メキシコ行動デー――2013年2月18~24日
2012-12-24
メキシコ行動デー 2013年2月18~24日
インダストリオール・グローバルユニオン執行委員会は、2013年2月18日から24日にかけての1週間にメキシコの
労働組合権を求めて国際レベルで動員をかけると確約した。
2006年2月19日は、鉱山労働者65人が死亡した悲惨なパスタ・デ・コンチョス鉱山事故が起こった日である。メキシコ政府と使用者グルーポ・メヒコは依然埋もれたままの鉱山労働者63人の遺体収容を拒否しているが、これは事故の真の原因と救助活動の不備を隠蔽しようとする画策であることが広く知られている。
「産業殺人」で命を落としたパスタ・デ・コンチョス鉱山労働者65人は、メキシコで政府と使用者が共謀して日常的に労働者の中核的権利を侵害している実態を象徴している。
労働者の権利に対する組織ぐるみの侵害は、メキシコのすべての産業部門と地域で発生している。国際労働組合運動は毎年2月に動員をかけ、本国の組合員と政策立案者に変革の必要性を訴えている。
今度の行動デーで、労働組合員は自国のメキシコ大使を再び訪問し、以下に関する措置を要求する。
●保護協約に関する係争中のILO提訴第2694号
●パスタ・デ・コンチョス事故に対する公正な措置
●最近の退行的な労働法改革の拒否
動員や意識高揚活動、エンリケ・ペーニャ・ニエト・メキシコ新大統領への書簡送付といった行動も実施する。メキシコ国内では、ペーニャ・ニエト新政権が労働者・労働組合にとって好ましい変化をもたらす可能性があるという期待が高まっている。2月の国際行動で再びこの要求を打ち出す。
ペーニャ・ニエト大統領は、ロス・ミネロスのナポレオン・ゴメス・ウルティア書記長の迅速かつ安全な帰国を確保するために介入しなければならない。インダストリオール執行委員でもある同書記長は、退任するカルデロン政権が支持した根拠のない告発が原因でカナダに亡命中である。また大統領は、ソンブレレテ、カナネアおよびタスコのグルーポ・メヒコ鉱山で続いている主要なストを平和かつ公正に解決するためにも介入しなければならない。これらの鉱山ではロス・ミネロス組合員が5年以上に及ぶスト継続を余儀なくされている。
電気技術者労組SMEは組合を支持する最高裁判決を受け、メキシコシティーで1万6,500人を超える労働者の復職を求めて今なお闘っている。エネルギー、石油、ガラス、靴および自動車各産業のインダストリオール加盟組織も、使用者側による不当な攻撃をやめさせるために政府介入を求めている。使用者は黄色労働組合と保護協約を締結して労使関係制度を回避し、労働者をさらに搾取しようとしている。
メキシコ政府当局は、6月のILO理事会で承認されたILO結社の自由委員会の勧告を尊重し、それに基づいて行動を起こすべき時だ。この勧告はメキシコ政府に保護協約問題の調査を求めている。
「最も代表的な全国労使団体および本件の申立人であるか本件提訴を支持している6団体との対話が行われることを強く期待する」とILO委員会勧告は述べ、「団体交渉原則に違反している反労働組合的慣行からの保護を強化するために、いずれ近いうちに法的措置等が講じられるものと信じている」と付け加えていた。
企業責任に焦点を絞ったフィンランドの調査NGOフィンウォッチは今月、フィンランドの労働組合と共同で報告書を発表し、フィンランド企業数社がメキシコで労働者の自由な組合加入・結成権を制限している実態を明るみに出した。これらの企業は、それによって自社の行動規範に反した行動を取り、人権を侵害している。
フィンランド系の多国籍自動車部品メーカーPKCは先週、シウダードアクーニャでロス・ミネロス第307支部の執行委員4人を解雇した。攻撃的な組合つぶし活動の一環として、組合を支援した労働者120人が職を失った。これは組織化行動に対する報復である。
インダストリオール、組織化と権利、政治的影響力を重視
2012-12-14
執行委員会で2013年活動プログラムを採択
インダストリオールは、2012年12月12~13日にジュネーブで執行委員会を開き、組織化、労働組合権および政治的影響力に焦点を合わせた2013年活動プログラムを採択した。
