1.はじめに
2021年度運動方針では役員改選期とのかかわりから運動期間を1年間として提起したが、今回提起する2022~2023年度運動方針は運動期間を2年間に戻し、以降2年間を運動期間とする運動方針を提起する。2021年度運動方針で提起したとおり、「活動と組織の改革」の実現目標を2024年度(2023年9月~)に置き、2021年度運動方針と2022~2023年度運動方針をあわせた3年間を、新しい金属労協のあるべき姿に向けた具体的改革の準備期間と位置付けている。この位置づけを強く意識しながら、2年間の運動方針を提起することとする。
2.基本的な考え方
2.1 運動項目と進め方
組織財政検討プロジェクトの示した方針では、「新しい金属労協」の活動分野を、国際労働運動と人材育成の2点に絞り込み、さらなる充実とそれに向けた体制や運動の進め方の改革を行うこととしている。一方、この2点以外の春季生活闘争(JC共闘)、産業政策、労働政策などの活動については、順次整理しながらその活動主体を金属労協から連合の共闘組織や部門別組織等に移していくこととしている。
国際運動については、基本的にこれまでの活動を踏襲し、さらに充実を図る。特に、国際的な観点からの産業政策や労働政策については、国内における労働政策・産業政策との連携や取り組みを推進するための体制の強化について取り組みをすすめる。
人材育成・教育については今後拡充する活動に位置づけられるが、既存の労働リーダーシップコースや各種研修会について、Webセミナーを活用しながら変革を図る。さらに、産別・単組役員の能力向上に資するため、時宜に即した小回りの利くセミナーや金属労協として重点をおくべきテーマについて息の長い研究会的なセミナーを実施するなど、実現可能性を模索しながら取り組みを進める。
春季生活闘争、産業政策、労働政策の活動については、この2年間の活動期間の中で、産別を横断する組織としての位置づけと、連合や産別等の他組織との役割分担を考えながら、活動の絞り込みや進め方の変更、産別の参画のありかたなどについて検討を進める。
これらの改革を行う際の予算の策定方法や金属労協事務局の人員の配置、各産別から参画する各種委員会のありかたなどについても、2年の準備期間の中で検討する。なお、この検討を待たずに実施可能なものについては、機関会議等の承認を得たうえで適時実施することとする。また、今期の予算については、現状の方針をもとに策定するが、改革に向けた準備を進める中で想定外の支出が見込まれる場合は、常任幹事会の承認を得た上で予備費から支出する。
2.2 直面する主な課題について
これまでなかなか進まないと言われてきたデジタルトランスフォーメーション(DX)は、COVID-19が2年の変革を2か月に短縮したと言われているほど急速な変革を起こしており、産業の軸足を変え、産業の壁を融解させる事態となっている。中でも、金属産業の中核をなす自動車産業は、CASEやMaaSへの対応を迫られている中、さらにEVやHV、FCVなどの比率が高まってきており、これまでに類を見ない大変革期を迎えている。さらにこの変革は、自動車産業のみならず、これに関わる素材産業や部品産業などへも大きな影響を与えている。
このような変革がグローバル規模で進む中、日本が世界に取り残されているのではないかという危機感が増している。新型コロナウイルス感染症対策に関してみても、感染者実態把握や接種状況管理へのデジタル技術の活用遅れや、肝心のワクチン開発が日本国内では行われていなかったことが明らかになった。また、自動車をはじめとする金属産業の生み出す製品の多くに半導体が利用されているが、この需要ひっ迫に対し機動的に対応しきれていないことなど、様々な面において危機感は現実のものになってきている。現場組織・企業がそれぞれの合理性で活動することは当然のことであるが、日本国全体としてどう取り組むのかという、国を挙げての戦略とそれに対する実行力のある対応が今求められているのではないか。
これらの課題意識のもと、この大変革期において、労働組合の立場から取り組みを推進するにあたり、意識すべき主な課題は次のとおりである。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する取り組み
世界規模での感染蔓延は終息する時期が全く予測できない状況である。日常生活の面からは、ワクチンの接種状況や緊急事態宣言による人の流れのコントロールなどに注目が集まっている。また、私たちの働く産業の視点からは、産業への影響を懸念せざるをえない。
中国における感染拡大による部材調達や市場停滞の影響にはじまり、欧州や米国などのロックダウンによる需要の縮小を避けきれず、業績も低迷せざるを得ない状況にある。しかしながら、デジタル技術の活用による事業を中断させない努力や、製造現場での感染拡大を防止のための様々な対策を行っており、生産能力の低下を最小限に抑えていることにより、市場の回復に合わせて生産量も回復しつつあり、COVID-19の終息後には迅速に元の状態に戻ることが期待される。金属労協として産別を超えて必要とされる府省や地方行政に対する要請などを、政治顧問とも連携を図りながら進める。
グローバルサプライチェーンに対する影響も甚大である。産業による差はあるものの、COVID-19により、グローバルサプライチェーンの脆弱性が浮きぼりとなった。これに対応するため、生産現場を国内に回帰する動きがあることは歓迎すべきではあるが、海外展開していた各国にとっては、雇用を生み出す産業を失うことになりかねないため、慎重に進めることが求められる。この状況に対応するためには、進出先各国における建設的労使関係の構築が必要不可欠である。特に、アジア地域におけるこれまで築いてきたネットワークを生かしながら、各企業グループ別労組ネットワークの確立に向けた取り組み支援をさらに推進する。
