広報ニュース

第99号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2020年2月26日)

インドネシアの新法案、労働者の福祉を台無しにする懸念

2020-01-15

インドネシアの組合運動は雇用創出関連法案に猛反対しており、この法案は近い将来に労働者の福祉を破壊すると主張している。今月、全国的な抗議行動を実施し、議論を招く法案の廃案を求める予定である。

ジョコ・ウィドド・インドネシア大統領は2019年10月、海外直接投資の誘致と経済成長の確保、雇用機会の創出を主な目的に重複している法律を合理化し、雇用創出と課税に関する2本の一括法案にまとめることを提案た。この2本の法案は、合計82本の法律と1,194の条項を修正する。

インドネシア合同労連(KPBI)、全インドネシア労働組合総連合(KSBSI)およびインドネシア労働組合総連合(KSPI)は、この法案は労働者の権利と給付を侵害すると非難している。特に争点となっている問題は、使用者が負担する退職手当制度の廃止、労働の柔軟性の拡大、使用者に対する刑事制裁の撤廃である。

KPSIおよびインドネシア金属労連(FSPMI)のサイド・イクバル会長は、週労働時間が35時間以下の労働者について最低賃金制から時給制に移行するという案は、インフォーマル経済を助長して労働者の貧困を悪化させる退行的な措置だと言う。労働者は病気休暇の取得や宗教義務の履行を理由に月額最低賃金を支給されないおそれがある、とイクバル会長は懸念する。

失業給付を6カ月に制限する案に強く反対する。現行法では、労働者は9カ月、場合によっては最大18カ月の退職手当を受給しており、それに加えて最大10カ月の勤続手当を受け取ることができる。それらの給付が全部なくなってしまう」とイクバルは言う。

「政府が法案作成にあたって労働組合と協議し、労働者に不利な条項を削除するよう要求する。例えば解雇手当や、現行の5活動分野からの労働外注の範囲拡大、最低賃金を支払わなかった使用者に対する刑事制裁を撤廃などだ」とエリー・ロシタ・シラバンKSBSI会長は言う。

いくつかの極めて重要な課題、例えば不十分な労働監督や、賃金、年金および社会保障プログラムに関する物議を醸す問題が解決されなかったため、KSBSIは労働法の改訂を支持する、と同会長は付け加えた。この一括法案は、労働者が直面している問題に取り組むためではなく、投資家の利益となるように起草された。

KPBI、KSBSIおよびKSPIは1月15日と20日に労働者を動員し、全国的な抗議行動を行う

 

バングラデシュでアコード移行協定を締結

2020-01-15

アコード運営委員会は、バングラデシュの衣料労働者の安全を確保し続けるために重要な一歩を踏み出し、RMG持続可能性協議会への移行と、この新しい機関を設置する覚書や定款についてBGMEAとの協定を締結した

アコードとバングラデシュ衣料使用者団体(BGMEA)との移行協定は、アコードからRMG持続可能性協議会(RSC)への移行における重要な原則と段階について概説している。

RSCには業界、ブランドおよび労働組合が集まり、バングラデシュで職場の安全に関して達成された重要な成果を進展させるために、持続的な解決を確保すべく努力する。

RSCは同数の業界・ブランド・労働組合代表で構成される理事会によって統治される。

「移行協定は、アコードの活動や重要原則、すべての政策がRSCで推進されるという必要な保証を提供してくれる。バングラデシュの加盟組合は新しいRSCで強力な役割を果たし、ブランドやBGMEAとともに新しい機関の統治に直接参加する」とジェニー・ホルドクロフト・インダストリオール書記次長は言う。

RSCへの世界的ブランドの積極的な参加を強化し、職場の安全に対するサプライチェーンの責任が果たされるようにするために、アコード加盟労働組合と締約ブランドは現在の2018年アコードに取って代わる法的拘束力のある新協定を交渉する

「その協定によって、引き続きブランド各社に自社工場に対して責任を負わせ、RSCの活動への必要な支援を確保することができる」とジェニー・ホルドクロフトは締めくくった。

