バングラデシュの衣料工場爆発で労働者11人が死亡、50人以上が負傷
2017-07-04
2017年7月3日にバングラデシュの衣料工場でボイラーが爆発し、労働者11人が死亡、少なくとも50人が負傷した。負傷者の多くが病院で危険な状態にあるため、死者数が増える恐れがある。
この事故は午後7時30分ごろ、ダッカ郊外のガジプールにあるマルチファブス・リミテッドの衣料工場で発生した。伝えられるところによれば爆発時、染色部門の労働者がボイラーの保守作業に従事していたという。衝撃が非常に激しかったため、4階建ての工場建物の一部も被害を受けた。
バングラデシュの衣料産業で加盟組合を代表しているインダストリオール・グローバルユニオンは今日発表の声明で、犠牲者の遺族に心からの哀悼の意を表明するとともに、大勢の負傷者にお見舞いの言葉を述べた。
さまざまな欧米のブランドや小売業者にニット製品を供給しているマルチファブス・リミテッドは、火災予防および建設物の安全に関わるバングラデシュ協定の対象となっており、アコードの技師による検査を受けた。その結果、この工場はボイラー室に防火隔壁を設置し、それ以外にも火災・構造安全性を高めるための改築を実施した。しかし、ボイラー検査はアコードの対象外であり、バングラデシュ政府が監視している。
インダストリオール・グローバルユニオンは次のようにも述べた。
「バングラデシュの衣料産業で安全性を向上させるために、やるべき仕事がまだ膨大にある。今回の悲劇はバングラデシュ協定による活動を続ける必要があることを浮き彫りにしており、アコードの署名組合は、適用範囲を広げて可能な限り早くボイラーの安全性も対象に含めるよう要求していく」
幸い、事故発生時には同社の労働者約3,500人の大多数がイード休暇を取得中で、仕事に戻るのは7月4日の予定だった。報告によると、爆発したボイラーの有効期間は6月24日に切れており、更新されていなかった。地区行政当局は、事故を精査するために8人編成の調査委員会を設置した。
ヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長はこう述べた。
「マルチファブス衣料工場の爆発による悲惨な死亡事故に胸が痛む。爆発事故の負傷者全員がしかるべき治療を受けられるようにするとともに、犠牲者とその扶養家族に適切な補償を提供しなければならない」
「政府・使用者は労働組合ならびにアコードとの協力を強化し、バングラデシュで今度はボイラー検査も含めた火災予防および建設物の安全を向上させなければならない」
負傷者の多くがダッカ医科大学病院とシャヒード・タジュディン・アフマド医科大学病院で治療を受けている。
6月29日に新しい2018年アコードが開始され、2018年5月失効予定の安全プログラムが2021年まで延長された。新しい協定は、労働者が自らの安全を保護するために団結し、組合に加入する権利について、追加の約束を盛り込んでいる。マルチファブス工場には労働組合がなかった。サンチェス書記長は次のように語った。
「新しいバングラデシュ協定は、結社の自由に対する労働者の権利をよりいっそう重視しており、職場の安全を高めるうえで労働組合が極めて重要な役割を果たすことを認めている。労働者は工場の目と耳であり、組合の支援を得て、安全な条件を要求して危険な作業を拒否する権限を強化されている」
マルチファブス・リミテッドは、署名企業であるリンデックス、ALDIノース、ALDIサウス、ダンスク・スーパーマークトA/S、ショップ・ダイレクト、ウェンシェ・グループ、テディー・スパ、ゲカス・ウラレッドABに積極的に供給する会社として、バングラデシュ協定に列挙されている。
マルチファブス経営陣は無期限に工場を閉鎖した。この地域では事故を受けて今日、さらに10の衣料工場が閉鎖された。
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