第39回労働リーダーシップコース |
午前10時からの開校式は、元セミナーハウス職員(現・田辺キリスト教会牧師)の喜多村やよいさんのハープ演奏で厳かに始まった。 冒頭、平田哲校長、八田英二名誉校長(同志社大学長)からの式辞の後、主催者を代表して加藤裕治金属労協議長が挨拶した。この後、来賓として厚生労働省の小野晃政策統括官から祝辞をいただいた。小野政策統括官は、労働リーダーシップコースが40年余にわたり開校されてきたことに対し、関係者に敬意を表するとともに、卒業生の多くが労働界で活躍していることを高く評価し、現在の労働市場の課題について紹介した。 続いて、中條毅運営委員長、中世古幸治JC関西ブロック代表、香川孝三副校長(大阪女学院大教授)からそれぞれ祝辞を受けた。
終了後、加藤議長から「これからの労働運動とリーダー像」と題して、開校講演を受けた。 午後から、オリエンテーションを行った後、高橋正セミナーハウスフロント主任を講師に「貿易ゲーム」を通してグループ形成を行った。 夕食会では、すき焼きで、平田校長の音頭で乾杯し、ゼミ別に交流を深めた。晩の全体ミーティングでは、全員の自己紹介を行った後、各ゼミ毎に班長・副班長を決めたほか、座長、ラジオ体操担当、討論会実行委員などを互選で決めた。 平田ゼミの班長は中島昭次さん(三菱重工労組長崎支部)、副班長は近藤真紀子さん(パナホーム労組)。香川ゼミの班長は本田健太郎さん(JFEスチール福山労組)、副班長は高橋若葉さん(トヨタ車体労組)。石田ゼミの班長は川井田貴志さん(パナソニックAVCネットワークス労組)、副班長は川島誠さん(マツダ労組)。中田ゼミの班長は清水正志さん(全本田労連)、副班長は鈴木英昭さん(古河グループ労連)。 班長・副班長8名で実行委員会を構成し、全体のコース運営の任に当たる。実行委員会を束ねる級長には、石田ゼミ班長の川井田さんが互選により選ばれた。後の3人の班長は副級長として級長を補佐していく。 運営体制、役割分担も決まり、26日(土)までの2週間半のコースがスタートした。 →《時間割
晩は、日高神戸学院大学教授の指導によるファンタジー・グループ、言葉を使わないでグループで絵を描く作業を通して、心、からだ、コミュニケーションを体感した。 3日目、1月11日(金)は朝の体操の後、曼殊院前の弁天茶屋まで散歩。最初の英会話、留学生の英会話講師5名とご対面、先生選びは運命の赤糸で決めた。午前は、小島正剛顧問から「国際労働運動論」についてグローバルな労働運動の課題について講義を受けた。午後は、神田明学教授から「組合戦略づくり」について、問題点、課題の抽出、整理、戦略を立てる手法について学ぶと共に、グループに分かれて「ワークライフバランス」をテーマに実習を行い、発表しあった。
4日目、1月12日(土)は、朝6時15分真っ暗の中、雨も何のその、全員元気に徒歩15分くらいかけ、圓光寺を訪問、座禅を体験した。午前は、樋口和彦京都文教大学学長から「深層心理」の講義を受けた。メンタルヘルスの問題を克服するための対応などについて示唆に富む内容だった。
1月11日午後には、卒業生の本田技研労組鈴鹿支部の荒川支部長と、法所書記次長が差し入れを持って来所した。12日午前には、卒業生の第36回生廣田典昭さん(松下電器労働組合連合会書記次長)、37回生浦誠冶さん(松下電器本社技術部門労組書記長)、38回生三吉さん(パナソニックAVCネットワークス労組)の3名が差し入れを持って、激励に見えた。 第37回生が第2回同窓会開く
2週目は、労使関係論(石田光男同志社大教授)、労働法(香川孝三大阪女学院大学教授)、雇用論(猪木国際日本文化研究センター教授)、金属労協の運動課題(若松事務局長代行)、M&Aと労使関係(中條同志社大名誉教授)など労働関係の講義を受けたほか、現代科学技術の課題(政池日本学術振興会ワシントンセンター長)、地域福祉論(早川総合人間研究所所長)、国際協力論(平田アジアボランティアセンター代表)、コーポレイトガバナンスとCSR(大平明学教授)の講義を受けた。
阪神淡路大震災のあった1月17日朝の集いでは、中越地震での被災体験を三洋電機労組新潟支部の大橋さんから聞いた。17日晩には、討論会を行った。これは、石田教授の指導のもと5人の討論会委員が考えた「労働時間管理」「男女共同参画」「職場のセクハラ、パワハラ」「非正規労働者」「成果主義」の5つのテーマの島に、それぞれ分かれ、受講生は興味のあるテーマの島に行き来し、自由に討論しあった。 また、19日(土)午前には、三菱重工業鰍フ江川代表取締役副社長を講師に迎え、特別講演「経営と人間」を受けた。
