IMFニュース・ブリーフス
UAWがアメリカでGM事業を停止

7万3,000人の自動車労働者が雇用保障と経済問題をめぐってストを決行した。


アメリカ:雇用保障、今後の製品投資、アウトソーシング、現役組合員の給付をめぐる協約交渉が決裂した結果、全米自動車労組(UAW)の組合員7万3,000人が月曜日、アメリカ全域のゼネラル・モーターズ工場でストを行った。

この労働協約は、組立・部品工場や倉庫を含む国内82カ所の施設でGMに雇用される自動車労働者を対象としており、9月14日の夜12時に失効した。交渉担当者は合意に達することを期待して、過去に例のない9日間の協約延長を取り決めた。

「ゼネラル・モーターズが過去4年間の組合員による貢献を認識・評価していないことに、私たちはショックを受け、失望している」とロン・ゲッテルフィンガーUAW会長は述べ、ここ数年間にUAW組合員が多くの点でGMに譲歩してきたことを指摘した。例えば、2003年の協約では生活費調整を放棄し、2005年には退職者の医療費負担を増やす取り決めを飲んだ。さらに、多くの国内工場を閉鎖して3万4,000人分の時給雇用を削減するという再建計画でGMに協力し、労働者に低賃金と引き換えに現金を支払うという取り決めをデルファイ社と結んだ。

ゲッテルフィンガー会長は、『デトロイト・ニュース』に次のように語った。「もちろん、この会社について非常に心配している。私たちは会社を援助するために多くのことをしてきた。今回の交渉で、それが一方的な交渉であったことが分かり、失望した――労働者を犠牲にするのがGMのやり方になろうとしている」

カル・ラプソンUAW副会長と同労組のGM担当部長によると、この一方的な交渉は「組合員の妥当な要求と関心にGMがまったく配慮していない」ことを表していた。

「それどころか、幹部社員は2007年もボーナスを受け取り続けながら、組合員には生活水準の低下を受け入れるよう要求した」とラプソン副会長は述べ、先ごろの米国証券取引委員会への提訴で、自動車労働者の大量解雇と賃金・労働条件・給付に対する攻撃が続いている一方で、自動車会社トップが数百万ドルの株式ボーナスを受け取っている実態が明らかになったことを指摘した。GMの場合、リック・ワゴナーCEOは、評価額280万ドルの制限付き株式と140万ドル相当の50万株分のストック・オプションを受け取った。その他18人のGM経営幹部も、限定付ストック・オプションの形でボーナスを受け取った。

アメリカの自動車メーカーに対して37年ぶりに実施された全国ストは、国内外で幅広い支持を集めている。全米トラック運転手組合は、「GM施設前でのUAWピケラインを尊重し、GM製の車を配送しない」と述べた。同労組は1万人の自動車輸送労働者を代表している。

カナダ自動車労組(CAW)も、このストで最大10万人の組合員が影響を受けると予想しており、「CAW労働者はスト中の米国内GM工場の部品を扱わない」と述べて支援を約束した。「GMは、不公正取引や輸入品の流入に起因する問題の代償を労働者と地域社会に払わせようとしているようだ」とバズ・ハーグローブCAW会長は述べた。「私たちは連帯のもとに団結しなければならない」。ブラジルとヨーロッパの自動車労働者も、UAWへの連帯支援を表明した。

世界100カ国以上で200団体を超える金属労組を代表するIMFのマルチェロ・マレンタッキ書記長は、「GMに対するストと、この集団的な力の誇示によって得られる成果は、米国内にとどまらず他国の労働者にとっても重要だ」と認めた。「IMFは、素晴らしい組合の任務を守るために闘うUAWの同志の努力を強力に支援する――それは労働者に生活賃金、職場における発言権、安全衛生保護、雇用保障を与えるという任務だ。私たち労働組合活動家全員が、それを求めて闘っている」

最新情報
9月26日:協約交渉で暫定合意に対し、UAWはGMでのストを終了した。労働者は今日職場に復帰し、今週、UAW組合員による合意の承認が始まる。

[2007年9月25日]