インダストリオール、IOCで日産に抗議
2016-02-22
インダストリオール・グローバルユニオンは今日、スイス・ローザンヌの国際オリンピック委員会(IOC)でピケを張り、日産の2016年リオ五輪スポンサーシップに抗議した。
日産は6,000人が働く米国ミシシッピ州カントン工場での攻撃的な組合差別によって、リオ・オリンピック・パラリンピックのスポンサー・ガイドラインに違反している。同工場の労働者は、インダストリオール加盟組織の全米自動車労組とともに組織化に取り組んでいる。
インダストリオールはIOCに介入を求め、2016年リオ・オリンピック委員会に対し、日産にカントン工場で是正措置計画を立てさせるよう促している。またIOCに、日産がリオ五輪に求められる社会的責任を果たそうとしない場合、同社をスポンサーから外すことも要求している。
日産のカルロス・ゴーンCEOは、先週フランス議会で組合差別について質問され、「同社が活動している世界各国で労働者は自由に労働組合に加入できる」と主張した。
ユルキ・ライナ・インダストリオール書記長は、ローザンヌのIOC事務所前でのスピーチで、ゴーンCEOのフランス議会での主張に異議を唱え、次のように述べた。
「さて、ゴーンさん、私はミシシッピ州の日産カントン工場に行ってきたが、労働者の話はずいぶんゴーンさんの主張とは違っていた。労働者は威嚇され、組合を選んだら解雇するとか、工場閉鎖の脅しまで受けているという。結社の自由が確保されておらず、オリンピックのルールに反している。だから日産はオリンピックのスポンサーに適していない。日産が今すぐ行いを改めることを要求する。さもなければ、日産のオリンピック関与を阻止しなければならない」と。
ユルキ・ライナとインダストリオール代表団はIOCのマーケティング・コミュニケーション責任者ベン・シーリーと会談、インダストリオールの懸念を表明する書簡をトーマス・バッハIOC会長に渡すとの約束を取り付けた。
2月18日にブラジルで約200人の労働組合員がデモ行進したあと、連帯行動が行われた。労働組合指導者は、本年8月開幕予定の2016年リオ・オリンピックの主催者に、カントンにおける日産の行為に対する抗議文を手渡した。
ブラジルで労働3団体など対話とデモで日産労働者の要求を主張
2016-02-22
ブラジルのナショナルセンター3団体は、対話とデモを併用して日産労働者の要求を主張している。デモを組織するとともに、リオデジャネイロで開催される2016年オリンピック・パラリンピックの組織委員会と会談。日産に公式スポンサーシップ契約の条件を守らせ、同社のサプライチェーンにおける人権侵害をやめさせるよう要求した。
CUT、「労働組合の力」、UGT、全米自動車労組(UAW)およびインダストリオール・グローバルユニオンに加盟する組織の組合員数百人が、2月18日にリオデジャネイロのバラダチジュカで開かれた2016年組織委員会の会合でデモを行った。プラカードや横断幕を掲げ、アメリカにおける日産の反労働組合的慣行を糾弾し、社会的責任を持って行動するよう同社に要求した。
「力を合わせれば、この多国籍企業に圧力をかけて米国ミシシッピ州で労働者を尊重させることができる。日産が反労働組合的慣行をやめなければオリンピックで同社を糾弾する」とインダストリオール・グローバルユニオンに加盟しているCNTM-「労働組合の力」のミゲル・トーレス会長は述べた。
やはりインダストリオール加盟組織であるCNM/CUTのエドソン・ロチャ総務・財政担当書記は、同労組が以前アメリカで日産の行動を非難したことに触れ、「日産が労働者の団結権を尊重するまで、UAWの同僚と連帯して行動を続ける」と語った。
デモの間、約20人の組合代表が組織委員会の制度関係委員を務めるアジェマル・サンクトス大使と会談、「日産労働者に対する威嚇は、2016年リオデジャネイロ五輪スポンサー向けの持続可能なサプライチェーン・ガイドに定める原則に反する」と訴える書簡を手渡した。
(http://www.industriall-union.org/nissan-not-fit-to-be-an-olympic-sponsor)。
大使はこの書簡に前向きな反応を示し、もう一度会合を設定することに同意、来週その日程を確認することになった。サンクトス大使は、日産経営陣に話をして組合による苦情への対応を求めることにも同意した。
「この会合は非常に生産的だったが、組合側の意見を主張するために再度デモを行う用意がある。そして、必要があればデモを実施する」と、ブラジルで日産ディーラーの80%以上を組織化しているUGTのリカルド・パタ会長は述べた。
組合側はミゲル・ロセット労働大臣にも書簡を送ることにしており、委員会が是正措置計画を提示し、日産に直ちに実施させることを望んでいる。
インダストリオール・ラテンアメリカ・カリブ海地域事務所のマリーノ・バニ副所長が書簡を手渡した代表団に加わり、デモにも参加した。同副所長は次のように述べた。
「私たちはオリンピックやオリンピック委員会に抗議しているわけではないし、日産に対してさえ抗議しているわけではない。労働者には例えば団結して交渉する基本的権利がある、と私たちは信じている。オリンピック最大のスポンサーに労働者の尊重を求める」
「アメリカの日産労働者との連帯は、同社にUAWと交渉させ、労働者が自由に団結できるようにすることを目指している。グローバル・ユニオンとして労働者を守り、このオリンピックが友愛に基づく公正でクリーンな大会になるようにすることは、インダストリオールの使命であり義務だ。サプライチェーンで反労働組合的慣行を続けている企業が製造した車に、オリンピックの聖火を運ばせることはできない」
「オリンピック開幕前に対話を開始し、進むべき道を見つけてアメリカの日産労使が和解できるよう願っている。同社が組合による組織化を認め、労働者の権利を尊重し、オリンピックの聖火が象徴する平和と尊重の精神の模範を示すことを望む」と。