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第50号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2016年4月1~14日)

バングラデシュで警備員が船舶解撤労働者に発砲

2016-04-01

 

バングラデシュのチッタゴンにある多くの船舶解撤場の1つで働く労働者

バングラデシュのチッタゴンにある多くの船舶解撤場の1つで働く労働者

バングラデシュの船舶解撤会社で労働者の死亡事故に抗議していた人々に警備員が発砲し、16歳の少年を含む7人が負傷した。

 2016年3月28日の朝、チッタゴンのカビール・スチール工場で、ムハマド・スモンが屑鉄を運んでいたトラックに轢かれて即死した。この事故のことを聞いた地元住民や同僚、スモンの遺族が現場に集まった。報告によると、カビール・スチールの工場当局は遺体を中に運び込み、親族への引き渡しを拒んだという。遺族たちは悲しみと怒りから抗議し始め、約2時間にわたって工場前のダッカ・チッタゴン幹線道路を封鎖し、この犯罪行為に対する処罰を要求した。

 

カビール・スチール工場前の現場で抗議する遺族・同僚たち

カビール・スチール工場前の現場で抗議する遺族・同僚たち

カビール・スチールの命令に従って行動していたとされる工場警備員たちがデモ参加者に発砲し、ヌルン・ナビ(20)、デルワル(24)、ウスマン(25)、ムナ(20)、ムサマット・シャーナズ(25)、シャブディン(18)、サミル・アハド(16)の7人を負傷させた。

 インダストリオール・グローバルユニオンはバングラデシュ首相に書簡を送り、今回の発砲を「これまでにない強い口調で非難」した。「デモ参加者に対してそのような暴力が行使された理由の調査を要求する。この犯罪行為を処罰しなければならない」とユルキ・ライナ・インダストリオール書記長は語った。「バングラデシュの船舶解撤場では労働者が日々命の危険にさらされているため、もはや旧態依然の態度を続けることはできない」「インダストリオールはバングラデシュ政府に対し、事故の犠牲者に適切な補償が提供されるよう保証するとともに、船舶解撤場を運営する使用者を重過失で罰するよう要求する」

 この書簡は政府に、新たに改訂された2015年バングラデシュ船舶リサイクル法を直ちに実施し、船舶の安全かつ環境上適正な再生利用のための香港国際条約の批准に向けた措置を加速させることも促した。

 バングラデシュの船舶解撤場では、2016年1~3月に4人の労働者が死亡している。

 2016年3月12日、シタクンダ郡クミラのSL船舶解撤場で働いていた20歳の船舶解撤労働者ムハマド・モルセリンが船から落下、2016年3月15日に病院で亡くなった。この解撤場では、同じ日に別の労働者ミンハジ(43)も死亡した。熱射病で亡くなったとされているが、労働者たちは、事故で死んだのではないかと疑っている。

 2016年3月3日には、ムハマド・シャフィクル・イスラム・シクデル(34)が船から空気圧調整ユニットを取り外していたとき、大腿部にユニットが落下し、けがのため亡くなった。彼はマーシン・バドシャ所有のOWW解撤場で働いていた。

 2016年1月20日にも、シタクンダ郡マダム・ビビル・ハットのアサド船舶解撤場で、船舶解撤労働者のアッカス・ミアン(42)が船舶解体中に鉄板に押しつぶされて死亡している。

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