ホンダ・メキシコ労働者に希望
2015-10-14
ホンダ・メキシコ労働者は10月15日、労働組合を選ぶために初めて投票を行う。STUHMは7月以降、連邦調停・仲裁委員会(JFCA)に対し、公明選挙によって同社で団体交渉権を持つべき組合を決定できるようにするために、信頼できる有権者名簿の提供を要求してきた。
ホンダ・メキシコでの合法的かつ透明な投票は、メキシコが批准済みのILO第87号条約に定めるとおり、この工場で結社の自由を達成するうえで意義ある前進である。ホンダ労働者の独立労働組合(STUHM)は、10月15日の投票実施を通知されてから変化を期待している。
法律では自由投票を保証するために中立的な投票が義務づけられているが、独立組合は5日前に突然、同社のハリスコ工場で投票が行われることを知らされた。
10月14日の最新報告によると、CTM傘下の黄色企業内組合SETEAMIが3交代勤務の工場労働者に直接接触している。保護組合SETEAMIは「STUMHに投票すれば工場が閉鎖される」と脅してくる、と労働者は言う。カルロス・アリアスCTM会長からの音声メッセージが、3交代勤務の労働者全員に伝えられた。一方、STUHMは、法律で許されている労働者や工場へのアクセスを与えられていない。
STUHMは選挙のオブザーバー名簿を要求した。この選挙には、主要なインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織の代表が立ち会う。代表たちは、ホンダ・メキシコ初の労働組合選挙の実施条件を監視するためにハリスコに赴く。
STUHMはJFCAとメキシコ政府に対し、保護協約の撤廃に取り組むというナバレテ・プリーダ労働社会福祉大臣の公式声明を実行に移すよう要求している。同労組はILOなど国内外の労働組合組織にも、現在同社で交渉権を有するSETEAMIによる違反や絶えざる嫌がらせに関して苦情を申し立てた。
インダストリオールと全世界の自動車部門の加盟組織は、ハリスコのサルティーヨ工場で代表組合を選ぶ権利を守るための闘いにおいて、STUHMとメキシコのすべてのホンダ労働者を支援し、連帯を表明している。
ユルキ・ライナ・インダストリオール書記長はJFCA委員長に改めて書簡を送り、安全な場所で透明な投票箱を利用して無記名投票を行い、公正かつ自由な選挙の実施を保証するよう求めた。
ライナ書記長は書簡の中で次のように強調した。「インダストリオールと加盟組合は、この選挙の行方を見守る。ホンダ・メキシコ取締役会とメキシコ政府自体の健全性と評判がかかっていることは言うまでもない」
インドの船舶解撤労組、政府に香港条約の批准を要求
2015-10-13
アラン造船所の船舶解撤労組はインド道路交通・高速道路大臣に書簡を送り、この産業の国際的な安全衛生基準である香港条約の批准を要求した。
アラン・ソシヤ船舶再利用一般労組(ASSRGWA)は、インド西部のアランにある世界最大の船舶解撤場の船舶解撤労組である。
書簡の内容は以下のとおり。
「(この産業の)ほとんどの労働者にとって、60歳まで生きることは夢にすぎません……したがってASSRGWAはインド政府に対し、危険で持続不可能な船舶解撤の問題を効果的に解決しようとする取り組みに加わり、香港条約を至急批准するよう要求します」
松崎寛インダストリオール造船・船舶解撤部門担当部長は言う。
「造船・船舶解撤労組のネットワークは、香港条約の実現に向けて行動を起こしている。条約の発効には、あと12カ国の主要海運国の政府による批准が必要だ。このキャンペーンは勢いづいており、この産業が安全になるまで引き続き要求していく」
V・V・ラネー組合書記長は次のように述べた。
「2015年10月7日にムンバイとアランの不安定雇用キャンペーンで、この問題を強力に取り上げる予定だ」
下記サイトでキャンペーン行動を参照:
http://www.industriall-union.org/campaign-to-clean-up-ship-breaking
ドイツ政府が香港条約批准を公約
2015-10-09
ドイツ連邦政府の海事調整官はIGメタルの要求に応じて、香港条約の速やかな批准の達成を公約した。
IGメタル沿岸地域支部は、2015年9月にドイツ政府に行動を求めた。マインハルト・ガイケン地域書記は、ハンブルグで造船所労働者に支持されながら、この要求を大きなプラカードに掲げて注目を集めた。
ウベ・ベックマイヤー政務次官は書簡で次のように回答した。
香港条約の批准
ガイケン様
環境に優しい健全な船舶解撤施設に関する信頼できる規則の設定は、私たちの共通の目標です。
香港条約を速やかに批准・実現しなければならないという貴殿の状況評価に同意します。EU船舶解撤規則は重要な第一歩です。実際、特にアジアにおいて、船舶解撤場の労働条件に関するグローバルな環境・安全基準を改善する必要があります。
ドイツ連邦交通・デジタルインフラ省の責任者に、貴殿のご意見を伝えておきました。セクション59GGの批准についてはこれから合意しなければならないため、正確な実施時期を予測するのはまだ困難です。これらの手続きの迅速かつ十分な進展を確保すべく取り組んでいます。
SKF関連労組が苦しい時期に結束
