南アフリカNUMSAが鉄鋼部門でスト
2015-10-27
10月14日、ヨハネスブルグで数千人のNUMSA組合員が他部門の労働者や地域メンバーと合同でデモ行進し、腐敗に抗議するとともに雇用を支持した。
この1日ストは合法的な行動であり、南アフリカ共和国の政労使社会的対話フォーラムである全国経済開発労働評議会(NEDLAC)で争議として宣言されていた。南アフリカの雇用危機に関する要求が打ち出されたのは、鉄鋼部門における保護・支援をめぐる対話が行き詰まったためである。
NUMSAは、国有企業の設備投資計画を含む政府インフラ建設で、輸入鋼ではなく現地で生産・製造された鉄鋼を使うよう要求。現地調達を推進するために、政府の戦略インフラ計画(SIP)案で戦略的に鉄鋼部門に取り組むことを求めている。
NUMSAは輸入パリティ価格(IPP)に反対し、規制鉄鋼価格にある程度基づく公正な価格設定を支持する主張も続けている。現在、鉄鋼用原料の半分が輸入されているので、同労組は南アフリカ政府に、鉄屑輸出の禁止を含む選別戦略の推進を求めている。
NUMSAは政府に対し、政労使すべての代表が加わるハイレベル三者構成鉄鋼危機管理委員会を設置し、鉄鋼業と雇用の持続可能性を確保するために長・短期の介入策を立案するよう要求した。
このストでは、より広く腐敗防止を要求して大衆の支持を獲得、多くの人々がNUMSAと連帯して行動に加わり、さまざまな緊急問題に対して政府の注意を喚起した。
バングラデシュの船舶解撤場でまた労働者が死亡
2015-10-26
10月20日にチッタゴンの船舶解撤場でまた大事故が発生し、今回は3人の労働者が死亡した。インダストリオール・グローバルユニオンは、労働者にとって世界で最も危険なこの産業を浄化するために運動している。
今回の事故現場は、バングラデシュ有数の船舶解撤企業S・R・コーポレーションである。同社の労働者が船舶解体プロセスでガスボンベを切断していたとき、ボンベが爆発した。負傷した労働者は近くの病院に運ばれて治療を受けたが、全員が大火傷を負っていたため、助からなかった。亡くなった労働者の名前は、ラセル、カイラル、アミナルである。3人ともガス切断工として雇用されていた。
松崎寛インダストリオール造船・船舶解撤部門担当部長はこう述べた。「労災死亡はすべて回避可能だ。そして、船舶解撤労働者が職場で亡くなるたびに、私たちは香港条約の批准を求めて運動しようという決意を新たにする。その決意の実現に成功すれば、世界で最も危険な仕事に従事する労働者の生活が変わるだろう」
2つの主要なインダストリオール加盟組織であるBMF(バングラデシュ金属労働者連盟)とBML(バングラデシュ金属労働者同盟)は、亡くなった労働者の遺族が相当額の補償金を得られるよう確保するために、使用者と地方当局に問題を提起した。
先月9月5日にも、チッタゴンのシタル船舶解撤場でガスボンベが爆発し、4人の労働者が亡くなったばかりである。そのような死亡事故の原因は、適切な手続きの欠如の常態化、インフラの不備、不十分な訓練、安全基準の不遵守である。
英政府に鉄鋼業の救済を要求
2015-10-22
イギリスでは鉄鋼労働者6人に1人が余剰人員解雇されており、インダストリオール・グローバルユニオンは英政府に鉄鋼業の保護を求めた。
タタ・スチールは10月20日、スカンソープとスコットランドで1,200人の雇用を削減すると発表した。
先月には、レッドカーにある英国有数の鉄鋼生産工場が、100年近く前から続けてきた生産を停止し、2,200人を解雇すると発表。工場を所有するタイ企業SSIは、ヨーロッパで2番目に大きい溶鉱炉を閉鎖する理由として鉄鋼価格の下落を挙げている。
一方、ウェストミッドランズの鉄鋼製品会社カパロ・インダストリーズも清算を発表し、1,700人の従業員に影響が及ぶ。
インダストリオールはイギリスにユナイト・ザ・ユニオン、コミュニティー、GMBの3つの加盟組織があり、組合員は大量失業にさらされている。
ユナイトのトニー・バーク書記次長は次のように述べた。「イギリスの鉄鋼業は追い詰められている。ここ数日間の雇用削減のニュースを受けて、政府は英国経済のこの重要部門に対する自由放任主義から脱却しなければならない。迅速に行動しなければ産業全体にドミノ効果が波及し、鉄鋼価格のダンピングと高い光熱費に企業が押しつぶされ、さらに多くの熟練雇用が失われるだろう」
フェルナンド・ロペス・インダストリオール書記次長は次のように述べた。「一連の雇用削減によってコミュニティー全体が破壊されてしまう。私たちは政府に対し、ヨーロッパでダンピングされている低価格の中国製鉄鋼との競争に苦戦している英国鉄鋼業を守るために、全力を尽くすよう促す。英政府は、この厳しい時期に鉄鋼業を支援しなければならず、衰退していくのを傍観していてはならない」
インダストリオールは今年5月、ストックホルムの執行委員会で、年金削減を阻止するために闘うタタ労働者を支持する決議を可決した。タタは2016年4月にブリティッシュ・スチール年金制度を閉鎖すると明言した。しかし、35年ぶりの大規模な全国ストに直面して、タタ・スチールは交渉の場に戻った。3組合すべての組合員は7月、年金制度を存続させる新しい条件に賛成票を投じた。
世界の自動車労組がトロントで作業部会ひらく
2015-10-20
10月13~15日、世界中の自動車会社の労働者代表約65人が19カ国からカナダのトロントに集まり、自動車作業部会の年次会議を開いた。
