広報ニュース

インダストリオール・ニュース2013年第3号(2013年2月13~27日)

ナイジェリアの組合が労働者の組織化で協力へ

2013-02-27

 ナイジェリアの加盟組織は、インダストリオール傘下部門で労働者の組織化を監督するためにナイジェリア・インダストリオール調整委員会を設置した。

 加盟組織はファビアン・ヌコモ・インダストリオール・アフリカ地域書記と会談し、インダストリオール傘下部門でナイジェリアの全労働者を組織化し団結させる方法について議論した。この会合は全国繊維・被服・裁縫労組(NUTGTW)書記長でインダストリオール執行委員も務めるイッサ・アレムが主導し、すべての加盟組織と加盟に興味を示した6団体が出席した。 ヌコモ氏は今回の訪問を利用してNUTGTWの刺激的な組合構築活動に関する知識も深め、ラゴスの繊維工場を視察した。

 ナイジェリアはアフリカ地域の主要経済であり、安定した持続可能な組合がある。ナイジェリアの加盟組織は西部アフリカで主導的な役割を果たすと予想され、サブリージョンの組織化・組合構築活動を支援してほしいとインダストリオールは熱望している。

 

ブラジルのゲルダウ労働者が安全作業を要求

2013-02-21

 2013年2月19日、ブラジル・サンレオポルドのゲルダウ工場で600人を超える労働者が2時間以上にわたって生産を停止し、2月16日に起こった重大な労働災害への対策を要求した。

 2月16日の夜、この工場で働くゲルダウ労働者イバネス・ドス・サントスが作業中に片脚を失った。イバネスは43歳で勤続年数16年である。工場の合同安全衛生委員会の労働者代表は、これまでの会合でゲルダウに、この事故は起こるべくして起こったと話した。人員削減とコスト削減措置が原因で生産ペースが速すぎることが事故につながったと見ている。

 ブラジルでゲルダウ・ネットワークのコーディネーターを務めるバウミール・ロディによると、ブラジルで重大事故が発生したのは過去1年間で3回目だ。

 使用者が警察を呼んで門を閉鎖したため、労働者は工場の中と外でデモを実施。デモ終了後、組合は使用者と会談し、特にブラジル全国統一ゲルダウ基本協約を要求した。使用者はサンパウロでの協議継続に同意した。

 組合側は、1月にピンダモニャンガバのゲルダウ工場で停職処分を受けた労働組合幹部の復職も要求した。工場職場委員コーディネーターのマルコス・アウベス・コレアは、安全確認視察への参加を認めようとしない安全衛生監督者との口論の末、停職となった。

 インダストリオール加盟組織の労働者ネットワークの中でも特に活発なゲルダウ労働者世界協議会は、傘下の労働者がいるすべての国々でディーセントな生活と仕事を確保する権利を擁護している。このネットワークは今週、8カ国のゲルダウ工場でメキシコ世界行動デーに積極的に参加した。

http://www.industriall-union.org/unions-at-gerdau-take-action-on-mexico

 

 

コロンビアのエムコケーブルズが労働協約交渉を拒否

2013-02-21

 コロンビアのスチールケーブル会社エムコケーブルズで労働者を代表する組合シントラエムコケーブルズは、5.75%の賃上げを要求している。会社側の提示は4.5%。同社は現在、組合側の要求をめぐる交渉を拒否している。同労組によると、会社側は組合員と指導者に嫌がらせもしている。

 同社は交渉拒否によって、国内外で公式に承認された労働者の基本的権利を侵害している。これを受けてコロンビアのインダストリオール・グローバルユニオンと他の国際労働組合は同社経営陣に抗議書簡を送り、コロンビアの法律に従うとともに、組合との直接交渉を可能な限り早く開始するよう要求した。エムコケーブルズは産業用材料、主にスチールケーブルを生産している。

 

メキシコ行動デーが力強くスタート

2013-02-14

 2月18日~24日のメキシコ行動デーが今週スタート、すでに7,000通近くのメッセージが送付され、PKCにおけるロス・ミネロス組合員の解雇に抗議するとともに、政治犯として投獄されているメキシコ電力労組の組合員9人の釈放を要求した。

 インダストリオール・グローバルユニオンは、行動週間に先駆けて2月11日、レイバースタートとともに「PKC労働者は自分たちの組合を選ぶ」キャンペーンを開始した。すでに7,000通近いメールがフィンランドのPKCのCEOに送付され、メキシコ・シウダードアクーニャのPKC工場で解雇されたロス・ミネロス幹部の復職と組合権を要求した。下記サイトからメッセージを送ることができる。

http://www.labourstartcampaigns.net/show_campaign.cgi?c=1724

  PKCは2012年12月にメキシコのシウダードアクーニャ工場で、独立労働組合である全国鉱山・金属労組(「ロス・ミネロス」)の選挙を求めて運動したことを理由に、組合委員全員を含む組合支持者100人以上を解雇した。解雇された組合幹部のうち10人は退職手当の受け取りを拒否し、2012年4月に解雇された別の幹部1人とともに、復職ならびに工場で民主的に選出された組合によって代表される権利を求めて闘っている。