2015-10-08
世界中のSKF(スウェーデンに本社がある精密部品の多国籍企業)労働者代表が9月29日から10月1日までドイツ・フランクフルトで世界組合協議会の年次会合を開き、世界経済が低迷する厳しい時期に協力を強化する方法について討議した。
50人の代議員とオブザーバーが、SKFに雇用される約5万人の労働者を代表した。SKFは32カ国で事業を展開する創業100年の多国籍企業で、ベアリング、シール、潤滑システムといった技術製品の生産を専門としている。
同グループは、これまで十分な業績を上げていながら構造改革を実施し、特にホワイトカラー労働者に雇用喪失をはじめ数多くの影響をもたらしている。
会合に出席したSKFのアルリック・ダニエルソンCEOは、労働者・組合との協力の必要性を強調した。しかし、世界中のSKF労働者は今なお圧力にさらされている。考えられる対策は、国内法制の枠内で、既存の団体交渉協約を尊重しつつ、よりいっそう柔軟なアプローチを採用することだろう。この点で世界組合協議会(WUC)と全国組合およびその代表は、経営側と一致協力している。
その一方で代議員たちは、経営側が過去に犯した過ちや脆弱なグローバル経済を理由に労働者を人質に取ることはできないと強調した。労働者とその家族だけが、負担をすべて背追い込むことはできない。
この会合は開放的な雰囲気の中で開かれ、労使双方のために協力しようという意欲にあふれていた。しかし、一方通行の会議ではないことが強調された。ギブアンドテイクのバランスを取らなければならず、全員が正当な分け前を得なければならない。
経営側代表はSKFグループの現状と今後の戦略について発表した。各国から参加した代議員は熱心に内部情報を交換し、グループ戦略の変更が及ぼし得る結果をめぐって議論した。
代議員は、特に労働時間に関する柔軟な制度の類似点と相違点についても協議した。もう1つの問題は、世界中でディーセント・ワークと不安定な労働条件の撤廃を求める闘いである。
ホスト組合のIGメタルを代表して、イェルク・ホフマンIGメタル副会長がSKF世界組合協議会をフランクフルトに歓迎した。
代議員たちは、地域のSKFの主要顧客であるリュッセルスハイムのオペル工場も訪問した。
ディーセント・ワーク世界行動デーに日本のインダストリオール国内組織が行動
2015-10-07
ディーセント・ワーク世界行動デーに際して、日本のインダストリオール加盟組織は10月7日にいくつかの行動を組織した。
2015年10月6日、日本労働組合総連合会(連合)の第14回定期大会で、代議員全員がITUCのディーセント・ワーク世界行動デーに対応して行動を起こすことを支持した。連合が行動を起こす一方で、日本のインダストリオール加盟組織の1つである全日本金属産業労働組合協議会(JCM)も結集し、連合定期大会の会場で「ストップ不安定雇用!」全国キャンペーンのセッションを開いた。
さらに、JCM労働リーダーシップコースの受講生も、京都の研修施設で「ストップ不安定雇用!」に関する行動を起こした。これらの活動には、JCMの相原康伸議長、副議長、常任幹事、産別組織代表、JCM役員らも出席した。
ディーセント・ワーク世界行動デーに際して、インダストリオール加盟組織の全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟(UAゼンセン)は、特に若者と女性を念頭に置いて「すべての人々にディーセント・ワークを!」の要求を掲げた。
女性組合員と若年組合員は、男女平等推進委員会と青年委員会の全国会議でビラを配り、ディーセント・ワークへの取り組みを示した。
ディーセント・ワーク促進の議題は、不安定労働者の雇用安定化と労働条件改善、職場における男女平等の促進など、特に女性と若者が現在直面している一連の課題と結びつけられている。
女性・青年指導者は引き続き行動を起こすことを再確認した。この日の行動は同時に、幅広い指導者が発展途上国の困難な状況とディーセント・ワークの重要性に対する理解を深める好機にもなった。
インドのマルチ・スズキ工場前で平和デモの暴力的弾圧
2015-10-01
インドのマルチ・スズキ工場で、常用従業員だけを対象とする新しい賃金協約が締結された。協約から除外された臨時労働者はマネサール工場前で抗議したが、この平和デモは暴力的に弾圧される結果となった。
インド3工場でマルチ・スズキ労使が締結した協約は、臨時労働者(2012年に解雇された労働者)の賃金を対象としていない。
マネサール工場では3,000人を超える臨時労働者が、以前から常用労働者と対等な賃金を要求しており、工場前で集会を開いて不満を表明した。
これに対して警察はデモ参加者を暴力的に解散させた。数人の労働者が負傷したり、逮捕されたりした。逮捕された労働者の何人かは、その後保釈されている。
フェルナンド・ロペス・インダストリオール・グローバルユニオン書記次長は言う。
「このようなひどい暴力は到底容認できない。インダストリオールは、明らかに経営側を支援している警察の残虐行為を非難する。臨時労働者の問題をはじめ、マルチ・スズキのすべての労働問題の平和的解決を求める」
チュニジアのUGTTがノーベル平和賞を受賞!!
