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第91号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2019年5月31日)

ロシアの労働組合、フォルクスワーゲンで賃金紛争の準備

2019-04-26

ロシア・カルガのフォルクスワーゲン工場で、インダストリオール・グローバルユニオン加盟組織が交渉力の強化を目指して共同行動計画を策定した。賃上げをめぐって会社側と膠着状態に陥っており、ロシアの法律に定める集団争議に発展しそうである。

4月19~20日のインダストリオール・ワークショップで、フォルクスワーゲン・カルガ工場の地域間労働組合「労働者協会」(ITUWA)とロシア自動車・農業機械労組(AFW)の代表が、現在使用者側と交渉中の強力な労働協約を締結する方法について議論した。

組合側は20%の賃上げを要求しており、ここ数年インフレが原因でフォルクスワーゲン労働者の購買力が22%低下し、労働強度が少なくとも30%は上昇したと主張している。例えば、この工場では現在2交代制で、3交代制だった3年前と同じ台数を生産している。しかしフォルクスワーゲンは、わずか2.9%の賃上げを提示している。

ロシアの法律に定める3カ月の団体交渉期間が満了する5月11日まで、労使双方が基本的な問題について合意することはないだろう。同日以降、労働協約の未定の条項は意見の不一致に関する付随書に盛り込まれ、集団労働争議に入る。つまり、従業員は交渉担当者の要求を支持して集団行動を実施できるようになる。

フォルクスワーゲン・グループでAFWの第1次組織の会長を務めるルシュ・アレクサンダー・アブロシモフは次のように述べた。
「順法闘争から全面ストまで、集団労働争議の行動をいくつか計画している。また、工場内のコミュニケーション戦略と消費者向けの対外コミュニケーション計画から成る情報キャンペーンも策定した」

労働組合は意見の違いを脇に置いて、現在、共同組織化キャンペーンを実施している。その結果、両加盟組織は組合員数が倍になり、カルガ工場で労働者の過半数を組織化するに至った。そのおかげで労働組合は団体交渉を開始することができた。

ドミトリー・トルドボイITUWA会長は言う。
「労働組合組織間のギャップを埋める方法を見つけた。このワークショップは、フォルクスワーゲンで労働組合のイデオロギーに根本的な違いはないことを示し、組合の立場を集約できるようにしてくれた」

バディム・ボリソフ・インダストリオール地域事務所所長が次のように述べた。
「ここに、長い間紛争を繰り広げてきた2つの労働組合組織が何とか共通の言葉を見つけ、対立から真の連帯に移行するにはどうすればよいかを示す好例がある。協調的な共同行動はITUWAとAFWが労働者の正当な要求を擁護するのに役立つと私たちは信じている」

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