インダストリオール、鉄鋼業の公正な世界的再編を
2017-03-27
インダストリオールは先週パリのOECD鉄鋼委員会で、労働者が鉄鋼業の再編にあたって発言権を持ち、違法な商慣行の代償を払わされないようにすることを要求した。
中国の鉄鋼生産は国家の支援を受けて15年間で5倍に増えた。中国経済が減速して内需が伸び悩んでいるため、余剰鉄鋼が世界市場でダンピングされ、労働者と労働組合、地域社会に損害を与えている。
中国は先ごろ、鉄鋼の過剰生産能力を減らしているところだと主張した。中国の主張は疑問視されているので依然として過剰設備の危険があり、他の国々も過剰設備を増やす同様の違法な慣行を採択するかもしれない。
「OECD鉄鋼委員会は、市場を歪める鉄鋼政策が過剰生産能力をもたらしている国々で、生産能力の削減を奨励することに焦点を当てるべきだ。市場歪曲的な政策に起因する新たな過剰生産能力の増大の防止も重視しなければならない」とアダム・リー・インダストリオール素材金属担当部長は委員会で述べた。
インダストリオールは鉄鋼委員会で、労働者と組合が再編プロセスにおいて発言権を持つことの重要性を主張した。
ヨーロッパでは社会的対話が、再編が労働者に及ぼす影響の緩和に役立っている。ブラジルや韓国、アメリカのような国々では、労働者の意見をほとんど聞かずに再編が実施されていたり、社会的対話によって労働者への影響を最小限に抑えられるようにするための支援を政府が提供していなかったりする。
鉄鋼の過剰生産能力に関するグローバル・フォーラム
先週、鉄鋼の過剰生産能力に関するグローバル・フォーラムが開催された。このグローバル・フォーラムは、OECD鉄鋼委員会と協力して鉄鋼の過剰生産能力危機に立ち向かうため、2016年にG20が設置したものである。インダストリオールは、組合にグローバル・フォーラム参加を勧め、世界の鉄鋼業再編にあたって労働者が発言権を持てるようにするという要求を繰り返した。
OECD鉄鋼委員会には、OECD当局者とともに政府、企業および組合代表も参加した。組合側参加者には、インダストリオール、全米鉄鋼労組、インダストリオール・ヨーロッパ、OECD労働組合諮問委員会が含まれていた。中国はグローバル・フォーラムに出席したが、OECD鉄鋼委員会への参加は辞退した。
インダストリオールは中国の鉄鋼労働者との連帯を表明するとともに、中国に対し、独立した民主的労働組合の活動を許可し、再編が中国の鉄鋼労働者に与える影響を最小限に抑える政策を採用するよう求めた。
「インダストリオールは、OECD鉄鋼委員会ならびにグローバル・フォーラムと協力しながら、世界の鉄鋼業の公正かつ持続可能な再編において労働者が有意義な発言権を持てるようにしたいと熱望している」とリー担当部長は付け加えた。
インドネシアの組合、賃金決定法の見直しを要求
2017-03-22
インドネシアの労働組合は政府に新しい法律の廃止を求めている。この法律によって組合は最低賃金の設定に関与できなくなり、その結果、労働者の賃上げ額が少なくなった。
以前は、地方政府、使用者および労働組合から成る三者構成機関が、標準的な生計費に基づいて毎年各地域で最低賃金を決定したのち、知事が合意額を承認していた。
ところが、政府規則(PP)2015年第78号として知られる新しい法律は、労働者が最低賃金の設定に関与できないようにし、インフレ率と経済成長率を基礎としている。この法律は地域賃金審議会を無視し、地域の知事に権限を集中させている。
その結果、2017年の労働者の賃上げ額は極めて少なくなった。
「政府は労働者の福祉よりもビジネスを優先している」とインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織である金属労組FSPMIのサイド・イクバル会長は述べた。
「インドネシアの経済成長率は世界第3位だ。それなのに、なぜ賃上げ額がわずか10~20ドルなのだろうか。ジュネーブやシンガポールのような都市では、この金額ではケバブ1人分しか買えないだろう。実に不公平なことで、常軌を逸した政策だ」とインドネシアの労働組合総連合KSPIの会長でもあるイクバルは強調する。
インドネシアの賃金は劣悪である。最も賃金が高いジャカルタでも、2017年の最低賃金は335万インドネシア・ルピア(250米ドル)で、2016年から20ドルも増えていない。中部ジャワの最低賃金は月136万7,000ルピア(102米ドル)しかない。
「インドネシアには投資家が必要だが、ジニ係数を見ると、経済成長の恩恵を受けているのは富裕層と投資家、経営者だけだ。労働者は利益を得ていない。私たちは最高裁判所でこの法律の司法審査を求めている」とイクバルは語り、自分たちのキャンペーンへのインダストリオールと国際労働組合総連合による支援を歓迎すると付け加えた。
ヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長はジョコ・ウィドド・インドネシア大統領に書簡を送り、同国政府に対し、インドネシアの雇用法ならびに結社の自由と団結権に関するILO条約に従って、最低賃金の設定に労働組合を関与させるよう求めた。
「最低賃金の設定に組合が参加しなくなった結果、地域レベルの最低賃金に悪影響が出ており、賃上げ率が経済成長率よりはるかに低くなっている」とサンチェスは述べた。
マルチ・スズキ労働者に終身刑
2017-03-21
グルガオン地方裁判所は3月18日、マルチ・スズキ労働者31人に判決を下し、組合役員13人に終身刑を言い渡した。この判決に異議を表明するために、6カ所のマルチ・スズキ工場の労働者が3月20日に1時間のストを実施した。
その他4人の労働者に5年の実刑判決が言い渡された。そのほとんどがすでに4年以上服役しており、家族は言葉で表せないほどの苦しみを味わっている。
わずかな罰金が科せられた。残り14人の労働者は、これまでの服役を考慮して2,500ルピー(38米ドル)の罰金で即時釈放される。
判決後、労働者側のブリンダ・グローバー弁護士は次のように述べた。
「驚いたことに、州検察当局は有罪判決を受けた労働者に死刑を求刑した。被告側弁護士は公判で、労働者117人は会社側の強い要請により何の証拠もなしに違法かつ不正に監禁されていると強硬に主張し、裁判所はこの主張を支持した」
「私たちは、すべての判決を不服として上訴するつもりで、上位裁判所で正義を確保する自信がある。有罪判決を受けた労働者13人を殺人に関連づける証拠はない。忘れてはいけない重要な点は、彼らが組合指導者だったこと。したがって、これは明らかに州が彼らを狙い撃ちして仕組んだ事件だ」
アプールヴァ・カイワール・インダストリオール南アジア地域事務所所長は言う。
「全員が組合役員だった13人の労働者が地方裁判所で終身刑を言い渡されたことに、私たちは深く心を痛めている」
「労働者117人に対する無罪判決は、労働者がこの事件に不当に連座させられたことを明確に証明している。マルチ・スズキ労働者は、憲法に定める結社の自由に対する権利を主張したために代償を払わされている。経営陣と州当局が労働者の要求に大人として対応していれば、このような事態は完全に避けることができただろう。高裁における労働者側の上訴が労働者に公正な裁きをもたらすよう願っている」
メキシコ、アメリカ、カナダの組合、団結してトランプに対抗
2017-03-20
独立組合と関連NGOが3月15日にメキシコシティーに集まり、トランプの政策が北米の労働運動に及ぼす影響をめぐって討議した。
メキシコの多様な組合と市民社会組織から集まった参加者は、アメリカのAFL-CIOおよびカナダのユニフォーとともに、憎悪と排除に基づくトランプの政策を非難した。参加者たちは、無秩序なグローバル化や、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)やNAFTAなど労働者に損害を与える貿易協定への反対も再確認した。
インダストリオールのフェルナンド・ロペス担当部長が、逆説的なことに、TPPの義務は昨年、メキシコで大いに必要とされる労働法改革を推進する要因になったと述べた。TPPが頓挫した今、労働権擁護者は改革が実行に移されるようにするために圧力をかけ続ける必要がある。
メキシコに対する効果は他のラテンアメリカ諸国にも及ぶ可能性がある。自動車産業や鉄鋼業のような重要産業部門の多国籍企業は、この地域の3大経済(アルゼンチン、ブラジル、メキシコ)で活動している。現在、メキシコは主に米国市場に輸出しており、アルゼンチンとブラジルは他のラテンアメリカ諸国に供給している。メキシコは米国市場に輸出を依存できなくなれば、マーケットシェアを求めてブラジルとアルゼンチンの高賃金産業と競争し始め、賃金・労働条件に引き下げ圧力が加わるようになるだろう。
トランプの政策の危険を討議するだけでなく、多くの参加者が機会も強調した。「閉じるドアもあるが、開くドアもある」とある参加者は述べた。トランプへの反対は社会運動に活力を与えており、労働組合は公共政策に影響を及ぼすうえでより積極的な役割を果たすようになるかもしれない。
フェルナンド・ロペスは次のように締めくくった。
「私たちは組合として、この現実に目覚める必要があり、代替策をじっくり検討しなければならない。インダストリオールは、より公正な社会に向けた社会政治運動を構築しようとするメキシコの独立組合の取り組みを支援し、同じく果たすべき役割を担っている市民社会との協力を奨励していく」
この会合は、独立組合に発言権を与えて力を強化することを目指すインダストリオール/ユニフォー組合構築プロジェクトの枠内で開かれた。
ロシアのフォルクスワーゲンで新労働協約
2017-03-14
ロシア・カルガのフォルクスワーゲン工場での3カ月に及ぶ集中的な団体交渉の結果、2017年2月末に新しい労働協約が取り決められた。
