ウクライナのアルセロール・ミッタルで公正な団体交渉を求めて闘争
2021-04-07
【JCM記事要約】
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2021年4月7日:ウクライナ金属・鉱山労働組合(PMGU)は、同業他社と同水準の賃金を獲得してインフレをカバーするために、アルセロール・ミッタル・クルィヴィーイ・リーフ鉄鋼工場で2万4000人近い労働者の30%賃上げを要求している。
3月30日にPMGUが開催した抗議集会に1000人の労働者が参加し、2021年5月1日から賃金を5%だけ増額するという会社側の一方的な決定に異議を表明した。ウクライナはインフレ率が高く、消費者物価が上昇しており、2020年の上昇率は公共料金が27%、電気料金が37%、パン、パスタ、小麦粉、穀類、卵、砂糖が19〜56%に達した。経営陣が押し付けた5%の賃上げは、実際には大幅な賃金カットである。
賃金水準に関する経営側の決定は一方的なもので、組合を関与させておらず、「賃上げの決定は企業の業績に基づいて年1回実施し、組合の承認を得るものとする」と定める労働協約に違反している。前回の賃上げは2019年5月に実施された。労働者は、2020年のCOVID-19パンデミックで使用者が難題に直面したことに留意し、辛抱強く2年間賃上げを待っている。今回の一方的な決定は、誠実な交渉の原則の露骨な違反とみなされている。
PMGUは、今こそ適切な賃上げを実施する時だと主張している。産業・企業レベルの経済状況は改善している。その理由は、鉄鋼製品販売市場の復活と鉄鋼製品・精鉱価格の著しい上昇、アルセロール・ミッタル・クルィヴィーイ・リーフの2020年第4四半期の生産量・製品売上高の増加、2020年の主要営業活動からの利益、主要生産施設による目標達成、同社が製品の代価として得た外貨のレート上昇である。
さらに、アルセロール・ミッタル・クルィヴィーイ・リーフと系列会社のスチール・サービス・アンド・ファウンドリーおよびメカニカル・プラントの現行賃金が低いため、労働者は賃金の高いライバル企業に職を求めざるを得なくなっている。その結果、ほとんどの下位部門が人員不足に陥って、厳しく有害な労働条件が広まり、最終的に労働災害率が上昇している。事故件数は2018年の22件に対して、2020年は33件に上った。そこで同労組は、賃上げに加えて、労働条件改善策と事故・職業病予防策のタイムリーな実施も要求している。
アルセロール・ミッタル・クルィヴィーイ・リーフのナタリア・マリニュクPMGU支部長によると、組合は2020年9月以降、賃上げに関してCEOに7回申し入れを行い、交渉のスピードアップを要求している。しかし経営陣は、ほぼ半年間、賃上げの期日をできるだけ先送りするために交渉プロセスを故意に妨げてきた。
「経営陣が、そのような不当に低い賃上げを、組合の同意なしで一方的に採用し発表したのは、過去15年間で初めてのことだ。PMGUは、この決定に強く反対しており、労働者の勤勉のおかげで会社が財務能力を獲得したことを考えれば不公正であり、意図的な過小評価だと考えている」
「力を合わせて、労働者全員のために公正な水準の給料を達成する!」
PMGUは4月5日、ウォロディミル・ゼレンスキー・ウクライナ大統領に書簡を提出し、同社に介入して組合・労働者の要求に応えさせるよう要請した。ヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長は、経営陣への書簡で次のように述べた。
「ウクライナ金属・鉱山労働組合と連帯して断固たる態度で臨み、PJSCアルセロール・ミッタル・クルィヴィーイ・リーフとその系列会社で労働者全員の賃金を30%大幅増額するという同労組の要求を支持する。この意味で、アルセロール・ミッタル・クルィヴィーイ・リーフは同労組と真の社会的対話を行わなければならない」
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