第48回定期大会 |
運動方針に対する産別の意見・要望と本部答弁 加盟5産別から2010年度活動方針案に対して原案賛成の立場で意見要望が出された。5産別からの意見要望要旨および本部答弁要旨は以下の通り。
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大綱賛成の立場で、以下の4点について意見要望を述べます。
1.連合の部門運営との連携 2.政策実現のさらなる強化 3.人材確保、人材育成と雇用のあり方 4.2010年春季取り組み
1.JCのあるべき姿について 1点目は、IMF-JC(金属労協)のあるべき姿についてです。 活動方針では、「大産別としてのJCが果たす役割と機能について、国際労働運動の強化やJC共闘、政策提言など、そのあるべき姿について検討を行い、改革の全体像を提示する中で、必要な改革については2011年度から実施すべく取り組む」こととされています。また、「連合の部門運営については中央レベル、地方レベルにおける金属部門の活動の充実強化に向けた取り組みを推進する」こととされています。 これらのことは、まさしくこれからの金属労協の将来に大きく影響する内容であるだけに、積極的な検討が必要であると考えています。 「階層構造の見直し」の観点から、「運動・活動・財政の重複と屋上屋の撤廃」、「選択と集中による効率化と重点化」、具体的には国際労働運動の強化に特化することなどがあげられます。そして「春闘における役割は連合・金属部門に移行する」など、金属労協のあるべき姿について検討を行い、新たなJCとしての組織的な位置づけと役割を確立していただき、必要な改革については2011年度から積極的に実施・取り組んでいただきますよう求めます。 2.政策実現への取り組みについて 3.2010年闘争に向けて
戦後の労働運動の中で金属労協は大きな役割を果たしてきました。とりわけ連合結成以前の4団体時代には、それぞれの枠を超えた運動を展開することによって、労働戦線統一、連合結成への端緒を開いたといえます。特に、「日本の賃上げ相場はJCがつくる」と言われるほど、春闘におけるJC共闘は大きな影響力を持ち、日本の労働運動の大きなけん引役でした。 こうしたJC運動の成果があってこそ、今日連合が日本を代表するナショナルセンターとして、社会的にも広く認知され、今回総選挙の民主党圧勝を見てもわかるとおり、政治的にも大きな存在感を示すまでになっております。 労働運動に求められる社会的役割と責任が、今後ますます大きく、重くなる中で、連合運動をさらに発展強化していくためには、民間・ものづくり産業を代表するJC加盟産別が、そのリード役になるべきと考えます。 西原議長が挨拶の中で述べられたように、まず一つは連合の部門共闘の強化の問題です。中堅・中小を多く組織するJAMとして、賃金の絶対額を重視する取り組みを進めていますが、その意味からも、連合の5つの部門共闘連絡会議の設置と、産別ごとの定昇金額開示の意義は非常に大きいものがあると評価しています。これからはJC共闘から、部門共闘に軸足を移し、金属の未組織組合も含め、JCのこれまでの成果を、連合においてさらに発展的に示していくことが重要であり、JAMとしては、議長ご挨拶の趣旨に全面的に賛成するものです。 二つ目は、政策制度要求です。日本の歴史上初めて、労働組合が支援する政党が政権与党になりました。私たちの政策制度要求は、働く者の代表として、また、政権党の応援団として、これまで以上に精度の高い、現実的、かつ責任あるものにしていかなければなりません。そのためにも、日本経済の屋台骨である民間・ものづくり産業に働く者の代表として、JCの政策要求ではなく、連合の政策要求を私たちがつくるのだという意気込みが必要です。春闘共闘と同じく、政策要求についてもJCのこれまでの成果を発展的に連合に収斂させるべきと考えます。 しかしながら、労働運動の果たすべき役割が大きくなっている一方で、産別の財政事情は大変厳しくなっています。少なくともJAMは大変厳しい状況に置かれています。連合とJCという別の組織体で従来通りの活動を継続していくことは、率直に言ってもはや困難です。重複する活動、機能を解消し、効率的かつ効果的に運動を推進するために、連合への組織統合も視野に入れた新たな組織統合も視野に入れた新たなステージの移行が必要です。 JAMが今後JCに期待するのは、国際労働運動の分野への運動の集中と強化です。グローバル化の中で、労働運動における国際連帯の重要性が従来以上に高まっているのは言うまでもありません。また、この分野においてJCは、他に例を見ない、長い歴史と活動の積み重ね、実績があります。国際労働分野にこそ、人と財政を集中し、蓄積された経験と能力をフルに発揮していくべきです。思い切ってこうした方向にJCの機能と役割を転換させていく時期に来ているのではないでしょうか。 西原議長の挨拶にありました、金属労協のあるべき姿と改革の方向性に関する検討にあたっては、JAMとしても積極的に参画していく所存ですが、JC運動を連合の中で発展的に花開かせるために、十分な論議を踏まえた大胆な改革が打ち出されることを期待します。 今後の議論のための方向性として、本大会においてJAMの考え方を述べさせていただきました。ありがとうございました。(↑ページのトップへ)
