アジア太平洋の組合、貿易の公正のための行動デーを要求
2019-06-21
自由貿易協定がアジア太平洋に及ぼす悪影響を強調するための集団的努力として、50人の組合幹部が、8月30日に貿易の公正のための地域行動デーを実施する旨決議した。
この組合幹部たちは、インダストリオール・グローバルユニオンとフリードリヒ・エーベルト財団(FES)が2019年6月10~11日にシンガポールで開催したアジア太平洋貿易・産業政策会合に参加していた。
幹部たちは、2018年にメキシコで承認された「人々のためになる貿易に向けたインダストリオールのグローバル・アクション・プラン」の10指針に同意した。このアクション・プランは各国政府に対し、ILO条約および勧告を尊重し、貿易協定に強制力のある労働権を盛り込むよう要求している。
参加者は、政府は適切な政策余地を保持するとともに、不透明な交渉ではなく民主的なプロセスを導入し、不可解な投資家対国家の紛争解決(ISDS)メカニズムによって訴えられるおそれを排除しなければならないという姿勢を再確認した。
地域行動案には、各国政府への大量書簡の送付や、貿易交渉実施中のデモやサイドイベントの開催が含まれている。
さらに、この会合は、地域労働組合ネットワークや政府間メカニズム(アジア太平洋経済協力会議(APEC)、東南アジア諸国連合(ASEAN)、南アジア地域協力連合(SAARC)など)への関与を強化し、労働者の利益を危険にさらす貿易政策に影響を及ぼすことも約束した。加盟組織の情報共有・連携メカニズムを構築し、経験を共有して戦略的な討議を行う。
「アジア太平洋地域は貿易のおかげで成り立っているので、私たち労働組合員は、すべての人が貿易の利益を共有できるように持続可能な産業政策を求めている。次の段階は、このメッセージを自国に持ち帰り、窓口の役目を果たすこと。それ以上に重要なのは、グローバル化した世界で労働者の権利を守るための地域勢力として、どのように集団行動を起こせばよいかということだ」とヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長は述べた。
オーストラリア製造労組のアンドリュー・デットマー会長が、同じ考えを持った現地の組織と同盟を築き、貿易自由化やグローバル資本と闘うことが重要だと強調した。デットマー会長は、2000年にオーストラリア公正貿易投資ネットワーク(AFTINET)を結成し、オーストラリア・アメリカ自由貿易協定(AUSFTA)で、薬剤補助スキーム、ISDSおよび遺伝子組み換え食品表示に関する条項の阻止に成功した経験を共有した。
FESアジア地域事務所マネージング・ディレクターのマイクロ・グンサーと、オーストラリア、日本、韓国、インド、スリランカ、シンガポール、フィリピン、台湾、インドネシア、マレーシア、ベトナム、カンボジアおよびタイのインダストリオール地域加盟組織も出席した。
職場における暴力とハラスメントに関する新しいILO条約を実現!
2019-06-21
これは歴史的瞬間である。100周年記念ILO総会は今日、仕事の世界における暴力とハラスメントをなくすための新しい条約・勧告の採択を圧倒的多数で可決した。
この条約・勧告の採択は、仕事の世界におけるジェンダーに基づく暴力(GBV)に取り組むための国際労働文書を獲得しようと何年も闘ってきた労働者と労働組合運動にとって非常に大きな勝利である。新しい第190号条約は、労働組合がGBVとの闘いを推進する特別な機会を示す。
これらの新文書に基づき、各国は、仕事の世界における暴力とハラスメントの防止、労働者の保護、被害者救済手段の確立を目的とする法律や政策、メカニズムを採択することができる。
暴力やハラスメントのない労働環境を作る第一義的な責任を負う使用者の義務や、労働組合と労働者の役割・責任が明確に規定されている。
しかし、これは始まりにすぎない。労働組合は、これから各国で両文書の批准と実施を求めて運動しなければならない。
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偉業達成! ILOは仕事の世界における暴力とハラスメントに関する新しい第190号条約および勧告を採択した。世界中の労働者・労働組合にとっての、この歴史的な勝利を祝おう。この新しい国際労働基準は、契約上の地位にかかわらず、すべての労働者、特に女性の保護に役立つ。 労働組合は、これから各国で両文書の批准と実施を求めて運動しなければならない。これは始まりにすぎない! |
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なぜ歴史的なのか?
