結成大会が無事閉会
インダストリオールの新たな歴史始まる
コペンハーゲンで2012年6月20日
2012年6月19日に開幕したインダストリオール・グローバルユニオンの結成大会は、20日に、不安定労働反対の決議をはじめ、運動方針「アクションプラン」、規約などを審議・決定し、閉幕した。ここに新しい5000万の強力なグローバル連合が結成され、インダストリオールの新たな歴史が始まった。アジア・太平洋地域の代表組織として結成大会の成功に向けて中心的な役割を果たして来たJCは代表団を送り、結成大会の成功に寄与、西原議長は20日の大会でJCを代表して発言、「インダストリオールの活動に積極的に関与しその推進に貢献していきたい」等と決意を述べた。
西原JC議長が発言
大会2日目:元IMF執行委員(スウェーデンIFメタル会長)で昨年スウェーデン社民党党首に選出されたステファン・ロフヴェン氏の挨拶で始まった。続いて前日概要が説明された「アクション・プラン」に対する会場からの発言が行われた。
西原IMF-JC議長はインダストリオール結成への経過にもふれながら、新組織結成により産業労働者の運動を強化し、これまで以上の力を発揮し得る枠組みを得たことを歓迎した。また新組織結成自体が目標では無く、今後4年間の移行期間の重要性についても言及した。西原議長は優先課題として、製造業労働者の意見を政府間会合・国際機関に反映させること、組合ネットワークの強化、女性労働組合幹部の育成等を揚げ、IMF-JCとしてインダストリオールの活動を支えていく意思表明をした。また、中南米の執行委員議席配分の問題に関して、「透明性を保った民主主義が担保されなければならない、少数意見を尊重し多様な意見を取り纏め、決めたことを推進するよう本部がリーダーシップを発揮するべきだ」と述べた。
アクションプランを決定
アクション・プランに対する発言は36件あった(内、女性7名/欧州12、北米4、中南米4、アフリカ5、アジア太平洋11)。主な意見は、英ユナイトの代表が「組織化が最重要課題、5,000万人の組合員数を1億人にすることを目指すべき。また我々の組織化や紛争解決を支援してくれた日本・オーストラリア・フィンランドの労組にお礼を申し上げる」と述べた。ボブ・キングUAW会長は、アクション・プランの内容を評価し、「やはり組織化に重点を置くべき、強い組合で戦略的な組織化を構築すべきだ」と発言した。また組織化等に関して自動車総連、IGメタルの協力に感謝の意を表すとともに「UAWが組織するTNCの海外工場で労使の問題があれば、要請いただければいつでも駆けつけ解決に協力する」旨述べた。他にも組織化を重点課題とする発言が多数あり、特に女性・若者の組織化に関してキャンペーンを展開するなどの意見も出された。また、UIゼンセン同盟を含む複数の労組代表から、ITGLWFがこれまで展開してきた生活賃金キャンペーン、児童労働・強制労働撲滅キャンペーンの継続、ILO基準条約批准の取り組みを推進して欲しいとの要望も出された。アクション・プランへの意見と同時に、出身国・労組の窮状を訴える発言も多く見られた。これら意見が出された後、単純多数決の挙手による審議が行われ、アクション・プランは承認された。
前日の中南米の執行委員議席数の問題に関して、ユルキ・ライナ書記長から合意を得られたとの発言があり、中南米を代表してブラジルのヴェルター・サンチェスが結果を以下の通り報告した。「結論として中南米加盟組織は規約は変えられないというコンセンサスに達した。中南米地域、特にIMFでは15%得ていた議席がインダストリオールでは10%に減った。議席数が規約に明記されていること自体が問題だと感じているが、次回執行委員会までにクリエイティブな議論をすると言うことで我々は納得した」この発言を受けてフーバー会長は、「規約を変えることなく何が出来るか検討する、議席数の再配分と言うより執行委員会への参画について例えばオブザーバー参加など何が出来るか話し合う」と述べた。続いて中南米の執行委員リストが提示され、全ての執行委員・代理委員リストが大会で承認された。執行委員の採決に続いて規約、政治合意文書、産業部門に関する採決も行われ全て承認された。
大会では、不安定労働、スペイン鉱山労働者、フィジーの労働組合弾圧に関する緊急決議が提案されいずれも採択された。 会議2日目にはブラジルの労働組合出身の前大統領ルラ・ダ・シルヴァからのメッセージをフェルナンド・ロペス書記次長が読み上げ披露した。
閉会直前には、トルコの加盟組織代表から2016年に開催する次回インダストリオール世界大会をイスタンブールで開催したいとの申し出があった。
閉会に際し、フーバー会長はインダストリオールの優先課題として以下の事項を掲げた。「対政府・企業の取り組みを強化」「組合員の代弁者になる」「不安定労働への取り組み強化」「グローバルな労組ネットワーク構築」「組織化」。そしてこれら課題は簡単な問題では無いが、影響力を増し、世界中の労働者のために戦っていきましょうと述べた。