インダストリオールとルノー、業界初のテレワークに関するグローバル協定に署名
2021-04-29
<JCM記事要約>
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2021年4月29日:インダストリオールとフランスの自動車メーカー、ルノーは、2019年のグローバル枠組み協定への重要な付録に署名し、急速に変化する仕事の世界におけるリモートワークの条件を定めた。
テレワークは今に始まったことではないが、パンデミックで私たちの生活と働き方がすっかり変わってしまった。多くのホワイトカラー労働者にとって1年以上、これが主たる働き方になっている。OECDの推定によると、フォーマル雇用の約4分の1がリモートで行われており、この割合は間もなく40%を超えると予想される。これに伴い、法律や団体交渉によってテレワークを規制する必要性が高まっている。
2013年にルノーと締結したグローバル枠組み協定(GFA)は、2019年に勤労生活の質に関する2本目のGFAによって補足された。この協定は「ルノー・グループで協力して仕事の世界を構築」と呼ばれ、仕事の世界における転換に取り組む初のグローバル協定であったため、先例を作る協定と言われた。
このGFAにはリモートワークに関する章がすでに盛り込まれていたが、特にCOVID-19パンデミックが原因で仕事の世界が急速に変化しているため、インダストリオールとルノーは、この原則と価値観を補強することに合意した。
「パンデミックのせいで労働者の大部分がリモートで働かざるを得なくなっており、労働者の権利を十分保護することが何よりも重要だ。このルノーとの協定は高い国際標準を定め、全国・地域交渉の枠組みを提供するため、重要な意味を持つ取り決めだ。この模範的な例に倣ってくれることを期待して、この主題について他社にも話をするつもりだ」とヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長は言う。
この画期的な協定は、ルノー・グループ内部でリモートワークを実施できる条件を定めている。特に次のような条件が挙げられる。
- リモートワーク制度への参加は任意かつ取り消し可能
- プライバシーの保護
- 労働安全衛生の促進と使用者の財政援助による職場の人間工学的設備
- 労働時間と既存の労働協約の尊重
- 切断する権利
- 組合員との接触維持や情報共有などのための労働組合によるリモートワークへの関与
加えて、この付録は、ルノーで地域・全国協定を取り決め、国内法規など特定の場所や国に固有の事項を盛り込むことを促進・奨励している。
インダストリオールはルノーとのグローバル協定締結と同時に、リモートワークに関するガイドラインをめぐって共同部会長との協議プロセスを開始している。この協議プロセスが終わったら、すべての加盟組織がガイドラインを利用できるようになる。
労働安全衛生をILOの基本的権利に
2021-04-27
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2021年4月27日:4月28日は、仕事で負傷または死亡した労働者を追悼し、敬意を表する日である。今年は、COVID-19で職場がウイルス感染のホットスポットとなったため、現在の世界的な労働安全衛生体制の脆弱性があらわになった状況下で、この日を迎える。
【資料(ポスター)】
死亡や傷病を招く重大労働災害ゼロを達成するというビジョンは、はかない希望であることが判明しつつある。使用者は、労働者に対する注意義務を怠り続けている。現在の世界的な安全衛生体制は、ILOが劣悪な労働条件の途方もなく大きな負担と呼ぶ状況の中で、労働者の期待を裏切り続けている。
その負担の結果は以下のとおりである。
- 15秒に1人の労働者が業務上の傷病で死亡
- 毎日7600人の労働者が業務上の傷病で死亡
- 毎週5000人がアスベストへの曝露による肺疾患や癌で死亡
劣悪な労働条件の社会的・経済的コストは莫大である。
- 人的損失(傷病の苦痛、遺族や扶養家族にもたらされる苦しみ、遺族の空虚感や喪失感など)
- 生産低下
- 医療費
- 逸失賃金の補償
- 生産妨害
- 過失に対する法的な異議申し立てに伴う行政・法律関連経費、罰金や投獄の可能性
使用者の注意義務違反が目立ち、膨大な費用が発生しているため、安全衛生を労働における基本的権利と認めるべき時である。
4月28日の記念行事と黙祷の準備をする中で、グローバルな組合運動は、旧態依然の労働安全衛生管理方法に根本的に異議を申し立て、安全衛生を労働における基本的権利と認めるよう声を大にして要求している。
インダストリオール・グローバルユニオンは、2019年の仕事の未来に向けたILO創設100周年記念宣言に際して発表された「安全で健康的な労働条件はディーセント・ワークの基盤である」という言葉に賛同する。その後採択された会議の決議は理事会に対し、8つの基本的なILO条約と同じように、「安全で健康的な労働条件をILOの労働における基本的原則および権利の枠組みに盛り込むための案を、可能な限り早く検討する」よう要請した。
今年の4月28日には、以下の産業殺人の犠牲となった労働者とその家族のために祈る。
- 2013年のラナ・プラザ崩壊
- 2019年のブルマジーニョ尾鉱ダム決壊
- パキスタンの鉱山で絶え間なく続く死亡事故
ドイツのサプライチェーン法、議会に提出
2021-04-22
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2021年4月22日:サプライチェーンのデューデリジェンスに関する法案が4月22日にドイツ連邦議会で第一読会にかけられた。組合は、使用者団体がこの法案を阻止したり骨抜きにしたりしようとすることを懸念している。