これらの新文書は、職場における暴力とハラスメントに悩まされている何百万人もの労働者、特に女性の保護の不足を補う。これまで、この問題に取り組むために行動を起こす基準を定めた国際レベルの法律はなかった。
新しい条約・勧告は、仕事の世界における暴力とハラスメントの影響や、GBVを含む暴力のない仕事の世界に対する万人の権利を認めている。暴力とハラスメントは容認できるものではなく、ディーセント・ワークと両立せず、人権侵害である。
どちらの新文書も、女性と少女への特定の影響を認め、GBVの原因(ジェンダー・ステレオタイプ、差別、性別に基づく不平等な権限)に取り組むジェンダーに敏感なアプローチの必要性を強調している。ジェンダーに基づく暴力が、他の社会的弱者や危険にさらされやすい状況にある集団に及ぼす特定の影響も強調されている。
この条約はなぜ進歩的で有意義な文書なのか?
この条約は犠牲者の保護に関して一歩前進している。
「暴力とハラスメント」という用語は1つの概念とみなされ、一連の受け入れ難い行為や慣行、あるいは脅威を指す。
この条約は、身体的危害のみならず心理的、性的あるいは経済的なものも含めて、あらゆる種類の危害を対象としている。
労働組合運動は、すべての労働者、中でも特に弱い立場にある不安定労働者を保護する法律文書の獲得を目指して懸命に闘ってきた。この条約はボランティアやインターンも含めて、契約上の地位にかかわらず全労働者を保護している。
さらに、条約が提示している仕事の世界の概念は、職場だけでなく、出張や訓練、行事、通勤など、仕事に関係のある空間や状況にも適用される。新文書は新しい情報通信技術に伴うリスクにも対処している。
この条約に基づいて各国は、家庭内暴力の影響を認識して仕事の世界への影響を緩和するために、適宜の処置を取らなければならない。そのような措置として、被害者の休暇や柔軟な労働形態、被害者の保護、解雇に対する保護、家庭内暴力の影響に対する認識の向上が挙げられる。
この条約・勧告はどのように労働組合を促進するか?
条約・勧告ともに、職場における暴力とハラスメントに関連する法律や戦略、手続きの策定にあたってソーシャル・パートナーと協議する政府の義務を概説している。政府は労働組合に、GBVをはじめとする問題に関する資源や訓練も提供すべきである。
勧告は、暴力とハラスメントを防止して対処し、仕事の世界における家庭内暴力の影響を可能な限り緩和する手段として、あらゆるレベルの団体交渉権の承認も促進している。
新しい文書は、職場方針の立案・実施・監視やリスクの評価・確認に労働者とその代表が参加することも定めている。
労働者には、すべての危険について説明を受け、暴力とハラスメントに起因する生命、健康または安全に対する切迫した重大な危険があると思われる労働状況から離れる権利がある。
さらに労働組合は、各国および労働者とともに、暴力とハラスメントにさらされる可能性が高そうな部門や職業、労働形態を確認したり、これらの労働者を保護する措置を考案したりする。
条約は2つの加盟国が批准してから12カ月後に発効する。勧告には法的拘束力がなく、条約の適用方法に関するガイドラインを示す。
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専門家グループが自動車産業の転換を調査
2019-06-21
電気自動車や自律走行車への技術シフトが原因で、自動車産業は激変にさらされている。この転換に対応するための労働組合戦略を策定するために、インダストリオール・グローバルユニオンは6月19~20日にスイス・ジュネーブで専門家会合を開催した。
この会合には、インダストリオールに加盟している自動車労組の専門家が出席した。すなわち、スウェーデンIFメタル、ドイツIGメタル、韓国KMWU、日本JAW、南アフリカNUMSA、カナダ・ユニフォー、米UAW、英ユナイトである。
ゲオルク・ロイテルト・インダストリオール自動車部門担当部長が開会の辞で次のように述べた。
「自動車部門の変化は競争技術と政治的背景によって不均等で複雑だ。このため、労働組合の対応を練り上げるのが難しく、不確実性によって行動が遅れている」
「だが、いくつか解決策がある。明確なシナリオが浮上しており、雇用を確保する移行の優良事例がある。これに焦点を合わせることによって、労働者の権利を確実に擁護する共通のアクション・プランを策定することができる」
