フィジーの労働組合員弾圧に終止符を
2019-05-09
フィジー当局は5月1日のメーデーに、国際サミットに合わせて計画されていた抗議行動を阻止しようと、フィジー労働組合会議(FTUC)の代表と何人かの組合員を逮捕した。
フェリックス・アンソニーFTUC全国書記が、全国労働組合(NUW)の組合員29人、組合スタッフ1人とともに逮捕された。フェリックスはITUCアジア太平洋の会長でもある。彼は政労使会合出席中に政府代表や使用者、ILO当局者の面前で逮捕された。今回の逮捕は、5月1~5日にフィジーで開催されたアジア開発銀行の年次会合の前に起こった。
組合はサミットと同時に一連の全国規模のデモや行事を計画していた。最低賃金、労働法改革、スト権などいくつかの問題があり、フィジー水道公社で大規模な争議が発生、臨時労働が増加する中で数百人の労働者がレイオフされている。フェリックスはNUWを代表して水道公社事件の審理に出廷する予定だった。
フェリックスは告訴されずに48時間後に釈放されたが、組合に対する弾圧は続いている。逮捕された労働者たちはパスポートを引き渡し、不法集会の罪で告発されたあと保釈された。フィジー当局は、FTUC事務所を家宅捜索してコンピューターやファイルを押収した。覆面パトカーが威嚇しようと事務所の外に陣取っている。他のFTUC加盟組織の執行委員も、警察から聴取に応じるよう指示されている。
フェリックスの逮捕後、国際労働組合運動とILOは緊急行動を起こし、すべての労働組合員の釈放と弾圧の中止を要求した。ヴァルター・サンチェス・インダストリオール・グローバルユニオン書記長は、フィジー首相への書簡に次のように書いている。
「結社の自由は平和と社会的公正を守る主要な手段の1つです。労働者には、恐怖や強制、弾圧、暴力のない雰囲気の中で、平和デモなどを通して意見を述べ、自らの利益を守る権利があります。労働組合活動を理由とする組合指導者や組合員の逮捕・拘留は、たとえごく短期間であっても結社の自由の原則に反する行為です」