ユルキ・ライナ・インダストリオール・グローバルユニオン書記長は2013年の計画について、「グローバルな組織化プロジェクトを開始し、世界各地で一致協力しながら、特に敵対的な状況下で活動している組合の専門知識をもとに前進していく」と述べた。
執行委員会で承認された2013年の活動プログラムには、継続中のストップ不安定労働キャンペーン、ジンバブエ、メキシコ、コロンビアなど労働組合権が侵害されているあらゆる場所で権利を求める闘い、リオ・ティントの企業権力に対抗するキャンペーンが含まれる。
グローバル枠組み協約と労働組合ネットワークに関するインダストリオール世界会議による一連の勧告草案についても討議し、どのように協約を締結するか、どうすれば特に反組合的な場所でより効果的に協約を利用できるかをめぐって、さらに議論することで合意した。
2013 年の部門別活動では、引き続き多国籍企業における労働組合ネットワークの構築に焦点を絞り、職場委員と組合役員が企業の垣根を越えてサプライチェーン全体 で団結して労働条件改善に取り組むようにすることを目指す。各部門の詳細な計画と、他のグローバル・ユニオン・フェデレーションとともに戦略的サプライ チェーンを通して実施する活動が発表された。
組合構築プロジェクトでは、組織化、不安定労働への取り組み、全国組合機構の強化、社会的対話 とネットワーク構築の促進を最優先する。女性労働者、若年労働者、不安定労働者および事務技術職労働者がプロジェクト活動のターゲット・グループで、 2013年に中央レベルで調整してインダストリオール・アクション・プランとの一貫性を確保する。
執行委員はインダストリオールの活動を支援するために、インダストリオール・ウェブサイトを通して行動を起こすとともに、ニュースや行動要請を定期購読し、所属組合の伝達経路でインダストリオールの活動を促進することも求められた。
インダストリオールの女性労働者が共同国際活動に専心
2012-12-13
インダストリオールは、2012年12月11日、女性委員会を開催し、インダストリオール内部に女性機構を設置することの必要性について合意した。規約の定めに従って、この機構は毎回の執行委員会に先立って会合を開き、女性に関する方針を打ち出す。
女性委員会は、インダストリオール・グローバルユニオン各地域から1人ずつの合計6人の女性で構成される作業部会の設置を決定した。この作業部会の任務は、5月の次期会合で実施されるインダストリオール女性委員会の委員長・副委員長選出プロセスについて、各地域で協議して次の会合に案を提出することである。
作業部会は、グローバルな女性委員会の組織機構、メンバー構成、業務、目標、幅広い方針に関する案も練り上げ、次の会合で討議・採択したのち、2013年5月のインダストリオール執行委員会で承認を得る。
出席した女性委員一人一人から、それぞれの組合や産業、国の女性を取り巻く状況について報告があった。女性議員たちは発表の中で、男女賃金格差、母性保護、組合機構における女性代表、女性に対する暴力といった問題を提起した。
モニカ・ケンペール・インダストリオール・グローバルユニオン書記次長が会合に参加した女性たちを歓迎し、女性の状況を改善するという課題に国際レベルで協力して取り組む姿勢を称賛した。
「本委員会の活動は、今から2016年大会に向けて、『インダストリオールの指導部、意思決定機関および部門別機構の全レベルでジェンダー・バランスの確保に継続的に取り組む』という結成大会の政治的合意を実現するうえで極めて重要だ」とケンペールは述べた。
地球規模のサプライチェーン同盟が組合の力の構築に着手
2012-12-13
労働組合の力を強化するために、航空サプライチェーンの労働者を対象とする新しい地球規模の同盟が発足した。
ITF(国際運輸労連)とそのパートナーであるインダストリオール・グローバルユニオンが主導するComponents to Carriersイニシアティブは関連組合に、組合の力の構築に向けて最優良事例を共有するとともに、連帯行動を促進し、共同戦略を策定する機会を提供する。また、活動家が戦略上重要な場所で組合の力を精査し、グローバル企業やサプライチェーンにおける変化に関する情報を収集できるようにする。