・ 2010年度の重点運動課題、特に(2)民間・ものづくり・金属としての政策実現の活動について、自動車総連として要望・意見を申し上げます。 ・ 2008年9月のリーマンショック以降、日本経済は急激に悪化しました。緊急経済対策等によって直近の政府発表等では、景気低迷の底打ち感が取り上げられているものの、実感としては捉えられず、組合員の雇用維持、生活向上といった観点ではまだまだ不安が多いことが事実であると考えます。 ・ こうした中、昨08年末以降、IMF-JCにおいて様々に取り組まれた緊急対策活動等の成果については前向きに受け止めているところです。一方で、我々自動車産業においては自動車関係諸税の減税や補助金といった政府の緊急経済対策を通じた、一刻も早い日本経済の回復、或いは雇用の安定に産業全体として寄与しなければならないと充分認識するところです。 ・ そこで、金属労協における政策・制度実現への取り組みは、今後も金属労協の活動の中核をなすものであると認識しており、2010年度運動方針の内容は、それに込められた思いも踏まえ、我々としても歓迎したいと思います。 ・ 今回、衆議院議員選挙によって、政権交代が実現され、政策決定のプロセスも変革していくと考えます。従って、今後については民主党への提言、連携をより強化していかなければならないと強く認識しているところです。 ・ 一方で、政策・制度実現すべき課題は幅広く、ナショナルセンターである連合を基軸とした、リソーセスを含めた効果的な活動展開が求められます。そのため、IMF-JCには、その活動全体の後押しと、政策推進面での連合・金属部門、ものづくり部門の強化に対する役割の発揮をお願いしたいと思います。即ち、政策・制度の実現に向けては連合全体で取り組むべき政策、IMF-JCを構成する各産別が自らの努力で取り組むべき政策といった役割分担があると考えます。従って、IMF-JCが担うべき新たな機能として、ものづくり全体としての政策実現に向けて、個々の政策はもとより、政策推進に向けたフレームワークづくりについても積極的な発信に取り組んで頂きたい。 最後になりますが、今回提案された2010年度活動方針について、我々自動車総連としても最大限参画し、取り組んでいくことを申し上げ、意見表明とします。ともに頑張りましょう。(↑ページのトップへ)
1.金属産業にふさわしい労働条件の確立 2.政策・制度要求の実現について 3.国際連帯活動の推進について 4.組織強化への対応について
JCの活動方針は、加盟各産別との十分な協議のもと策定されていますし、各種会議、専門委員会の場でもご意見を頂いています。さらには、金属運動の進むべき方向は議長挨拶でも触れられた通りでありますが、事務局から若干のコメントをさせていただきます。 各産別から、いただいた主な意見・要望は、(1)緊急雇用対策とJC政策の推進、(2)JC共闘の推進と2010年闘争への取り組み、(3)国際労働運動の強化、(4)連合との役割分担明確化と運動の効率化、と認識しています。この4点を中心にコメントさせて頂きます。 (1)緊急雇用対策とJC政策の推進 政策制度要求に関し、民間・ものづくり・金属の観点に立って、JC5産別が真摯に議論を重ね、合意形成を図っていくことは、各産別の政策・制度の質をより高めることにつながっているのではないかと思います。また、ひいては、連合の政策・制度を、現実を踏まえた、より納得性の高いものとすることに寄与していると考えます。 政策制度に対する金属の考え方を連合の場でより一層反映させていくためには、連合金属部門として政策をできるだけ一本化し、連合に働きかけていくことが必要となりますが、連合ではそうした受け入れ体制ができていないのが現状です。自動車総連のご指摘通り、政策推進に向けたフレームワークづくりが不可欠と考えます。 民主党を中心とした政権の発足により、我々労働組合の、要求の実現可能性は格段に高まりますが、一方で、労働組合の側としても、現実を直視し、広く納得を得られる主張をしていくことが求められます。連合としては、ナショナルセンターの立場上、主張の幅が制限される場合もありますが、民間・ものづくり・金属を代表する労働組合が、連合との間で適切な役割分担を行い、政府に働きかけていくことが、労働組合全体としての政策制度の実現力を高めることになります。 民主党政権下において、官僚主導の政策から政治主導の政策に転換が図られることになるとはいえ、我々の主張を円滑に実現するためには、官僚に訴えかけ、納得させ、行動させるための働きかけが全く不要となるわけではありません。JCが対政府要請を行う場合、要請の内容とタイミング、効果を勘案し、大臣、次官、局長、課長、課長補佐と各クラスに対し、適宜、要請活動を展開してきました。政府側も、民間・ものづくり・金属を代表するJCの主張に対し、大きな関心を持って対応してくれています。 とくに、その時々の重要課題については、JCの政策・制度要求は高い実現力を持っています。リーマンショック以降の世界不況の中で、いち早く要請した生活支援や、その後の景気対策・雇用対策も、仕分けによる行政の効率化も、外国人労働者問題も、いずれもJCの主張がかなり取り上げられています。