EUシップリサイクル規則の実施強化が必要
2025-03-03
欧州委員会による最近のEUシップリサイクル規則(EU SRR)評価は、世界の船舶解撤場で危険な労働条件と環境破壊を防止するために、実施の強化が緊急に求められていることを改めて浮き彫りにしている。
欧州委員会は2月19日、EU籍船のリサイクルに適用されるEU SRRの評価を発表した。EU SRRは国際規制より高い基準を設定しているが、大きな抜け穴があるため、船主は責任を回避することができ、労働者を危険な状況にさらして持続可能な船舶リサイクルへの移行を妨げている。インダストリオール・ヨーロッパ労働組合は、これらの欠陥を補って部門の労働者全員が確固たる安全・環境基準によって保護されるようにするために、断固とした行動を要求している。
船舶リサイクルはサーキュラーエコノミーで極めて重要な役割を果たし、一般的に船の重さの75〜85%を構成する高性能鋼など、貴重な資源の回収と再利用を可能にしている。しかし、船にはアスベストや重金属、石油、水銀のような危険物も含まれている。規制を厳格に実施しなければ、これらの物質は人間の健康と環境の両方に深刻なリスクをもたらす。
国際レベルでは、2025年6月26日に国際海事機構の香港条約が発効する。EU SRRのほうが厳しい枠組みとして認められているが、EU籍船だけに適用されるため、多くのヨーロッパ所有船舶が対象外となっている。
委員会の報告は、EU SRRの主要な業績を認めている。特に、高い環境基準と労働安全基準を満たす船舶リサイクル施設のEU認可リストの作成である。このリストには、EU、トルコ、イギリス、アメリカの解撤場が掲載されている。しかし報告書は、船主が解体直前にEU域外の国に船籍変更する慣行など、重要な抜け穴も確認している。この戦術によって船主はEU安全・環境規制を迂回することができ、規制の効果が損なわれている。この評価は、危険物(IHMs)の在庫がなくなったり質が悪かったりする場合が多く、安全なリサイクルの確保を難しくしていることも強調している。
船主側は、EU SRRに列挙される解撤場の能力不足が原因で船籍変更は必要であると主張。リストを拡大し、国際基準を遵守していると主張するインドのような非OECD諸国の解撤場も含めることを支持している。
インダストリオール・ヨーロッパ労働組合は長い間、船主が労働者と環境を犠牲にしてこれらの抜け穴を利用することを防止するために、より強力な実施機構を強く要求してきた。
「船舶解撤は依然として世界で最も危険な仕事の1つであり、欧州連合は、船主の責任回避を許す規制の欠陥をなくすために緊急対策を取らなければならない」とイザベル・バルト・インダストリオール・ヨーロッパ労働組合書記次長は述べた。
「労働者を保護しなければならない」
欧州委員会は、ヨーロッパ船舶リサイクル施設リストの最新版で、ラトビアとリトアニア、トルコの3つの解撤場を削除した。報告書で船舶リサイクル部門の労働条件に関する現実の懸念が強調されているため、インダストリオール・ヨーロッパ労働組合は、これを失敗とみなしている。単にリストから現場を削除するのではなく、これらの解撤場が遵守を回復できるようにするために労働安全衛生基準と環境保護の即時改善に焦点を当てなければならない。
「EU SRRは世界の船舶リサイクル産業が目指すべき最重要基準だ」とウォルトン・パントランド・インダストリオール・グローバルユニオン部門担当部長は言う。
「しかし現在、特に9割方の船舶がEU域外の解撤場で解体されているので、この基準の対象範囲は狭すぎる」
インダストリオール・ヨーロッパ労働組合は、香港条約の完全な批准と実施を支持しているが、その基準を補強して厳格に実施し、EUの要件に適合するか上回るようにしなければならないと強調している。これに不可欠なのは、すべての労働者に結社の自由と団体交渉の権利を与えることである。労働条件を改善して安全で持続可能な船舶リサイクルを確保するには、あらゆるレベルでの真の社会的対話が欠かせない。
【原文記事URL】
https://www.industriall-union.org/stronger-enforcement-of-eu-ship-recycling-regulation-is-needed
インドの自動車労組、労働者の権利と条件を強化するために団結
2025-03-03
インドの自動車部門は急速に拡大しているが、業界の成功の背後で、労働者は低賃金や不安定雇用、危険な労働条件と闘っている。それを受けて、インドの自動車労組は3月3日にプネーに集結し、調整を強化するとともに、労働者の権利を保護するための戦略を策定した。
インダストリオール・グローバルユニオンとユニオン・トゥ・ユニオンが開催したこの全国ワークショップには、13の工場組合とインダストリオール加盟組織4団体、すなわちINSMM&EEF(INTUC)、WPTUC、SMEFI(HMS)およびSEM、それにさまざまな多国籍企業の加盟候補組合が参加、調整委員会を正式に設置し、不安定雇用への対処、賃金改善、より安全な職場を求める闘いのための明確な計画を立てた。
「インドの自動車産業は急成長しているが、この成功は不安定雇用と危険な労働条件の上に成り立っている。企業が利益を得ている一方で、労働者は代償を払っている。組合は現状を変えるために闘っている」とアシュトシュ・バッタチャリア・インダストリオール地域事務所所長は言う。
