インドで労働者の権利に対する攻撃
2023-03-30
【JCM記事要約】
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2023年3月30日:マハラシュトラ州政府は3月17日の閣議で、2020年にインド政府が可決した反労働者的な労使関係法に基づいて立案された規則を承認した。
労使関係法は、結社の自由と団体交渉の権利を全面的に弱体化させている。「合法的ストライキ」の条件が厳格化されるため、結社の自由の固有の部分であるストライキ行動が違法とみなされるようになる。労働者は今後、ストを行う場合は2カ月前(現在は14日前)に予告しなければならない。
インド政府は2020年、現行労働法を統合した4本の労働法を可決した。新法は労働者の権利を大幅に弱体化させる一方で、事業利益を促進している。
マハラシュトラ州政府は2021年に労使関係法に基づく規則を立案し、この規則(マハラシュトラ州労使関係規則)は今月、州内閣の承認を得た。
新しい規則は、労働組合が工場で唯一の代表となるには労働者の51%以上を代表していなければならないと定めている。
以前は、従業員100人超の企業が労働者をレイオフするには政府の承認が必要だったが、この最低基準が300人に引き上げられた。つまり、従業員300人以下の企業は政府の承認なしで労働者をレイオフできるようになり、雇用保障を提供せずに従業員を雇用・解雇しやすくなる。
インダストリオール加盟組織を含むインドの組合は、2020年から深刻な懸念を表明し、反労働者的な労働規則に抗議してきた。
インダストリオール執行委員のサンジャイ・バダブカール・インド鉄鋼・金属・機械労連(SMEFI)書記長は言う。
「現在の政治体制下における労働者の権利の絶え間ない弱体化を非難する。新しい労働規則は、ビジネスのしやすさの促進に力を入れている。私たちは労働組合として、労働者の権利を守るために闘いを強化しなければならない」
トルコの組合との連帯を要求
2023-02-10
2023年2月10日:2月6日の壊滅的な地震で少なくとも2万1000人が死亡し、崩壊した建物の下に数千人が閉じ込められたままであるため、犠牲者数が増え続けている。数万人が負傷し、数百万人が家を失った。
地震に襲われた地域の製造・エネルギー・鉱業部門には、インダストリオール・グローバルユニオンとインダストリオール・ヨーロッパ労働組合の加盟組織の組合員がいる。多数の組合の組合員が亡くなったり、家族を失ったりしたという報告が届いている。
被災地では、いくつかの加盟組合の施設に深刻な被害が出ている。
「世界中の加盟組織から、支援方法に関する問い合わせが寄せられている。直ちに連帯・支援を表明するために、トルコの同志に連帯メッセージを送るようお勧めする」とアトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は言う。
「トルコが壊滅的な地震に襲われ、数千人が支援を必要としている。インダストリオール・ヨーロッパ労働組合は、この大変な時にトルコの同僚を支持しており、すべての人に、連帯メッセージやできる限りの支援を差し伸べるよう奨励している」とインダストリオール・ヨーロッパ労働組合のリュック・トライアングル書記長は言う。
財政面で支援したい組合は、私たちが設立したばかりの連帯基金に拠出することができる。詳細は下記参照。
銀行名:Cler Bank
銀行所在地:6-8 Place Longemalle, CH – 1204, Genève, Switzerland
口座名義人名:IndustriALL Global Union
口座名義人の住所:54bis, route des Acacias 1227 Carouge Genève, Switzerland
SWIFTコード:BCLRCHBB
IBANコード:CH70 0844 0145 2523 1139 0
銀行口座番号:145252.311390-0
通貨:ユーロ
写真提供:Öz İplik İş
インダストリオール航空宇宙部門、新興経済国の労働組合権を優先
2023-02-03
【JCM記事要約】
