日本の金属労組、デュー・ディリジェンス計画への関与を要請
2022-06-25
【JCM記事要約】
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2022年6月25日:インダストリオール加盟組織の全日本金属産業労働組合協議会(JCM)は、人権デュー・ディリジェンスについて経済産業省に要請書を提出した。
日本政府は、企業がグローバル・サプライチェーンで人権侵害を確認・防止しやすくするために、人権デュー・ディリジェンスに関するガイドラインを作成しているところである。
金子晃浩JCM議長は6月21日、岩田和親衆議院議員に対し、デュー・ディリジェンスについての要請を行った。岩田議員は経済産業省政務官である。
JCMの要請は以下のとおり。
- 人権デュー・ディリジェンスにおける労働組合の関与について明記する。
- 二次下請以降など、間接的な取引先も人権デュー・ディリジェンスによるチェックや働きかけの対象とする。
- 国内法が国際基準を満たしていない場合、企業は国内法の水準を超えて国際基準を遵守しなければならない。
金子議長は次のように説明した
「JCMとして、春の闘争方針に人権デュー・ディリジェンスを盛り込むなど積極的な取り組みを行っている。しかし、中小企業への波及は政府の行動力にかかっている。JCMとしても今後、中小組合も含め、労使の話し合いを推進していくつもりだ」
岩田政務官は次のように応じた。
「JCMの要請内容を真摯に評価する。人権デュー・ディリジェンスは国際的な経済活動の中で大きな流れになっており、日本もこれを取り入れて推進していく。企業が自主的に人権課題の解決に取り組み、しっかりと経済活動ができるようにしたい。ガイダンスについては、国際的なスタンダードを意識して議論を進めており、経産省としてしっかりやっていきたい」
経産省のガイダンスの案文はまだ公表されていないが、近日中にパブリックコメントにかかる予定だ。JCMは現在、8月に策定される「人権デュー・ディリジェンスにおける労働組合の対応ポイント」について議論を進めているところである。
南アジア初の青年会合
2022-06-22
【JCM記事要約】
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2022年6月22日:インダストリオール・グローバルユニオン南アジア事務所は、6月14-15日にカトマンズで初めての地域青年ワークショップを開催した。バングラデシュ、インド、ネパール、パキスタン、スリランカから約25人の若手労働組合員が参加した。
青年活動家たちは、南アジアとの関連でインダストリオール・アクション・プランをどのようにとらえることができるかについて、活発に議論した。グローバル資本への対抗、インダストリー4.0、持続可能な産業政策のような問題に検討を加えた。
国別報告で、労働者の権利が国境を越えた問題であることが再確認された。この地域の労働者は、不安定雇用の増加、危険な労働条件、強制残業、母親・父親給付金などの社会保障の拒否、ジェンダー賃金格差、職場のセクシャル・ハラスメント、組合つぶしに取り組んでいる。
COVID収束後、生産目標の引き上げと生産現場におけるハラスメントの増加によって、労働者を取り巻く状況が激変している。若い労働組合員たちは、前例のない経済・政治危機に直面しているスリランカの労働者に連帯を広げた。
参加者は地域の労働組合運動をじっくり検討し、組合機構が伝統的に男性優位であること、組合員としても指導者としても若者と女性の関与を促進するために、さらに取り組んでいく必要があることに合意した。参加者は若者参画に関する対話を促進するために地域作業部会を設置し、議論の口火を切った。
青年活動家は、インダストリオールの青年決議に記載される下記3つの要求に焦点を当てることを全会一致で決定した。
- ジェンダーに基づく暴力の終結
- すべての労働者のための標準的雇用契約
- 仕事の世界に関連する分野における継続的かつ徹底的な訓練
サラ・フローレス・インダストリオール青年担当オフィサーが述べた。
「この会合は、インダストリオール内部のみならず、うまくいけば地域労働組合運動においても、公認の制度的青年機構を確立するための重要な措置だった」
アプールヴァ・カイワール南アジア地域事務所所長が述べた。
「若手指導者は組合運動を前進させ、労働組合を若年労働者のために活動させる」
南アジア――組合で女性の居場所の拡大が必要
2022-06-22
【JCM記事要約】
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2022年6月22日:インダストリオール・グローバルユニオンは、6月16-17日にカトマンズで南アジア地域女性会合を開催した。バングラデシュ、インド、ネパール、パキスタン、スリランカから約25人の女性労働組合員が参加した。
