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第10回戦術委員会確認事項

2002年5月27日
全日本金属産業労働組合協議会
(IMF−JC)



 金属労協は、本日午前10時より開催した第10回戦術委員会において、これまでに引き出した闘争結果をもとに、2002年闘争を集約し、「2002年闘争の評価と課題(中間まとめ)」を取りまとめるとともに、本日の中央闘争委員会において、JC共闘の闘争諸機関を解散することを確認した。

.集計対象A組合(75組合)では、個別対応組合(1組合)を除き、すべての組合で回答を引き出している。
雇用の維持・確保のための取り組みを行った産別、企業連・単組は、産業労使会議や労使交渉で3産別が確認を行い、企業別労使においては、雇用安定協定の締結・労使共同宣言・議事録確認・回答書といった対応の違いはあるものの、52組合が経営として雇用の維持・確保に最大限努力をしていくとの労使確認を行っている。これは組合員の切実な思いに応えたものであると共に、金属各産業の経営者としての決意と姿勢を社会的に示したものである。雇用の維持・確保の基本的な枠組みを強化することについては、今次闘争の目的を達成したものと受け止める。
賃金構造維持分の確保の取り組みは、72組合が定昇の実施等によって賃金構造維持分を確保し、現行賃金水準を維持している。デフレスパイラル阻止に向けた底支えの取り組みとして、一定の役割を遂行し得たものと考える。
しかし、賃金構造維持分に加えてベアを要求した自動車総連・造船重機労連では、賃金引き上げをすべきでないとする経営主張と、実現を求める組合主張が折り合わず、明確にベアを引き出した組合は1組合(1,000円)に留まることとなった。
一時金は74組合が要求を起こしたが、回答を引き出した73組合中、昨年と比較可能な55組合でみると、月数または金額で昨年を上回ったのが12組合、横ばいが9組合、下回った組合が34組合となっている。他に業績連動による決定組合が14組合となった。産業・企業による業況の違いが顕在化するもとで、これまで以上に回答水準が大きく分かれると共に、昨年水準を大きく割り込む組合も出ており、水準の安定確保が今後の大きな闘争課題になったものと受け止める。

.集計対象B組合(組合員300〜999人)は、95組合中89組合が回答を引き出している。昨年同時期では、97組合全組合が回答を引き出しており、2002年闘争では、大幅に進捗が遅れている。回答引き出し組合のうち、現時点で賃金構造維持分を確保していると判断できる組合は51組合となっており、未確認の組合が37組合となっている。
集計対象C組合(同299人以下)は、72組合中53組合が回答を引き出している。昨年同時期では、79組合中78組合が回答を引き出しており、大幅に進捗が遅れている。回答引き出し組合のうち、現時点で賃金構造維持分を確保していると判断できる組合は、24組合となっており、未確認の組合が30組合となっている。

.一方、金属労協全体集計における要求、回答、集約組合をみると、

構成組合数 3,721組合
要求組合 3,187組合
回答・集約組合 2,679組合
集約組合 2,554組合

 となっている。要求組合数に対する回答・集約組合の比率は80.7%(昨年同時期92.5%)、同様に集約組合数の比率は77.0%(昨年同時期90.0%)となった。また、要求断念組合数が204組合(昨年同時期146組合)となり、昨年に比べ大幅に増加している。これは、産業・企業の厳しい状況を反映したものと受け止める。
 回答・集約組合2,679組合のうち、現時点で賃金構造維持分確保を判断できる組合では、純ベア確保組合が167組合、賃金構造維持分確保組合が810組合、賃金構造維持分が確保できていない組合が366組合となっており、回答・集約組合のうち14%程度の組合で賃金構造維持分が確保できていない状況にある。
 なお、本年初めて調査を行った「賃金構造維持分・定昇制度」についての調査では、「賃金構造維持分・定昇制度」が労使確認されている組合が594組合、労使確認されていないが組合にて把握・推計できている組合が899組合となっており、構成組合のうち4割程度でしか賃金構造維持分・定昇制度が把握・推計できていない状況にある。
 一時金の状況をみると、
年間5カ月以上または半期2.5カ月以上 228組合
年間4カ月以上5カ月未満、または半期2カ月以上2.5カ月未満 617組合
年間4カ月未満または半期2カ月未満 944組合
となっている。月数換算の状況を回答組合に占める比率でみると、年間5カ月以上または半期2.5カ月以上の組合は11.8%となっており、昨年同時期の16.8%から減少している。一方、年間4カ月未満または半期2カ月未満の組合は48.9%となっており、昨年同時期の41.5%から大幅に増加し、今後の取り組みに課題を残した。
 60歳以上の就労確保は、JC全体で1,004組合が産別方針に沿った成果を獲得しており、昨年7月の888組合から制度導入に向けた流れが着実に拡大した。雇用問題が深刻化する状況のもとで、JC共闘の成果が表れていると判断する。

.戦術委員会は、本日JC共闘として2002年闘争の集約を行い、「2002年闘争の評価と課題(中間まとめ)」を取りまとめ、闘争諸機関を解散することとした。闘争継続中の組合については、産別指導を一層強化し、最終決着を図っていくこととする。また、金属労協として引き続き闘争結果の掌握に努め、回答に対する評価ならびに今後の総合生活改善闘争の取り組みにかかわる諸課題を中心に、9月開催の第41回定期大会に向けて総括論議をさらに深めていく。

以 上


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