インドは世界で4番目に大きい自動車市場で、予想年間成長率は20%、2023年までに1500億米ドルのEV市場になると予測されている。これらの経済的利益にもかかわらず、労働条件は不安定なままである。
- 労働者の60〜65%が不安定・不確実な仕事に就いている。
- 賃金は低いままで、月2万5000〜5万インド・ルピー(およそ285〜570米ドル)である。
- 労働安全衛生(OHS)が主要な関心事で、労働者の20%が労働災害に遭っており、30歳未満の若年労働者が大半を占め、補償がない場合が多い。
- パンデミック下の失業により、この部門の雇用の脆弱性が浮き彫りになった。
新設の調整委員会は、明確な優先行動を設定した。
- 女性、青年および不安定労働者の代表強化によって、主要グループにターゲットを絞る。
- 団体交渉で公正な移行を取り上げる。先ごろプネーで締結された労働協約には公正な移行に関する文言が盛り込まれ、将来の協定の先例を作った。
- 部門全体で交渉の成功事例の枠組みを構築することによって、モデル労働協約を開発する。
- 勢いを維持するために定期総会と地方レベル調整を行うことによって、統治を強化する。
マルチ・スズキ、トヨタ、ボルボ、ルノー・日産、ヤマハ、ボッシュといった企業から参加した組合は、組織化努力を強化し、部門の労使関係危機に抵抗することを約束した。
「インドの自動車労組は信じがたいほど強い決意を示している。女性・若年労働者はホワイトカラー雇用と不安定雇用に就いており、労働安全衛生に関する権利がほとんどない不安定な状況で働かされている。これは単なる雇用の問題にとどまらず、この部門の労働者の尊厳、公正な賃金および未来の問題だ」とバッタチャリアは言う。
「団結することによって、不安定雇用に抵抗し、全労働者のためにより安全で安定した雇用を要求することができる」
組合は今後、調査結果をもとに今年9月までに部門のマッピングを行い、組織化戦略を練り上げて労働者の権利を向上させていく。インダストリオールは、インドで自動車労組を支援してきた10年以上の経験に基づき、強力な全国ネットワークの構築を手伝い、インドの自動車労働者が産業の未来を形成するうえで発言権を持てるようにするために尽力している。
マレーシア:女性組合幹部が危険で体に有害な労働条件を拒否
2025-03-03
2月27日のインダストリオール・マレーシア女性委員会で、インダストリオール・マレーシア加盟組織の女性組合リーダー30人が、マレーシアの製造業における危険で体に有害な慣行について焦点を当てた。
マレーシアの女性組合員によると、一部の工場では知らない化学物質が使用され、個人用保護具が与えられていないという。数名の労働者が乳がんと診断されたが、使用者は乳がんは業務に関連した病気ではないと述べた。また、製造現場で荷物を運ぶことがあり、それが原因で椎間板ヘルニアになると言う労働者もいた。
参加者は、女性が生理用ナプキンを交換する時間を求めると上司がその証明を要求し、トイレ休憩を監視するためにスキャン・システムを使用していることを指摘し、職場の男女差別を訴えた。
マレーシアの8組合のリーダーは、危険で体に有害な労働条件を拒否する行動を起こすことを約束した。彼らは、インダストリオール・マレーシア協議会女性委員会が女性労働者の声を強化し、その権利を擁護するために重要な役割を果たさなければならないことで、意見が一致した。
インダストリオール・マレーシア協議会女性委員会のイダワティ・イドラス委員長は次のように述べた:
「女性委員会は女性労働者に関する問題を議論する重要な場である。私たちには、さまざまな問題について自分の意見を述べたり、不満を表明したりする権利がある。私たちは、強力な女性リーダーシップを育成し、後継者として若い女性を訓練するために、もっと訓練を提供しなければならない。」
ジェンダーに基づく暴力とハラスメント、女性蔑視および性差別に関するインダストリオールの方針、ILO第190号条約と第183号条約の要点が会議で共有された。マレーシア労働安全衛生局(DOSH)と社会保障機関(SOCSO)の役員も出席し、苦情手続きや社会保障制度に関する情報を提供した。
インダストリオール東南アジア地域事務所長のラモン・セルテザは次のように述べた:
「2025年のインダストリオール女性デーのテーマは『労働組合の指導的立場にある女性』であり、地域事務所は女性が指導的立場に登りつめるために必要な訓練支援を提供する。私たちはマレーシアの加盟組織と緊密に協力し、安全衛生問題に取り組み、国際労働基準を求めるキャンペーンを展開する。」
アジア太平洋の自動車労組、グローバル自動車会議を前に関係強化
2025-03-04
世界中の組合が自動車産業の未来について議論するインダストリオール・グローバル自動車会議を翌日に控えた2025年3月3日、アジア太平洋地域自動車会議が開かれ、賃金、労働条件、サプライチェーンおよび組織化戦略に関する重要な討議の準備をした。
インドの自動車部門が活況を呈している中、日本、韓国、マレーシア、インドネシア、フィリピン、タイの組合が集まって経験を交換し、より強力で協調的な運動を構築した。主なメッセージは明白だった。
「多国籍企業はこれまで以上に組織化されており、組合は急速な転換を経ている産業で労働者の権利を擁護するために、しかるべく連携しなければならない」