労働者側代表は、インダストリオール・グローバルユニオン加盟組織の地域間労働組合「労働者協会」(ITUWA)、自動車・関連産業の革新的な新しい地域間労働組合、従業員代表委員会である。
新しい労働協約は、3カ月の法定期間が満了する前日の2月22日にフォルクスワーゲン工場で締結された。交渉は2016年11月に始まった。ITUWAは交渉中、労働者の立場を改善するために30項目を超える協約修正案を示した。使用者側は修正案の採用を渋ったが、交渉の結果、合意に達した。
組合は事前合意に盛り込まれていた社会的給付と保証のすべてを何とか維持し、それに加えて次の成果も達成できた。
- 2017年4月から賃金を1%+3,000ルーブル(51米ドル)引き上げる。
- 休暇後と今年末前の2回、7,500ルーブル(128米ドル)を支給する。
- 2018年10月から給料をインフレ率+2%引き上げる。
- 2018年に2回、7,500ルーブルを支給する。2018年12月の2回目の支給額はインフレ率に基づいて計算する。
- いずれ近いうちに間接従業員の新しい評点方式をめぐる討議が始まる。この討議は2年先送りされていた。
「給料を5.4%増額し、平均賃金を考慮して金額を決定することについて何とか合意した。これは危機感をもって対応した結果だ」とITUWAの活動家アナトリー・デミドフは述べた。
組合の次の目標は、向こう6カ月間に法的関係と労使関係に関する協約を締結することである。組合はフォルクスワーゲンがドイツで採択した文書を土台とみなす。この文書によると、従業員は情報、協議、承認の3段階で意思決定に参加する。経営陣は承認にあたって、従業員の代表(カルガ工場の従業員代表委員会)から許可を得なければならない。
ITUWAカルガ地域組織のドミトリー・トルドボイ会長は次のように述べた。
「私たちは今回、意向協約を締結して現状を甘受した。8月までに法的関係と労使関係に関する協約を締結することが不可欠だ。従業員代表の承認は、融資と投資を除くすべての案件に義務付けられる。融資と投資の問題については協議の中で話し合う」
インドのマルチ・スズキ事件で労働者117人が無罪、31人が有罪
2017-03-10
インドのグルガオン地方裁判所は3月10日、マルチ・スズキ・マネサール工場の暴力事件に関する判決を下し、労働者117人に無罪、組合役員全員を含む31人に有罪を言い渡した。
2012年7月18日にマルチ・スズキで暴力事件が発生し、管理者1人が死亡した。これを受けて同社は、常用労働者546人と契約労働者1,800人を解雇した。大勢の労働者が逮捕され、139人が3年半以上にわたって投獄、11人は保釈を認められなかった。
結審にあたって裁判所は、労働者117人を無罪放免とし、31人に有罪判決を言い渡した。
有罪とされた労働者の量刑は3月17日に発表される。労働者が管理者の死と放火にかかわったという確証がない中で、組合役員全員に有罪判決が下されたことは、労働者とその家族に衝撃を与えた。
無罪になった労働者の1人で、2年9カ月を獄中で過ごしたジテンダール・クマールは次のように述べた。
「ただ自分たちの権利を要求したというだけで弾圧され、何の証拠もなしに逮捕された。服役で人生がめちゃめちゃになった。私は家で唯一の稼ぎ手だ。私がいない間、家族は言葉で表せないほどの苦しみを味わっている。無罪放免になったので、普通の生活に戻りたい。必要なのは、家族と2人の娘を養うための仕事だけだ」
無罪となった労働者のバスデブは暴力事件のわずか18日前に工場に就職し、33カ月を刑務所で過ごした。同様に、工場で働き始めて5カ月だった臨時労働者のスニル・クマールと、3カ月しか働いていなかった見習工のビジェンダール・クマールも、33カ月の刑期を務めた。2012年7月以降、逮捕された労働者全員とその家族が辛酸をなめてきた。
労働者の法律問題を扱う労働者機関、暫定作業委員会のラム・ニワスは言う。
「31人の労働者が有罪判決を受け、うち13人が殺人罪で有罪とされたのは不当だ。検察側は公判で、労働者と暴力・放火を結びつける実質的証拠を何も示さなかった。それどころか、CCTVの映像さえ提供しなかった。私たちは全労働者に対し、有罪判決を受けた労働者の家族に連帯と支援を提供し、将来的に全員を釈放させるための取り組みに加わるよう訴える」
労働者側弁護士のブリンダ・グローバーは次のように語った。
「労働者117人の無罪放免で、検察側の主張に根拠のないことが明らかになった。18人は重傷害と不法進入だけで有罪とされ、13人が殺人で有罪判決を受けた」
「理解しておくべき重要な点は、この13人が組合役員であり、主要な指導者であることだ。彼らは事件に関係し、労働者の権利を支持したために、経営側の証人は彼らに不利な証言をした」