女性指導者たちは、不平等、性差別、女性蔑視およびジェンダーに基づく暴力の終結を要求するインダストリオールの決議をめぐり、興味深い討議を実施。女性差別が生産現場だけでなく組合内部でも起こっている実態に検討を加えた。参加者は、組合で女性代表が不釣合いに少ないという事実を共有した。たとえ出席していても、女性は一般的に指導的役割ではなくメンバーとして参加している。
鉄鋼や鉱業のような男性労働者中心の部門には、女性組合員がほとんどおらず、女性指導者レベルは言うまでもない。デジタル化とオートメーションの進展に伴い、労働者に占める女性の割合は低下の一途を辿るだろう。何人かの参加者が女性の雇用割当制を提案した。
国別報告では、地域全体の女性労働者が同じような問題を経験していることが浮き彫りになった。例えば、職場でのセクシャル・ハラスメント、出産関連給付(職場の託児所など)の拒否、女性に固有の安全衛生問題の軽視、ジェンダー賃金格差などである。
バングラデシュのインダストリオール加盟組織である統一衣料労働者連盟(SGSF)のナズマ・アクター会長は述べた。
「一方の性だけに関する問題は、すべてのレベルで、すべての文脈で議論しなければならない。女性組合活動家が団体交渉委員会の活動的なメンバーになるだけでなく、これらの合意に、トランスジェンダー労働者の要求も含めて、特定の性に関する要求を取り入れるようにしなければならない」
ジェンダー賃金格差とその影響について討議した。数人の女性指導者が、各国でこの問題を提起し、全国生活賃金についての議論に関連づけることを決定した。
インダストリオール素材金属部門共同部会長でインド鉄鋼・金属・機械労連(SMEFI)の書記を務めるサンジャイ・ヴァダーヴカルが述べた。
「組合は要求憲章でジェンダー賃金格差に取り組む必要があり、より多くの女性代表が組合の意思決定機関に参加しなければならない」
女性指導者たちは、インダストリオール女性委員会が決定した次の優先課題をはじめ、組合で女性に固有の問題に取り組むことを誓約した。
- ジェンダーに基づく暴力に反対するキャンペーン
- ジェンダーに対応した安全衛生アプローチ
- 組合における女性のリーダーシップ促進
- 性差別への対処
- 女性の権利の保護・促進
- 組合で平等な女性の受容を妨げる障害への対処
アプールヴァ・カイワール・インダストリオール南アジア地域事務所所長がこう述べた。
「男性中心の部門においても、組合指導部は組合で女性の居場所を承認する必要がある。戦略、行動、今後の道筋など、労働組合活動のすべての側面に女性を関与させるべきだ」
アップル労働者が米国の組合に加入
2022-06-21
【JCM記事要約】
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2022年6月21日:米国メリーランド州のアップル店舗の1つで、100人を超える従業員が、インダストリオール加盟組織である全米機械工・航空宇宙労組(IAM)への加入を圧倒的多数で票決した。
アップル従業員はIAMの助けを借りて、組織小売従業員連合(CORE)を結成した。このメリーランド州タウソンの店舗は、全米初の組織化されたアップルストアになる。
「誤解のないように言うと、組合結成の決定の狙いは、私たち労働者が現在持っていない権利を享受することです」とタウソンのオルグたちはアップルCEOのティム・コック宛の書簡に書いた。
労働者はアップルに対し、同社のサプライヤー行動規範のセクション「結社の自由と団体交渉」に定める中立性要件に従い、知る権利と団体交渉権を享受できるようにすることを求めている。
ロバート・マルティネスIAM会長は言う。
「この歴史的な勝利を達成するために、タウソンのアップルストアでCORE組合員が示した勇気を称賛する。彼らは、この選挙を注視した全米のアップル従業員数千人のために多大な犠牲を払った。この勝利は、全国のアップルストアとさまざまな産業で組合への需要が高まっていることを示している」
クリスティン・オリビエ・インダストリオール書記次長は言う。
「この重要な勝利を心から祝福する。今回の勝利は、適正な労働条件と、この大手技術系企業の富を生み出している労働者に対する敬意を達成するうえで重要な一歩だ。米国の他のアップルストアの労働者にも、この道を進んでほしい」
グリーンな航空運輸――労働組合、社会的持続可能性と公正な移行の強力な国際公約を要求
2022-06-21
【JCM記事要約】