マレーシアの輸送組合から参加したゴパール・キシュナム インダストリオール執行委員のが討議の口火を切り、地域の団結の差し迫った必要性を強調。使用者が戦略的に努力を調整している一方で、組合は分裂したままであり、効果的に交渉してサプライチェーンの状況を改善することが困難になっている、と警告した。彼はインダストリオール・グローバルユニオンを代表して、加盟組織がインドに結集してくれたことに感謝し、交渉力を強化するには協力が重要だと強調した。
全日本金属産業労働組合/JCMの平川秀行氏も同様のメッセージを伝え、アジア太平洋地域の比類のない多様性は強みであると同時に課題でもあると強調した。
「労働法、経済構造、産業に大きな違いがあるため、共通戦略を実施することは難しいが、それでも組合は、団体交渉と労働者の権利に関する努力を調整する方法を見つけなければならない」
韓国金属労組(KMWU)のチョン・ヘウォン氏が、現代、起亜、ルノー韓国など、インドで韓国系自動車メーカーが存在感を高めていることに注意を喚起した。この拡大は雇用を創出しているが、課題ももたらしており、多くの労働者が不安定雇用や低賃金、劣悪な条件に直面している。これは韓国の組合が本国で取り組んでいる問題と同じである。
彼女はKMWUの成功例を引用し、賃金不平等を削減して状況を改善するための基本戦略として、産業別交渉を強調した。韓国の組合は、2交代昼日勤制による夜勤の廃止、労働者の健康とワーク・ライフ・バランスの改善など、大勝利を達成した。彼女は、現代、起亜および韓国GMとの労働協約によって賃上げ、利益分配制、労働時間短縮を確保したことも指摘した。
チョン氏は賃金の問題にとどまらず、大手自動車メーカーとサプライヤーとの収益格差が拡大しており、公正な労働基準の実施が困難になっていることも警告。国境を越えた連帯を呼びかけ、韓国とインドの組合に対し、一致協力して多国籍企業に責任を負わせ、オートメーションと電気自動車化の時代に公正な移行を強く要求するよう促した。
自動車総連の徳田和宏氏が賃金と公正貿易の問題をさらに強調し、大手自動車メーカー・小規模サプライヤー間の賃金格差解消に向けた日本の取り組みを概説した。自動車総連は78万4000人の組合員を代表して、先頭に立ってより強力な賃金協定を確保している。
自動車総連は2024年、物価上昇と労働者不足に対処し、1992年以降最大の賃金改善を取り決めた。2025年の春闘では、中小企業がコストの上昇を転嫁し、公正な賃金を支払えるようにすることに重点を置いている。徳田氏は、不公正なサプライチェーン慣行が中小企業の賃上げを妨げ、労働者への投資を困難にしていることも力説した。これに対処するために自動車総連は、「適正な価格転嫁」制度によって賃上げと企業投資が労働者に直接利益をもたらすようにすることを強く要求している。
自動車総連は、アセアン諸国、メキシコその他の国々において、特に日系多国籍企業のサプライチェーンで労使関係の強化と労働者の権利保護を目指す2030年ビジョンも導入した。世界の自動車サプライチェーンの条件改善には、日本とインド、その他の地域の組合間協力の強化が不可欠だ、と彼は強調した。
東南アジアの組合は異なる課題に直面している。マレーシアNUTEAIWのゴパール・キシュナム氏が、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイの不安定雇用、低賃金および劣悪な条件について報告した。
「自動車産業は拡大しているが、多くの労働者は相変わらずほとんど保護のない不安定な仕事に就いている」
キシュナム氏は、組合が団体交渉と労働者の権利に関する情報を共有するために、より強力な地域ネットワークと専用プラットフォームを要求した。アジアにおけるグローバル枠組み協定(GFA)実施の取り組みも紹介した。この取り組みは、域内で活動している多国籍企業の最低限度の労働基準を設定するだろう。
もう1つの差し迫った課題は依然としてジェンダー不平等である。この産業では男性が優位を占めているため、女性は参入障壁や低賃金、指導的地位に就く機会の制限に直面している。組合は女性参画を改善し、主要な意思決定プロセスに女性を参加させるために行動を起こさなければならない、とキシュナムは強調した。
この問題は、アルメル・セビー・インダストリオール女性担当部長の主導により、自動車部門の女性に関する特別セッションでさらに掘り下げた。この部門では女性の割合が著しく低く、世界の労働者の9%にすぎない。
インドネシアでは、女性の40〜60%が生産や品質管理、スタッフの仕事をしており、男性が肉体的にきつい高賃金の仕事を占有している。フィリピンでは、女性は精密組立作業に割り当てられ、男性は持ち上げや作動の仕事をこなしている。
組合は、生理休暇や出産手当、ジェンダーに基づく暴力に対する保護など、より強力なジェンダー包括的政策を強く要求している。また、労働組合で女性指導者を増やし、交渉や職場方針に女性の声を反映させるためにも取り組んでいる。
アジア太平洋会議の終わりに、ゲオルク・ロイテルト・インダストリオール自動車担当部長が、グローバル自動車会議前の地域調整の重要性を強調した。インドが主催国に選ばれたのは世界の自動車産業で同国の重要性が高まっているためであり、プネーで議論した戦略は組織化と公正な移行、サプライチェーンの説明責任に関するグローバルな討議を方向づける、と同部長は参加者に念押しした。