 一方、メキシコ電力労組(SME)は、2013年2月13日に再開された政府との交渉で大きな政治的勝利を収め、1年10カ月以上にわたって拘留されていた組合員10人のうち9人が釈放されたことを祝福している。ホルヘ・ウリセス・ウリベの自由はまだ確保されていない。

 SMEは2009年10月10日に解雇されてから和解を受け入れなかったルス・イ・フエルサ・デル・セントロ(LyFC)労働者1万6,599人の復職を求めている。フェリペ・カルデロン前大統領は、メキシコで最も歴史のある民主的組合SMEをつぶすために、大統領命令を発して突然同社を閉鎖し、4万4,000人の労働者全員を解雇した。それ以来、SMEは労働者の復職を求めて闘ってきた。

 マーティン・エスパルサSME書記長は、2月20日に組合役員と政府当局者が会談し、労働側の要求の解決策について協議すると説明した。「この紛争は政治的なものであり、ここで政府と一緒に解決しなければならない。法的手段ではなく政治によって解決することになると理解している。……これは政府が解決の義務を負う社会的紛争であり、それ以外に方法はない。(1月30日の)最高裁判決は、この紛争を解決するものではない。それは極めて明確であり、政府もそのことは理解していた」とマーティン・エスパルサは政府側との会談後に述べた。

インダストリオール・グローバルユニオンは、労働者の釈放と新たな交渉を歓迎している。「今年2月に私たちの国際連帯を利用して、日常的に権利を侵害されているメキシコの労働者の状況を大きく変えよう」とユルキ・ライナ・インダストリオール書記長は述べた。

2013年2月18~24日のメキシコ行動デーの詳しい情報とキャンペーン資料については

www.industriall-union.org/mexico-campaignを参照。

 

UAW、フレックスNゲートでディーセントな雇用を求めてピケ主導

2013-02-14

 全米自動車労組(UAW)は2月13日、全米7工場で同時に非組合労働者とともに結集し、使用者のフレックスNゲートにディーセント・ワークに対する権利と労働組合権の尊重を要求した。

 この大手自動車部品メーカーは米国イリノイ州を拠点に、主としてゼネラル・モーターズ、フォード、クライスラー、トヨタ、日産に金属製バンパー、内装・外装用プラスチック部品、照明装置および打抜金属部材を供給している。フレックスNゲートはアメリカで179番目に裕福なシャヒド・カーンが所有する年間売上高30億米ドルの企業であり、アメリカで屈指の急成長を遂げている自動車部品メーカーだ。しかし同社は莫大な資金を有するにもかかわらず、インディアナ、イリノイ、ミシガン、オハイオ、テキサス各州の非組合施設で1年以上にわたって不法にUAWの組織化活動を妨げている。非組合労働者は仕事で生命を脅かす危険にもさらされている。

 2月13日に5州の工場で同時に実施された「フレックスNゲートで公正を求めて団結」ピケは同社に対し、安全性の向上、生活賃金の支払い、非組合工場における反組合的な組織化戦略の撤回によって、アメリカの労働者に投資するよう要求した。このピケには、顧客企業であるゼネラル・モーターズ、フォードおよびクライスラーのUAW組合員も加わって支援した。ミシガン州ウォーレンとイリノイ州ベルビディアの工場では、UAW組合員がフレックスNゲートとの新規協約交渉の最終段階に入っている。両工場の労働者は2月9~10日の週末に、公正な協約を達成するために必要に応じてストを実施することを圧倒的多数で票決した。

「一連の交渉で、組織化工場・未組織工場両方の問題について懸念を表明した」と、ウォーレンのUAW第155支部で交渉委員を務めるビリー・ウィリアムズは述べた。「フレックスNゲートの非組合工場の賃金・労働条件は、公正な協約を取り決める私たちの能力に直接影響を及ぼす。会社側がわずかな賃金しか支払わず、非組合工場の安全のような重要問題に手を抜くことを認めれば、協約交渉で前進し続けるのが極めて困難になる。そのような工場は、私たちが懸命に努力して確立した基準を引き下げてしまった。品質や効率に基づいて競争するのではなく、どれだけ基準を低くできるかだけを考えている」

詳しくはUAWのフレックスNゲート公正要求キャンペーン専用ページを参照:http://justiceatflexngate.org/

UAWは、同じく組織化対象のミシシッピ州カントンの組立工場で、日産に対する圧力を強め続けている。

 

 

マレーシアの全労働者に最低賃金を

2013-02-14

 マレーシアの労働組合と市民団体は政府に対し、使用者が外国人労働者の雇用にあたって政府に支払う課徴金を移民労働者の賃金から控除できるようにする先ごろの閣議決定の取り消しを要求した。

 マレーシア政府は2012年7月、900マレーシア・リンギット[291米ドル](半島マレーシア)と800リンギット[259米ドル](サバおよびサラワク)の最低賃金を発表。この発表は2013年1月1日から実施された。最低賃金は超過労働手当、現行諸手当、その他の給付を除いた基本給である。しかし、一部の使用者は最低賃金の支払いを回避するために、他の給付を最低賃金に含めて計算したり、実際には最低賃金以下の金額しか支払っていないにもかかわらず、労働者に最低賃金を受け取ったという文書に署名させたりしている。