2015-10-09
労働組合が一石を投じた! チュニジアの市民社会グループ4団体が、アラブの春に続いて国内で民主主義を促進したことにより、2015年のノーベル平和賞を受賞した。ナショナルセンターのチュニジア労働総同盟(UGTT)は受賞4団体の1つである。
チュニジアの4組織、UGTT、チュニジア工業・商業・手工業連盟、チュニジア人権連盟およびチュニジア弁護士会は、ノーベル平和賞委員会によると「国家が内戦の瀬戸際にあった2013年に代替的な平和的政治プロセス」を達成し、「その後、全国民に基本的権利を保障した」業績により、2015年のノーベル平和賞を受賞する。
UGTTに加盟するチュニジア金属一般労連の書記長でインダストリオール執行委員のタハール・ベルベリはこう述べている。「大変感動しており、この受賞を心から誇りに思う。今回の受賞は、これまでの辛く厳しい活動を認めるもので、それを足場に引き続き前進していこうという希望を与えてくれる。すべての支持者、特にインダストリオールのような労働組合に感謝する」
「ノーベル平和賞の受賞で、すべての政治的・社会的勢力が団結し、民主的な憲法を生み出すという崇高な任務に一丸となって取り組むことを願っている」
インダストリオール・グローバルユニオンのユルキ・ライナ書記長は今回の受賞についてこうコメントしている。「チュニジアの同志が自国のために大きな業績を成し遂げたことを祝福する。この素晴らしいニュースは、労働組合が平和な民主的社会の構築にあたって重要な役割を担っていることを示している」
インダストリオールは2014年12月、労働組合が重要な役割を果たしているチュニジアの民主的発展への支援を表明して、チュニスで執行委員会を開催した。
その執行委員会の席上、基調講演者として招待されたウサーン・アッバーシUGTT書記長は、労働者が獲得した成果を守ると約束し、次のように語った。「労働者は民主的なチュニジアを求める闘いに貢献している。インダストリオールがチュニジアに来てくれたことは、労働組合とその活動を支援するという強力なメッセージだ」
インダストリオールが、タイ政府をILOに提訴
2015-10-07
ディーセント・ワーク世界行動デーの当日10月7日に、インダストリオール・グローバルユニオンは、労働組合権の重大な侵害でタイ王国政府を国際労働機関(ILO)に提訴した。
ILO結社の自由委員会へのインダストリオールの訴状は、タイにおける18件の労働組合・労働者虐待事件を詳述している。
タイに7つの加盟組織を擁するインダストリオールは、タイ政府が3,900万人の労働者を保護しておらず、労働者の半数近くがインフォーマル・セクターで雇用されている状況を非難している。タイでは長年にわたって労働者が虐待されているが、2014年5月の軍事クーデター後に樹立された現政権下でも状況は改善していない。
タイの法律は労働人口の約75%に結社の自由に対する権利と団体交渉権を与えておらず、この国の組合組織率はわずか1.5%と東南アジア全体で最も低い。さまざまな部門の世界的ブランドが製造活動を実施しているタイの工業地帯では、労働者の約半数が臨時雇用である。タイの法律では、臨時労働者は同じポストで数年にわたって働いていても、会社で労働組合に加入することは難しい。
職場の労働組合の組織化を阻止するために契約労働者も利用されている。ある会社では、工場での組合結成を妨害するために労働者の60%を解雇して入れ替えた。
労働者は、労働組合員であることを理由に、あるいは団体交渉を試みたという理由で頻繁に解雇されている。裁判所が労働者の復職を命じた場合でも、企業は判決を無視したり、労働者に耐え難い圧力をかけて退職に追い込んだりすることが多い。また、裁判が長期にわたり、労働者は退職金を受け取って辞めざるを得ないこともある。
今回の提訴で、インダストリオールはタイ政府に対し、労働組合と協議して労働法を見直し、結社の自由と団結権・団体交渉権に関するILO第87号条約および第98号条約を批准するよう促している。
訴状に列挙された18件に関して、インダストリオールはタイ政府に対し、「使用者があらゆる改善・補償命令に従い、労働者の基本的権利が尊重されるよう確保することを求め」ている。
ユルキ・ライナ・インダストリオール書記長は次のように述べた。「タイは多くの多国籍企業にとってグローバル・サプライチェーンの拠点だ。政府は経済の基幹である労働者を保護するために、もっと多くのことをしなければならない。同様に多国籍企業は、何の処罰も受けないからと言って、タイのサプライヤーや子会社での労働権侵害を容認してはならない」
行動デーの目的:
インダストリオールは10月7日のディーセント・ワーク世界行動デーの機会を利用して、不安定雇用とも呼ばれる短期雇用、臨時雇用または契約雇用の破壊的影響に光を当てている。詳細はインダストリオールウェブサイト(www.industriall-union.org)のストップ不安定雇用キャンペーン・ページ(#STOPrecariousWork)を参照。
お問い合わせはインダストリオール・グローバルユニオンのコミュニケーション担当者、レオニー・ググエンまで。Lguguen@industriall-union.org、電話:+41 79 137 54 36