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2022年6月21日:より持続可能な航空運輸部門への移行は、労働者に影響を与える。労働組合は、この部門の公正な移行と公平な転換を確保し、ディーセントな雇用を維持・創出する包括的なプロセスとするために、具体的な措置を要求している。
今週、航空宇宙・航空運輸部門の労働者を代表している国際レベル・欧州レベルの労働組合が会合を開き、9月の国際民間航空機関(ICAO)総会に先立って統一的な立場を議論した。ICAO総会では、持続可能な航空運輸に向けた今後の道筋について、各国政府と主要な業界関係者が合意に至ることが期待される。
航空運輸産業がCOVID危機の継続的影響に対応するという緊急課題に直面しているこの危機的な時期にあって、労働組合は、航空会社と空港、政府、組合が業界全体として協調的対応を取り、この業界を何カ月も悩ませている容量不足、フライトの遅延、窮地に陥ったサービス水準を是正する必要があることを確認した。
労働者の参加は、現在この産業を麻痺させている根本的な問題の解決においてのみならず、業界の長期的な持続可能性と脱炭素に取り組むうえでも決定的に重要である。労働者の参加は、そのような大きな産業変化の社会的管理においても必要不可欠となる。気候の公平性は、結社の自由と団体交渉によって生み出されたディーセント・ワークに基づく労働の公平性なくして存在し得ない。
この会合はインダストリオール・グローバルユニオンと国際運輸労連、それに両者の欧州組織であるインダストリオール・ヨーロッパ労働組合と欧州運輸労連が開催したもので、航空運輸の将来の持続可能性と脱炭素に関するトゥールーズ宣言をめぐる協力の成果である。
航空宇宙部門と航空運輸部門は本質的に関連している。グローバルな労働組合連盟は、これらのプロセスにおいて特に重要であり、共通のニーズを結びつける重要な役割を果たし、それらのニーズを国際的なビジョンと戦略に変換するうえで欠かせない。両部門の労働組合は、サプライチェーン全体のビジョンと、持続可能性およびディーセント・ワークを基盤に構築された国際的な産業戦略に基づいて、部門横断的な合同アプローチを採用することが、大きなチャンスをもたらすと考えている。
トルコの組合が労働者のために勝利
2022-06-16
【JCM記事要約】
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2022年6月16日:労働者80人が組合加入を理由に解雇されてからほぼ5年後、トルコの裁判所は、2017年に解雇された労働者たちに有利な判決を下し、ビルレシク・メタル・イスが職場の代表的組合であると裁定した。
インダストリオール加盟組織ビルレシク・メタル・イスは2017年、トルコ・コジャーエリーのポスコ・アッサン鉄鋼工場で420人の労働者が賃金・労働条件に強い不満を表明したことを受けて、労働者を組織化しようとした。経営側は組織化努力のことを知ると、労働者と個別会合を開き、同労組を脱退するよう威嚇した。脱退を拒否した労働者は解雇された。
同社は2017年、ビルレシク・メタル・イスが工場で必要な過半数を獲得するのを阻止するために、事務所登録も金属工場に変更した。トルコの労働組合法は、組合が法定代表になるには、当該企業で少なくとも全労働者の50%+組合員1人を獲得することを義務づけている。
5年後の今、トルコの最高裁判所である破棄院は今月に入って、同労組が実際に職場で過半数を獲得しており、ポスコは同労組を団体交渉パートナーとして承認しなければならないとの裁定を下した。
裁判所は以前、2017年の解雇は組合加入を理由としているので無効であり、80人の労働者を復職させるべきだと裁定していた。ポスコは解雇手当に加えて、給料の合計16カ月分を払うよう命令された。
しかし、ポスコは労働者の復職を拒否し、その代わりに追加補償の支払いを余儀なくされた。
ビルレシク・メタル・イスは2017年以降、ポスコの株主に働きかけており、スウェーデンのノルデア銀行は、ポスコから投資を引き揚げて「確立した基準の侵害」による除外リストにポスコを加えることを決定した。
ケマル・ウズカン・インダストリオール書記次長は言う。
「この事例は、トルコの労働者がいかに結社の自由の基本的権利を制限されているかを端的に示している。組合承認を得るために5年待たされ、労働者の雇用と生活を犠牲にしなければならない状況は受け入れられない。ポスコとそのパートナーは、法的手続きを悪用して労働者が労働協約による保護を受けられないようにした」
「インダストリオールはポスコに対し、最終的な判決を尊重し、団体交渉プロセスに向けてビルレシク・メタル・イスに誠実に関与するよう促している」
ポスコは世界第5位の製鉄会社である。同社は反組合的な姿勢を取っているため、本国の韓国には組合代表がない。