また、WithコロナからAfterコロナへと経過する中で、テレワークや時差出勤など働き方が緊急避難的に導入されているが、今後このような働き方が永続的なものになることも充分考えられる。具体的な対応については産別主体で取り組むことになるが、産別共通の課題として金属労協全体として取り組むべきものがあれば、JC共闘の枠組みを活用しながら取り組みをすすめる。
さらに、グローバルレベルにおいても、COVID-19に対する働く立場からの対応について議論が進みつつある。各産別・単組における現場での取り組みに資するため、海外の先進的な取り組み事例の紹介などを進めるとともに、日本における取り組みについても世界に向けて発信する。
DX(デジタルトランスフォーメーション)への対応
DXへの取り組みについては、2019年度以降掲げてきたデジタル革命への対応方針をDXへの対応の基本方針として継承する。具体的には次の3点である。
- デジタル革命を好機ととらえ、積極的に推進する立場を明確にし、生産性の向上や働き方の改革につなげる。
- すべての人が仕事の変革に対応できるよう、教育・訓練や人材の適切な再配置などの、公正な移行(Just Transition)を前提とする。
- 職場から企業、産業、国のレベルに至るまでの労働組合と経営や政府との対話を行う。同時に、働く側についても意識の改革を図る。
この基本方針をもとにした取り組みとして、金属産業政策の軸の一つをDXへの対応に置く。DXの利活用によって、各々の産業活動が発展し、さらに職場や各々の生活における安全と安心や快適につながるものとするため、個々の産業を越えた施策を検討し、必要に応じて提言を行う。
また、この分野における人材育成・教育は重要な運動項目のひとつとして位置付けられる。この観点から産別・単組の執行委員を対象とした基本的な知識獲得から専門家レベルを対象としたものまで、セミナーや研究会的な場や国際的な動向を知る機会を提供する。これによって、DXに関する会社提案や労使協議への対応に役立てるとともに、DXを働く立場にメリットのあるものにしていくことを期待する。
カーボンニュートラルへの対応
2050年に温室効果ガスの排出量と森林などによる吸収量がバランスするいわゆるカーボンニュートラルの達成を目指す政府方針のもと、様々な施策が動きはじめている。
金属産業は、製造する製品が温室効果ガスを発するものや製造過程において温室効果ガスを発するものがある一方、製品が排出する温室効果ガスを削減するための製品開発研究や温室効果ガスを発生させない製造方法の開発に取り組むなど、産業全体がカーボンニュートラルの達成に深くかかわっている。カーボンニュートラルの達成という目標は、資源採取から製造、廃棄に至るまですべての工程を包括し(LCA;Life Cycle Assessment)、日本国全体で評価されるべきものである。これを実現するためには、研究開発や人材確保など、社会実装のために企業や産業だけでは対応しきれない規模のリソースが必要であり、国をあげての取り組みが求められる。金属労協としても、金属産業全体を俯瞰し、産業を横断する産業政策課題のひとつとして位置づけ、政府に対する政策提言などを行う。
また、温暖化ガスの排出を伴わないエネルギー源として、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの導入が進みつつあり、また、水素などの新しいエネルギー源についても様々な産業分野での利活用が期待されており研究開発が進められているが、エネルギー源のひとつとして原子力発電の果たす役割はひきつづき大きい。今後、温室効果ガスの排出を伴って製造された製品の輸出が極めて困難になるということも想定されており、エネルギー源を何に求めるかは我々産業にとって重大な課題である。安全で安心であることを前提に、装置の製造、運用保守から廃棄にまでかかわっている金属産業で働く立場から、科学的で冷静な理解をもとに、関連産別とも連携をとりながら提言や必要な要請を行う。
貿易・産業政策への取り組み
わが国においては、TPP11をはじめとして、EU、ASEAN、米、英などとの19の経済連携協定(EPA, FTA)が発効しており、RCEPに関しては昨年11月に署名を終えている。TPP11への英国の加盟や米国の復帰など、自由で開かれた国々における経済連携協定の拡大が重要課題となっている。金属産業はグローバルに展開していることからも、金属労協としてもこれらに関心をもたざるを得ない。インダストリオールにおいても、「貿易・産業政策:開発と国際労働基準に対する影響」が発行されているが、自由貿易体制の拡大が発展途上国の経済発展にとっても重要であり、それを働く人々の生活の向上につなげるためには中核的労働基準の確立は必須である。
金属労協としても、貿易・産業政策の観点から経済連携協定などに関して調査・研究を行い、同じ考えを持つ海外友好組織との連携を深め、国内外における課題提起や必要な要請活動を行う。
また、インダストリオールのアクション・プラン2016-2020では、その基本目標の一つに「持続可能な産業政策の促進」を掲げており、第3回世界大会で採択予定の次期アクション・プランでも、「持続可能な産業政策」として引き継がれている。金属労協として今後継続的に取り組むことになるグローバルな観点からの産業政策を強化するため、インダストリオールの産業部門部会活動はもとより、現在取り組みを進めつつあるテレワークに関する取り組みやバッテリーサプライチェーンへの対応などの産業横断的な活動に積極的に参画し、金属労協としての考えを明らかにするとともにグローバルな動向を金属労協の活動に生かす。
