バングラデシュ政府は労働者の権利ロードマップを実施せよ
2022-03-01
【JCM記事要約】
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2022年3月1日:インダストリオールはバングラデシュ政府に対し、3月のILO理事会までに、同国で労働者の権利を改善するためにILOが要請したロードマップを実施すべく誠意を尽くすよう求めている。
2019年、バングラデシュの労働者組織数団体が、国際労働機関(ILO)憲章第26条に基づいて苦情を申し立てた。この苦情は、結社の自由と団体交渉権に関する条約など、いくつかのILO条約の違反に関するものだった。
その結果、ILO理事会は、バングラデシュ政府が条約違反に対応する行動のロードマップを策定するよう要求した。
バングラデシュ政府は経過報告書を提出し、ロードマップの4つの優先分野(労働法改革、労働組合登録、労働基準の監督・実施、組合差別・不当労働行為や労働者に対する暴力行為への取り組み)に関する最新情報を提供した。
しかし、期限を定めたロードマップでなされた約束は、まだ果たされていない。そして、12月と1月のインダストリオール加盟組織の協議会合で、加盟組織は、ロードマップに関して開かれた会合のいずれでも意見を求められず、参加もしていないことを明らかにした。
「政府の報告から、労働組合との有意義な協議は行われていないようだ。バングラデシュの最重要部門は既製服(RMG)部門なので、インダストリオール加盟組織と有意義な協議を行う必要があるが、それは実現していない」とアプールヴァ・カイワール・インダストリオール南アジア地域事務所所長は言う。
インダストリオール・バングラデシュ協議会の要求リストは、ロードマップと足並みをそろえ、以下を盛り込んでいる。
- 賃金・残業手当の適切な支払い
- 労働組合登録プロセスの促進
- バングラデシュ労働法とバングラデシュ労働規則の(ILO条約に沿った)修正
- 労働裁判所の増設
- 業務上の負傷、失業給付、住宅・食料支援などの社会的保護
- 工業地帯における病院の設立
- 工場レベルの安全衛生・反ハラスメント委員会の設置
- 不当に労働者を狙い撃ちにする産業警察の解散
「インダストリオールはバングラデシュ政府に対し、真の社会的対話を通して労働組合、特にインダストリオール加盟組織と十分に協議したうえでロードマップを実施するために、誠実な努力を払うよう求める。政府は加盟組織の労働法修正案を検討しなければならない。RMG労働者の関心事を反映させなければならない。労働法規改正小委員会に、この部門のインダストリオール加盟組織を参加させるべきだ」とケマル・ウズカン・インダストリオール書記次長は言う。