より良い賃金、より安全な条件、より強力な組合ネットワークのための闘いはグローバルな闘いだと部長は述べ、参加者にプネーで得られた勢いに乗るよう促した。
「これは耳を傾け、学び、行動を起こすチャンスだ。一致団結することでさらに強くなり、あらゆる場所の労働者のためによりよく闘うことができる」
一時のものではなく、運動を:2025年の国際女性デー
2025-03-07
「毎年3月8日になると、企業は男女平等に関するメッセージを掲げる。政府は演説を行い、職場では花が配られ、私たちはよく『お祝い』について語る。しかし、行動はどこにあるのか?変化はどこにあるのか?国際女性デーを空虚な言葉やジェスチャーに終わらせてはならない。動員し、闘い、前進する日でなければならない」と、インダストリオール書次長のクリスティーナ・オリビエは言う。
「女性労働組合員にとって、この闘いは1日だけの問題ではない。平等な賃金、安全な職場、労働組合の指導的地位に就く権利を求める日々の現実の問題なのだ。障壁を打破し、他の人々を助けながら自分自身も向上し、次世代の女性労働組合員が同じ闘いを何度も繰り返す必要がないようにすることなのだ。」
私たちの闘いは24時間で終わるものではない。一生続くのだ。私はそれを経験してきたから、それを知っている。
私は1987年、南アフリカの電子工場で労働運動の道を歩み始めた。 職場委員、支部リーダーを経て、後にNUMSA西ケープ州支部初の女性地域議長に就任した。 私は、女性がリーダーシップを発揮することの意味と、その際に直面する抵抗を直接的に経験してきた。
また、誰もが単独で成功を収めることはできないことも知っている。私たちが成し遂げてきた進歩は、メンターシップ、連帯、集団行動を通じて勝ち取ってきたものだ。だからこそ、今日だけでなく、毎日、前進し続けなければならないのだ。」
メンターシップ:持続的な変化のための女性リーダーシップの構築
インダストリオールでは、持続的な行動、連帯、リーダーシップ開発を通じて変化が起こることを知っている。だからこそ、私たちのメンター・プログラムは単なる研修にとどまらず、組合や産業内で変化を推進する強力な女性リーダーを育成する運動なのだ。
かつては指導者としての自身の能力に疑問を持っていた女性たちが、今では重要な役割を担うようになっている。ガーナのミルドレッド・ナア・アドリー・アドーは、メンター・プログラムが彼女のリーダーシップに対する自信をどのように変えたかを次のように語っている。
「このメンター制度のおかげで、私の自信度はこれまでの3から6.5にまで上がった。私はまだ学んでいる最中だが、今はためらうことなく前に進む。以前ならパニックになってリーダーになる機会を避けていたが、今は正面から立ち向かうようになった!」
メンターシップは個人を成長させるだけでなく、波及効果を生み出す。ガーナ出身のトレーシー・ファウスティナ・ダドソンは、メンティーとして、すでに職場で別の若い女性を指導している。
「メンターシップ・プログラムは、その投資に見合う価値がある。同じ女性メンティーたちを見ると、影響を受けた地元の組合や家族の姿が見える。私はすでに職場で若い女性を指導し始め、自分が学んだことを伝えている。もっと多くの取り組みが必要だ。」
女性たちがリーダーシップの役割を担う姿を自分自身に見出し、支援を受けていることを知り、労働組合の組織構造を把握する手段を与えられると、彼女たちは内部から体制を変えていく。これが、排除のサイクルを断ち切り、闘いを前進させ続ける方法なのだ。
公正な賃金と経済的正義:単なる言葉以上のもの
メンター制度だけでは十分ではない。女性は経済的な安定と経済的な自立も必要だ。賃金平等の実現は、私たちが最も力を入れている取り組みのひとつである。なぜなら、私たちが代表するあらゆる分野において、女性の賃金は依然として同等の価値を持つ仕事に従事する男性よりも低いからだ。
トレーシー・ファウスティナ・ダドソンがメンターから学んだように、交渉するだけでは十分ではない。実施が鍵となる。
「交渉は終わりのない旅である。人々の福利厚生に関する政策はきちんと文書化されるべきであり、私たちは、すべての労働者が正当なものを手にできるように見守る番人でなければならない。」
組合は、団体交渉の主要な部分として、賃金の平等を要求し、交渉しなければならない。政府は、平等な賃金を保証する法律を施行する責任を負わなければならない。この闘いを報告や約束だけに終わらせるわけにはいかない。行動が必要だ。
職場におけるジェンダーに基づく暴力の根絶:これ以上沈黙せず、これ以上恐れず
職場におけるジェンダーに基づく暴力や嫌がらせ(GBVH)が根絶されない限り、職場は真に平等になることはない。女性が安全でないと感じたり、尊重されていないと感じたり、恐怖によって沈黙させられたりしているようでは、女性が力を得ることはできない。
インダストリオールでは、ILO第190号条約を世界中の職場で現実のものとするために闘っている。労働組合が安全な職場を要求する上で主導権を握らなければならないため、GBVHを根絶するための包括的な政策を策定した。
タンザニアのマリア・ジョン・バンゲは、メンターシップが困難に直面しても自分の立場を主張する自信を与えてくれたと語る。
