第48回定期大会 |
JCはグローバル金属労働者ファミリー
ユルキ・ライナIMF書記長
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皆さん、おはようございます。私の大変大事な友人であり、同僚であるペッカ・アロがこのようなことを言ったことがあります。「フィンランドと日本の労働組合というのは何か馬が合うよね。なぜなのだろうね」と言ったことがあります。なぜなのでしょう。もしかしたらフィンランド人も日本人もわりと内気で、そして初めての慣れない環境の中では自信の無い気持ちになるのでしょうか。 5月のIMF世界大会で書記長に選出、JCの支援に感謝 お陰様をもちまして、今年の5月の末に、スウェーデン・イェテボリのIMF世界大会でIMFの書記長に選んでいただきました。IMF-JCの皆様のご支援に感謝します。ありがとうございました。その時、日本から多くのJC代表団がいらして、嬉しかったのはその中に多数の女性の方がいらしたことです。しかもその方たちに本日この会場でもお目にかかれて本当に嬉しいです。ありがとうございます。 IMFアクションプログラムの5つの優先課題 今回のIMF世界大会では2009年から13年までのアクションプログラムというのが採択されましたが、そのアクションプログラムに沿って、これから5つの優先課題を実行していきたいということで、そのお話を中心にさせていただきます。 @ネオリベラルなグローバリズムを乗り越える新しい経済モデルの構築を
現在の金融・経済危機において、全世界の労働組合は自分たちの組合員、そして家族の雇用を守るために大変な努力をしています。これは政府に対して、また企業に対して働きかけるということを意味しています。 A不安定雇用に反対する世界行動デーに共に参加を
第2として、世界の金属労働者たちが10月にグローバルアクションウィークと銘打ち、全世界で一斉に行動することになっています。その時にIMF−JCとしても、他のセクターの労働者たちと一緒に行動を取っていただきたいと思います。その目的は不安定労働の拡大、人材派遣機関の拡大に対し闘うということです。それを行うためにもやはり法制を変えなければいけません。またこれを労働協約の中に入れていかなければなりません。そして多国籍企業における調整の取れた行動を取ることが必要です。 Bグローバルな労働組合のネットワークの構築を
第3として、IMFはグローバルな労働組合のネットワークを多国籍企業において持つことが必要だと思います。多国籍企業が私たちの金属産業を支配しているからです。多国籍企業はグローバルな経営戦略を持っています。それであればわれわれ労働組合もグローバルな拮抗力を持たなければならないのです。そしてこのようなネットワークを作ることによって、全国的な労働組合の役員やそれから単組の役員が一緒になって、情報を共有し、同じようなかたちでイニシアティブを行い、未組織工場を組織化し、そして問題があれば相当の行動を取ることができるようになるのです。
あまりにも多くの多国籍企業が自分の進出している国において、労働組合を避けようとしています。それは日本、ドイツ、北欧、そしてアメリカの多国籍企業を含めてです。例えば、アメリカだけにおいても日本の金属セクターの企業は、なんと10万人の組合に組織していない労働者を雇用しているのです。これはアメリカの弱い労働法制を利用して行われているのです。 C海外労使紛争には効果的な連帯活動で対応
4つ目ですが、グローバルなIMFの家族は、もし労使紛争が起った時には、効果的な連帯活動を即とらなければならないということです。例えば今年の夏の話をしましょう。IMF−JCが二つの大きな労使紛争の解決のために尽力されました。6月にはIMF−JCとIMF地域組織が非常にすばやく効果的な介入をしましたので、タイのカワサキの労使紛争を解決することができました。おかげさまで900人の労働者が再び職場に復帰することができ、労使交渉を再開することができたのです。 D気候変動問題でIMFは積極的な役割を
5つ目は気候変動の問題です。やはり私たちは本年12月にコペンハーゲンで行われる気候変動枠組条約の締約国会議で大変に良い交渉が成立することを大いに期待していますが、IMFの家族としてもこれに対して積極的な役割を果たすべきだと思っています。そうでなければ世界の金属労働者にとって良い結果を12月に得ることができないと思うからです。 IMF−JCはIMF金属ファミリーの要 皆さん、IMF−JCはグローバルな金属労働者の家族の中の要ともなるべき存在だと思います。皆さんの役割はこれからもさらに重要になっていくと思います。と申しましてもIMFの国際的な労働組合運動の将来は、アジア太平洋地域でわれわれの運動が成功するかどうかにかかっているからです。
特に中国、インドなどのことを考えますと、それが言えると思います。したがって私たちは皆さんからの支援、皆さんからのご意見を大いにあてにしているのです。それはもちろん国レベルの組合だけではなく、企業別組合の皆さん方からも多くの支援と意見を頂きたいと思っています。
これからも皆さん方の協力を大いにあてにし、楽しみにしています。IMFの執行委員でもあり、IMF−JCの議長である西原浩一郎さん、そしてまたその他のJCの皆さん方とこれからもぜひ協力をさせていただきたい。期待しています。
そして皆さん方、本当にどうもありがとうございました。今回の大会のご成功と皆さん方のお仕事のご成功を心からお祈りいたします。どうもご清聴ありがとうございました。(拍手)
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