スウェーデンでテスラの紛争が拡大
2023-11-09
2023年11月9日:電気自動車メーカーのテスラが労働協約交渉を拒否したため、スウェーデンの組合IFメタルは10月27日のスト警告を実行に移した。テスラの反組合的な態度に反対する動きが広がっており、スウェーデンの他の組合も団体交渉権を守るために連帯行動を起こしている。ノルウェーの組合が抗議に加わることになっている。
11月7日に始まった連帯行動の一環として、スウェーデンの運輸労組は、国内4カ所の主要港でテスラ車の荷降ろしを停止した。11月17日にスウェーデンのすべての港で、テスラ車の積み降ろしの完全封鎖が実施される可能性がある。
電機労組が連帯行動に加わっており、同労組の組合員は11月17日から、スウェーデンのテスラの作業場12カ所や充電ステーション213カ所で同社へのサービス提供を停止する。
不動産労組も11月17日からの封鎖を発表しており、テスラの4職場の清掃をやめる。
テスラに対する行動に最後に加わる組合はスウェーデン・サービス通信従業員組合(SEKO)で、テスラへの郵便・小包の配達を中止することにしており、声明で次のように述べている。
「IFメタルの闘いはスウェーデンの団体交渉モデルにとって重要である」
現在、ノルウェーから支援が寄せられている。ノルウェー合同産業労組は、スウェーデン製テスラのノルウェーへの輸入を遮断すると警告している。
IFメタルは、TMスウェーデン社で何年もテスラ車を修理している組合員の労働協約を取り決めようとしている。同労組の努力にもかかわらず、テスラは協約への署名を拒否し、自社のビジネスモデルに合わないと述べている。
交渉が行き詰まると、IFメタルは10月27日にテスラ所有の自動車修理工場12カ所で争議行為を開始し、その後、やはりテスラ車を修理している別の20工場も追加した。11月1日に一時的に交渉の場に戻ったが、実を結ばなかった。IFメタルの報告によると、テスラはスト破りを利用して通常どおり営業している。
アトレ・ホイエ・インダストリオール・グローバルユニオン書記長は言う。
「使用者と組合が社会的対話を行うスウェーデン・モデルは、すべての人が利益を得て、世界中の多くの国々の手本となる安定した労働市場をもたらしている。テスラの不合理な組合嫌悪は同社へのルールの適用を免除するものではなく、インダストリオールは、行動を起こしているIFメタルとスウェーデンの他の組合を強く支持する」
インダストリオール・ヨーロッパ労働組合のイザベル・バルト書記次長代理は言う。
「スウェーデンの同僚に私たちの揺るがぬ支持を確約する。彼らは団体交渉権を求めて闘うために、端的に言えば労使関係モデルを擁護するために、テスラと対決している」
転換期にある良質な製造業雇用
だが、この対立は1つの国、1つの企業の労働者・労働組合の権利擁護にとどまるものではない。
ヨーロッパが電動モビリティーのようなクリーン技術やバッテリー生産のような新興産業を正当に支持している中で、そのような投資が良質な製造業雇用をもたらすことが不可欠である。社会的基準を弱体化させて組合つぶしに関与する企業を公に支持してはならない。
「この対立は、労働者にとって公正で、この先何年もヨーロッパの産業・労使関係景観を形成していく産業転換を求める、より大きな闘いの一部だ」とイザベル・バルトは言う。
「スウェーデンならびに大陸全体で、ヨーロッパの製造労働者が良質な製造業雇用を求めて攻勢に出ているので安心してほしい」