「私のメンターは、どんな困難に直面しても前進し続けなければならないと教えてくれた。彼女のおかげで、リーダーシップとは許可を待つことではなく、行動を起こすことなのだと理解できた」
女性は安全な職場を求めて一人で闘う必要はない。労働組合は強力な保護を交渉し、使用者に説明責任を負わせ、被害者を支援しなければならない。すべての女性は恐れずに働く権利がある。
止むことのない運動
職場や組合における女性の人権を求める闘いは、1日で終わるものではない。祝うことではなく、抵抗し、力を得て前進することなのだ。
インダストリオールでは、私たちは単に国際女性デーを祝うだけでなく、未来のために動員する機会としている。 メンター・プログラム、同一賃金獲得の闘い、GBVHの根絶キャンペーンは、その場限りの取り組みではなく、成長を続ける運動の基盤である。
「私たちの組合の女性たちへ:あなたの闘いは重要であり、あなたのリーダーシップが必要とされている。そして、あなたは一人ではない。
すべての女性リーダーへ:あなたが成功すれば、他の人も成功する。あなたに続く人々を指導し、支援し、擁護していただきたい。
次世代へ:一歩を踏み出し、自分の居場所を主張しよう。そして、私たちがあなた方の味方であることを知って頂きたい。」
「これは一日限りのイベントではない。これは運動である。そして、私たちは決して立ち止まらない!」
【原文記事URL】
https://www.industriall-union.org/a-movement-not-a-moment-international-womens-day-2025
男女賃金格差と闘う労働組合のための新しいツール
2025-03-07
025年3月8日、インダストリオールは加盟組合向けに新しい賃金平等の訓練モジュールを正式に開始する。この実践的なツールは、労働組合が団体交渉に備えるのに役立ち、賃金交渉の中心に仕事の価値を据えることを可能にするはずである。このモジュールは、そのまま使用できるほか、スライドやトレーナー用のメモも含まれている。このモジュールはフリードリヒ・エベルト財団(FES)の支援を受けて開発された。
このモジュールは、インダストリオールが2022年に発表したツールキットに基づき、男女賃金格差を解消するための3つの重要な戦略に焦点を当てている。
- 賃金の透明性と男女賃金格差報告:男女賃金格差をどのように計算するか?何を報告すべきか?男女賃金格差報告を促進するために組合は何ができるか?
- 性別に中立な職務評価:女性の持つ技能がどのように過小評価または見落とされているか?2つの異なる職務の価値を比較するにはどうするか?職務評価・分類の策定における性別による偏りを避けるにはどうするか?
- 生活賃金を求めるキャンペーン:生活賃金と女性の低賃金解消を求めるキャンペーンや交渉をどのように行うか?
昨年9月、インダストリオールはすでに、これらの新しいモジュールを使用して、サハラ以南のアフリカの加盟組織を対象に研修を実施し、最近ではトルコでも実施した。
サハラ以南のアフリカでの研修後、労働組合はウガンダ、ガーナ、ケニアの複数の企業で調査を実施し、男女賃金格差を評価した。労働組合は、現在進行中の団体交渉にこの問題を取り入れ、女性に均等な機会を確保するために、ジェンダーに配慮した人事政策、給与見直し、透明性のある昇進基準を提唱した。
「これらのモジュールは、男女賃金格差の解消を交渉するための実践的なツールを労働組合と団体交渉チームのメンバーに提供している。私は彼らにこの新しいツールを使うよう勧めている。これは各国の状況に容易に適応できる」
と、インダストリオールのジェンダーおよびホワイトカラー労働者担当部長のアルメル・セビィ氏は言う。
団体交渉は、賃金平等の達成と透明性のある賃金制度にとって重要な手段である。研究によると、この問題について労働組合が団体交渉を行うと、男女賃金格差が縮小することが分かっている。
【原文記事URL】
https://www.industriall-union.org/a-new-tool-for-trade-unions-to-fight-the-gender-pay-gap
北京+30でジェンダー変革を促す社会契約を求める
2025-03-07
来週開催される第69回国連女性の地位委員会(CSW69/北京+30)を前に、グローバル・ユニオンはジェンダー平等を実現する新たな社会契約を求め、世界中でジェンダー平等と労働者の権利を守るための行動が急務であると強調している。
経済的不平等、気候変動、技術的混乱など、さまざまな危機が交差する状況を背景に、グローバル・ユニオンは、既存の経済システムが差別、搾取、不平等を常態化させ、働く女性に不利な影響を与えていると主張している。結社の自由と団体交渉権は、職場での民主主義を促進し、公正な賃金を確保し、女性のリーダーシップを推進するために不可欠である。私的利益よりも累進課税と人権を優先することで、ジェンダー平等を支える公共サービスやインフラへの資金調達を増やす余地が生まれる。
グローバル・ユニオンによる「北京+30宣言」の5つの主要要求:
社会正義、民主主義、平和のための男女平等
民主主義は権威主義体制からの脅威にさらされつつあり、一方で、ジェンダーに基づく差別、暴力、外国人嫌悪は増加の一途をたどっている。宣言は、結社の自由や団体交渉、同一賃金、女性リーダーシップへのアクセスを含む基本的権利の保護を約束しなければならない。さらに、紛争地域で女性が直面する特有の課題に対処し、和平交渉への女性の参加を促すことも必要だ。
