インドの組合、有害な環境規則に反対
2020-09-03
<JCM記事要約>
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組合は政府に対し、環境影響評価規則の通知案を取り下げるよう促している。この通知は、気候変動との闘いへのインドの取り組みと2030年の持続可能な開発目標に反するからである。
環境影響評価(EIA)規則は、インドの環境規制枠組みにおいて重要な役割を果たしている。この規則は、1984年にボパール産業災害後に制定された1986年環境保護法に由来する。当初の目的は、産業プロジェクトやインフラ・プロジェクトの環境影響を適切に評価し、プロジェクトの影響を受けた人々の意見を聞いたうえで承認を与えるよう確保することだった。
2020年EIA案に対しては、広範囲にわたる反対や法的な異議申し立てが出されている。
労働組合は、この案を「2006年に制定された規則からの大きな逸脱」と呼んでいる。この草案は、石炭などの鉱業のような一部の部門で企業の利益を促進しているように思われる。
新しい草案は、企業の利益となるように土地利用管理を改革しようとしていると同時に、環境に大きな悪影響を及ぼす。社会の脆弱な層、特に指定部族は、この有害な規則の悪影響にさらされるだろう。おまけに2020年EIA案は、インドで使われている言語のいくつかに翻訳されていない。
INTUCとインダストリオール加盟組織INMFの会長を務めるG・サンジーバ・レディー博士は言う。
「現在の草案は国際的な環境基準や手続きに沿っておらず、人々に破滅的結末をもたらす。経済効果もなく持続可能な開発にもつながらず、インドの組合は団結して草案の撤回を要求している」
欠点は以下のとおり。
- 企業が事前の環境認可なしで事業を開始することを許可し、事後承認を提案している。
- 産業プロジェクト案のためにすべての環境影響データを集める十分な時間を提供していない。
- 公の協議の通知期間を短縮している。
- プロジェクト文書を現地語で作成する必要がなく、真の公の協議プロセスを制限している。
- 環境認可の効力を強めてプロジェクト提案者による長期の土地所有を許可し、土地収奪への道を開いている。
ケマル・ウズカン・インダストリオール書記次長は言う。
「国際労働基準を希釈して環境基準を弱めることは、底辺への競争のきっかけになりかねない。COVID-19パンデミックが難題をもたらし、労働災害が増えている中で、環境的持続可能性を最優先すべきであり、政府は2020年EIA案を再検討すべきだ」