3.運動をとりまく情勢
3.1 国内情勢
(1)経済情勢
2020年度のわが国の実質GDP成長率は、新型コロナウイルスの感染拡大、緊急事態宣言に伴う経済活動の自粛などにより、大幅なマイナスとなった。2021年度の実質GDP成長率予測は、2021年7月時点の予測で、政府は3.7%、日銀は3.8%、民間調査機関の平均は3.6%となっている。
鉱工業出荷は、2020年5月以降回復傾向となっている。設備投資の先行指標である機械受注統計(船舶・電力を除く民需)は、一進一退が続いている。
経済活動の動向を敏感に観察できる人々に対するアンケート調査である「景気ウォッチャー調査」は、2020年10月以降、一進一退が続いている。
輸出金額は、2020年はマイナス11.1%となったものの、2020年末以降前年比プラス傾向となっており、2021年6月はプラス48.6%となっている。
消費者物価上昇率は、2020年度平均はマイナス0.2%となった。2020年10月以降前年比マイナスで推移したところ、2021年6月は前年比プラスに転じている。
完全失業率は、2019年に2.4%だったのが2020年には2.8%に上昇した。2021年1月以降は2%台後半で推移していたが、6月は2.9%となっている。有効求人倍率は、2020年は1.18倍と前年の1.60倍から大きく低下し、2021年1月以降は1.10倍程度で推移しているものの、引き続き求職よりも求人の多い状況となっている。新規求人数の増加率は、2021年4月以降に前年比プラスとなり、金属産業の増加率は産業計のそれよりも大きい。
倒産件数について、産業計は2020年度7,314件と2019年度の8,480件から13.8%減少し、そのうち製造業は、2020年度796件と2019年度976件から18.4%と減少しており、全体よりも減少幅が大きい。
製造業の企業業績について、2021年6月調査の日銀短観を見ると、2021年度は増収増益の予想となっているが、コロナ禍、半導体不足に加え、景気回復を背景に原材料、エネルギー価格が高騰しており、企業収益を圧迫するリスクが高まっている。
(2)政治情勢
2020年8月、安倍首相が総理大臣を辞任する意向を表明したことで、8年ぶりに首相が交代することとなった。菅義偉前内閣官房長官が第99代内閣総理大臣に任命され、同月、新内閣が発足した。内閣支持率は、NHKの世論調査によると、2020年9月の発足時には62%であったが、2021年5月以降、「支持しない」が「支持する」を上回り、7月は「支持しない」46%、「支持する」36%となっている。
2020年10月に菅総理が2050年までにカーボンニュートラルを目指すことを宣言した。同年12月の「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」では、10年間で2兆円の基金を造成することや、税制支援、規制改革・標準化、国際連携など、あらゆる政策を総動員するとしている。
「経済財政運営と改革の基本方針2021」では、成長を生み出す4つの原動力の推進として、グリーン社会、官民を挙げたデジタル化の加速、日本全体を元気にする活力ある地方創り、少子化の克服・子どもを産み育てやすい社会の実現を掲げている。財政健全化については、2025年度基礎的財政収支黒字化を堅持し、EBPM(証拠に基づく政策立案)推進のため、「経済・財政一体改革エビデンス整備プラン(仮称)」を策定するとしている。最低賃金については、より早期に全国加重平均1,000円とすることを目指し、2021年の引上げに取り組むとしている。
2021年7月、中央最低賃金審議会は、A~D全ランク同額28円とする2021年度地域別最低賃金額改定の目安を取りまとめた。2021年度の目安は、一部の地域の事例を除き、昭和53年度に目安制度が始まって以降で最高額となる。また、全ランクで有額かつ同額の目安が示されたのは、時間額に統一された2002年以降初めてとなる。
2021年7月、東京都議会議員選挙が行われた。自民党は議席を選挙前の25から33に伸ばし第1党となったものの、公明党と合わせて過半数には届かなかった。立憲民主党は、1、2人区を中心に共産党と候補者を一本化し、議席を8から15に伸ばしたが、この結果は、次期衆院選に大きな影響を与えるものと思われる。国民民主党は、4名の候補を擁立したものの、議席獲得には至らなかった。
3.2 国際情勢
(1)経済情勢
世界経済は、先進国を中心に新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、経済活動の制限が緩和されてきたことなどにより、2021年のGDP成長率の見通しは6.0%となった。一方、先進国以外のワクチン接種の遅れ、変異ウイルスの拡大などにより、景気回復ペースの遅れが懸念されている。
米国は、2020年の実質GDP成長率はマイナス3.5%となったが、。家計への現金給付やワクチン普及を背景に2021年1~3月期は前期比年率6.4%となった。こうした状況を受け、FRB(米連邦準備理事会)は、2023年中にゼロ金利政策を解除する方針を示したが、雇用の回復を確実にするため、金融緩和を粘り強く続ける姿勢を示している。
ユーロ圏は、2020年の実質GDP成長率はマイナス6.5%と大幅マイナスとなったが、活動制限の緩和が進む中、2021年1~3月期は前期比年率マイナス1.3%とマイナス幅が縮小している。2021年7月、ワクチン接種などの条件を満たせばEU域内の移動が自由になるワクチンパスポート(EUデジタルコロナ証明書)が本格導入されたことも景気回復の追い風になると見られている。
