インダストリオール、COP24で公正な移行を要求する共同宣言発表
2018-12-03
インダストリオール・グローバルユニオンとインダストリオール・ヨーロッパは、世界中の国々がポーランド・カトウィツェの国連気候変動サミット(COP24)に集まっている今、労働者にとって公正な移行を要求する共同宣言を発表した。
組合は各国政府に対し、製造業労働者を解決策の立案に関与させる公正な移行への取り組みを求めている。目的は、創造的な労働力調整プログラムを盛り込んだ、強力な社会的保護に基づく持続可能な産業政策によって、気候変動排出目標を達成することである。
宣言は次のように述べている。
「私たちの組合員を雇用する産業部門は、大規模な脱炭素化の目標に関連する非常に大きな課題に直面している。だが、まさにそれらの部門こそ、開発と持続可能な雇用、技術的進歩の中心的要素を提供しつつ、気候変動の影響を緩和する技術や解決策を与えるうえで不可欠なのである」
石炭大国ポーランドの中心で開催中の国連気候変動枠組条約第24回締約国会議は、「公正な移行COP」と呼ばれている。
公正な移行は、2015年のCOP21で締結された気候変動に関するパリ協定の序文に、明確な文言で盛り込まれている。「国家レベルで定義された開発優先課題に従って、労働力の公正な移行とディーセント・ワークや良質な雇用の創出の義務を考慮に入れる」
この文言がパリ協定に盛り込まれたのは、パリおよび過去のCOPで労働組合が強い圧力をかけたからにほかならない。締約国は今、自国が公正な移行に政治的に関与していることを受け入れなければならない、と組合は要求している。
「環境保護への不公正な移行によって、膨大な数の労働者を見捨てることはできない。気候変動に対処する差し迫った必要を無視することもできない――死んだ惑星に雇用は存在しない」と宣言は述べている。
「私たちの望みは、COP24が最終的に、楽観的な未来――労働者と家族、彼らに依存している地域社会のために完全雇用とディーセント・ワークを保証する未来――への公正な移行の概要を示すことである。すべての利害関係者が、この議論に加わらなければならない――公正な移行は私たちがいて初めて実現可能となる」
インダストリオール・グローバルユニオンとインダストリオール・ヨーロッパは、国際労働組合総連合および欧州労働組合連合とともに、ポーランドが提出した連帯と公正な移行シレジア宣言を締約国が支持することも緊急に要求している。