ドイツ・シュトゥットガルトのIMUインスティテュートのマーティン・シュワルツ=コッヘル博士が、自動車部門の現状と、今後の展開について考えられるシナリオを詳細に概説した。電動モビリティーは最もエネルギー効率の高いソリューションであり、それがなければ世界の国々はパリ気候目標を達成できない。輸送文化も著しく変化し、自家輸送から公共輸送に切り替わるだろう
いくつかの異なる自動車技術が開発されており、特にハイブリッド(HEVやPHEV)、バッテリー(BEV)、液体水素燃料セル(FCEV)が挙げられる。どれが優位に立つかはまだはっきりしない。将来の労働需要は、どのパワートレインが、いつ市場に導入されるかに依存するところが大きい。3種類の技術すべてが並行して使われる可能性もある。
シュワルツ=コッヘル博士の説明によると、現在のOEMの大量生産モデルは、3D印刷を利用する小規模な特注メーカーとの競争、組立ラインからモジュール生産へのシフト、他の形態のモビリティーへのシフトに直面している。
確固たる戦略をうまく管理すれば、雇用の減少をごくわずかに抑え、自動車産業に大きな影響が及ばないようにしながら、移行を成功させることができる。しかし、研究開発部門の労働者は特に大きな影響を受け、パワートレイン労働者の最大45%の雇用に悪影響が及ぶおそれがある。電動パワートレインは部品数がはるかに少なく、組み立てに要する労働者数も少ない。
世界の労働組合、公正な社会契約を求めて国連まで行進
2019-06-19
国際労働機関100周年を迎えて、国際労働総会に出席している世界中の組合がジュネーブ国連事務所の「壊れた椅子」まで行進し、21世紀の公正な社会契約を求めた。
グローバル・ユニオンとインダストリオール加盟組織(フランスのCGTとFO、イタリアのCGIL、韓国のKMWU)をはじめとする労働組合が、新しい社会契約を求めてジュネーブを行進した。
労働者が直面している課題の1つは、気候変動やインダストリー4.0、不安定性の高まりに関して行動を起こす必要に迫られていることである。新しい社会契約は公正な移行と仕事の未来を考慮に入れなければならない。
組合が求めているのは21世紀にふさわしいILOであり、普遍的な労働保障によって、すべての労働者に下記のILO基本原則の中核的権利を提供しなければならない。
- 児童労働・強制労働からの自由
- 労働における差別からの自由
- 結社の自由と団体交渉権
- 生活賃金、労働安全衛生および労働時間管理に対する権利
全米鉄鋼労組、ケベック州政府をILOに提訴
2019-06-18
カナダ・ケベック州ベカンクールで、アルコアが交渉を拒否したあとUSWメタロスの組合員1,000人が17カ月近く同社工場でロックアウトされており、同労組は国際労働機関に提訴した。
USWが提訴した原因は、アルミ大手のアルコアとリオ・ティントが共同所有しているベカンクールのアルミニウム製錬所で発生した17カ月のロックアウトに際して、フランソワ・ルゴー・ケベック州首相が交渉に干渉したことである。
「首相は再三にわたって労働組合の立場を『不合理』と表現し、その信用を落とそうとする発言をすることによって、民間部門の交渉で企業を全面的に支持した。これは国際法に反しており、私たちはILOに対し、この事件を引き受けるよう求めている」と鉄鋼労組ケベック州責任者のアラン・クロトーは言う。
訴状は、結社の自由および団結権保護に関するILO条約、多国籍企業および社会政策に関する原則の三者宣言、労働における基本的原則および権利に関する宣言の違反を指摘し、4月1日~6月3日の首相による公式声明を少なくとも9件列挙している。
「首相は使用者に同意し、世論を通して労働者に不当な圧力をかけることによって、交渉・調停プロセスを台無しにしている。労働大臣が和解案を提出し、組合がスト破り禁止法の実施に向けて当局に協力を要請しているまさにこのタイミングで、首相の干渉は本件提訴に関する政府の客観性に疑問を投げかけている」とクレメント・マッセUSW第9700支部長は言う。
アルコアとリオ・ティントは、組合がスト権を行使しない意向を表明しており、交渉の場で残っている課題がごくわずかであったにもかかわらず、昨年1月11日にABIでロックアウトを開始した。使用者側は、その後いくつか新しい要求を追加し、解決の見通しがさらに悪くなっている。3月11日、組合員の82%が、ロックアウト実施前の内容を下回る使用者側の提示を拒絶した。