「彼らは労働者を擁護したために代償を払わされている。大変残念なことに、マネサール工場の火災で1人の管理者が一命を落とした。しかし、この13人の労働者を火災と関連付ける確たる証拠はない。マルチ労働者の弁護団は、高等裁判所への上訴で今回の判決に強硬に異議を申し立てる自信を持っている」
被告側の弁護士は公判で、警察が不正な捜査を行ったと主張した。弁護側の指摘によると、捜査はいくつかの重要な面で不公正・不公平に行われ、例えば裁判で警察が凶器を変更したり、被告148人のうち約88人をアルファベット順にロープで縛ったりし、目撃者は面通しで加害者を確認しなかった。
労働者や警備員は検察側の証人に採用されず、凶器に関して司法精査に耐える証拠はなく、凶器の回収自体が虚偽であり、当初はけがをしていないと言っていた証人が入手した診断書の多くも偽造だった。
判決後、すべてのマルチ・スズキ工場、ホンダ、リコ・オート、ベルソニカなど、首都圏のさまざまな企業の労働者と組合代表がグルガオンに集まり、有罪判決を受けた労働者との連帯を表明した。
彼らは今回の判決に強い不満を示すとともに、労働者の家族を支援して集団行動を取る旨決定した。抗議のしるしとして、3月16日に地域のすべての工場で昼食を拒否することが決定された。
朴韓国大統領の罷免で組合が勝利
2017-03-10
韓国のインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織は今日、汚職事件への関与で朴槿恵大統領を罷免するという憲法裁判所の決定を歓迎した。
インダストリオール加盟組織と韓国民主労総(KCTU)の主導による多数の集団デモが、朴大統領を弾劾するという議会の決定を促す大きな要因となり、この決定は3月10日に裁判官に支持された。
首都ソウルでは、人々が屋外に集まって大型スクリーンで公判の成り行きを見守った。明日、裁判所の決定を支持する集会が開かれる。
インダストリオールに加盟している韓国金属労組のスポークスパーソンは次のように述べた。
「数カ月に及ぶ毎週の大規模な抗議行動と長期にわたる法的措置を経て、憲法裁判所が全員一致で弾劾を成立させたことをうれしく思う」
インダストリオールと世界中の加盟組織は、朴大統領追放の要求にあたって韓国の組合を支援してきた。朴政権下では、労働組合員が投獄され、組合事務所が強制捜査を受け、労働者の権利を攻撃する労働政策が実施された。
今日の判決を受けて、ヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長はこう語った。
「朴大統領を罷免するために徹底したキャンペーンを繰り広げた韓国の加盟組合を祝福する。韓国の同志の闘いを支援するために行動を起こした世界中の多くの加盟組織にも感謝する。朴大統領の失職を受けて、私たちは次期大統領に対し、投獄されている労働組合員を直ちに釈放し、今後は労働権を尊重するよう要請する」
韓国の労働組合は、この国の政治とビジネスを支配している腐敗した同族会社(財閥)システムの改革を求めている。
KCTUのスポークスパーソンは以下のとおり述べた。
「今回の判決は、労働組合が組織した闘いが正当であったことを示している。KCTUは今後、新政権に対し、投獄されている労働組合員全員を釈放し、国際労働基準と労働権に対する韓国の義務を果たすよう訴えていく」
ハン・サンギュンKCTU委員長は、朴大統領に対する抗議行動を主導したために3年の刑に服している。
朴氏は一般市民として、今度は汚職事件との関連で刑事罰に問われる可能性がある。サムスンや現代をはじめとする韓国の有力コングロマリットは、朴氏の親友である崔順実が管理する財団に多額の賄賂を払ったという理由で非難されている。
インダストリオールは頻繁な連帯ミッションによって、朴政権下で韓国の組合を幅広く支援してきた。2016年11月、インダストリオールは韓国人100万人とともに行進して労働権と民主主義を要求し、ヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長は韓国金属労組が組織した集会で何十万人もの群衆を前に演説した。
2016年10月のインダストリオール大会での決議を受けて、インダストリオール加盟組織は韓国大使館や韓国企業での行動実施、朴大統領への抗議文の送付、ソーシャルメディアでの韓国の労働組合員への連帯表明によって、11月30日の韓国ゼネストを支援した。
韓国では今後60日以内に新大統領が選出される。
フィリピンで出産休暇の延長に向けて大きく前進
2017-03-08
フィリピン上院は3月6日、有給出産休暇を120日に延長(シングルマザーの場合はさらに30日を追加)する法案の承認を採決した。フィリピンのインダストリオール女性組合員は、母性保護の改善に向けた大きな一歩を支持している。
下院が出産休暇を100日に延長する法律を承認したのに対し、上院は最後の第3読会でこの法案を承認した。現行規定では、フィリピンの法定出産休暇は正常分娩の場合は60日、帝王切開の場合は78日である。今後、この件に関する共通案を作成するために上下両院協議が行われる。