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2023年2月3日:航空宇宙部門のインダストリオール加盟組織は1月末にモロッコのカサブランカで会合を開き、この業界と今後の戦略的ロードマップについて議論した。この地域を選んだのは、メキシコ、インド、MENA地域(主にモロッコとチュニジア)のような新興航空宇宙経済の重要性を強調するためである。
ゲオルク・ロイテルト・インダストリオール航空宇宙担当部長が、グローバルな組合活動の重要性を強調した。
「視野を広げ、参加を拡大する必要がある。私たちはみな同じ価値観を共有しており、世界中のサプライチェーンでそれを実現する必要がある。労働者にはグローバルな権利があり、グローバルな労働組合ネットワークは知識や支援を構築する手段だ。多くを学び合うことができる。最優良事例に焦点を当て、それを広めていく」
モロッコのニューサウス政策センターのMahmood Arbouchが、同国の航空宇宙産業の大要を説明した。この産業は現在、ワイヤリングハーネス部門を中心に女性を41%雇用している。航空宇宙産業はモロッコ、チュニジア両国で成長しているが、前途に待ち受ける課題として、世界的なCOVIDパンデミックの影響からの完全な回復、世界的な供給停止、デジタル化への対応、気候変動と業界への影響、技能の不足の縮小、旅客輸送の増加への準備が挙げられる。
Abdelaziz Arfaoul FGME-UGTT書記長が、チュニジアの航空宇宙労働者の課題を説明した。この国は失業率が高く、政情が不安定で、ウクライナの戦争と世界的パンデミックの余波の影響を受けている。組合は、低賃金だけでなく航空宇宙産業の危険な労働条件にも取り組む必要がある。危険で労働集約的な仕事が大量にMENA地域に外注されているという印象がある。
モロッコとチュニジアからの参加者は、社会的公正の必要性を主張し、どうやってそれを達成するかという問題を提起した。航空宇宙部門は急成長を遂げており、この地域では組合つぶしと並んで不安定な契約が問題になっている。多国籍企業が本国の組合とはうまく折り合っていながら、この地域では自社の行動規範を尊重していない例がある。
「モロッコとチュニジアはこの産業では新興国であり、労働者を組織化しようと本気で取り組んでおり、組合の力が増して組合つぶしに対抗している」とアーメド・カメル・インダストリオール地域事務所所長は述べた。
外部委託はブラジルのエンブラエルで大きな問題になっている。ブラジルの同僚は会合で、同社が労働協約への署名を拒否した結果、レイオフが実施され、外部委託が増えたと語った。
エンブラエルは2020年に2500人をレイオフし、同時に外部委託労働者数が19.11%増加した。高齢労働者をレイオフして、代わりに3分の1の給料で外部委託労働者を雇う入れ替えプロセスが急激に進んでおり、それらすべてが職場の安全に直接影響を与えている。
インドでは、タタ系列の航空宇宙企業数社で、労働者が劣悪な賃金・労働条件をめぐって行動を起こし、組合を結成して組織化を開始した。これを受けて使用者は労働者を解雇した。そこで組合は労働省に問題を持ち込んだが、同社は経済特区にあるため、労働省管轄下の法律が適用されない。
「最高裁判所に陳情書を提出した。お金がほしいわけではなく、復職を求めている。私たちは基本的人権を求めて闘っている。子どもたちのために、より安全でより良い未来を求めて闘う」とタタ・アドバンスト・エアロスペース・システムズ労働組合会議のR・D・チャンドラ・シェカール現会長は述べた。
程度の差こそあれ、世界中の航空宇宙労働者が同じ課題や問題に直面している。
全米機械工労組のジョン・ホールデンとリチャード・ジャクソンが、ワシントン州の現状と、地域社会で良質の組合雇用を維持・提供するための組合の取り組みについて説明した。機械工協会の創設により、労働者が職場で成長できるようにするために実地訓練を提供するチャンスが生まれた。夜間と週末の育児サービス提供も目指している。夜間・週末労働は特に女性にとって、進歩を利用することや、場合によっては今の仕事を維持することさえ妨げる障害になる場合がある。
英国ユナイト・ザ・ユニオンのイアン・ワッデルが、ヨーロッパが現在直面している三重の危機――エネルギー危機、原料危機、生活費危機――について話した。それに取り組むために組合は、気候変動、重要な原材料の不足の解消、労働者の賃上げを軽視せずにエネルギー危機に対処する緊急行動を要求している。