アコードからRSCへの移行については昨年5月に合意した。

移行協定には、特に次の内容が盛り込まれている。

  • アコードに基づいて設置された安全衛生苦情処理制度は、引き続き独立して自主的に活動する。
  • ダッカのアコード事務所の業務、スタッフ、インフラおよび機能をすべてRSCに移管する。
  • 現在アコードの対象となっている工場はRSCに引き継がれ、工場の是正措置計画に従って改善状態や未達成の改善要件を維持するものとする。
  • アコードが作成した決定、政策および手順関連の文書は、RSCに引き継がれる。
  • アコードの既存の透明性はすべて維持され、例えば検査結果や改善活動が完全に公表される。

 

ティッセンクルップ労組がエレベーター事業の維持を要求

2020-01-16

ティッセンクルップ・エレベーター・グループ従業員代表委員会は資金難に陥った同社の経営陣に書簡を送り、資金調達のためのエレベーター事業完全売却をしないよう促した

ドイツ系多国籍コングロマリットのティッセンクルップは経営が行き詰まっており、業績の悪い事業分野をいくつか抱えている。同社は40億ユーロの債務超過に陥っており、資金を調達するためにいくつかの事業分野を売却する予定である。

しかし、エレベーター部門をはじめ、いくつかの事業は極めて順調で利益を上げている。同社は必要な資金を調達するためにいくつかの選択肢を検討している。第1の選択肢は、エレベーター事業の支配権は維持するが、この部門を独立企業として上場し、株式公開によって資金を調達すること。第2の選択肢は、パートナーを見つけて事業の一部を売却するが、支配権は維持することである。第3の選択肢は事業の完全売却だが、その結果、新しい所有者によって分割されるおそれがある。

ティッセンクルップを代表している組合は第1の選択肢を支持している。エレベーター・グループ従業員代表委員会は重役会と監視委員会に書簡を送り、次のように述べた。

「エレベーター事業を分離すれば、ティッセンクルップ最も利益の多い事業を失うだけでなく、全世界の従業員の約3分の1を失うことにもなります。……」

「大部分または全部の売却は1回限りの財政的効果をもたらすにすぎません。その後、一貫して好業績を上げているエレベーター事業を足がかりにティッセンクルップAGの貸借対照表の改善を目指すことができなくなります」

従業員代表委員会は会社側にエレベーター事業を分割しないよう要請し、次のように述べている。

「エレベーター事業がこれほど成功を収めて利益を上げている1つの理由は、この事業部全体が幅広い土台に立脚していることです。その多様性と世界的なネットワークが基本的な強みとなっています。ですから、エレベーター・グループの団結を今後も維持しなければなりません」

従業員代表委員会は会社側に、売却を進める場合、現行の協定に基づき、潜在的購入者はドイツのインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織IGメタルと最善購入者契約を締結しなければならないことを改めて強調した。この協定は、大多数がヨーロッパ域外で働いている世界中の全従業員5万3,000人に適用される。

マティアス・ハートウィッチ・インダストリオール部門担当部長は次のように述べた。

最善購入者契約を結ばないのであれば、従業員代表委員会と労働組合はティッセンクルップのエレベーター事業の売却に同意できない。インダストリオールは全世界の従業員5万3,000人の従業員を支持し、その権利と利益を守る。従業員に過去の誤った経営判断の代償を払わせてはならない」

 

 

ウルグアイがILO第190号条約を最初に批准

2020-01-16

ウルグアイは世界で初めて国際労働機関(ILO)の第190号条約を批准した国である。この条約は、仕事の世界における暴力とハラスメントが重大な人権侵害になり得ることを認めている。

新しい条約・勧告は2019年6月に国際労働総会で採択された。この条約は、暴力とハラスメントは機会均等に対する脅威であり、容認できるものではなく、ディーセント・ワークと両立しないことを認めている。

ウルグアイ政府は2019年9月に批准法案を議会に提出、2019年12月17日に下院が法案を全会一致で採択し、ウルグアイはILO加盟国として初めて第190号条約を批准した。

「ウルグアイはILO条約を批准した以上、仕事の世界における暴力とハラスメントを防止・排除するために、ジェンダーに対応した包括的・総合的アプローチを採択しなければならない。これは官民両部門、フォーマル経済とインフォーマル経済、都市部・農村部の両方に当てはまる」とウルグアイ大統領府発表の公式声明は述べている。

