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第98号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2019年12月31日)

ティッセンクルップ労働者が雇用保障と明確な戦略を要求

2019-12-05

ドイツの多国籍企業ティッセンクルップは非常に深刻な事態に陥っており、全世界で16万人の雇用が危機にさらされている。さらに、グループの安定した利益の源泉である業界5位のティッセンクルップ・エレベーターが売却または株式公開される予定である。

12月4日、ティッセンクルップ・エレベーターの労働者2,500人がドイツ・エッセンのグループ本社で集会を開き、明確な戦略と雇用保障を要求した。前日の12月3日には、同じくドイツのデュースブルクで約6,000人の鉄鋼労働者が集会を開催、鉄鋼業の解雇禁止協定の締結に成功した。エレベーター労働者も、まさにそれを要求している。ティッセンクルップ・エレベーター工場で働く6,000人以上の労働者が影響を受けるスペインなど、他の事業所や現場でも抗議行動が行われた。

スペインでの抗議行動

グループ全体の業績が何年も低迷した結果、経営陣は投資家から圧力を受けているが、過去の誤った経営判断の代償を払わされているのは、またしても労働者である。

IGメタル・ノルトライン・ウェストファーレン地域責任者でティッセンクルップ・エレベーター監視委員会副委員長のクヌート・ギースラーは次のように述べた。
「エレベーター従業員は長年にわたってティッセンクルップ・グループのために素晴らしい仕事をしており、最高の業績を達成した。今、そのおかげでグループが救われるはずだ。だから、労働者も適切に扱わなければならない。残念ながら、まだしかるべき扱いを受けてはいない。経営側は依然、雇用と事業所に必要な保障を提供することを拒否している。それは許されない。だから私たちは今日、さらに圧力を強めている。一部の貪欲な株式仲買人がいい思いをする一方で、従業員が生存を脅かされるという状況は容認できない」

全世界のエレベーター事業労働者は、ティッセンクルップ経営陣に以下のとおり要求している。

  • ティッセンクルップ・エレベーターの雇用を確保すること。
  • 売却する場合は、影響を受けるすべての国々で現場と雇用を守ること
  • ティッセンクルップ・エレベーター従業員ならびに他のすべての事業単位の明確な見通しを示すこと。
  • 時機をみて適切な情報を提供し、ドイツだけでなくヨーロッパや他の国々の労働者・労働組合とも協議すること。

ティッセンクルップ欧州従業員代表委員会は会社側に要求リストを提出した。国際委員会スポークスパーソンでティッセンクルップ欧州従業員代表委員会委員長のウォルフガング・クラウスは次のように述べた。

「尊重と連帯――これが欧州従業員代表委員会の指針だ。間もなく、エレベーター事業を株式公開するか、一部または全部を売却するかについての最終決定が発表される。解決策が必要であり、同僚たちのための打開案が必要だ! ドイツのみならず、ヨーロッパその他の国々でも。この困難な時期、不確かな未来に、従業員を放置しないことを私たちは約束する」

「この困難な時期、不確かな未来に、従業員を放置しないことを約束する」
ウォルフガング・クラウス国際委員会スポークスパーソン兼
ティッセンクルップ欧州従業員代表委員会委員長

ティッセンクルップ・エレベーター従業員代表委員会委員長のスザンヌ・ヘルベルガーはこう語った。
「これまで数カ月間、ティッセンクルップ・エレベーターの従業員は先行きが見えない状態に置かれてきた。経営側がこの不明瞭な状況を打破し、エレベーター事業の株式を公開するか、それとも一部あるいは全部を売却するかを決めるよう要求する。さまざまな選択肢を調べるにあたって、はっきりさせておかなければならないのは、従業員とこの事業の見通しをきちんと示さなければならないということだ。影響を受ける5万3,000人の従業員が、この目標を求めて闘う5万3,000個の正当な理由だ」

「これまで数カ月間、ティッセンクルップ・エレベーターの従業員は先行きが見えない状態に置かれてきた。従業員と事業の見通しをきちんと示さなければならない」
スザンヌ・ヘルベルガー・ティッセンクルップ・エレベーター従業員代表委員会委員長

マティアス・ハートウィッチ・インダストリオール・グローバルユニオン機械エンジニアリング・素材金属担当部長は、現状について次のように述べている。
「ドイツの同僚は、この闘いにおいて全面的な連帯および支援を受けるに値する。この闘いは鉄鋼やリフト/エスカレーターの問題ではなく、約16万人の雇用をめぐる闘いだ。ドイツ、ヨーロッパ、インド、アジア、南北アメリカはじめ、ティッセンクルップが事業を展開しているすべての場所で、約16万人の労働者とその家族を守らなければならない。インダストリオールは、経営側が組合との協定締結にあたってグローバルな視点を考慮に入れるとともに、将来計画に関する情報を世界中の組合と共有することを要求する」

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