インドの組合、持続可能な貿易・産業政策を要求
2019-10-01
インドの製造業労組によると、同国の貿易・投資協定は不安定雇用危機、低賃金、劣悪な労働条件、それに何十万人もの雇用喪失を招いている。
インダストリオール・グローバルユニオン加盟組織は2019年9月25~26日にニューデリーでワークショップを開き、インドの自由貿易体制が製造業部門全体(自動車、鉄鋼、石炭、電機・電子、既成服、繊維、化学など)に及ぼす影響を評価した。
参加者は、政府の貿易・投資協定締結アプローチにおける透明性と民主的プロセスの欠如への深刻な懸念を表明した。
加盟組織は、中央政府や州政府、地方政府による投資協定に、企業に適切な賃金・労働条件を尊重させる条件が盛り込まれていなかったり、企業がこれらの条件に従わない場合の罰則がなかったりすることを非難した。
労働組合は、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)案も含めたインドの貿易協定が、真の開発ニーズと労働組合が直面する課題に十分取り組んでいないことを強調した。RCEPはASEAN16カ国とそのFTAパートナーとのメガ地域自由貿易協定で、年内に締結されると予想されている。
ジェニー・ホルドクロフト・インダストリオール書記次長は次のように語った。
「組合員が働く産業の雇用に影響を及ぼす政策に組合が介入できるようにすることが極めて重要だ。労働組合は国家・地域・国際レベルで一致協力し、事業活動を行うための条件に雇用創出、雇用保障、十分な賃金を含めさせるとともに、経済活動の恩恵を労働者およびその家族と共有させるようにする必要がある。インダストリオールは、この方向で活動しようとするインドの加盟組織の努力を支援する」
アプールヴァ・カイワール南アジア地域事務所所長が次のように語った。
「インドの労働組合は貿易・投資協定の悪影響を深く憂慮している。この景気後退は、インドの貿易・産業政策体制が不十分であり、製造業部門全体で労働者の削減を緩和しておらず、雇用を創出していないことを示している。政府は、これらの問題をめぐって労働組合に関与し、持続可能な結果の達成に向けて前進しなければならない」
インダストリオール加盟組織は、それぞれのナショナルセンターも関与させて、貿易・産業政策問題に関する労働組合の要求を強調するための努力を強化する旨決議した。また、持続可能な開発を達成するために、現在外国投資が不足しており、革新的な外国投資規則が必要とされている現状を強調することも決定した。
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