声明によれば、使用者は法律によって、仕事の世界における暴力とハラスメントを防止するために適切な手段を講じることも義務づけられる

この批准プロセスは、ウルグアイが第190号条約の対象となる問題のいくつかに取り組むために、すでに法律を制定していたことによって促進された。例えば、職場でのセクシャル・ハラスメント、教師と生徒の関係、女性に対するジェンダーに基づく暴力に関する法律である。

インダストリオール・グローバルユニオンは昨年11月にキャンペーンを開始し、加盟組織に対し、条約の批准と国内法への編入を確保するために協力するよう促した

ウルグアイのインダストリオール加盟組織は、ウルグアイの中央組合PIT-CNTのジェンダー局を通して、批准プロセスをめぐる三者会談に積極的にかかわった。

ジェンダー事務所代表でUNTMRA組合員のフェルナンダ・セバロスは、このたびの批准についてこう言う。

「私たちはPIT-CNTのジェンダー平等・多様性局から、ウルグアイの第190号条約批准を促進した。私たちは長い間、セクシャル・ハラスメントの問題と職場における暴力のゼロ容認に取り組んできた。ジェンダー暴力に関するワークショップを通して、さまざまな組合の認識を高めるという問題をはっきりと意識している」

「さらに、企業や労働省とともにジェンダー条項に取り組んでいる。第190号条約が批准されたとき、UNTMRAと集会を開いて人々に条約の適用範囲を知らせた。UNTMRA傘下の多くの労働者が職場でセクシャル・ハラスメントに直面しているので、今回の批准は暴力のない仕事の世界を求めて闘ううえで非常に重要だと思う

マリーノ・バニ・インダストリオール地域事務所所長は言う。

「第190号条約は、職場における差別や不平等と闘うための重要な手段だ。ウルグアイの加盟組織がジェンダーに基づく暴力に取り組むために不断の努力をし、政府が新条約を批准したことを祝福する。これは暴力とハラスメントのない仕事の世界を生み出すのに役立つ」

 

 

ウクライナの組合、反労働者的な労働法改革に反対

2020-01-17

ウクライナの組合は1月15日にキエフで組合員を動員し、組合との事前協議なしで議会に提出された新しい労働法案に反対する「ストップ労働奴隷制」抗議行動を実施した。

この最新の法案第2708号は、昨年12月に提出された他の法案とともに、使用者の利益を保護するばかりで、労働者から権利や社会的保証を奪う内容となっている。この法案が採択されれば、企業レベルの組合委員会が廃止され、労働者を保護する組合の能力が弱まり、最終的にウクライナで労働組合が排除されることになるだろう。

労働法案見直しの日、1,000人近い組合員が議会社会政策委員会のビルでピケを張った。この法案は、ウクライナ憲法を含む国内法ならびに中核的国際労働基準(ILO第87号、第131号および第98号条約など)に反している

法案は99の条項から成り、すべての労使関係の規制を意図している。今回の法案と2019年12月に議会に提出された以前の法案は、どちらも反労働者的な法規定にあふれており、例えば次のようなものが挙げられる。すなわち、現在の上限8時間に代えて1日12時間労働を設定できるようにする、残業手当を削減し、現在の賃金倍額払いの代わりに120%の割増賃金を導入できるようにする、妊娠女性や出産休暇取得中の女性も含めて、使用者の裁量でより容易に解雇できる機会を広げる、危険な産業で雇用される労働者や多くの子どもを持つ親、障害児の母親の追加的休暇を廃止する、弱い立場にある従業員の社会的保証をなくす、といった規定である。

1月16日、ウクライナの労働組合員700万人を代表する地方組合6万団体の指導者と代表がキエフに集まり、労働者の憲法上の権利と労働権、社会経済権および組合を保護するために全ウクライナ労働組合協議会が実施した行動に参加した。この行事には大統領と首相も招待されたが、いずれも出席しなかった。

同協議会は、次のような組合の要求を掲げた決議を採択した。

  • 国家当局は労働法案第2708号を即時撤回し、ILO専門家に労働・労働組合・社会保障に関する新しい法案の検討を求めること。
  • 政府は国内法と国際法を完全に遵守し、政労使の社会的対話を通して公正な労働法改革を開始すること。
  • 以前に議会に提出され、すでにILOによって検討された2本の法案(第2410号および第2410-1号)に基づいて、ウクライナの労働法を採択すること。

