労働基本権に関して資産運用会社に基本的に求めるもの
2022-07-13
【JCM記事要約】
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2022年7月13日:グローバル・ユニオンの労働者資本委員会(CWC)は、労働基本権に関する資産運用会社に基本的に求める事項を発表した。この要望事項は、CWC資産運用会社説明責任イニシアティブの一環として労働組合と年金基金理事会が開発したもので、資産所有者が、契約している資産運用会社に労働基本権に関して責任を負わせるうえで役立つ。
グローバル資産運用会社は、労働者の退職貯蓄基金に代わって資本を投資する。これらの基金の理事を務め、CWCネットワークに加わっている年金基金受託者は、運用会社が投資において労働権に対する悪影響を緩和する責任を果たし、労働関連の苦情が申し立てられたときに積極的に対処することを求めている。同様に、財団や宗教的投資家など、他の種類の資産所有機関も運用会社への期待を高めている。
「グローバル資産運用会社は、結社の自由や団体交渉権といった労働基本権が侵害されている官民市場投資に、かなりの額の利権を保有していることがある。資産所有者は今後、基本的期待を利用して、資産運用会社が自社の影響力を行使するための行動を促し、最終的に、権利を侵害されている労働者のために現場に影響を与えることができる」と国際運輸労連会長でCWCの資産運用会社説明責任イニシアティブ作業部会議長のパディー・クラムリンは言う。
基本的期待は、優良事例のベースラインから発展したもので、労働基本権の尊重・支持に対する資産運用会社の専念の度合いを評価する4つのカテゴリーに分けられる。
(1)管理枠組み
(2)上場株式の管理慣行(代理投票と株主エンゲージメント)
(3)民間市場の管理慣行
(4)政策提言
この枠組みは、デュー・ディリジェンスを実行して環境的・社会的な悪影響を防止・緩和する投資家責任を定める、国連ビジネスと人権に関する指導原則およびOECD多国籍企業行動指針に根ざしている。
「グローバル投資家、特に年金基金投資家は私たちの資金を投資している。私たちは、これらの投資にも職場と同様に基本的労働組合権の尊重を要求している。団結権・団体交渉権に関して妥協はない。すべての投資家が、これらの基本的要望を深刻に受け止める必要がある」とアトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は言う。
基本的要望事項は、下記組合に加盟する労働組合役員と年金基金受託者が共同で開発した。オーストラリア労働組合評議会(オーストラリア)、アメリカ労働総同盟産別会議(アメリカ)、労働者委員会(スペイン)、FNV(オランダ)、国際労働組合総連合、UNIグローバルユニオン、国際運輸労連、労働組合諮問委員会。