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女性交流集会報告

最近の女性交流集会報告

2017年度JCM男女共同参画推進集会(2017年6月24日)

金属労協(JCM)2017年男女共同参画推進集会ひらく

~ものづくり産業における誰もが参加しやすい組合活動をめざして~

2017年度男女共同参画研修会

 金属労協(JCM)は、2017年6月24日(土)午前10時から午後4時まで、東京・電機連合会館で、2017年度男女共同参画推進集会を開催した。同推進集会には、加盟5産別から企連・単組の役員52名(男女各26名)をはじめ産別・JC本部役員、女性連絡会議運営委員など77名が参加した。

 金属労協では2010年から年1回、女性を参加対象として「金属産業で女性がいきいきと働き続けるために」をテーマに女性交流集会を開催してきたが、女性参画推進、男女共同参画推進は男女で取り組むべき課題であることに鑑み、昨年2016年は初の試みとして、産別・単組・企業連の男性の女性参画推進担当者にも参加頂き「女性参画研修会」の名称で、女性参画に関する国内外の動向について講演を聞く研修会方式で開催した。そして今年度より名称を「男女共同参画推進集会/研修会」とし、男女を参加対象としてグループワークを実施する男女共同参画推進集会と、講演会形式の研修会を年1回、交互に開催することとした

◆開会挨拶(相原議長)

開会挨拶をする
相原金属労協議長

 同集会では、冒頭、金属労協を代表して、相原康伸議長が開会挨拶に立ち、「女性参画は着実に推進してきているものの、研修会や会議を通じて、男女で考え方や視点に差があることを改めて認識することがある。これまで多くの現場で男性中心であった我々金属産業『ものづくり』の職場でも、誰もが働きやすい職場、環境整備は男性にとっても、女性にとっても大きな課題である。本日のグループワークでは、積極的な意見交換をしていただき、今後の組合活動への女性参画推進に向けた具体的なアイデア、取り組み案をまとめ、グループワーク報告で拝聴できることを期待している」「「金属労協では今後も女性参画推進に力を入れて参る所存であるが、それには加盟産別、企業連、そして単組での取り組み推進が必須である。本日の集会の内容が、参加者の皆様の取り組みの一助となることを祈念して開会の挨拶とさせて頂きたい」等と述べた。

 

インダストリオール女性委員会共同議長からのビデオ・メッセージ

ミシェル・オニール インダストリオール女性委員会共同議長/アジア太平洋地域共同議長からの
ビデオ・メッセージ

 次いで、ミシェル・オニール インダストリオール女性委員会共同議長/アジア太平洋地域共同議長からのビデオ・メッセージを上映した。この中でオニール共同議長は、「昨年10月ブラジルで開催した世界大会で、インダストリオールのあらゆるレベルにおける40%の女性代表制を導入するという目標値が設定されました。この目標値達成のために私達は大いに努力しなければなりません。これを達成するためには、しっかりとした明確な道筋を示す必要性があります。目標値を設けさえすれば結果が出てくるということではないのです。JCMの本日の研修会のような活動をスタートさせなければいけません。女性の意見に人々が耳を傾けるようになるにはどうしたらよいのか、男女で討議を始めるべきです」「女性の意見に人々が耳を傾けるようになるにはどうしたらよいのか、男女で討議を始めるべきです。そして、多様性や女性の人生経験の深さを認識し、労働者、職場の実態を理解することは、より良い組織を築くために絶対に必要なことです」「JCMは、女性が組合に参画することを奨励し、支援するための真摯な素晴らしい尽力をされている。皆さんがすでに達成された成果に謝意と祝意を表します。未来のために私達が共に活動することは極めて重要です。JCMのリーダーシップ、JCMの生え抜きの女性たちが日本、アジア太平洋地域、さらには世界の組合運動の未来の担い手になると確信しています」等と激励した。

 

 

