広報ニュース

第47号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2016年2月)

日産は五輪スポンサーに不適格

2016-02-18

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2月18日にリオで行動に備える世界中から集まった労働組合

2月18日にリオで行動に備える世界中から集まった労働組合

  日産は、2016年リオ五輪スポンサーのガイドラインに違反しているとして労働組合から非難されている。

 ブラジルの労働組合代表は現地時間の今日午後12時、2016年リオ・オリンピック・パラリンピック組織委員会のカルロス・ヌズマン会長と制度関係委員のアジェマル・サンクトス大使に訴状を手渡す。

 フランス系ルノーとの提携により活動している日産は、8月にブラジルで行われるオリンピック・パラリンピックに約6,500台の車両を供給することになっており、自動車業界唯一のスポンサーである。

 ブラジルのインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織によると、ミシシッピ州カントンの工場における日産の攻撃的な組合弾圧は、結社の自由を基準の1つに掲げているリオデジャネイロ・オリンピック・パラリンピックのスポンサーとサプライヤー向けの持続可能なサプライチェーン・ガイドに真っ向から違反している。

 2月18日にリオデジャネイロで行われる行動には、全米自動車労組(UAW)とインダストリオールだけでなく、ブラジルの労働組合UGT、「労働組合の力」、CUTおよびアスリート全国労組も参加する予定で、組合活動への報復として日産に威嚇・非難されているカントンの労働者を支持して団結する。この行事にはミシシッピ州の日産労働者も参加する。

 日産はブラジルも含めて世界中の他の工場では組合代表を許容していながら、日産北米従業員ハンドブックで労働者に対し、組合加入を断るよう明白に勧めている。

 カントンの日産従業員モリス・モックはこう語った。「私たちは、世界中の日産とルノーの職場で働く組合員の同僚たちと同じように、敬意をもって取り扱ってほしいと頼んでいるだけだ。ブラジル人の同僚と並んで、オリンピック委員会に同委員会の価値観を実行に移すよう要求できることを誇りに思う」

 アメリカの全国労働関係委員会は2015年12月、6カ月の調査を経て日産を正式に提訴、同社は組合活動を理由に労働者を解雇すると脅したり、組合を選んだら工場を閉鎖すると言って威嚇したり、カントンの労働者数百人が組合支持のTシャツを着用するようになったあと不法に画一的な方針を押し付けたりしており、法律に違反していると非難した。

 「日産は組合を攻撃し、カントンで恐怖の雰囲気を引き起こし、対話を拒否することによって、アメリカの労働者を二流市民として扱っている。日産がリオ・オリンピックの原則を守り、ミシシッピでの行動を改めるよう願っている」とモックは述べた。

 

2月18日にリオで行動前にメディアのインタビューに答えるマリーノ・バニ・インダストリオール地域事務所所長

2月18日にリオで行動前にメディアのインタビューに答えるマリーノ・バニ・インダストリオール地域事務所所長

労働者は組合に対し、カントンの安全衛生に関する懸念を表明し、生産ライン労働者の40%を占める臨時労働者の権利を改善するよう求めている。リオ五輪スポンサー向けサプライチェーン・ガイドラインでは、フォーマル労働と安全な労働条件も規定されている。

 ユルキ・ライナ・インダストリオール書記長は次のように述べた。「リオ・オリンピック主催者は社会的責任を適正にオリンピックの中核に据えているが、日産はスポンサーに求められる基準にはるかに及ばない。五輪ガイドラインは労働権の尊重を要求しており、私たちは日産にそれを求めている。リオ五輪の主催者に対し、日産がカントンで是正措置計画を導入し、オリンピックにふさわしい価値あるスポンサーになれるよう求めることを勧める。」と。

 

インダストリオール、IUF、ユニリーバによる職場でのセクハラ防止のための共同公約

2016-02-03

 【2016年1月27日発】職場の内外で、セクハラは普遍的な問題である。生活や仕事上のキャリアを傷つけ、長期にわたる精神的、社会的キャリアダメージを引き起こし、職場環境を著しく損ねる可能性がある。

 セクハラは、ILO(国際労働機関)によって「性的差別」と定義され、多くの国で違法とされているが、まだ効率的に取り組むことが難しいままだ。ユニリーバ(食品、洗剤、ヘアケア、トイレタリーなど家庭用品メーカーであり、オランダとイギリスに本拠を置く多国籍企業)と同社の組合員を代表する国際労働組合であるインダストリオール、IUF(国際食品労連)は、職場でのセクハラ防止のための共同公約に署名した。→共同公約内容

【合意事項】
・全てのレベルのユニリーバ経営並びに、第三機関の労働供給会社から提供される労働者を含む全従業員が、セクハラ行為を完全に認識できるよう明確かつ包括的な定義を規定する。
・従業員が潜在的問題を提起し、いかなる嫌がらせにも自信を持って報告できる手続きを提示する。
・苦情が出た際は、会社が取るべき具体的な方策を明記する。
・全てのユニリーバの職場でこの公約を実施し、進捗を評価する詳細なガイドラインを規定する。

 インダストリオールのユルキ・ライナ書記長は次のように述べた。「セクハラは世界中のあらゆる職場で働く女性に影響を及ぼす重大な問題である。インダストリオールは、主要な多国籍企業であるユニリーバと共に取り組むこの機会を歓迎し、この公約を世界中にあるユニリーバの工場の女性に対する嫌がらせをうまく止めるために使うことを望んでいる。」と。

 IUF(国際食品労連)のロン・オズワルド書記長は公約について次のようにコメントした。「これはセクハラに効果的に取組み、この重要な分野でユニリーバの全労働者の権利が十分に保護されるための具体的かつ実践的な協働である。」さらにこう続けた。「我々はこの活動がきちんと実施、監視され、フォローされるように、ユニリーバと同社の我々のメンバーとの協働に期待する。」と。

 ユニリーバのポール・ポールマンはCEOは、次のように明言した。
「セクハラやその他の形の差別は、ユニリーバや他のどこにも存在する余地がない。これらの根絶を通してのみ、本当に多様で包摂的な職場を作り上げることができる。真の対話や、労働者が懸念や苦情を提起するための信頼できかつ効率的な方法を通して、最良の進展がもたらされることを知っている。我々は既存の取組み強化を助けてくれるIUFとインダストリオール及びそのメンバーからの支援を温かく歓迎する。これらの課題はユニリーバ特有のものではないので、持続的に積極的な変化を作り上げるため、我々のサプライヤーや取引先、この産業内外の人々と関わりを持っていく。人権を尊重、支持、向上させて働き続けられるよう、この公約に全力で取り組む。」と。