「インダストリオール・グローバルユニオンとしては、政治家がそのような偏見を抱いた方法でソーシャル・パートナーの交渉に干渉することは容認できない。これは結社の自由と団体交渉権に対する重大な脅威だ」
「労働者は有権者であり、政治家と政府に尊重される権利を有する。私たちは、バランスの取れた判断に対するこの違反に関して、加盟組織の懸念を全面的に支持する。このような行為は政治家への信頼喪失を招くものだ」とマティアス・ハートウィッチ・インダストリオール素材金属担当部長は言う。
UAWがVWチャタヌーガの選挙に29票差で敗北
2019-06-18
2014年と同様に、右派政治家や圧力団体、企業、組合つぶし法律事務所は、米テネシー州チャタヌーガのフォルクスワーゲン工場の組合選挙でインダストリオール加盟組織UAWの勝利を阻止しようと全力を尽くした。
結局、労働組合がある職場と真の労働者代表のない職場の差は小さく、労働者代表に反対が833票、賛成が776票で、その差わずか57票で29名が賛成すれば結果は異なった。
UAWとグローバルな組合運動は今回、2014年より楽観的な見方をしていたが、米国南部の大規模な反組合運動のいじめ戦術は勢いを増していることが判明した。
VW従業員は9週間にわたって、賛成票を投じれば重大な雇用喪失の脅威が発生するだけでなく、テネシー州と米国南部全体の景気も後退することになると言われた。
組合つぶしのプロパガンダはもちろん容認できないが、フォルクスワーゲンではめったにない。同社では全世界122カ所の製造現場のうち121カ所に労働組合があり、団体交渉と社会的対話が日常的な手続きの自然な一部となっている。だが長年にわたって、アメリカのフォルクスワーゲンは攻撃的に組合に対抗しており、従業員や製品に投資するのではなく組合つぶし法律事務所に大金を払っている。そして、これらの選挙の準備段階でVWは決して中立ではなかった。
ヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長は言う。
「勝利まであと少しだった。今後もVWチャタヌーガの同僚を支援していく。これらの組織的な反組合的方針を勝たせるわけにはいかない」
インダストリオール・グローバルユニオンは、この行動を強く非難し、強い抗議のしるしとして今年1月に下されたフォルクスワーゲンとのグローバル枠組み協定停止の決定を支持している。
ゲオルク・ロイテルト・インダストリオール自動車担当部長は言う。
「米国南部はおそらく世界で最も反組合的な地域の1つだろう。ここの労働者たちは世界の他の地域の労働者と同じ権利と適正な労働条件を与えられてしかるべきなので、私たちにとって、これはアメリカの加盟組織とともに努力を倍加するよう促す結果だ」
インダストリオールと加盟組織は、チャタヌーガのフォルクスワーゲン労働者と連帯している。チャタヌーガのUAW第42支部には20カ国以上から50を超える連帯メッセージが寄せられ、同社の本国であるドイツの全VW工場から支援の書簡やビデオ、写真が届いた。
イタリアでスト中の金属労働者と連帯
2019-06-14
金属労働者は今日、金属産業の未来をめぐるゼネストを行い、ミラノ、フィレンツェ、ナポリの街頭で抗議している。
イタリアのインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織3団体(FIM-CISL、FIOM-CGIL、UILM)の組合員が協調的行動を取り、政府と民間部門に以下の要求を突きつけている。
- 環境的に持続可能な産業で雇用を創出するために投資する。
- 団体交渉によって賃金を引き上げる。
- 下請業者への権利付与と労働者参画の促進によって不安定雇用をなくす。
- 新技術による生産性上昇を利用して、新規雇用創出と賃上げ、時短に努める。
- 労働者に対する税金を減額し、脱税と闘う。
- 公正な年金を支払い、社会福祉ネットを広げる。
- 職場の健康基準と保証された安全訓練に投資する。
インダストリオールとインダストリオール・ヨーロッパは合同書簡で、次のように金属労働者への連帯・支援を表明している。
「工業生産の減少、仕事の価値の低下、職場の死傷事故の増加を受けてイタリアの金属産業の未来をめぐる不透明性が高まる中で、私たちは皆さんの争議行為を全面的に支持します」