◆事例報告「労働組合を変えよう!変わるのも人、変えるのも人!」

事例報告をする日本電気労組の石井隆之氏

事例報告に聞き入る参加者

 この後、男女共同参画推進の先進事例として日本電気労組の石井隆之委員長から「労働組合を変えよう!~変えるのも人、変わるのも人~」のタイトルで報告を受けた。労組の組織率の推移、組合員離れの要因、労働組合のイメージの分析をした上で、自らの組合役員の経験の中で、労働組合の改革に取り組んできた経験事例について、自身の「しくじり体験談」として、組合行事として新企画へのチャレンジ、文字ばかりの議案書からノート型議案書への刷新など組合をより身近に感じるための工夫や、専従女性執行委員の登用への挑戦とそのための環境づくりなど、様々な改革の経験事例に参加者の共感の輪が広がった。女性活躍・ダイバーシティの推進の中で、労働組合役員の考え自体が変わっていったことなどの事例も紹介された。最後に、「労働組合がもっと身近で、愛される組織になるために、時代の変化に合わせて組合活動を変化させることが出来る組織作りをしていきたい。『人が変われば組織が変わる、組織が変われば活動が変わる、活動が変われば、労働組合は変わる!』ことを強調し、報告を結んだ。

 

◆グループワーク及びグループワーク報告

   
   
   

グループワークの様子

 午後からは、グループ別に自己紹介を兼ねた昼食をはさんで「ものづくり産業における誰もが参加しやすい組合活動を目指して」をテーマに、参加者男女で7つのグループに分かれて、事例報告に対する感想を含め、誰もが参加しやすい組合活動づくりに向けて活発なグループワークを行った。グループワークにはJCM加盟産別の代表者も参加し議論に加わった。

 そのあと、各グループワーク報告を行ったが、組合活動への女性参画推進については、「女性の組合参画については、まずは意見を吸い上げることが大事。男性の意見も吸い上げて、組合の魅力を伝えていく。労働組合として意識を変えるイベントを開催したい。育休、産休テーマのイベント、子連れ参加のイベントなど労使での取り組みも大事だ。具体的には育休をトップダウンで促す、育休取得者情報を会社と組合で共有するなど。男性の意識を変えるだけでなく、女性も意識を変える必要がある」「セミナー開催の工夫、組合活動の見せ方をどう工夫するか、男性の意識改革も必要だ。数字ありきの活動ではだめだが、数字を目標にして活動を活性化させるのも良いのではないか、育児休暇の事例が少ないので、ロールモデルを集めてパンフレットを作製したらよいのではないか」「組合活動が休日や夜に多いので、それを変えるのが先決だ、ランチミーティングなどの工夫が必要、男女それぞれが違うことを理解するセミナーの開催などの案が出た。男女ともに固定概念があるせいか、男性が女性に気を使いすぎてしまうことがあるので、コミュニケーションを取りながら活動することが必要、育児・介護中の人が活動に参加しやすくするために、託児所を設置した会議体の工夫なども必要」などの意見が出された。

 女性の組合役員への登用については、「「単に女性役員の比率を上げなければいけない、という口説き方では女性は動かない、その人にどんな役割を担って欲しいのか、ちゃんと説明する必要がある。日ごろからのコミュニケーション構築など、日常の活動が重要だ」「女性組合員の登用も重要だが、女性の採用促進など産業構造自体のあり方を変える必要もある」などの意見が出された。

 そして、誰もが参加しやすい組合活動づくりについては、「今後の課題は、産休など、執行委員が抜けた際の業務体制をどうするか、会議体、女性目線・男性目線のイベントをもっと魅力あるものにする、組合活動時間の改善」などの意見が出た。「誰もが参加しやすい組合活動のために、組合が何をしているのか『見える化』に取り組んではいるが、全てが見えていないのではないか、組合活動に参加する際のハードルが高い、等の意見も出た。これらの課題改善のための具体案として、会議を「美味しい、楽しい、お得」のモットーで開催する、次世代育成のために青年女性委員会を重視する、会議のランチ時間の開催、女性役員複数化など」参加者が自組織に持ち帰ることの出来る男女共同参画推進のための具体的なアイデアなどを共有しあった。

 

◆閉会挨拶

 産別代表からのコメントを受けた後、最後に浅沼事務局長から「『誰もが参加しやすい組合活動を目指して』とのテーマは、今は女性が参加しにくいという事を意味している。何故参加しにくいのか、どうやって障害を取り除くかは、ポジティブに考えるしかない。女性参画の取り組みを推進するにはトップの『変えようという意志』が重要だ。これまで女性参画の集会を開催してきたが、今回の集会を通してようやく何か変えていけるのではないかと感じることが出来た。今日の集会を機会に第一歩を踏み出してほしい」との閉会挨拶を行い閉会した。最後に全員で記念撮影した後、散会した。

参加者全員で撮影した記念写真

 

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