第21回「海外での建設的な労使関係構築」
国内労使セミナーを開催
~日系進出企業の多いアジア地域の労働事情、労使関係を中心に~
2017年11月21日、東京・電機連合会館で金属労協が開催
JCM(金属労協)は、2017年11月21日午後、東京・電機連合会館会議室で、第21回「海外での建設的な労使関係構築」国内労使セミナーを、加盟産別・企業の労使代表119名(内会社側26名)の参加を得て開催した。
JCMとして、2007年10月以来、「中核的労働基準順守の取り組み推進と、海外における建設的な労使関係構築に資すること」を目的に年2回程度、セミナーを開催してきた。今回は、日系企業が多く進出しているアジア地域の労働事情、労使関係を中心に研さんした。
セミナー冒頭、金属労協を代表して髙倉明議長が挨拶に立った。労使紛争の防止には、日頃からの互いに顔が見えるコミュニケーションやネットワーク作りが重要だとし、アジアを中心とする新興国では経営と労働組合との認識のギャップが目立っているなどと、述べた。
続いて、講演1として、金属労協・顧問の小島正剛氏から「アジア主要国における労働情勢と労働組合の動向」について講演を受けた。まず、アジア地域の特徴として、その多様性や経済発展の様々な段階について指摘し、労働分野における法整備等が不十分であると述べられた。また、インドネシア、タイ、マレーシアの各国の労働事情や労使関係に触れ、最後に、各国共通して労使の対話は重要ではあるが、その前提として労使双方の信頼関係の醸成がまず必要なことを強調された。
次に、講演2として、富士通ゼネラルタイランド(FGT)常務の吉原茂充氏からは、現地日本人経営者の立場から「タイ日系企業の労使関係と労使交渉」について講演を受けた。特に、①日本の本社の意向で話をするのではなく、自分の考えとして話をしていくことが肝要である、②日本的労使関係の導入は困難であり、現地化したモデルが適当ではないか、③事業活動を通じ、従業員の生活の安定と向上を目指すことを明確に示すことが必要である、などと強調された。
最後に、JCM国際局部長・岩井伸哉からタイの「日系進出企業における紛争事例紹介」を行った。昨年末にタイにある同じ工業団地で行われた4社の賃金・一時金をめぐる労使交渉・紛争について、その背景となった日本人経営者の考え方や外部労働団体の動向などについて説明をした。
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