この会合はカナダで自動車部門を組織化しているユニフォーが主催した。自動車作業部会は、この産業の組合と従業員代表委員会の世界的ネットワークである。各社を拠点とする組合ネットワークが具体的な作業計画について報告した。作業計画の重点は、未組織工場の組織化と、特定のネットワークへの統合による組合の強化である。
参加者は、今後の生産や移転に関する説得力のある報告も受けた。
インダストリー4.0に関する報告では、ネット接続車、自動運転、次世代製造が労働組合に突きつける課題が取り上げられた。この報告は活発な議論を引き起こし、参加者は、この展開において積極的な役割を果たすために、すべての組合が準備する必要があると強調した。
インダストリオールのブライアン・コーラー担当部長も、自動車産業にとって重要な問題である持続可能性と気候変動について発言した。
会議出席者は、フィンランドの自動車部品メーカーPKCで働くメキシコ人労働者による組織化努力を支援する決議を可決。フォルクスワーゲンの同僚との連帯も宣言し、排出ガス不正問題を非難するとともに、労働者に影響が及ばないようにすることを要求した。
最後に参加者は、2016年11月にドイツのミュンヘンで自動車産業世界会議を開催する旨決定した。
メキシコのホンダ労組、激戦の選挙に敗北
2015-10-19
メキシコの独立ホンダ労組(STUHM)は木曜日、重大な違反行為によって台無しにされた選挙に僅差で敗れ、大きな打撃を受けた。
もし勝利を収めていれば、同労組は好景気のメキシコ自動車産業で交渉権を有する、ほんの一握りの独立組合の1つになっていただろう。
同社が独立組合の結成を理由に12人の組合幹部を解雇してから5年が経過した10月15日、2,500人の労働者は、ついにSTUHMとCTM傘下組織である現行の黄色労働組合SETEAMIのどちらかを選ぶ投票に臨むことができた。
インダストリオール・グローバルユニオンとその加盟組織(カナダのユニフォー、アメリカの全米自動車労組、メキシコのロス・ミネロス)の代表も加わった国内外のオブザーバー12人から成るチームは、投票所への立ち入りと労働者への接触を拒否された。メキシコの独立労働運動や市民社会からも、50人を超える熱心な支持者が立ち会った。
今回の選挙が公正な選挙にならないことは最初から明白であり、機能不全に陥ったメキシコの労働制度の陳腐なパターンそのままに、会社と選挙管理委員会、黄色労働組合が共謀し、労働者から真の組合を選ぶ権利を奪った。
投票までの数週間に、選挙管理委員会は信頼できる有権者リストを提供せず、わずか数日前の通知で選挙を実施した。また、公正なプロセスを適切に保証することなく工場内での投票を許可し、STUHMはかなり不利な立場に置かれた。
経営側は選挙当日、組合が指名した代表3人による立ち入りを速やかに認めず、オブザーバー3人の立ち会いを許可する選挙管理委員会の決定を無視し、現行組合が労働者を威嚇するに任せた。会社側の要請で構内に機動隊が配備されたことも、背筋のぞっとするような雰囲気を生み出す一因となった。
結局、STUHMは有効票の44%を獲得しながら僅差で敗れた。同労組は、この選挙を不服として上訴することを考えている。
インダストリオールのフェルナンド・ロペス書記次長は、組合・労働者の善戦と同労組の多くの同盟者による絶え間ない支援を称賛し、STUHMをはじめとするメキシコの独立労働運動に対するインダストリオールの継続的支援を誓約した。
デジタル世界で事務技術職労働者を組織化
2015-10-15
インダストリオール・グローバルユニオンは事務技術職労働者を対象とする活動を続けており、2015年11月19~20日にバルセロナで第3回Office in your Pocket会議が開催される。
Office in your Pocketの議題は、産業におけるデジタル化の進展、ソーシャルメディアでの組織化・キャンペーン、ストレスとネット接続、新しい働き方(クラウドワーキングや自営)といった問題を網羅している。
新たな産業構造の出現により、現業と事務技術職の境界がますます曖昧になっている。かつては現業労働者が大多数を占め、事務技術職労働者は少数派だったが、今や多くの職場で状況が逆転している。この新しいタイプの労働者には女性の姿も目立つ。それでもなお、これらの人々は全員が労働者であり、労働者は誰しも組合を必要とする。
労働組合にとっての課題は、事務所や職場で常に確保できるとは限らないホワイトカラー労働者と高度熟練労働者を組織化できるようにすることである。現在、就業時間外にラップトップやスマートフォンで仕事をする傾向が強まっており、いつでも従業員に連絡がつく状況にある。この新たな現実は、組合員の組織化や保護にあたって労働組合にさまざまな問題をもたらしている。
インダストリオールは、マーティン・リンデルがスウェーデン最大の民間部門組合ユニオネンの会長に選出されたことを歓迎する。マーティンはフランスCFE-CGC Metallurgieのアン=カトリーヌ・キュドネックとともに、インダストリオール事務技術職部会の共同部会長を務めている。
このワークショップに関する詳しい情報については、インダストリオール・グローバルユニオン管理スタッフのルーベン・オルティス・パンプリンまで。電話:+41 22 308 5015、Eメール:rortiz@industriALL-union.org