第18回「海外での建設的な労使関係構築」国内労使セミナーを開催
~グローバル化に対応した労使関係とは~独自動車メーカーの取り組み事例から~
2016年7月20日、東京・電機連合会館で金属労協が開催
第18回「海外での建設的労使関係構築」国内労使セミナー(2016年7月2025日、電機連合)
JCM(金属労協)は、2016年7月20日午後、東京・電機連合会館会議室で、第18回「海外での建設的な労使関係構築」国内労使セミナーを、加盟産別・企業の労使代表135名(内会社側26名)の参加を得て開催した。
JCMとして、2007年10月以来、「中核的労働基準順守の取り組み推進と、海外における建設的な労使関係構築に資すること」を目的に年2回ずつ、「海外での建設的な労使関係構築」国内労使セミナーを、各国の労使関係に焦点を当てながら、加盟産別・企業の労使代表を対象に開催してきた。 18回目となる今回は、「グローバル化に対応した労使関係の独自動車メーカーの取り組み事例」、「インドネシアの経営環境」、「最近の労使紛争事例と金属労協の取り組み」を中心に研さんした。
冒頭、金属労協を代表して相原康伸議長が挨拶に立ち、①今までのセミナーの経緯と今回の特徴点、②「建設的な労使関係の構築」の意味、③グローバルな立場で金属労使に期待される役割、などについて、述べた。
続いて、講演1として、立教大学経済学部・准教授の首藤若菜氏から「グローバル化に対応した労使関係~ドイツ自動車メーカーの取り組みを手がかりに~」について講演を受けた。同氏は、労働組合はその組織の性格上、活動が国内に限られ、グローバル化への対応が遅れがちであることを指摘。ドイツ自動車産業におけるグローバル化への労使の対応の実情、またネットワーク構築に向けた取り組みを中心に報告した。GFA(グローバル枠組協定)の締結については、労使紛争の予防、早期解決の面での有効性について強調された。
次に、講演2として、インドネシアBFIE社・社長の小尾吉弘氏から、「インドネシアの経営環境」と題して、長年に及ぶインドネシアでの現地駐在の経験を踏まえたお話しをいただいた。小尾氏は、従業員との日常的なコミュニケーションの重要性について指摘され、我慢強く、感情的にならず、労働者の声に耳を傾けることの重要性を述べられた。
次に、事例報告として、金属労協の岩井国際局部長から、「最近の労使紛争事例と金属労協の取り組み」について報告した。今回は過去インドネシアで発生した労使紛争をいくつか報告した。特徴的には、労使の事前の協議が未成熟な事例や中核的労働基準への理解が不十分なケースなどが報告された。
最後に、セミナーのまとめとして、金属労協の浅沼事務局長が、「労使紛争の事例は事欠かないほどある。言い換えればノウハウはそれなりにあるということになる。金属労協としても、早期解決に向けたアドバイスもできるのではないか」「JCMはインドネシアとタイで海外セミナーを開催している。さらに対象国を増やそうと検討しており、海外でも建設的な労使関係の構築に努めていきたい」等とコメントして、閉会した。→詳細記事