決議採択後、参加者は大統領府、議会および政府庁舎に向かって行進し、決議のコピーを手渡した。

ワレリー・マトフ・インダストリオール・グローバルユニオン執行委員兼Atomprofspilka会長は次のように述べた。  

「協議会は国家当局に組合決議を提出した。労働法案を撤回し、労働法改革に関する真の社会的対話に入るよう要求する。さもなければ、組合は1月30日にウクライナ全国で抗議行動を実施する」  

ケマル・ウズカン・インダストリオール書記次長は次のように述べた。

「私たちは加盟組織と全国組合、世界的組合とともに、ウクライナにおける組合との適切な協議抜きの労働法改革に強く反対する。ウクライナ議会に労働法案第2708号の即時撤回を要請するとともに、ウクライナ政府に対し、国内・国際労働法とウクライナが批准済みの条約を徹底遵守して労働法を採択するために、労使代表との政労使交渉を開始するよう求める」  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トルコの金属労働者、交渉の行き詰まりでストを計画

2020-01-21

トルコの金属労組3団体(トルコ・メタル、ビルレシク・メタル・イス、オズチェリク・イス)の組合員約13万人は、交渉決裂を受けて、公正な労働協約を求める闘いの継続を決意している。組合は、解決策が見つからなければ来月ストを決行する計画を立てている。

大手多国籍企業も含む約200職場を対象とする現行労働協約は、昨年8月に失効した。

交渉は10月に始まり、3組合は2年協約による26~34%の賃上げと労働条件改善に関する要求を提示した。トルコ金属産業使用者団体(MESS)は3年協約を強く要求した。

MESSの賃上げ提示はインフレ率である6.05%から8%に引き上げられ、その後10%に上がったが、労働者の要求や期待にはほど遠かったため、組合側はこれを拒絶した。

アドナン・セルダログル・ビルレシク・メタル・イス会長は次のように述べた。

「私たちは富を生み出しており、正当な取り分を求めている。金属労働者の要求に応えるべきだ。さもなければ、憲法上の権利、すなわちスト権を行使する」

数回にわたる交渉が決裂したため、3組合は12月に職場で行動を起こしたり、ピケやデモ、作業停止によって使用者に抗議したり、メディアに訴えたりし始めた。

1月19日に数十万人の金属労働者がブルサ(トルコ・メタルが開催)とゲブゼ(ビルレシク・メタル・イスが開催)の集会に参加し、賃金・労働条件改善を求めて闘う決意を表明した。

「このデモは、この国で虐げられており、現在の賃金で生活できない何百万という人々のための行動だ。この集会は抵抗の表明であり、私たちは協力してこの闘いに勝つ」とペフラル・カフラック・トルコ・メタル会長は語った。

トルコの金属労働者によると、高いインフレ率がトルコ・リラ下落と相まって、金属産業の賃金は辛うじて全国最低賃金を上回る程度である。

「私たちは、金属労働者の正当な要求に関する使用者の妥協しない姿勢を、これまでにない強い口調で非難する。使用者に対し、組合と真の対話を行い、貧困賃金の根絶に向けて合意に達するよう要求する」とヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長は述べた。

リュック・トライアングル・インダストリオール・ヨーロッパ書記長はこう述べた。

「正当な賃上げを求めて闘うトルコの組合を支持する。労働者が生産性上昇の公正な取り分を得ることが重要だ。団体交渉で満足できる結果を出すために、今後数日間、数週間に実施されるすべての行動において加盟組織を支持する」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

インダストリオールとミシュラン、グローバル従業員代表委員会設置協定を締結

2020-01-28

インダストリオールとミシュランは1月27日、ミシュラン・グローバル従業員代表委員会の設置協定に署名した。グループの労働者を代表する新しい委員会は、ミシュラン欧州従業員代表委員会(MEWC)の活動、方法および成果を大いに活用する。

ヴァルター・サンチェス・インダストリオール・グローバルユニオン書記長とフロラン・メネゴー・ミシュラン・グループCEOは2020年1月27日、ミシュラン・グローバル従業員代表委員会を設置する協定に署名した。

