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第70号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2017年8月31日)

グラスベルグ鉱山の紛争長期化で暴力事件が発生

2017-08-21

グラスベルグ鉱山でスト中の労働者

 インドネシア西パプア州にあるフリーポートのグラスベルグ鉱山で土曜日、スト中の労働者が鉱山を封鎖し、衝突が発生した。

 スト中の鉱山労働者数百人が8月19日(土)午後2時から、生産を停止して会社側に労働側と交渉させようと鉱山の入口を封鎖した。警察・警備員との衝突の際、何人かの鉱山労働者がゴム弾で負傷し、オフィスビルと車両数台に火がつけられた。警察と警備員は午後11時ごろに支配権を取り戻した。

 地元の警察署長は、秩序を維持するために軍隊が配備されると述べた。

 この封鎖は直接雇用従業員と契約労働者の両方が実施し、組合が組織または支持した行動ではない。労働者たちはストを理由に解雇され、絶望的な状況にある。

 鉱山の危機が深まる中で事態は悪化している。まだ調査中のある事件では、先週、社用車に向けて発砲があり、運転手が負傷した。グラスベルグ鉱山の労働者は今年5月1日からストを実施している。この鉱山は、アメリカの鉱山会社フリーポート・マクモランの現地子会社、PTフリーポートが所有している。同社はこれまでにスト参加労働者4,200人を解雇した。

 インダストリオール・グローバルユニオンは数カ月前から、深刻な紛争の可能性を警告してきた。グレン・ムプファン鉱業担当部長は5月に声明を発表し、次のように述べた。
 「事態は非常に緊迫している。マリカナ事件の再発を防ぐために緊急に介入する必要がある」

 現下の危機は、ただでさえ不安定な状況をさらに圧迫している。グラスベルグ鉱山はさまざまな理由で論議を呼んでおり、西パプアの主権をめぐって、時には暴力的に闘争が繰り広げられている。これまでフリーポートはインドネシア軍を警備に当たらせ、衝突で何人かが死亡した。

 インダストリオールは先ごろインドネシアにミッションを派遣し、この鉱山の社会危機を確認した。労働者と家族は収入がなく、4カ月にわたって融資や住宅、教育、医療を利用できない状況にあり、その結果、数人が亡くなったと見られる。

 事態をさらに悪化させたのは、2週間前にひどい洪水が発生し、いくつかの地域の住民が避難を余儀なくされたことである。

 このストは鉱山の支配権をめぐるフリーポートとインドネシア政府の紛争の結果である。インドネシア政府は鉱山の利権の51%を求めており、フリーポートがこの要求を拒否すると同社の輸出許可を取り消した。これを受けてフリーポートは、生産ペースを落として労働者をレイオフし始め、これがストの引き金となった。インドネシアのメディア報道によると、フリーポートは現在、政府と新たな契約を結んでいる。

 最近の衝突が発生する前の8月18日金曜日、インダストリオールはガイ・ライダーILO事務局長に書簡を送り、この危機に緊急に介入するようILOに要請した。

 ケマル・ウズカン・インダストリオール書記次長は次のように述べた。
 「インダストリオールは数カ月前から、暴力事件発生の可能性を警告してきた。グラスベルグの労働者はまさに絶望的な状況にある。私たちが再三にわたって警告したにもかかわらず、フリーポートは事あるごとに事態を悪化させてきた」
 「インダストリオールは、フリーポートがインドネシア政府との紛争で政治的な点数を稼ぐために人々の命と暮らしを弄ぶのは、卑劣な行為だと考えている」
 「今こそ、この状況に終止符を打たなければならない。当事者全員が交渉の席に着き、この危機を直ちに解決する必要がある」

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