人権としての女性の労働権
すべての政府は、強制労働の撤廃、安全な労働条件の確保、雇用における性差別撤廃など、ILOの基本原則を支持しなければならない。普遍的な社会保護制度、有給の育児休暇、無償のケアワークを認める政策を確立することは、女性の経済的公正を実現するために不可欠である。
女性のためのディーセント・ワーク
ジェンダー平等を達成するためには、政府は2030年までに5億7500万の新たなディーセント・ワークを創出することに投資しなければならない。特にケア分野において投資が必要だ。雇用におけるジェンダー転換的なアプローチには、公正な賃金、非正規雇用の正規化、そしてすべての女性に対する職場での保護の確保が含まれなければならない。また、デジタル移行も規制し、自動化が女性に不均衡な不利益をもたらすことを防ぐ必要がある。
同一価値労働同一賃金
根強く残る男女間の賃金格差は、貧困の女性化を推進する主な要因である。賃金平等の法律の施行、賃金の透明性に関する政策の実施、科学・技術・工学・数学(STEM)などの伝統的に男性優位の分野への女性の参加支援など、格差を解消するための体系的なアプローチが必要である。
職場におけるジェンダーに基づく暴力やハラスメントのない職場
職場における暴力やハラスメントに対処するILO条約第190号の批准と実施は優先事項である。 家庭内暴力の被害者を支援し、加害者に対して説明責任を負わせる強固な職場方針が必要である。 また、防止プログラム、法的保護、暴力防止のための公共サービスへの投資も必要である。
「ジェンダー平等への挑戦が増加する中、私たちは北京+30宣言が構造的障壁に対処し、女性の労働権を擁護する具体的な公約を提示しなければならないと主張する。ジェンダー変革的なアジェンダを採用することで、各国政府はより公正で包摂的、持続可能な労働の世界を創出する機会を得る。今度のCSW69会合は、持続的な社会・経済的変化に向けて断固とした行動を取る重要な瞬間となる」と
インダストリオール書記次長のクリスティン・オリビエは述べている。
インダストリオールは、拘束力のある協定による繊維・衣料産業の女性労働者の救済をテーマに、国連社会開発会議の期間中にサイドイベントを開催する。何十年もの間、グローバル・サプライチェーンは組織的な人権侵害に悩まされてきた。自主規制は労働者を弱い立場に置き去りにし、実質的な変化をもたらすことができなかった。グローバル企業と労働組合間の交渉による協定という強力な代替策がある。特に拘束力のある協定は、説明責任を確保し、労働者の権利を保護し、ジェンダー変革的な解決策を促進する。
【原文記事URL】
https://www.industriall-union.org/a-call-for-a-gender-transformative-social-contract-at-beijing30
ネクスペリア・フィリピンの組合が3日間のストを経て勝利
2025-03-10
ネクスペリア・フィリピン労組は、労働者1000人による74時間のストの結果、3年にわたる50フィリピン・ペソ(0.87米ドル)の賃上げとともに、組合指導者メアリー・アン・カスティーリョ(会長)とガーリー・バタッド(組合役員)の復職を確保した。
ストは3月6日にネクスペリア生産エリアとラグナ経済圏の外で始まった。会社側は直ちに、生産エリアの労働者が食料と医薬品を入手できないようにした。3月8日に和解が成立し、同社はスト中の労働者に対して報復行為をしないと約束した。
ストに至るまでに、組合は21回交渉したが不成功に終わり、さらに3回の調停審理もあった。組合は組合員への状況説明を実施したが、同社は会長を含む4人の組合役員を解雇し、会社の出入口を封鎖したとして彼らを非難した。
組合は何度かスト通告を提出し、労働雇用省(DOLE)での調停会合に出席したが、具体的な成果はなかった。同労組は、この労働争議への労働長官の介入が失敗したことも批判した。
ネクスペリア・フィリピン労働者を代表するフィリピン金属労働者同盟(MWAP)のジュリアス・カランダン書記は次のように述べた。
「労働者は交渉権と不当解雇された組合役員4人の復職を求めて闘ったのだから、ネクスペリアのストは正当と認められる。ネクスペリア経営陣は、DOLE当局者がいる場でさえ、この問題の解決に役立つ可能性があった以前の立場を翻すと主張し続け、交渉で理屈に合わない言動をしている。これを受けて、労働者は団結した強力な集団行動を開始した」
ラモン・セルテーザ・インダストリオール東南アジア地域事務所所長は次のように述べた。
「インダストリオールは、組合つぶしに対抗し、適正な労働協約を求めて闘うネクスペリア・フィリピン労働者と連帯している。ネクスペリアに対し、残り2人の組合役員を復職させ、誠意を持って組合と労働協約交渉を行うよう求める」
【原文記事URL】
https://www.industriall-union.org/union-win-at-nexperia-philippines-inc-after-three-day-strike
ピレリ・メキシコの労働者、公正な組合選挙を要求
2025-03-11
独立メキシコ労働者連盟(ラ・リーガ)の組合員約1000人が、ピレリ・タイヤで労働協約交渉を行うために公正な組合選挙を要求している。