上院での法案通過に先立って、フィリピンのインダストリオール加盟組織は、オランダの労働組合組織FNVモンディアールの出資によるインダストリオール東南アジア・ジェンダー/母性保護プロジェクトの一環として強力なキャンペーンを実施した。
新法の起草にあたって、インダストリオールの女性代表が専門作業部会に参加した。フィリピンのインダストリオール女性組合員によるロビー活動は、国家貧困撲滅委員会の議題に母性保護に関する ILO第183号条約の批准を盛り込ませることにも成功した。
ILO第183号条約の批准は、2016年12月に終了した17カ月のインダストリオール/FNVモンディアール東南アジア・プロジェクトの基本目標だった。その他の目標は、インダストリオール加盟組織における女性・ジェンダー機構の強化と、組合員数の増加である。
このプロジェクトで、ミャンマー産業労連は組合員数が1万1,232人から1万3,486人に増え、その80%が女性である。ミャンマー鉱山労連の組合員数は2年足らずで3,785人から7,452人へとほぼ倍増し、30%が女性組合員である。タイではプロジェクト開始以降、PTTU、EGAT、CWUAおよびTWFTで女性組合員がおよそ30~40%増加している。タイのインダストリオール女性委員会は首相にも方針書を提出し、ILO条約第183号批准への労働者の支持を概説した。
インドネシアでは、インダストリオール加盟組織FSPMIが指導部ポストで女性への40%の割り当てを採択した。同国ではSPNやSEMWUなど他の加盟組織も2017年に同様の措置を講じる計画を立てている。インドネシアのインダストリオール女性組合員は、ILO第183号条約の批准をめぐって保健省とのやりとりも再開し、母性保護と給付の改善を要求している。一方、インダストリオール加盟組織はインドネシアの94工場に女性委員会を設置し、女性の訓練と女性関連問題に関するキャンペーンの任務を与えた。
ジェニー・ホルドクロフト・インダストリオール書記次長は次のように語った。
「インダストリオール東南アジア・ジェンダー/母性保護プロジェクトは、関与した女性たちの大変な努力とFNVモンディアールによる支援のおかげで、短期間に信じられないほどの成果を達成した。上院での勝利がフィリピンに新しい法律をもたらし、母親になったばかりの働く女性全員の生活を大幅に改善してくれるよう心から願っている」
インダストリオール、PSAグループと新しいグローバル協定を締結
2017-03-08
インダストリオール・グローバルユニオンは3月7日、インダストリオール・ヨーロッパとともに、フランスの自動車会社PSAグループとのグローバル協定の2回目の更新を行った。
この協定はジュネーブの国際労働機関(ILO)本部で、ヴァルター・サンチェス・インダストリオール・グローバルユニオン書記長、リュック・トライアングル・インダストリオール・ヨーロッパ書記長、カルロス・タバレスPSAグループ取締役会長、ハビエル・シェロー同グループ人事担当取締役、デボラ・グリーンフィールドILO副事務局長の出席のもとに締結された。
協定は次の2部で構成されている。
- PSAグループの社会的責任方針に正式な枠組みを提供することにより、利害関係者を関与させてバリューチェーンに関する労働力要件を示し、基本的権利を確保できるようにする。
- 多様性と平等を尊重しつつ、才能・技能、生活の質および幸福を促進するグローバルな人事方針を実施する。
ヴァルター・サンチェス・インダストリオール・グローバルユニオン書記長は次のように述べた。
「この協定は、これまで以上にPSAグループのグローバル・サプライチェーンで労働者の権利を保護し、グループにおける労働組合の重要な役割を認めている。PSAグループが拡大しようとしている今、これは特に重要だ。協定は、国内法が不十分である場合は国際労働基準を優先しており、基本的権利の尊重をPSAグループ・サプライヤーの選定における決定的要因としている」
加えて、この協定は同社の対話と社会的一体性において労働組合機関が極めて重要な役割を果たすことを確認している。PSAグループは会社を発展させていくために信頼関係と透明性を促進する。協定はそれに従って、グループ従業員代表委員会のグローバルな側面と、事業面・社会面の課題を世界中で共有するうえでの同委員会の役割を強化している。
ハビエル・シェローPSAグループ人事担当取締役は、この機会をとらえて次のように発表した。
「フランスで締結された『成長に向けた新たな弾み』協定の原動力に沿って、将来のグループ従業員代表機関とともに会社を強化していきたいという願望をグローバル・レベルまで高めたいと考えた。この協定は『プッシュ・トゥ・パス』戦略計画に定めるとおり、新たな弾みを勢いづけ、PSAグループを国際的に拡大させるだろう」
