インドの組合が国際連帯の強化を要求
2017-05-09
インダストリオール・インド協議会はヴァルター・サンチェス・インダストリオール・グローバルユニオン書記長を歓迎するとともに、インドの加盟組合に対し、サプライチェーンにおける労働者の権利の擁護とグローバルな連帯の構築に向けた努力を強化するよう求めた。
ヴァルター・サンチェスは2017年5月5日にデリーで開かれたインド協議会の会合に参加し、次のように語った。
「ドナルド・トランプ米大統領誕生をはじめ、世界中で保守的な政治指導者が増えており、国際労働組合運動に厳しい課題を突きつけている」
「私たちはTPPやTTIPといった貿易協定の形でも問題に直面している。これらの協定には投資家対国家の紛争解決条項が盛り込まれている。これによって多国籍企業は各国政府を訴えることができるようになり、インドなど多くの国々の主権が著しく損なわれるだろう。インダストリオールは、労働者の権利を擁護するために引き続き貿易政策問題に介入していく」
ヴァルター・サンチェスは先ごろのバングラデシュ訪問に触れ、次のように語った。
「バングラデシュの労働者は、最低賃金の増額を要求した際に厳しく弾圧・投獄された。インダストリオールのグローバル・キャンペーンの結果、投獄された労働組合員全員が釈放された。私たちは今後もサプライチェーンに焦点を合わせて、労働者の利益を守るために組合の力を強化すべく戦略的に活動するつもりだ」
インダストリオール執行委員を務めるインド全国金属労連(INMF)会長のG・サンジーバ・レディー博士が、ヴァルター・サンチェスを歓迎してこう述べた。
「インドの労働組合運動は、右翼政権から絶えず攻撃されている労働者の権利を保護するために、インダストリオールによる関与の強化を必要としている。国際労働組合運動は、中央労働組合が協力している合同労働組合委員会が開始した闘いと連帯すべきだ」
インダストリオール加盟組織は、在宅労働者の社会保障、ILO在宅形態の労働条約(第177号)の批准、鉱業で不安定雇用が増加している問題、鉱山の安全衛生に関するILO第176号条約の批准といった主要問題を提起した。
さらにセメント部門の加盟組織も、ラファージュホルシムとのグローバル枠組み協定締結に向けたインダストリオールの努力を歓迎し、インドのセメント部門で働く不安定労働者の利益の保護にもっと注意を払うよう求めた。
インダストリオール・インド女性委員会は、製造業部門、特に既製服部門における女性労働者の問題に取り組むために徹底的な関与を求めた。インド女性委員会は、もっと多くの女性労働者を組合に加入させ、セクシャル・ハラスメントや女性に対する暴力に対処する能力を強化する必要があることを強調した。
インダストリオール加盟組織は、国家雇用可能性向上ミッション(NEEM)制度のもと、全国の工場が劣悪な賃金で若年労働者を採用している搾取的な慣行をなくすことの必要性も強調した。この制度では、労働者は労働法の対象とならず、使用者には訓練期間終了後に雇用を提供する義務がない。
ヒンドスタン亜鉛社のインド全国金属労連(INMF)代表が、不安定労働者の組織化と同一労働同一賃金の獲得の成功例を共有し、すべての常用労働者組合に対し、各社で積極的に不安定労働者を加入させるよう促した。
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