「政府と民間部門は、革新や生態学的持続可能性、雇用創出、厳しい安全衛生基準の実施への投資によって、困難を乗り切らなければなりません。国内市場の再生も必要であり、そのためには賃上げと減税を実施し、福祉国家を保証する必要があるでしょう」
「したがって私たちは、戦略的な部門への官民投資によって雇用を増やし、環境的に持続可能な方法で良質な雇用を創出しようとする皆さんの闘いを一致して支持します。賃上げと減税、不安定雇用の削減、労働者の参画と団体交渉力の強化、年金に関するフォルネロ法の改革も絶対に必要です」
テナリス・ブラジル、スト後に解雇を撤回
2019-06-05
ブラジルの鋼管メーカー、テナリス・コンファブの労働者は5月20日、25人の解雇に抗議してストに入った。その結果、同社は翌日に解雇を取り消し、労働者の今後について組合と交渉することに同意した。
午前・午後両方の勤務の労働者がストに参加し、5月21日に生産ラインが完全に停止した。この労働者たちは、金属労働者の全国総連合(CNM-CUT)を通してインダストリオール・グローバルユニオンに加盟している、ピンダモニャンガバ・モレイラセサール・ロセイラ金属労組の組合員である。
スト終了後、テナリス経営陣は、解雇された労働者と同社がもはや必要ないと言っている生産部門労働者200人のために代替策を交渉することに同意した。テナリスは何らかの希望退職計画を導入しようとする可能性がある。
同労組は、5月17日に解雇された労働者25人のうち5人は職場の安全問題が原因で負傷しており、解雇は無効だとも述べている。会社側は当初、組合と代替策を交渉するつもりはないと発言し、組合員がストに入るきっかけを作った。
組合側は、レイオフは唯一の選択肢ではないと主張し、労働者の権利を保護して代替策を見つけるためにできる限りのことをすると述べた。
会社は2018年11月、場合によっては多数の労働者を解雇せざるを得ないと発表した。そこで組合はストを実施すると警告し、何とか165人の一時的なレイオフを取り決めた。
「会社側が先週の解雇を取り消し、交渉に同意したことに心から安堵してしている。これ以上の一時的レイオフを取り決めることはできないので、非常に微妙な状況だ。私たちは昨年11月、何らかの希望退職計画の可能性について話し合おうとしたが、会社側に拒否された。だが、この問題を再び取り上げることができるので、ここテナリス・コンファブで大きな進展があった」と同労組のエリベウト・ベラ会長は語った。
ヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長は次のように述べた。
「テナリスは世界中で反組合的な慣行にかかわっており、特にグアテマラとコロンビアで雇用基準に従っていない。私たちはテナリス・コンファブ労働者とCNM-CUT組合員の闘いを支持しており、彼らのストが解雇の停止につながったことをうれしく思う」
マレーシアの組合、デンソーと第10次労働協約を締結
2019-06-04
全国輸送機器・関連産業労組(NUTEAIW)は2019年4月30日、マレーシア最大の自動車部品メーカーで従業員数1,365人のデンソーと第10次労働協約を締結した。
1年近くに及ぶ長丁場の交渉を経て、NUTEAIWは組合員950人の賃上げ8.5%の取り決めに成功を収めた。この労働協約には、そのほかにも残業時の食事手当、食料助成金、従業員と家族の医療給付といった給付が盛り込まれている。
「これは30年間で10本目の労働協約となるため、重要な節目だ。しかし、この30年間に不平等が広がり、GDPの労働分配率は35.2%という低水準にとどまっている。したがって、企業の富を労働者と分け合うべきだ」とゴパール・クリシュナムNUTEIAW書記長が述べた。
デンソーグループは昨年度、全世界で483億米ドルの収入を生み出し、28億米ドルの利益を計上した。アジア地域での活動に関しては、総収入が7.1%増えて128億米ドルになったのに対し、営業利益は6.1%減の115万7,000米ドルだった。
デンソー・マレーシアのナカムラ・トモヤ・マネージングディレクターは、競争が激化して事業環境が厳しくなっている中で同社はさまざまな課題に直面しているが、労働者の福祉と持続可能な開発目標の改善に尽力していると述べた。
マレーシアの労働組合は労働法改革を検討している、とゴパールは付け加えた。1つの案は、労働者の心身の健康を確保するための労働時間短縮である。ゴパールは使用者側に対し、時短によって健康に配慮した労働環境を作るよう促した。