リュック・トライアングル・インダストリオール・ヨーロッパ書記長は次のように宣言した。
「このグローバル枠組み協定の更新によって、PSAは技能開発、労働者の雇用可能性、労働安全衛生の世界的な最低基準を確立し、一層の努力をしている。PSAを学習する企業に変え、すべての労働者に順応の機会を与えることは、デジタル化の課題と経済の脱炭素化への適切な対策だ。これらの意欲的な約束を労働者のために実現させるには、国内レベルで確固たる社会的対話と交渉を利用できるようにするしかない」
デボラ・グリーンフィールドILO政策担当副事務局長が以下のとおり述べた。
「ILOは、労働者の権利の尊重に対するPSAグループのコミットメントを強める本協定を歓迎する。この協定は、どうすれば社会的対話によってグローバルな文脈で労働条件にプラスの影響を及ぼせるかを示す好例だ」
バングラデシュ・キャンペーンの成功要因
2017-03-02
キャンペーン成功の舞台裏をのぞいてみよう。社会変革をもたらすのは難しく、クリックティビズム(オンライン請願への署名)だけでは不十分である。では、キャンペーンを実施して勝利を収めるにはどうすればよいのだろうか。
問 題
バングラデシュの繊維・衣料労働者は組合に加入し、労働条件の改善を求めて闘っている。2016年12月、最低賃金の増額を求めて数千人がストに入った。労働者1,600人が解雇、労働組合員35人が逮捕され、身を隠した組合員もおり、労働組合事務所が閉鎖された。
インダストリオールと姉妹グローバル・ユニオンのUNIは、弾圧を終わらせるためにキャンペーンを開始した。私たちは昨日、このキャンペーンの成功を確認した。最後の労働組合員が刑務所から釈放され、政府と使用者団体(BGMEA)がバングラデシュの加盟組織を交渉パートナーとして承認したのである。
どのようにしてこの成果を達成したか。
1.下準備
何年もかけてバングラデシュの状況に対する認識を高め、事態の改善に取り組んでいる人々との関係を築き上げた。簡単なメッセージですぐにキャンペーンを起こすことができた。
2. 組合員の動員
世界中の加盟組合に連絡し、バングラデシュ政府に抗議書簡を送るよう頼んだ。行動デーを調整し、ベルリン、ジュネーブ、ロンドン、ブリュッセル、ハーグ、ワシントンDC、ニューヨーク、オタワ、カトマンズ、ソウルのバングラデシュ大使館前で組合が抗議行動を組織した。
3. レイバースタート・キャンペーン
労働運動向けのオンライン請願サイト、レイバースタートでキャンペーンを実施。世界中の労働組合員1万人以上がバングラデシュ政府に抗議文を送った。
4. ネットワークの活性化
パートナーNGOと強力な関係を築き上げている。クリーン・クローズ・キャンペーンやファッション・レボリューションのような組織に接触、これらの組織は私たちのキャンペーンを支援し、この運動を自分たちのネットワークに広げてくれた。
5. 行動の指示
ソーシャルメディアを利用して衣類製造労働者の現状を伝えることによって、人々を関与させた。共有しやすいコンテンツと多くの画像を利用した。
労働組合員の釈放を要求する簡単なポスターを作成し、ダウンロードできるようにした。ポスターを持った自分の写真を撮り、キャンペーン・ハッシュタグ#EveryDayCountsをつけてソーシャルメディアで共有するよう人々に頼んだ。数百人が画像をアップし、メッセージをさらに広めてくれた。
6. 前向きな代替策の利用
敵対勢力は労働組合の抗議を犯罪的・暴力的と表現した。私たちは前向きな代替策によってこれに対抗した。弾圧期間中に加盟組織2団体がバングラデシュの衣料使用者と労働協約を締結し、前向きな労使関係が可能であることを示した。
7. グローバル枠組み協定の利用
何年もかけて、バングラデシュから商品を調達している主要ファッション・ブランドとの関係を築き上げてきた。H&M、インディテックス(ザーラ)、チボー、ミズノとグローバル枠組み協定を締結している。これらの協定には、ブランドにサプライチェーンに対する責任を負うよう求める強力な規定があり、団体交渉を支援するという約束が盛り込まれている。
消費者行動主義とは、自分の服がどのように作られたかを気にかける人が増えている現状を意味する。ブランドが競争力を保つには、自分たちも同様に気にかけていることを示す必要がある。有名ブランドは、バングラデシュの労働者弾圧に自社が関係していると思われてはたまらない。その結果、ブランド各社は、重要な産業見本市であるダッカ・アパレル・サミットに出席しない旨発表した。
これは工場所有者にとって忍耐の限度を超える打撃となった。
8. パートナーとしての地位の確立
組合は取引している。良質な雇用を提供する成功した衣料産業を生み出すために、今後は政府や使用者連盟と協力していく必要がある。
私たちは、政府・使用者が弾圧を続ければ大きな代償を払うことになる状況を作り出し、私たちがこのキャンペーンを徐々に拡大できることを明確にした。そのうえで解決策を提示した。