ITFの地上勤務職員委員会と民間航空部会、それにインダストリオールの航空宇宙部会の代表は、航空産業全体で労働者グループを連携させる可能性があることを確認し、ITF/インダストリオール合同作業部会を通してComponents to Carriersの活動を主導している。
この同盟には、航空機製造、物流から維持・修理・整備作業まで、さまざまな特殊分野を代表している労働組合員が関与する。
ITFグローバル組織化コーディネーターのインゴ・マロウスキは次のように語った。「グローバル・サプライチェーンに影響を及ぼしたければ、さまざまな種類の労働者を代表する組合同士の連携が欠かせない。『全体像』を理解して成功を収めることが重要だ」
「この新しい同盟は変化を求める大きな勢力になり、極めて重要な部門で労働者を団結させる」と、航空宇宙担当のロブ・ジョンストン・インダストリオール・エグゼクティブ・ディレクターは述べた。
さらに詳しい情報や参加方法の詳細については下記サイトを参照:
http://www.itfglobal.org/civil-aviation/components-to-carriers.cfm
ミシガン州の反労働者的な新法に非難集中
2012-12-13
アメリカのインダストリオール加盟組織は、中西部ミシガン州で新しく制定された「労働権」法を非難している。この法律は名称とは裏腹に、賃金・労働条件改善を求めて交渉する労働者の権利を削減する効果を及ぼす。
同州ではレイムダック・セッションで共和党と大企業による同盟が2本の法案を強引に通過させ、法案に署名し法律として成立させるためにリック・スナイダー知事に送った。州議会では新たな議員が選出されている。2013年初めに招集される新議会では、法案を拒否していたであろう民主党議員が増える。
この企てを特に支援したのは、悪名高いコッホ兄弟が出資する団体、アメリカンズ・フォー・プロスペリティーである。
昨日12月12日、1万7,000人のデモ参加者が直前の呼びかけでランシングの州議事堂前に結集して法案に反対する中で、スナイダー知事の署名により法案が成立した。群衆は、著名な共和党の政治家と金持ちの後援者にちなんで名付けられた巨大な4匹のねずみのバルーンを掲げた。ミシガン州には、有力な右派の財界指導者以外、この法律を求める者は1人もいないようだった。
レオ・ジェラードUSW(全米鉄鋼労組)会長は、「常識を働かせて政治よりも経済を優先することを求める」行動の中で、退行的な法案に署名しないようスナイダー知事に圧力をかけ、「知事に対し、拒否権を発動して、この不和を生じさせる不要な労働権法案を阻止するよう求め」てきた。スナイダー知事の署名が遅れていれば、この法案は少なくとも公の論議と投票に付されていただろう。
審議中、共和党の下院議長は州議事堂のドアに施錠するよう命令し、外のデモ参加者は警察に催涙ガスで攻撃された。
他の州では労働権法によって組合が多種多様な攻撃を受けており、労働災害補償金や公共部門賃金の削減、年金の廃止・減額、公共部門の団体交渉禁止などが実施されている。また、義務的な協議事項の削除や仲裁裁定に対する制限、「政治的行為」向けの組合費徴収・支出の禁止、組合「ロビー」活動の禁止、現場組合事務所の禁止も組合を弱体化させている。調査の結果、いわゆる「労働権法」実施州の労働者は平均年収が1,500ドル少ないことが分かった。
「ミシガンで起こっている出来事に憤慨していない人は注意が足りない」と、インダストリオール副会長でもあるトム・ブッフェンバーガーIAM(全米機械工労組)会長は述べた。「この法案の可決方法は民主主義そのものに対する奇襲攻撃にほかならず、コッホ兄弟とその同盟者が卑劣な手段で過激な政策を押しつけようとしていることを疑う余地なく証明している」
インダストリオール加盟組織のUE(全米電気・ラジオ・機械工労組)は、この「企業による電撃作戦」は「労働者に対応する時間をほとんど与えなかった」と非難した。UEの背景文書『労働権法の不正を暴く』を参照。
フォルクスワーゲン、全世界で不安定労働を制限!
