ホワイトカラー世界会議、組織化の緊急必要性を確認
2017-04-20
世界18カ国のインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織が、4月19~20日にスイス・ジュネーブでホワイトカラー世界会議を開いた。
28組合から集まった参加者52人(うち女性22人)は、産業の自動化が進む中でホワイトカラー労働者を組織化することの重要性を確認した。
「特にデジタル化の進展を受けて、労働組合は労働者全員のニーズを満たさなければならない」とフランスの金属労連CFE-CGCのアン=カトリーヌ・キュドネック共同部会長は述べた。
「ホワイトカラー労働者はますます増えそうだ。彼らを組織化しなければ労働組合は成功しない」とスウェーデンの組合ユニオネンのマーティン・リンデル共同部会長が付け加えた。
さらに、技術の変化に伴ってブルーカラー労働者とホワイトカラー労働者の違いが曖昧になっている。「私たちはブルーカラー労働者とホワイトカラー労働者を区別していない」とフィリピンALUのジェイ・アルバレスは語った。
かつて主にブルーカラー労働者に影響を与えていた問題が、今ではホワイトカラー労働者に影響を及ぼしている、とイギリスの組合ユナイトのスティーブ・カーは言う。
「歴史的に、労働組合はブルーカラー労働者により強く関心を持ち、私の部門の専門技術者には興味を示さなかった。ブルーカラー雇用が低賃金諸国に移ったため、その態度が変化した。今や専門的な仕事も東欧などの低賃金国に流出している。ホワイトカラー労働者は以前、自分たちは失業の影響を受けないので組織化の必要はないと考えていた。だが今ではその必要がある」
一部の国々では、ホワイトカラー労働者も労働組合化の利点を理解するようになっている。「ホワイトカラー労働者は、当組合がブルーカラー労働者のために多額の賃上げを獲得しているのを見て、組合に加入し始めた」とモーリシャスの化学製造・関連職従業員組合のモハマド・リーアス・チャットーは述べた。
ホワイトカラーに対する重圧
数人の参加者がホワイトカラー労働者の安全衛生問題を提起した。例えば、心理社会的な課題、極度の疲労、率直に意見を述べることへの不安などである。日本では、超過労働が文字通り生死にかかわる問題となっている。ホワイトカラー労働者は過労死したり精神的に破綻したりするほど長時間働いている。
課題
会議参加者はホワイトカラー労働者の組織化に関する多くの課題を指摘した。フランス、イギリス両国の組合は、多国籍企業の人事部が組合を追い出すために職場を管理しようとする傾向が見られることを強調した。
その他の問題は、組合のイメージにかかわる問題や、ホワイトカラー労働者を対象とする組織機構の欠如などである。「若いホワイトカラー労働者に、なぜ労働組合に加入していないのか尋ねたところ、そのほとんどが「『これまで誰にも組合に入れと言われなかったから』と答えた」とマーティン・リンデルは言う。
南部アフリカ衣料・繊維労組のサイモン・エッペルが次のように語った。「ホワイトカラー労働者であるかブルーカラー労働者であるかにかかわらず、あらゆる職場で信頼できる労使関係が必要だ。同じ組合であれ違う組合であれ、両者が協力しなければならない。すべての労働者を組織化し、一致協力させる必要がある」
参加組合は組織化の成功例を共有し、組合員数を増やすにはホワイトカラー労働者のニーズを満たすことが重要だと強調した。ALUはフィリピンのホワイトカラー労働者に、苦情処理や法的支援、熟練した賃金交渉担当者などの便宜を提供している。
「ホワイトカラー労働者向けの特典を専門化すれば、よりよく組織化することができる」とカーは付け加えた。
フィンランド、ドイツ、ベルギーの他の労働組合も、組合員を引きつけるために、将来のホワイトカラー労働者である学生にサービスや職業相談を提供していることを説明した。参加者は、若者や女性、マイノリティーへの働きかけを強める必要があることに合意した。
参加者はインダストリー4.0や気候変動、公正な移行といった新たな問題に強い関心を示した。ホワイトカラー部門内部で良好なコミュニケーションとネットワーク構築が必要であることについても合意に達した。
アクション・プラン
参加者はホワイトカラー部門のためのインダストリオール・アクション・プランを提案した。このプランはインダストリオールの5つの戦略目標に沿って考案され、いずれこのグループが検討・承認する。第一歩は、行動の基礎となるホワイトカラー労働者の包括的なマッピングを行うことである。
アトレ・ホイエ・インダストリオール書記次長はこう語った。
「この世界会議はインダストリオールのホワイトカラー部会にとって素晴らしい新たなスタートだ。いくつかの極めて有用なプレゼンテーションと啓発的な議論が行われ、加盟組織は組織化に向けて協力したいと本当に願っていることを示した。ホワイトカラー労働者はブルーカラー労働者と同じくらい組合を必要としている――私たちはみな同じグローバル労働組合運動の一部だ」