 多数の労働者が契約打ち切りの不安を抱えながら短期雇用契約で働いているため、自己の権利を主張しようとしない。加えて、マレーシア政府は2012年12月28日の最低賃金(修正)命令により、使用者が最低賃金の支払い免除を申請できるようにした。この制度によって500社以上が最低賃金の支給を先送りする権利を得た。しかし、この過程で政府は、使用者の申請処理前に労働者・労働組合が関与する場を提供しなかった。

 外国人労働者に対する課徴金について、政府は以前、使用者が外国人労働者を雇用するために負担した費用(政府課徴金を含む)をカバーするために、外国人労働者の賃金から控除することを認めていたが、2009年4月1日にこの慣行を中止する。2013年1月30日にマレーシア政府は再び、移民労働者の使用者が賃金からの控除によって政府課徴金をカバーすることを認める旨決定した。

 労働組合・市民社会活動家は2013年2月5日発表の共同声明で、この条項の再導入に向けた政府の動きは移民労働者に負担を転嫁するだけであろうとの深刻な懸念を表明した。世界中の市民社会組織・労働組合75団体は、マレーシア政府への要請で次のように述べた。「移民労働者を含む全労働者に最低賃金を受け取る権利がある。最低賃金とは基本給であり、手当や給付、その他の勤労誘因を含めてはならない。2012年最低賃金命令の実施によって、使用者が2012年4月以前の労働者受給権・給付を既存および後続の雇用契約から削除することを認めてはならない」組合と市民団体はマレーシア政府に対し、閣議決定の即時撤回とすべての形態の労働者差別根絶を要求した。

 

 

シンガポールの加盟組織、新インダストリオール地域事務所を歓迎

2013-02-13

 

新事務所で開かれた戦略・リーダーシップ会議

シンガポールのインダストリオール加盟組織は、2013年2月4日の新インダストリオール東南アジア事務所開設を早速歓迎した。

 加盟組織は、新事務所の拠点でもあるテンベリング・センターで開かれた戦略・リーダーシップ会議に出席し、2013年4月にシンガポールで行われるいくつかの重要な行事の日程について討議した。

 シンガポール経済は製造品輸出、特に航空宇宙、エレクトロニクス、IT製品、製薬品、造船に依存するところが大きい。従業員総数の約19%が、国内総生産の27%強を占める製造業で雇用されている。シンガポール全国労働組合会議(NTUC)は唯一のナショナルセンターで、61の加盟組織と60万人以上の組合員を擁する。インダストリオール加盟組合は製造業部門のすべてをカバーしている。

 指導者たちは会合で、新たに結成されたインダストリオール・グローバルユニオンを加盟組織に紹介するだけでなく、新事務所と加盟組織との交流を改善する方法も議論。訓練・教育交流、コミュニケーション改善方法、シンガポールにおけるインダストリオールの知名度向上も取り上げた。1つの結果として、インダストリオールのアニー・アドビエント地域書記とボニー・ディアナント地域役員が各加盟組織の執行委員会に出席し、インダストリオールの活動に関する地域の知識を強化することになった。

 ロブ・ジョンストン・インダストリオール・エグゼクティブ・ディレクターは、参加者に次のように語った。「インダストリオールがアジア太平洋地域で知名度を高めることが重要だ。この地域は急速にグローバル経済の製造拠点になりつつある。地域事務所は域内加盟組織の実情を正確に把握し、作業プログラムに加盟組織のニーズを反映させる必要がある」

 シンガポール会合に先立ってアジア太平洋地域でいくつかのリーダーシップ・フォーラムが開かれ、新たに結成されるインダストリオール・グローバルユニオンで協力する方法について合併パートナーの加盟組織が戦略を練り上げた。これまでにインドネシア、フィリピン、タイでフォーラムが開かれた。それぞれのフォーラムで採用されたアプローチは地方文化を反映して異なっているが、結果は同じだ。すなわち、全国レベルでインダストリオールを確立したいという強い願望である。シンガポールの加盟組織は、協調強化の可能性やインダストリオール活動への参加促進方法を模索することにも合意した。

 現地の組合が直面している共通課題は、ヨーロッパの需要低迷による製造品輸出の減速である。NTUC傘下の組合は、先ごろ政府が発表した論議を呼ぶ人口白書への対応も調整している。この白書には、外国人労働者数、インフラ、教育、技能など、2020~2030年の諸問題に対する政府の取り組みを決定するいくつかの重要分野が盛り込まれている。どれもシンガポールの製造業の未来に影響を与える問題ばかりだ。インダストリオール加盟組織は、何人かの幹部が三者協議機関に加わっており、この討議に影響を及ぼしやすい立場にあるように思える。

新シンガポール事務所の詳細な連絡先は以下のとおり。

インダストリオール東南アジア事務所

252 Tembeling Road

03-07 Tembeling Centre

Singapore 423731

電話:+65-63 46 4303

ファックス:+65-63 46 4304

Eメール:seao@industriall-union.org