労働者はピレリ・メキシコに対し、グアナフアト州シラオの工場で自由公正な組合選挙を保証し、労働者が団体交渉プロセスで自分たちを代表する組合を選べるようにすることを求めている。
しかし労働側の主張によると、ピレリ経営陣は現在の組合、メキシコ労働組合連盟(CTM)傘下のミゲル・トルヒーヨをあらゆる面で有利に扱っている。労働者たちは、経営側は労働者に嫌がらせをし、間違った情報を与え、契約上の利益を取り上げると脅迫しており、ミゲル・トルヒーヨの組合員も自分たちの活動を妨害している、とも述べている。
13年間ピレリで働いているスサーナ・エルナンデス・メレンデスはこう述べた。
「私たちは、すべての労働者が労働協約の下で受け取る利益を改善すべく闘っている。この会社は間もなく14周年を迎える。CTM傘下組合のせいで、私たちはまだ何も利益を受け取っていない。ラ・リーガの組合員増加に取り組んでいるが、CTM組合員は絶えず私たちの活動を妨害しようとしている」
ピレリ・メキシコは裁判官を説得して、団体交渉プロセスで労働者を代表するために立候補するというラ・リーガの請願を却下させようとし、ラ・リーガには立候補に十分な組合員がいないと事実に反する主張をしている、とも労働者たちは言う。投票を遅らせるために、同社で1人の労働者も代表していない組合を団体交渉プロセスに引き込もうとする試みもあった。
ピレリが抵抗しているのは、メキシコのゴム産業を対象とする組合契約を適用したくないからだ、とラ・リーガ組合員は考えている。ゴム産業はメキシコで数少ない部門別契約がある産業の1つであり、疑う余地なく労働者に大きな経済的利益と仕事関連の利益を提供している。
メキシコのすべてのゴムメーカーが組合契約の適用を義務づけられているにもかかわらず、ピレリなど一部の企業はその実施を回避している。それどころか、経済的利益と労使関係の面ではるかに劣る労働協約を押し付けている。
やはり13年間ピレリで働いてきたファン・カルロス・バリエント・ラミレスは言う。
「これまでずっと、会社と今の組合は私たちに組合契約を隠してきた。ピレリは全世界に19の工場があり、この工場は2番目に生産性が高いが、賃金は最も低い。だから、私たちは組合契約の適用を求めて闘っている。目標を達成して労働者としての権利を取り戻すまで、休むことはない」
2024年中ごろ、労働者はアメリカ・メキシコ・カナダ協定(USCMA)の労働章に定める緊急対応メカニズムに基づいて請願書を提出した。米国代表団は、メキシコのゴム産業の組合契約が適用されていないため、労働者は権利を奪われていると判断した。
しかしメキシコ政府は異なる判断を下し、同社は組合契約で規定される2、3の経済的利益を労働協約に統合するだけでよく、部門別組合契約を完全に適用する必要はないと述べた。
それを受けてピレリ労働者は、自分たちに合った組合を民主的に選べるように組合選挙の実施を目指しており、同社で組合契約の完全適用を要求するために、団体交渉プロセスで組合代表を勝ち取りたいと考えている。
アトレ・ホイエ・インダストリオール・グローバルユニオン書記長は、ピレリ・メキシコCEOのエンリコ・ベルディーノとメキシコ当局に書簡を送り、グアナフアト州シラオの工場で自由公正な選挙を保証するよう求めた。
「貴殿は、ピレリ・タイヤで組織化される可能性があるすべての労働者が、メキシコ労働法および国際条約の原則に基づいて、十分な情報を元に自由に無記名で投票権を行使できるようにしなければならない、とインダストリオールは考えます。結社の自由と団体交渉を促進する国際労働機関第87号および第98号条約の遵守を要求します」
【原文記事URL】
https://www.industriall-union.org/workers-at-pirelli-mexico-make-call-for-fair-union-elections
インダストリオールはバングラデシュ暫定政府に対し、ロードマップの精神を維持するよう求める
2025-03-13
今週月曜日、ILO理事会は、2019年にILOに提出されたILO第81・87・98号条約の順守違反に関する苦情を受けてバングラデシュ政府が作成したロードマップの実施に関するバングラデシュ政府の最新進捗報告書について議論する。しかし、今回も進捗報告書は、統計に重点を置いており、必ずしも労働者の権利に関する国内の前向きな変化を示しているものではない。
ロードマップは、取組みの優先分野として次の4つを挙げている。すなわち、(i) 労働法改革、(ii) 労働組合の登録、(iii) 労働監督および施行、(iv) 反組合的差別行為/不当労働行為および労働者に対する暴力への対処である。バングラデシュ政府(GoB)は、4つの柱に関して実施された作業の進捗状況について、毎年2回ILOに報告することが義務付けられている。
2025年2月17日付の最新のGoB報告書には、バングラデシュ労働法の改正が2025年3月までに完了する予定であると記載されているが、これは実現しそうにない。
インダストリオール加盟組織は一貫して、多くの勧告がこれまで考慮されてこなかったことを指摘してきた。GoB報告書はまた、労働者の懸念に対処するために昨年9月に締結された18項目の三者合意に言及し、それを大きな成果として賞賛しているが、加盟組織は、この合意の実施が産業分野によって異なっていることを懸念している。
