アジア太平洋地域の金属労働者代表が一堂に会し、
インダストリオール結成に向けた議論行う
2012年5月29、30日の両日、台湾・高雄市内の福華大飯店で、金属労協主催による第5回アジア金属労 組会議を開催した。今回は、台湾のIMF加盟組織であるIMF-ROCC(中華民国委員会)の受け入れ・協力のもとで開催した。会議にはアジア・太平洋地 域12カ国から77名の金属労組代表が参加した。日本IMF-JCからは西原議長をはじめ19名が参加した。
開会式では、主催者であるIMF-JCを代表して西原浩一郎議長が挨拶した後、来賓としてIMF-ROCC元国際局長の藩世偉(パン・シー・ウェイ)行政院労工委員会副主任委員(労働省副大臣に相当)が挨拶した。開会式には受け入れ組織を代表して施文昌IMF-ROCC(中華民国委員会)主任委員、IMF本部からはロブ・ジョンストンIMF執行部長と、松崎寛IMF造船・船舶解撤/事務技術職部会部長が参加し、それぞれ挨拶した。
会議では、「IMFアクション・プログラムのフォローアップ」、「インダストリオールの結成への対応」、および「今後のアジア金属労組連絡会議のあり方について」の3つの議題について、活発な議論が行われた。
一つ目の議題「IMFアクション・プログラムのフォローアップ」については、フィジーをはじめアジア太平洋地域各国では広範囲に労働組合運動に対する抑圧が行われており、ILOの中核的労働条件に関する主要8条約の批准も進んでおらず、特に結社の自由に関する第87号条約や第98号条約の未批准が、組織化を困難にしているとの指摘が各国の報告の中であり、参加者全員で今後とも連帯して対応していくことを確認しあった。
二つ目の議題「インダストリオール結成への対応」では、国内加盟組織間の連携強化か課題として浮き彫りになった。オーストラリアとニュージーランドの加盟組織はすでに産業・国境の枠を超えた協議会を結成しており、またIMF-JCは、国内加盟組織であるICEM-JAFやUIゼンセン同盟と協議の場を持っている事例が紹介された。参加者からは国内加盟組織間の協力に関して、成功事例もうまくいかなかった事例も紹介しあって、アジア太平洋地域で共有するような取り組みを是非お願いしたい等の意見が表明された。
三つ目の議題「今後のアジア金属労組連絡会議のあり方」については、これからも現状のまま開催するべきとの意見をはじめ、この会議の規模をインダストリオールに加盟する組織全体に拡大するべきという意見、さらにはこの会議を母体に、金属産業の連携を強化・深化させるために「アジア金属労連」として再編するべきとの意見まで表明された。結論としては、来年については今回と同様にインダストリオールのアジア太平洋地域の金属労組の会議として開催し、それ以降については都度議論し、あり方を確認していくこととなった。