インドの鉄鋼労組、組合の力の強化を誓約
2019-12-10
インド鉄鋼部門のインダストリオール加盟組織の上級組合幹部が、2019年12月9~10日にインドのムンバイに集まった。SMEFIとINMFメタルの幹部たちは、インダストリオールのサンジョット・バダブカール・グローバル共同部会長とともに、インドのこの重要な部門における組織化と勧誘の未来について議論した。議論の焦点となったのは、鉄鋼部門の若年労働者と不安定雇用を取り巻く状況である。
サンジョット・バダブカールの主導で充実したセッションを行い、この部門における女性のニーズと、女性の組織化活動が労働組合運動に提供する機会を取り上げた。
サンジョット・バダブカールは、インドの鉄鋼業における女性の状況について次のように述べた。
「ますます多くの女性組合員が労働組合で活発に活動し、特に鉄鋼部門でもっと多くの女性を積極的に勧誘しなければならない。これは鉄鋼業のために、労働運動のために、ジェンダー公正のために実現すべきだ! 女性は職場や家庭でのジェンダーに基づく暴力や差別、嫌がらせに異議を唱えなければならない」
この討議は、グローバルな鉄鋼供給過剰が見られる中、全世界の鉄鋼労働者に対する圧力が強まっている状況を背景として行われた。インドは世界有数の鉄鋼生産国で、年間粗鋼生産量は約1億1,000万トンに達し、生産能力が拡大し続けている。
マティアス・ハートウィッチ・インダストリオール部門担当部長は会合後にこう語った。
「インドの労働組合が今後の組織化活動の非常に具体的かつ意欲的な計画を採択したことをうれしく思う。鉄鋼業の変化に鑑みて、インドで強力な鉄鋼労組を構築する必要がある。デジタル化と環境上の必要性を考えると、この産業の労働者を保護するために強力な組合が必要だ」
世界の鉄鋼業は過去70年間一貫して成長しており、今や年間生産量は約18億トンに達している。インドや中国などいくつかの国々が需要の伸びを上回るペースで設備を拡大したため、鉄鋼業は現在、過剰生産能力に直面している。米中貿易戦争は他の国々にも影響を与えている。インドでは、国有企業でも民間企業でも労働者に対する圧力が強まっている。おびただしい数の不安定労働者と賃金・労働条件に対する圧力が、労働者に絶えず脅威を与えている。
アプールヴァ・カイワール・インダストリオール地域事務所所長が、会合の結果を次のように要約した。
「インドのインダストリオール加盟組織が女性と若年労働者、不安定労働者の重視を決定し、さらに強力な活動主体になろうと尽力していることを誇りに思う。鉄鋼労働者とその家族には強力な労働組合が必要だ。今後は安全衛生とインダストリー4.0が鉄鋼部門の重点分野になる」