比叡山登山を敢行 1月19日(土)早朝5時、真っ暗な中、登山隊長の森口セミナーハウス館長の指導で、準備体操の後、受講生一行は、JC本部の若松代行、上口、浅井、松崎各職員も同行し、昨日の雪の残るきらら坂登山道から登りはじめた。懐中電灯で照らしながら、最初の急な坂道を越え、約1時間半かけて、ゴールの山頂駐車場に到着。ゴール直前の坂道は、雪が積もっており、疲れもピークに達しており、特にしんどかった。ゴールに着くと、はるか眼前には琵琶湖が広がり、幻想的な風景に疲れも吹き飛ぶようだった。汗と寒さで頭の毛がバリバリの人もいた。一行は、おにぎりを食べ、後からようやく着いたハウスの車で運ばれた暖かい飲み物を飲んだ後、1時間くらいかけて下山したが、道が凍結してすべりやすいので、細心の注意を払って歩いた。ようやくハウスにたどりつくと食堂で暖かいぜんざいをいただき、お風呂に入り、疲れを癒し、受講生は特別講演にのぞんだ。
1月18日には、JFEスチール福山労組の金尾博行さん(20回生)とJFEスチール労連の柳田哲さん(33回生)がハウスを訪問、受講生を激励した。 1月19日午前には同じく36回生卒業生の荒木賢一さん(三菱電線工業労組)と西堀守さん(本田技研労組浜松支部)が、翌週23日夕方には36回卒業生の森川靖之さん(富士通ゼネラル労組)が、それぞれハウスを訪問、受講生を激励した。 36回同窓会を大阪で開催 1月19日(土)午後4時半から大阪・道頓堀で第36回労働リーダーシップコースの同窓会が開かれた。幹事の荒木さんのもと、級長の小林克弘さん(三洋電機労組)をはじめ、西堀さん、角田さん(三洋電機労組)、橋本さん(ダイハツ労組)、浜辺さん(松下電工労組)、榊原さん(コマツユニオン大阪)、北田さん(全労済大阪府本部)が参加、JC本部の渡辺も駆けつけた。次回は、同窓生の所属している工場見学とその後の課題についての情報交換、懇親会を内容とした研究交流会形式で開催していくことや、また、来年に予定されている西日本40周年記念行事に合わせて同窓会を開催していくことなども話しあった。
ゼミでの議論の成果を発表 1月25日午前は、4回にわたって議論して、各人が自分の選んだ課題について解決策などをまとめた個人レポートを各ゼミ毎に分かれて発表しあった後、午前11時半から一同に集まり、各ゼミ毎にゼミで論議した内容を発表しあった。各ゼミの発表の後、質疑応答を行い、ゼミ指導講師から講評をいただいた。最後に、若松事務局長代行から、ゼミでの真摯な議論した成果を、これからの職場での活動に是非生かしてほしい旨コメントがあった。
1月22日には、6人の卒業生がハウスを訪問、受講生を激励した。パナソニックAVCネットワークス労組から6名〔佐藤一成さん(22回生)、中島昭一さん(32回生)、空野仁志さん(37回生)、三吉勉さん(38回生)〕、三洋電機労組の大東直樹さん(38回生)、松下電器産業本社技術部門労組の森精志さん(38回生)が来訪し、受講生を激励した。
第39回労働リーダーシップコースが 大きな成果上げ閉校 受講生は1月9日以来、多岐にわたる講義と多彩なプログラムを受講した他、4つのゼミに分かれての職場の課題などについて徹底した討議を通して研修に励むと共に、合宿生活を通して友情の絆を育んだ。今回の修了生35名を加えて、39年間の修了生の累計は1,301名に達した。
閉校式では、主催者を代表して、若松事務局長代行が、このコースで培った友情の絆をさらに強化しながら、当面する課題にフェスティナ・レンテ(ゆっくりと、着実に)の精神で果敢に挑戦していってほしいと激励した。続いて、中條運営委員長をはじめ、ゼミを担当いただいた香川副校長、石田運営委員、中田運営委員から餞の挨拶をいただいた。続いて、受講生を代表して、今コースの級長を務めたパナソニックAVCネットワークス労組の川井田さんが、万感こもる思い出と決意と友情の絆をさらに強めていく旨の答辞を述べた。最後に、全員で「卒業の歌」を合唱して閉校式を終了した。 記念撮影後、受講生の発意で、大会議室南側に紅葉の若木が植樹された。打ち上げの後、受講生一人ひとり、またの再会を期して、なごりを惜しみつつ、家路についた。
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