現場の組合代表とインダストリオール・バングラデシュ協議会が合意を目指して交渉した結果、逮捕された労働組合員が釈放された。解雇された労働者を復職させるという約束を取り付け、IBCが交渉パートナーとして承認されるという先例を作った。
結論
私たちの成功の2大要因は以下のとおりである。
1. 時間をかけてあらかじめ協力関係と信頼を確立し、すぐに多くの人々を動員できるようにしたこと。
2. さまざまな角度から問題に取り組んだこと。バングラデシュ政府にメールや書簡、大使館宛抗議文を送り、ブランド各社がアパレル・サミット出席を拒否することで、あらゆる面から圧力をかけた。
このキャンペーンは協力関係とネットワークに依存していた。私たちの長所(ネットワーク)を活用するとともに、使用者の弱点(イメージの低下や仕事を失う脅威)に照準を絞った。
インドの組合が同一労働同一賃金を要求
2017-03-01
インダストリオール・グローバルユニオン加盟組織の勤労者労働組合会議(WPTUC)は2月23日、インドの中央労働組合とともにチェンナイで大集会を開き、不安定雇用に抗議するとともに同一労働同一賃金を要求した。
この大集会は、タミル・ナードゥ州の不安定雇用に反対して抗議し、共同キャンペーンを開始するために招集された。タミル・ナードゥ州全域から集まった大勢の労働者と組合代表をはじめ、約2,500人の代議員が参加した。
参加者の中には、インダストリオール執行委員でインド全国労働組合会議議長のG・サンジーバ・レディーと、下記中央労働組合の代表の姿もあった。
- インド労働者連盟
- 全インド労働組合会議
- インド労働組合センター
- 労働進歩連盟
- インド労働組合
- 全インド統一労働組合センター
- 復興労働戦線
P・チダンバラム元財務相やT・ハリパランタマン元判事などの要人が集会で演説した。
この会議では、常用労働者が減少し、さまざまな名称(臨時労働や派遣労働者、日給労働者、訓練工、見習工、非登録労働者、一時労働者、契約従業員、スマンガリ制度契約、外部委託など)で不安定労働者が利用されている現状を非難する決議が可決された。
これらの不安定労働者は通常、常用労働者と同等に働き、時には仕事量や労働時間が増えることもある。劣悪な賃金で働かされ、医療給付や年金給付、社会保障給付もない。
会議で発言した人たちは、勤務480日後に労働者を正規雇用化すること、臨時労働者の採用を従業員総数の10%に制限することが法律で定められているにもかかわらず、労働省は法の支配を実施する能力を失っているという懸念を表明した。模範的使用者とされている公共部門自体が同一労働同一賃金の支払いを拒否しており、民間部門の状況ははるかにひどい。
発言者たちは、先ごろインド最高裁判所がパンジャブ州ほか対ジャジット・シンほかの刑事控訴2013年第213号事件で、同一職種同一賃金の原則を支持し、次のように述べたことを強調した。
「同一労働のために雇用された従業員に対し、同じ義務および責任を果たす別の労働者よりも低い賃金を支払うことはできない。福祉国家において、これはとんでもないことである。そのような行為は屈辱的であるのみならず、人間の尊厳の基盤そのものに打撃を与える。……『同一労働同一賃金』の原則は明確かつ明白な権利を構成し、常用雇用であるか臨時雇用であるかを問わず、すべての従業員に与えられる」
この会議は州政府と中央政府に対し、憲法の条項、労働法および最高裁判決の即時実施を要求した。労働者・労働組合にも、党派の壁を超えて団結を構築するとともに、過酷な闘いを開始し、次のような要求を達成するためのキャンペーンに積極的に参加するよう訴えた。
- 最低賃金を1万8,000ルピーに増額
- 同一労働同一賃金
- 臨時労働者を全従業員の10%に制限
- 訓練工の雇用を規制する規定を実施
オーストラリア労組、中国製鉄鋼に関する措置を要求
2017-02-28
インダストリオール・グローバルユニオン加盟組織のオーストラリア労組(AWU)は全国会議で、中国の鉄鋼ダンピングに対して法的措置を取ると発表した。
新たに選出されたダニエル・ウォルトン全国書記は、AWUは政府のアンチ・ダンピング委員会に苦情を申し立てると述べた。同委員会には、ダンピングに対処するために関税を課す権限がある。
「中国のダンピングはオーストラリアの製造業部門を崩壊寸前に追い込んでいる」とウォルトン全国書記は言う。「不正貿易の余地があってはならない」
オーストラリア政府はオーストラリア製鉄鋼をまったく利用しないインフラ計画に巨額の資金を投じている、とウォルトンは説明した。同時に、サウスオーストラリア州のアリウム鉄鋼工場が昨年財産管理下に置かれたため、8,000人を超える労働者が不確かな将来に直面している。