中国は、2020年4~6月期以降、実質GDP成長率は前年比プラスが続いており、2021年4~6月期は7.9%となった。先行きについては、雇用・所得環境の改善と政府の消費刺激策に加え、世界の需要がワクチン普及と経済対策により持ち直していくと見られることから、堅調に回復すると見込まれている。
東南アジアでは、2021年はじめは輸出を中心に回復傾向となっていたところ、5月以降、新型コロナの変異ウイルスが広がったことで、マレーシア、タイ、インドネシア、ベトナムなどで活動制限が行われ、一部では工場も停止している。
(2)政治情勢
2021年1月、米国ではバイデン新政権が誕生した。外交面では、国際秩序の立て直し、同盟国との関係修復を掲げ、日本やEU、オーストラリア、インドなどとの連携を強める動きが加速している。人権問題や世界における民主主義の後退に強い懸念を示しており、2021年3月に中国が香港で民主派を排除する選挙制度の導入を決めると、米国は、2020年7月に成立した香港自治法に基づき、中国と香港の当局者24人を新たに制裁対象とした。2021年6月のG7サミットの首脳宣言では、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調したほか、新疆ウイグル自治区や香港情勢などで、人権や基本的な自由を尊重するよう求めた。
加えて、中国のハイテク分野の企業や研究機関を安全保障上問題がある企業として、事実上の禁輸措置を発動し、軍事面では、中国のミサイル攻撃を見据えてインド太平洋地域における米軍の拠点を分散させていく方針を示すなど、新冷戦下における対決姿勢をさらに鮮明にしている。
中国に対する欧米からの制裁が続く中、2021年6月、中国では、外国から制裁を受けた場合に報復するための法律である「反外国制裁法」が成立した。
2021年2月、ミャンマー国軍のクーデターにより、国家の司法・立法・行政の権限が大統領から国軍司令官に委譲され、2011年に民政移管されてから10年足らずで軍政が復活することになった。これに対し大規模なデモが開始されたものの、国軍の弾圧により750人を超える死者が出ていると現地の人権団体は発表しており、国際社会から強い批判が起きている。
欧州各国でサプライチェーンにおけるデュー・ディリジェンスに関する立法化が進んでおり、EUレベルでも、2021年秋までに指令案を提案する予定となっている。EUに進出する日系企業も対象となる可能性がある。
3.3 新型コロナウイルス感染症
日本国内の新規感染者数について、2020年末には、全国で1日あたり4,532人、うち東京都だけで1,000人を超えるなど、年末年始に首都圏で感染が急拡大し、東京、神奈川、千葉、埼玉を含む1都3県を対象に2度目の緊急事態宣言が発出された。その後、感染者数はいったん落ち着いたものの、4月にふたたび急増したことに加え、従来のウイルスよりも感染力が強いとされる変異ウイルスが広がったことで、3度目の緊急事態宣言が発出された。その後、感染者数は減少傾向となったが、7月に東京都で感染拡大が続いたことで、東京都に対し、4度目の緊急事態宣言が発出されることとなった。これにより、開催が1年延期されていた東京オリンピック(2021年7月23日~8月8日)では、8割の会場において無観客で開催されることとなった。
ワクチン接種について、日本国内では2021年2月に始まった。7月13日時点の国内累計接種回数は6,365万回となり、総人口のうち少なくとも1回接種した人は31.0%にとどまっている。海外では、2020年12月以降、英国をはじめ、先進国を中心にワクチン接種が広がっているものの、先進国以外では接種が遅れており、世界の人口のうち、少なくとも1回のワクチン接種を受けた人の割合は、2021年7月時点で25.4%となっている。アジア諸国はワクチン接種が遅れたことや、感染力の高い変異ウイルスが広がったことで、新規感染者数の大幅な増加が続いており、インドや東南アジア各国では活動制限が行われている。
人口の一定以上の割合が免疫をもつと、感染者が出てもほかの人への感染が減って流行しなくなる「集団免疫」という状態になるが、WTOはその割合について、正確には分からないものの、世界の人口の70%を超える人がワクチンを接種する必要があるという見方を示している。
4.運動方針
4.1 国際連帯・国内外での建設的労使関係構築に向けた活動
国際連帯活動
目的 |
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課題・背景 |
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具体的な 運動 |
2022年度の具体的運動 | 2023年度の具体的運動 |
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多国籍企業労組ネットワーク構築
目的 |
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課題・背景 |
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具体的な 運動 |
2022年度の具体的運動 | 2023年度の具体的運動 |
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国際人材育成
目的 |
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課題・背景 |