2012-12-06
フォルクスワーゲン・グループ役員会と欧州グループ従業員代表委員会、フォルクスワーゲン世界従業員代表委員会、インダストリオールは2012年11月30日、同社グループの工場で臨時労働を制限する協約を締結した。
この画期的な協約「フォルクスワーゲン・グループ臨時労働憲章」は、世界中のフォルクスワーゲン・グループ全体における臨時労働の利用に関する原則を定めている。この協約は特に、臨時労働者の適切な雇用・賃金条件を確保するのに役立つ。
ミュンヘンで開かれたフォルクスワーゲン世界従業員代表委員会にはほぼ200人の参加者と来賓が出席し、会長のマーティン・ウィンターコーン教授・博士、最高人事責任者のホルスト・ニューマン博士、フォルクスワーゲン世界従業員代表委員会のバーンド・オスターロー委員長、ベルトホルト・フーバー・インダストリオール・グローバルユニオン会長が憲章に署名した。
憲章の中で、労使代表は特に以下の条件について合意した。
●フォルクスワーゲンでは、柔軟性の確保に必要な手段として控え目に臨時労働を利用し、臨時労働者の割合が5%を超えてはならない。
●同一賃金・均等待遇の原則を導入し、臨時労働者の賃金は常用労働者と同様の経験・資格に基づいて引き上げるべきである。
●臨時労働者に訓練を提供する。
●臨時労働は、職業訓練・研修プログラムと外部からの直接採用に加えて、フォルクスワーゲンの正社員になる第3のルートになる。
●フォルクスワーゲンでは、経済的変動とのバランスを取り、臨時的に労働者が必要な特定の職務に対応するためにのみ、臨時労働を利用する。
この協約はフォルクスワーゲン・グループの全工場と世界従業員代表委員会のメンバーに適用される。
詳しくは下記サイトを参照:
http://www.volkswagenag.com/content/vwcorp/info_center/de/news/2012/11/charta.html
憲章原文は入手可能になり次第、このインダストリオール・グローバルユニオン・ウェブサイトで公表する。
インダストリオール・グローバルユニオン造船・船舶解撤アクション・グループ会議
2012-11-21
船舶のライフサイクルと持続可能な雇用に焦点を当て討議
ブラジルで 造船・船舶解撤アクション・グループ会議開く
11月19~20日にブラジルのリオデジャネイロで、CNM-CUT主催のインダストリオール・グローバルユニオン造船アクション・グループ(AG)会合が開かれ、ブラジル、チリ、デンマーク、フランス、インド、日本、韓国、オランダ、ノルウェーから26人が参加し、以下の議題をめぐって活発に討議した。
●造船・船舶解撤産業における将来の傾向の予想
●労働安全衛生、組織化、不安定労働との闘い
●持続可能な産業・職場の促進
●船舶のライフサイクルにおける公正かつ平等な競争条件に向けた協力
●インダストリオール・グローバルユニオンとしての将来活動の立案
世界の造船業は2008年の金融危機がきっかけで現在の不況に陥り、厳しい時期を迎えている。主要造船国・地域(中国、韓国、日本、ヨーロッパ)の受注残合計を見ると、造船能力と雇用が現行水準のままだとすれば、もう約2年分の仕事量しか残っていない。同時に、造船労働者の職場が主要造船国から新興経済国、すなわちブラジルやインド、フィリピン、ベトナムに急速に移転している。
現在、ブラジルには20万人(直接雇用4万人、間接雇用16万人)の造船労働者がいる。ルーラ/ジルマ政権が実施した産業活性化政策の結果、造船労働者数は2002年から260%以上増加した。組合は、組合職場委員会を結成する自由や外部委託労働者へのCBA適用など、いくつかの課題に直面している。CNM-CUTのエドソン・カルロス・ダシルバ氏は次のように述べた。
「ブラジルの造船業には、組合と使用者団体と政府による政労使協議制度がある。この制度を利用して、先端技術や労働者向け技能訓練も含め、組合権と持続可能な雇用を確保したい」
アクション・グループ(AG)参加者は、造船産業と船舶解撤産業はともに依然として多くの地域で不安定かつ危険な職業であるという共通認識に達した。韓国では造船労働者の運動が、けがや病気のない仕事を求める闘いの一環として、筋骨格障害(MSD)の治療と予防を勝ち取るために闘った。この経済危機下で韓国の造船労働者は、企業がすべての痛みを労働者に押しつけようとした際に抵抗した。その成功例は、労働者全員が復職した昨年の韓進闘争である。KMWUのホン・ジウク氏はインダストリオールに対し、造船・船舶解撤産業労働者の人数を反映させるようにAGへの参加を拡大するとともに、今後の会合に共通の行動や連帯の基盤を盛り込み、世界の造船・船舶解撤における不安定労働の増加や現下の危機における労働者の保護など、差し迫った問題に対処することを求めた。
