリオール規約」に関しては、中南米・カリブ海地域の議席数割り当て6名が現状に即していないので4名増員し10名にしてほしいとの強い要請が出されたが、審議の結果提案は棄却され、規約は承認された。これに伴いIMFはインダストリオール・グローバルユニオン結成を承認した。
合併大会の最後にはIMFの歴史をまとめた7分間のビデオが上映された。
主要役員候補を承認
また閉会前には、インダストリオール・グローバルユニオンのIMF出身の下記主要役員候補リストが提案され承認された。
- 会長: ベルトホルト・フーバー(ドイツ・IGメタル)
- 副会長:R・トーマス・バッフェンバーガー(アメリカ・IAM)
- 書記長:ユルキ・ライナ(北欧・北欧産業労連)
- 書記次長:フェルナンド・ロペス(ブラジル・CNM-CUT)
同日IMFに引き続きICEM、ITGLWFも大会を開催し6月19日にインダストリオール・グローバルユニオンを結成することを各組織が正式に決議した。
IMF大会で放映された、栄光の「IMFの歴史」ビデオ(英語版)
http://www.youtube.com/user/imfmetal?feature=results_main