重要なお知らせ

2017年最低賃金連絡会議ひらく(2017年1月25日、品川区・きゅりあん)

2017年02月01日

2017年最低賃金連絡会議ひらく

2017年度特定(産別)最賃取り組み方針を確認

加盟5産別から最低賃金担当者ら約280名が出席

 

2017年度最低賃金連絡会(2017年1月25日、品川)

2017年度最低賃金連絡会(2017年1月25日、品川)

 金属労協(JCM)は、2017年1月25日午後、東京・品川の「きゅりあん」で、加盟5産別の中央・地方の最低賃金担当者ら約280名出席の下、金属労協2017年最低賃金連絡会議を開催し、2017年度特定(産別)最賃取り組み方針などを確認した。

野中労働政策委員長挨拶要旨

 会議では、冒頭、野中副議長・労働政策委員長から、大要以下の通り挨拶を受けた。 

挨拶する野中副議長(労働政策委員長)

挨拶する野中副議長(労働政策委員長)

* 格差や不安定雇用の問題は、国際労働運動の中心課題である。格差問題の解決策として、海外の最低賃金が引き上げられている。フランスが1,200円程度、ドイツやイギリスは1,000円程度となっており、アメリカでも州単位の最低賃金が引き上げられ、段階的に15ドルをめざす地域もある。日本の2016年の地域別最低賃金は平均823円となったが、まだまだ引き上げなければならないし、一番高い東京と一番低い地域では、218円もの差ができていることも課題である。

* 特定(産業別)最低賃金と地域別最低賃金の差が年々縮小しており、今後も続く可能性があると危機意識を持っている。特定(産業別)最低賃金は、業種別の基幹的労働者の入口賃金である。同一労働同一賃金の論議では、不合理な格差をなくすことが求められている。仕事の違いに応じた産業別・職種別の賃金を考えなければならない。また、同一労働同一賃金の検討会の中間報告では、日本では産業別労働協約がないので格差が大きいことを指摘し、労使が企業の枠を超えて、同一労働同一賃金の基盤を形成することに期待している。これをチャンスと捉えて取り組みたい。

* 2017年闘争でも底上げ・格差是正のため、企業内最低賃金協定の締結拡大と引き上げに取り組んでいる。これは企業内だけでなく、地域における未組織労働者に波及させ、処遇改善につなげる取り組みでもある。金属産業は、特定(産業別)最低賃金の適用労働者の9割をしめ、多大な影響力を持っている。重要な取り組みと位置づけ、理論強化や教宣資料の充実、国会議員・マスコミへの働きかけも実施していく。

須田連合総合労働局長挨拶、2017年度特定(産別)最賃取り組み方針の提案と確認

須田連合総合労働局長

須田連合総合労働局長

井上金属労協事務局次長

井上金属労協事務局次長

須田連合総合労働局長からは、「最低賃金における動向と課題」と題して、2016年度の最低賃金の決定状況と課題、経団連「経労委報告」における経営側の主張のポイント、目安制度のあり方に関する全員協議会の検討状況、連合「2017最低賃金に関する取り組み方針」について報告をいただいた。

 続いて、井上事務局次長から「2017年度特定(産業別)最低賃金の取り組み方針」を報告し、全体討論を行った。    → 2017年度特定(産別)最賃取り組み方針

参加者からは、

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* 各地域では、審議会以外の場でも使用者側に理解を深める活動を行っている。しかし、当該企業労使が委員であるところでは実施できているが、中小企業の代表者や経営者協会から出席している使用者側委員とはそうした場が持てていない。すべての地域で、労使が審議会の事前に話し合いができる場の設定ができるよう、金属労協より働きかけてほしい。

* 電機連合では、特定(産業別)最低賃金が基幹的労働者のミニマム賃金という役割であることから、基幹的労働者の入口賃金の基準と位置づけ、より絶対額を重視した取り組みを進めている。旧『法定産業別最低賃金』の頃から金属労協はその中心となって、制度の継承・発展に向けた取り組みをしてきた。喫緊の課題も踏まえ、中期的な特定(産業別)最低賃金に対する考え方を早急にまとめる必要がある。

* 連合大阪では、『特定(産業別)最低賃金の在り方委員会』を設置し、議論を行っている。一定の熟練形成を経てきたものを『一人前労働者』として定義し、これを基幹労働者として捉えていくのも一つの方法ではなかろうか。特定(産業別)最低賃金は、わが国で唯一ともいえる企業の枠を賃金決定システムであり、私たちが目指す社会的横断化を推進できる唯一の装置である。この運動を継続し、さらに強化していきたい。

* 金属労協で今後の特定(産業別)最低賃金の在り方に関する中期的な方向性を議論している結果を産別に展開し、説明・理解しやすい資料の提示をあわせてお願いしたい。

* 今後のあり方について引き続き検討いただき、あせて地域にあった取り組みやすい検討材料をご提示していただきたい

等の意見が出された。

 最後に、中央最低賃金審議会委員の冨田氏・萩原氏・木住野氏、野中労働政策委員長より、コメントをいただき、今後とも連携を強化して取り組んでいくことを確認した。

コメントする産別最賃委員

コメントする中央最低賃金審議会委員

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