インド、バングラデシュ、パキスタンの南アジア地域は、総トン数で世界の船舶解撤の70%近くを占めている。12万人以上の船舶解撤労働者が労働安全衛生や労働者の基本的な権利に関する適切な知識を持たないまま、危険物質にさらされていると推定される。IMF-FNV組織化プロジェクトに基づき、過去9年間にインドで1万人以上の船舶解撤労働者を組織化するにあたって重要な役割を果たしてきたSMEFIのV・V・ラネー氏が、インドの船舶解撤労働者の現実について説明し、造船労働者が起こした連帯行動の重要性を強調した。AGではSMEFI、ISCOSおよびインダストリオールが製作した船舶解撤労働者に関する新しいドキュメンタリー『The Wire Nest』も上映され、小冊子『船舶解撤労働者の消費パターンに関する調査』が各参加者に配布された。インドの船舶解撤労働者を支援しているFNV合同労連は、30年前の造船労働者の知識に基づいて船舶解撤労働者を重大事故から守ることができると主張した。 「造船労働者は実際に過去に船を造ったのだから、どこに危険があるかを指摘することができる」
デンマークのCOインダストリは、スクラップ再利用は南アジアの船舶解撤産業だけの問題ではないと指摘した。世界中のさまざまな部門に何百万人ものリサイクル労働者がいる。 「造船・船舶解撤部門は船舶解撤労働者の組織化に成功を収めているが、自動車、航空宇宙、エレクトロニクスのような他の部門のことも考える必要がある」
AGは、1つの同じ部門として造船労働者と船舶解撤労働者との戦略的連携を引き続き深めていくことで合意するとともに、インダストリオール傘下の製造業部門すべてが、それぞれどのように未組織リサイクル労働者に接触するかの検討に入るべきことを確認した。
フランス、日本、ノルウェーから参加した組合は、造船労働者の雇用を守るために持続可能な開発が必要だと指摘した。既存の造船所にとってオフショア船や海洋構造物に事業の軸足を移す大きな機会があり、環境上適正な船舶が代替海洋エネルギー源として調査されている。基幹労連の弥久末氏が次のように述べた。「日本では、受注量がこのペースで縮小し続ければ2014年に造船活動がほとんどなくなってしまう。私たちは現在、既存の造船所を利用して造船労働者5万3,000人の雇用を守るために、高付加価値海洋製品への移行に真剣に取り組んでいる」
議論の結果、AGは2013年度の優先課題・活動として以下を確認した。
○2011年の造船・船舶解撤部門における持続可能かつ安全でグリーンな雇用に関するIMF-EMFグローバル会議の結論を引き続きフォローアップする。
○機械エンジニアリング、化学、石油・ガス各部門との共同活動を推進する。
○未組織労働者に接触し、造船・船舶解撤両部門で労働安全衛生を促進する。
○各国政府に対し、IMOの「船舶の安全かつ環境上適正な再生利用のための香港国際条約」を可能な限り早く批准するよう要求する。
○他の産業部門に対し、関連リサイクル産業・労働者に接触する方法について議論を開始するよう勧告する。
○インダストリオール欧州労働組合との合同調査・研究を実施し、造船・船舶解撤労組の現状を精査するとともに、組合活動や目下の問題(不安定労働・下請労働など)を確認する。
○今後の会合で、世界の造船活動に大きく貢献している労働者を代表する組合の参加を拡大する。
○連帯の基盤を構築し、この部門における不安定労働の増加と闘って造船・船舶解撤労働者の権利を守る。
○インダストリオール欧州労働組合やITF、OECD WP6、ILO、IMO、EU委員会、NGOなどの国際組織との協力・連携を深める。
○多国籍造船会社でGFAを取り決めたり新しいネットワークを創出したりする可能性を探る。
2011年12月の旧IMF中央委員会でこの部門の部会長が承認されなかったため、AGは2014年まで同ポストを空席にしておくことを決定した。2013年のAGで部会長の選出・選定プロセスについて議論・決定し、2014年の会議で選挙を行う。次のAGはデンマークで開催する。
AGは11月21日、リオデジャネイロ州ニテロイにある2つの造船所、Estaleiro MauaとSTX OSVを訪問した。この地域は伝統的に造船業が盛んで、ブラジルの主要油田地域にごく近いことでよく知られている。参加者は、海洋石油・ガス産業が造船所の事業を促進し、石油・ガス産業向けの生産活動(海上プラットフォーム、掘削、パイプ敷設船など)にかかわる雇用を創出していることを学んだ。