民主党政権の下で、5産別の参画により、政策・制度の提案力に一層磨きをかけていくことが、産業の健全な発展と生活の向上につながるものと考えています。 (2)JC共闘の推進と2010年闘争への取り組み 議長挨拶にもあったように、春季生活闘争における、連合部門共闘の強化発展は重要なことと認識しており、強化に向けてJCおよび構成産別はそれぞれの立場で積極的に関与していかなければならないと思います。 一方、JC構成産別も関連や系列などの規模の大きな組合もありますが、多くは中小の組合で構成されています。JC内部においても比較指標の充実と活用、今後、可能であれば定期昇給や賃金実態の開示への取り組みなど、共闘強化に向けた取り組み課題が多くあると認識しています。 時代に合わせて、共闘のあり方も変わっていくことは十分に認識した上で申しあげるならば、連合の部門共闘を強化するには、その軸となるJC共闘の役割が一層重視されるべきであるということです。そして、そのJC共闘の成果をテコに連合共闘としての相乗効果を高めていくことが重要であると考えます。共闘体制や運営のあり方を改革する中で、機能面での金属の集まりは強化していくことが重要です。また、2010年闘争に関しては、厳しい環境の中でより丁寧な議論を積み重ね、取り組みを進めていきたい。 (3)国際労働運動の強化 国際労働運動の強化は、ご指摘のように極めて重要であり、JC運動の大きな柱です。グローバル化の進展への対応のみならず、世界の労働運動に果たすべき役割も従来以上に高まっています。体制も強化しながら、積極的な取り組みを行っていきたいと思います。 一方、国際労働運動の中で、各国との対等な議論、発展途上国への指導・援助・海外紛争への対応などにおいて日本が支持される大きな要件は、国内における労働条件の向上への取り組みや、政策課題への取り組みなどの運動がしっかりとした成果を引き出していることがあります。国内での様々な活動、緊張感を持った活動がバックボーンとしてあり、国際運動でのJCの役割や運動の強化につながっていることをご理解いただきたいと思います。 (4)連合との役割分担を明確にする中での機能の強化と効率化 JCはここ数年、海外との定期協議サイクルの見直しや、労働リーダーシップコースの東西統合など、総合プロジェクトでの答申をもとに、財政基盤の安定化と効率的な運営に努めてきました。 JC事務局の専従役職員も、最高24名(1985〜86年当時)を抱えていましたが、今は12名と半減しています。また、全国に運動体として設置していたJC地連も、ほとんどの機能を地方連合に移管すべく解散し、現在はJC地方ブロックとして、サポート活動に徹しています。 このことから、JCの財政面でいえば、多くの活動費が国際活動で占められています。JC財政4億4千万円(予備費を除く)のうち、1億6千3百万円がジュネーブにあるIMF本部への加盟費であり、財政の4割近く、活動費の6割がこの加盟費となっています。このIMF本部加盟費も170万人から150万人の登録に変更させてもらったばかりです。 また、この加盟費を含めた、国際局の活動費は全体の51%であり、活動費の83%を占めています。ここ数年の活動の効率化で、労働政策や、産業政策、地方ブロックをはじめとする金属部門、組織、教育などの活動には、財政的な比重があまりかからない構造になってきています。ただし、これに甘んずることなく、更なる運営の軽量化、効率化を図っていきたいと思います。 当然のことながら、ご指摘のあった重複するものの見直しや効率化を図っていきますが、財政的な面からは、限られたものになります。「連合への統合を」との発言がありましたが、連合自身がいわゆる部門運営の強化(部門ごとの政策立案機能を有する組織への改革)が進められれば対応可能と考えますが、現時点ではまだ難しい課題であると認識しています。 「国際労働分野に人と財政を集中」した方がよいとの発言がありましたが、国内で賃金・労働条件闘争にも、政策・制度要求にも取り組んでいない組織が、国際的に影響力を持つことは不可能です。ただ、単にIMFに金を出す組織になりかねません。 国内での緊張感のある現実的な労働運動の上に立った国際運動の強化が必要です。こういう考え方を前提にして、 @連合運動への収斂が必要なものに対しては、JC共闘や政策などの機能強化を図る中で、活動体制や運用などでの簡素化、効率化を図る。 A国際労働運動の強化については、a)各種国際会議での発言力、運動推進、人材面などIMF本部での存在感を高める。b)海外労組との信頼関係を築く中で、国際連帯を強化していく、特に日系企業労組とのネットワークづくり。C)海外労使紛争の未然防止への取り組み(セミナー等による教育と意識改革、現地の情報収集・リーダー育成など) を中心に進めていきたいと思います。 各産別とも十分な協議を図る中で、恐れず、たゆまず、スクラップアンドビルドを推進し、運動の強化を図っていきたいと思います。皆様方の一層のご支援とご協力をお願いし、答弁とします。 (↑ページのトップへ)
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