ミシュラン・グループにとって、このインダストリオールとの協定は、世界中の同社事業で率直かつ建設的で信頼できる社会的対話を促進することを目的として、数年前に開始されたプロセスにおける画期的出来事である。

このグローバル従業員代表委員会は、以下の目的を果たすために設置された。

●グループが活動している国々で従業員を代表する社会的対話の新しい基盤を築くこと。
●世界中でミシュラン・グループに影響を及ぼしている経済・社会・環境の変化によりよく備えること。
●グループの経済的転換を踏まえて、すべての国々で必要な社会的支援を改善すること。

したがって、委員会の任務は以下のとおりである。

ミシュランが活動するすべての国々の労働者と、グループの成果や戦略目標を明白に共有すること。
グループの転換の社会的影響、競争力、社会的保護、多様性(特に障害およびインクルージョン)、持続可能な開発などに取り組む重要方針の共同策定を支援すること。

ミシュラン・グローバル従業員代表委員会の議長は、レミ・デ・フェルディヤック・ミシュラン・グループ書記長が務める。2月中に50人の委員を指名し、今年4月1日に仏クレルモンフェランで開催予定の初会合に適切に備えられるようにする。

この協定によってミシュランは、ILO基本条約、国連ビジネスと人権に関する指導原則およびOECD多国籍企業行動指針の重要性を認めている。同グループは、人権を支持・尊重するとともに、この問題に警戒の目を向ける文化を育むことを誓約。特にミシュランは、結社の自由と従業員代表の原則に従い、従業員と組合代表の権利を保護することを約束している。

ヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長は言う。

「グローバル従業員代表委員会は、多国籍企業を行動計画に関与させる戦略的な方法だ。ミシュランは部門をリードする企業であり、グローバル従業員代表委員会はグループ内部の労使関係強化に向けてさらに一歩踏み出している

フロラン・メネゴー・ミシュラン・グループCEOは言う。

「ミシュラン・グローバル従業員代表委員会は、社会的対話を促進し、当社が進化する中で労働者を支援するにあたって、私たちがさらに前進できるようにしてくれる。それに、世界中で労働条件を改善して労働者の権利を強化するうえでも役立つ」

 

インドネシアの組合、一括法案を拒絶

2020-01-31

 

インドネシアのインダストリオール加盟組織は、ジョコ・ウィドド大統領が提案した雇用創出に関する一括法案を全会一致で拒絶した。この1週間、全国で組合の抗議行動が続いている。

インダストリオール・インドネシア協議会のイワン・クスマワン議長は、1月28日にジャカルタで開かれた一括法案への労働組合の対応に関する全国シンポジウムで発言し、労働者の利益を犠牲にする法案を急いで通過させようとする政府の意向を批判した。同議長は政府に対し、インドネシアの労働者数百万人の要求を考慮するよう求め、さもなければ街頭での抗議活動がさらに続くおそれがあると述べた。

このシンポジウムには、インドネシアのインダストリオール加盟組織11団体の組合代表100人以上と、その他4つの連合団体・総連合の指導者が参加した。

雇用創出に関する一括法案をめぐる秘密主義は、インドネシアの組合指導者に不満を抱かせている。化学・エネルギー・鉱業・石油・ガス労連(FSP KEP)のバンバン・スルジョノ書記長は次のように述べた。

「政府は法案に関する情報を提供していない。議会委員会に対し、議会が法案を提出する前に私たちを協議に招くことを要求する

エドゥアルド・マルパウン・ロメニック会長が、この包括法案は矛盾していると付け加えた。投資の促進を主な目的として一括法案に人的資源を盛り込めば、労働の柔軟性が高まり、労働者の福祉が削減されることは間違いない

憲法に従って、すべての市民が働いて人間らしい生計を立てる権利を有するべきだ。 どんな雇用政策も、雇用保護と社会保障を確保しなければならない。労働は商品ではない」とマルパウンは述べた。

インダストリオール東南アジア地域事務所のアニー・アドビエント所長はインドネシア政府に対し、労働者の声を尊重して直ちに法案を撤回するよう要請している。

政情安定が外国人投資家の最大の関心事だ。この激しい反発は、論争の的となっている法案が社会不安の悪化を招くおそれがあることを示している」