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具体的な 運動 |
2022年度の具体的運動 | 2023年度の具体的運動 |
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日本の労使への建設的労使関係構築の理解促進
目的 |
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課題・背景 |
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具体的な 運動 |
2022年度の具体的運動 | 2023年度の具体的運動 |
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4.2 次世代の加盟産別・単組の活動を担う役員の育成とスキルアップを支援するための活動
教育活動
目的 |
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課題・背景 |
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具体的な 運動 |
2022年度の具体的運動 | 2023年度の具体的運動 |
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4.3 金属産業政策
産業横断特定テーマに関する金属産業政策立案・実現
目的 |
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課題・背景 |
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具体的な 運動 |
2022年度の具体的運動 | 2023年度の具体的運動 |
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4.4 労働政策
金属共闘
目的 |
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課題・背景 |
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具体的な 運動 |
2022年度の具体的運動 | 2023年度の具体的運動 |
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特定最低賃金
目的 |
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課題・背景 |
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具体的な 運動 |
2022年度の具体的運動 | 2023年度の具体的運動 |
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4.5 地方活動
地方ブロック活動
目的 |
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課題・背景 |
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具体的な 運動 |
2022年度の具体的運動 | 2023年度の具体的運動 |
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4.6 情報発信
電子メディアに特化した情報発信
目的 |
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課題・背景 |
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具体的な 運動 |
2022年度の具体的運動 | 2023年度の具体的運動 |
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4.7 財政運営
単年度収支均衡に向けた財政状況の改善
目的 |
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課題・背景 |
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具体的な 運動 |
2022年度の具体的運動 | 2023年度の具体的運動 |
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5.最後に
「1.はじめに」で記載したとおり、この運動方針で提案する2年の運動期間は、新しい金属労協に向けた準備期間になる。2年後の2023年9月開催の定期大会において準備期間での成果を報告できるよう、これまでの運動を新しい金属労協の姿に向けて見直し、さらに新しく取り組むべきことに挑戦する期間である。何よりも、協議会という組織であることに立ち返り、産別との連携をこれまで以上に深める必要がある。産別の皆さんの積極的な参画を改めてお願いしておきたい。また、現時点で想定できない事態が発生し対応が必要な場合には、運動方針に書いた内容の変更や追加を行わざるを得なくなることについてはご理解いただきたい。
また、連合の産業・部門別連絡会議のあり方等については、連合の運動方針にもとづいて議論されることになるが、金属労協としてもこの議論に積極的に参画し、我々の求める姿に近づけるよう努力したい。