ドイツの組合は、ドイツ企業の人権デューデリジェンス義務を強化するために、サプライチェーン法を求めて長年にわたり運動してきた。政府は現在、この法律を可決しようとしている。しかし、ビジネス団体と使用者団体は、この期に及んで、この法律を阻止するか、さらに弱めようとしている。
4月22日のインダストリオール・グローバルユニオン執行委員会で、イェルク・ホフマン・インダストリオール会長は次のように述べた。
「私たちは長い闘いの末、労働組合運動の支援を受けて、企業にサプライチェーンの出来事に責任を負わせる法案を達成し、世界貿易をより公正にすることに成功した」
「企業が人権義務を果たさなければ、労働組合とNGOはドイツの裁判所で訴えることができる」
今年2月、法律の草案文面が発表されたが、期待外れの妥協案が盛り込まれていた。例えば、この法律は当初、従業員数3000人超の企業と直接サプライヤーだけに適用されるが、ほとんどの侵害がサプライチェーンの下流で発生している。企業が関連グローバル・ユニオンとのグローバル枠組み協定の締結によって責任を限定できるようにする、セーフハーバー基準に関する条項も盛り込まれなかった。
しかし組合は、この法律は欧州レベルにおけるデューデリジェンス法の促進にも役立つ重要な先例になると歓迎している。
インダストリオール加盟組織IGメタルのウォルフガング・レム執行委員は述べた。
「企業による人権デューデリジェンスに対する任意の約束から、法的規制へのパラダイム・シフトが、もうすぐ実現しそうだ。サプライチェーンにおける人道的な労働条件の達成に近づく重要な一歩をついに踏み出せるようにするために、この法律が必要だ」
組合は、この法律を攻撃から守るとともに、さらに強化することを要求している。既存の原文は最低ラインの妥協案と考えられており、これ以上弱めることは受け入れられない。組合は、いくつかの点で法案を批判している。
この法案は企業に、直接サプライヤーに対する責任しか負わせていない。しかし多くの場合、最も甚だしく人権を侵害しているのはサプライチェーン末端の間接サプライヤーである。
法案は、社内のリスク管理への労働組合や従業員代表委員会の関与を定めていない。サプライチェーンで影響を受けた当事者を代表している組合の関与に関する規定もない。グローバル枠組み協定を社会的対話の肯定的な例として利用し、組合の参加権を強化すべきである。
この法案は人権を考慮する際、サプライヤーの国の国内法にしばしば言及している。しかし国によっては、結社の自由を制限して労働組合活動を防止することが国内法に適合する。
インダストリオール加盟組織IG BCE(ドイツ鉱山化学エネルギー産業労組)のミハエル・バシリアディス会長は、Euractivのインタビューで次のように述べた。
「多くの多国籍企業は、ドイツとヨーロッパで労働者の権利と共同決定を受け入れている。ところが、他国の問題を指摘すると、他国では義務づけられていないので何もしていないと答える。例えばアジアや南米では労働者の権利がまだあまり発達していないので、確かにそのとおりだが、全世界で普遍的な人権を適用すべきだ」
組合は、ドイツに本社を置いていない企業についても、ドイツで大規模に事業を展開している場合は、新しい規制の対象に含めるよう要求している。
インドネシアでオムニバス法反対の集団デモ
2021-04-21
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2021年4月21日:インドネシア労働組合総連合(KSPI)は4月12日、インドネシアで論争の的となっている雇用創出に関するオムニバス法に反対して、街頭およびバーチャルで行動を起こした。KSPI傘下の組合員1万人が150都市、1000社で抗議行動を実施した。
オムニバス法は2020年1月の導入以降、インドネシア社会に混乱をもたらしている。KSPI、KSBSI、KSPSI、KPBIのような労働組合総連合は、退行的な労働法に反対するために多数の大規模なデモ行進を実施してきた。
この論議を呼んでいる法律は、地区の部門最低賃金を撤廃し、退職手当を削減し、外部委託の範囲を広げ、終身契約労働者を可能にしている。
インダストリオール・インドネシア協議会のイワン・クスマワン議長は言う。
「4月12日の行動の主な目標は、進行中の司法審査を強調することだ。憲法裁判所がオムニバス法は違憲との判断を下し、廃棄できることを願っている」
KSPIはインドネシア政府に対し、4つの要求を受け入れるよう強く促している。
- オムニバス法を取り消すこと。
- 地区の部門最低賃金を実施すること。
- 宗教休日手当を支払うこと。
- 社会保障庁の汚職疑惑を調査すること。
「私たちはCOVID-19パンデミックに負けず、労働者の利益を危険にさらす労働政策であるオムニバス法と闘い続ける。政府に対し、裁判所への提出を遅らせないよう促すとともに、街頭とバーチャルで行動に参加しているすべての労働組合員に感謝する」とリデン・ハタム・アジズFSPMI会長は言う。
「インドネシアの労働者が地区の部門最低賃金を奪われたことを深く懸念している。これは労働者の権利の大幅な後退だからだ。オムニバス法反対の共同キャンペーンを展開しているインドネシアの加盟組織を支持する」とアニー・アドビエント・インダストリオール東南アジア地域事務所所長は言う。
この行動にはインダストリオール加盟組織5団体が参加した。すなわち、インドネシア金属労連(FSPMI)、化学・エネルギー・鉱業・石油・ガス労連(FSP KEP)、全国産業労連(SPN)、医薬品・医療労連(FARKES)、インドネシア・セメント労連である。