政府が労働組合登録手続きを簡素化すると約束していることについて、インダストリオール加盟組織は、GoB報告書の主張とは逆に、オフライン申請システムはオンラインシステムと分離されていないと指摘している。オンライン申請を提出した後、3日以内に申請書のハードコピーを提出することが義務付けられており、それを怠るとオンライン申請を再提出しなければならない。
さらに、申請の処理には、法律で義務付けられた55日間よりも長い時間がかかることが多い。また、GoB報告書によると、2020年7月から2024年12月にかけて、労働者を含む4万6,000人が登録手続きに関する研修を受けたが、同国の既製服労働者の80%以上を代表するインダストリオール加盟組織は、そのような研修についてほとんど知らないままである。
バングラデシュ政府の報告書によると、2024年7月から12月にかけて合計15,576件の検査が実施されたと述べている。これは、期間中毎日約85件の検査が実施されたことを意味する。特に、報告書によると441人しかいない労働検査官の数と、検査の前後に実施すべき業務の種類を考慮すると、検査件数は非常に疑わしい。
労働裁判所の未処理案件の解消に関する行動計画について、インダストリオール加盟組織は、労働裁判所が依然として十分な数の裁判官や検察官を欠いたまま運営されていると指摘し、国内の他の工業地域と比べて工場が少ない地域に新たな裁判所を設置しても無意味だと述べている。
労働組合に対する差別、不当労働行為、労働者に対する暴力に対処するという行動計画に関して、政府の関心は研修プログラムにのみ向けられているように見えるが、その成果は報告書のどこにも記載されていない。さらに、これらの研修プログラムのカリキュラムを策定するにあたり、労働組合との協議は一切行われなかった。
インダストリオール書記長のアトレ・ホイエは次のように述べている。
「インダストリオールは、バングラデシュ暫定政府に対し、インダストリオール加盟組織と協議を行い、ロードマップのすべての項目を実行するよう強く要請する」
インダストリオール第4回大会、2025年シドニーで開催
2025-03-13
インダストリオール・グローバルユニオンは、2025年11月4~7日、オーストラリア・シドニーで第4回大会を開催することをここに発表する。「組織化で公正な未来を」という統一スローガンのもと、この大会では世界中の労働組合代表が集まり、仕事の未来について議論し、基本的権利と社会正義に対する集団的なコミットメントを強化する。
本大会では、2025年~2029年のインダストリのアクション・プランを議論し、採択する。このプランは、拡大する不平等と闘い、労働者の権利を促進し、グローバル・サプライチェーンにおける組織化を通じて労働組合の力を強化するための戦略的目標と行動を提示する。また、キャンペーンを通じて資本を最大限に活用し、公正な移行を通じて未来を形成することに重点を置き、持続可能な産業政策、エネルギー転換、産業部門における男女平等を提唱する。
重点分野には、不安定雇用との闘い、公平な経済成長の確保、公正な利益分配の促進などが含まれる。
「組織化は私たちの活動のすべてにおいて中心であり、持続可能な労働組合運動にとって不可欠である。第4回大会では、強力な組織化を通じて労働者を強化するという私たちの強い決意を反映する。大会では、自動化が雇用に及ぼす影響、包括的な技能訓練の必要性、全産業にわたる公正な労働基準の徹底など、重要な課題に取り組む」
と、アトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は述べた。
「シドニーでのインダストリオール大会の開催は、オーストラリアの労働組合が労働者の権利擁護において果たす積極的な役割を評価するものである。このイベントは、オーストラリアとニュージーランドの加盟組合の惜しみない支援により実現した。また、ニューサウスウェールズ州政府の貴重な支援にも感謝の意を表したい」
開催加盟組合は以下の通り:
- オーストラリア製造労組(AMWU)
- オーストラリア労働組合(AWU)
- 鉱山・エネルギー労働組合(MEU)
- オーストラリア電気通信・電子・エネルギー・情報・郵便・配管・関連サービス労働組合(CEPU)
- CFMEU製造部門(CFMEU-MD)
- E Tu (ETU)
- ファースト・ユニオン(FIRST UNION)
- パルプ・紙労働組合(PPWU)
代議員は、協調戦略を推進し、ベストプラクティスを共有するための一連のセッションに参加する。大会は、参加者が現代の労働環境の複雑さを効果的に乗り切るために必要なツールと知識を習得することを目的としている。
さらに、大会は、インダストリオールとグローバル労働運動の成果を祝う場となり、世界中の労働者の不屈の精神と連帯を称える機会となる。
「シドニーに集う準備を進める中で、私たちは、労働者の権利と尊厳が守られ、強力な労働組合を通じて経済的進歩が公正に共有される未来を築くことを約束する」
とアトレ・ホイエは述べた。
第4回インダストリオール世界大会の詳細と参加登録については、公式ウェブサイトを下記より参照のこと。
【原文記事URL】
https://www.industriall-union.org/industriall-4th-congress-in-sydney-2025