AWUは今週、クイーンズランド州ゴールドコーストで全国会議を開催する。中国のダンピングに関するパネル・ディスカッションで、ダンピングが国内市場に及ぼす影響や対ダンピング戦略をめぐって専門家が討議したあと、代議員はアンチ・ダンピング決議を可決し、販売価格が生産費を下回る1億トンの鉄鋼で国際市場を氾濫させている中国を非難した。
この決議は委員会に中国製鉄鋼に高率の関税を課すよう求め、「ダンピングは不正行為」と明記している。
鉄鋼業は世界中で危機に陥っており、インダストリオール加盟組織は鉄鋼業とこの産業が提供する雇用を守るために行動を起こしている。昨年11月、数千人の鉄鋼労働者がブリュッセルを行進し、ダンピング対策を要求した。
ドイツ・デュースブルクのインダストリオール素材金属会議でアクション・プランが採択され、加盟組織に対し、不公正貿易慣行を理由に中国の市場経済地位に反対する施策を調整するよう義務づけた。オーストラリアは2004年、主要先進国として(ニュージーランドに次いで)2番目に中国に市場経済地位を与え、これは中国のダンピングに取り組むための政策選択を著しく妨げている。
インダストリオールは、3月23~24日に開かれる次のOECD鉄鋼委員会に参加し、加盟組織とともに同委員会ならびに鉄鋼の過剰生産に関するG20フォーラムで闘い、ダンピング対策を要求する予定である。
AWU全国会議に出席したジェニー・ホルドクロフト・インダストリオール書記次長は次のように述べた。
「ある国が他国の労働者とその雇用、家族、地域社会を犠牲にして自国の産業を支援するという状況は、自由貿易でも公正貿易でもない。AWUは自国政府がダンピングに立ち向かうよう要求することによって、重要な一歩を踏み出した。私たちはAWUを支援し、世界中で鉄鋼業の加盟組織と連携しながら、労働組合の統一的対応を構築する」
バングラデシュで状況打開、国際圧力受けて労働組合員と衣料労働者を釈放
2017-02-23
昨2016年12月以降に逮捕されたバングラデシュの労働組合員・衣料労働者35人のほとんどが釈放され、残りも間もなく釈放されるだろう。これに先立って、インダストリオール・グローバルユニオンとUNIグローバルユニオンは、バングラデシュ政府による労働運動弾圧に対抗して国際キャンペーンを主導した。
2月23日にインダストリオール・バングラデシュ協議会(IBC)と労働省、バングラデシュ衣料製造業者・輸出業者協会の間で政労使協定が締結され、逮捕された労働組合員と衣料労働者が釈放される運びとなった。この協定に従って、残りの労働者も釈放され、労働者に対する告訴が取り下げられる。
ヴァルター・サンチェス・インダストリオール・グローバルユニオン書記長は、投獄されている活動家の釈放決定を歓迎している。
「信じられない規模でグローバルな連帯が表明されている。これはバングラデシュの衣料労働者にとって重要な勝利であり、この国の産業に労働組合との建設的な対話に入るよう求める強力なメッセージを送っている」
「昨年末に組合に対する弾圧を引き起こした問題は、まだ解決していない。私たちは引き続き賃上げ闘争を支援し、すべての起訴が取り下げられるまで状況を注意深く監視していく」
UNIグローバルユニオンのフィリップ・ジェニングズ書記長は言う。
「世界中で効果的なグローバル連帯が表明され、多数の大都市で抗議行動が実施されている。カトマンズからニューヨークまで、人々はバングラデシュに人権・労働組合権の尊重を要求するために立ち上がった」
「私たちは投獄されていた労働組合員の釈放を歓迎し、バングラデシュの攻撃的な労働者弾圧を終わらせることができるよう願っている。しかし、引き続き警戒しなければならない――バングラデシュへのメッセージは労働権の尊重だ」
この協定は、IBCを正式な交渉相手として承認している点で先例を作る。
「私たちはバングラデシュの衣料労働者の正式代表として足場を得た。これからも組合員のために闘い続ける」と、インダストリオール・バングラデシュ協議会ならびに全国衣料労連の会長を務めるアミルル・ハク・アミンは言う。
背景
2016年12月の最低賃金引き上げ要求後、ダッカの衣料製造地区で組合幹部と衣料労働者が逮捕され、組合事務所が閉鎖された。バングラデシュ政府と衣料工場所有者は、賃金ストを口実に労働運動を弾圧した。
インダストリオールとUNIグローバルユニオンは#EveryDayCountsキャンペーンを開始し、加盟組織や他の労働団体から大規模な支援を受けた。世界中から何百枚もの写真がソーシャルメディアに掲示され、20カ国以上の組合がシェイク・ハシナ・バングラデシュ首相に書簡を送付、拘留されている衣料労組指導者・活動家全員の釈放とすべての起訴の取り下げを求めた。
2月15~16日にベルリン、ジュネーブ、ロンドン、ブリュッセル、ハーグ、ワシントンDC、ニューヨーク、オタワ、カトマンズ、ソウルなど16を超える都市で、抗議行動とバングラデシュ大使館訪問が行われた。
獄中の活動家を釈放させるためのレイバースタート・キャンペーンは1万以上の署名を集めた。