ブラジルのフォード労働者、雇用保護の代替方法を模索
2021-02-22
<JCM記事要約>
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フォード労働者は従来とは異なる雇用の確保手段を模索し、米国の自動車メーカーグローバル本社経営陣との協議開始に合意した。ブラジルのフォード事業を国営化する法案導入の可能性も調査している。
フォードは1月、ブラジル3工場の閉鎖を発表した。ブラジルの労組間社会経済統計研究所によると、ほぼ12万4000人の直接・間接雇用が危機にさらされている。
タウバテ金属労組(Sindmetau)は、2月18日に地域雇用裁判所の調停審問で、フォードとの協定に署名した。フォードによるブラジル事業閉鎖の阻止を試みるため、2月25日にグローバル本社経営陣と会談することで合意した。
この協定に基づき、タウバテ労働者の雇用、賃金および給付は交渉終了まで維持され、2月22日に生産が再開する。
労働者は雇用を確保するために運動を続ける。先ごろ、タウバテのフォード工場から3時間かけてデモ行進した。
カマサリ金属労組は、2月18日に地域雇用裁判所(TRT5-BA)の調停審問に出席し、工場労働者が2月22日に職場復帰することで合意した。フォードは3カ月にわたって賃金を支払い、労使対話を行う時間を与えることに同意した。
さらに、人権委員会が組合、裁判機構、議会、その他のグループの代表と会談し、ブラジルの同社事業を国営化する法案導入の可能性を調査した。その目的は、ブラジルで工場閉鎖と産業空洞化の影響を食い止めることである。
世界中の組合が連帯書簡を送り、労働者の利益と企業所有者の利益を同等に扱う積極的な産業政策を要求した。
ヴァルター・サンチェス・インダストリオール・グローバルユニオン書記長は言う。
「雇用保護を求めて闘うフォードの労働者と組合を祝福する。労働側はすでに勝利を収めている――雇用裁判所は労働者に有利な判決を下し、さらなる交渉への道を開いた。世界中の組合がブラジルの同僚との連帯を表明してくれたことに感謝する」