パキスタンの船舶解撤労働者が組合権を獲得
2018-05-02
パキスタンのガダニ船舶解撤場に近い、いわゆる再圧延工場の労働者が大きな成果を達成、組合登録を果たし、団体交渉代表権者として正式に認められた。この再圧延工場はガダニ船舶解撤場の川下にあり、解体船舶から回収された鉄鋼を利用している。再圧延工場一般労組の登録により、20工場で働く約1万5,000人の労働者が恩恵を被る。バローチスターン州の労働福祉理事会も、この組合を地域の再圧延工場労働者全員の団体交渉代表権者として公式に認め、同労組は日常的問題に関して労働者を援助するために事務所を開設した。
再圧延工場労働者は全員が契約書を交わしていない不安定労働者で、社会保障制度の適用を受けていない。労働者のほとんどは賃金が法定最低賃金を下回り、長時間労働を余儀なくされている。保護具もなく、不安定労働者は重大な安全衛生問題に直面している。加えて、適正手続きなしで解雇されるリスクにも絶えずさらされている。
インダストリオールに加盟している全国労働組合連盟(NTUF)のナシル・マンスールは言う。
「再圧延工場労組の公認は重要な業績であり、組合が労働条件や安全衛生、社会保障、賃金を改善できるようにする道を開く。他の都市でもっと多くの再圧延工場労働者を組織化するために努力を強化する」
松﨑寛インダストリオール船舶解撤担当部長は言う。
「再圧延工場における不安定労働者の組織化において、今回NTUFが重要な一歩を踏み出したことを祝福する。組合結成によって労働者が効果的に権利を擁護し、安全な労働環境に対する権利を要求できるようになることを願っている」