会合参加者は、脱炭素化、デジタル化、サプライチェーンのデュー・ディリジェンスなど、将来の優先課題についても討議した。
会合の終わりに、モロッコ、チュニジア、インド、ブラジルの労働組合情勢に関する連帯決議と、問題の改善・解決を支援するという約束が採択された。
「航空宇宙産業の未来は、航空運輸を脱炭素化できるかどうかにかかってくる。労働組合は、航空宇宙産業が社会的責任を負う正当な産業になるようにするために、この大規模な転換に最初からかかわらなければならない」とフランスの組合「労働者の力」出身のマリア・ペレス共同部会長が述べた。
フィリピンは国際的な労働権を承認せよ
2023-01-31
【JCM記事要約】
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2023年1月31日:フィリピンへのILOハイレベル三者構成ミッションが、労働組合・労働者組織との5日間の協議・対話を経て終了し、この国で国際的労働権の全面的な承認を確保するために勧告を示した。
2019年以降、インダストリオール加盟組織を含むフィリピンの組合はILOに対し、結社の自由と団結権・団体交渉権に関連する深刻な労働者の権利侵害を調査するために、ハイレベル三者構成ミッションの実施を求めてきた。
ハラスメントその他の形態の暴力に関する感情に訴える証言を盛り込んだ共同組合報告が、対話の冒頭にハイレベルミッションによって正式に受け入れられた。
権利侵害として特に、超法規的殺人、国家治安部隊による脅迫・ハラスメント、誘拐、労働組合・労働組合員に対する広範囲にわたる赤札が挙げられる。
2021年3月、ダンディー・ミゲル富士電機労組会長が仕事帰りに見知らぬ男たちに射殺された。
ネクスペリア労組の組合員たちは、13回にわたって現地警察による訪問を受け、所属連合団体からの脱退を強制されている。
「このILOミッションは分裂した労働組合運動の統一への道を開くもので、殺害や違法な拘留、赤札をなくす可能性が大いにある。労働法執行の改善と中核的労働基準(特にILO第87号条約および第98号条約)の遵守によって、労働者が自由に団結できるようになり、我が国で組織化が促進されることも期待している」とルディー・カサナTF2-KD会長は言う。
ミッション終了にあたり、一連の事件が深刻なものであるにもかかわらず、ILO基準適用委員会(CAS)の懸念に効果的に対処するための政策や法的措置がほとんど講じられていないことが強調された。懸念やリスクに対処するために真の政労使協力が必要である。
適正手続きなしで組合運動の一部を反政府活動に関連付ける態度が見られるようになっており、国軍と警察が今なお組合活動や労使関係に干渉している実態が観察された。ILOミッションは、結社の自由に対する脅威からの保護を改善するために政府各部門間の連携や一貫性が高まっていることを考慮して、真の進展のためには大統領主導の行動が不可欠であると勧告した。
今年のILO総会までに政労使パートナーによる共同実施報告を公表すべきだ、とILOミッションは繰り返した。
「フィリピン政府が、労働者の基本的権利の侵害事件を調査する今回の重要なILOミッションを受け入れるまでに3年かかった。フィリピンの労働者と組合は窮状にあり、私たちは今回のミッションを歓迎する。このミッションは侵害にスポットライトを当て、そうすることによって変化をもたらす可能性がある」と岩井伸哉インダストリオール東南アジア地域事務所所長は言う。
ミャンマーで民主主義回復を
2023-01-27
【JCM記事要約】
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2023年1月27日:ミャンマーで国軍が権力を掌握してから2年になる。労働者が命がけで民主主義を回復させようとしている中で、私たちは引き続き反対の声を上げ、連帯支援を表明しなければならない。
2021年2月の軍事クーデター後、ミャンマーの労働者を取り巻く状況は大幅に悪化した。現在、ほとんどの組合が活動を禁止されており、かつて労働協約によって保護されていた多くの労働者が解雇され、何の権利も持たない臨時労働者と入れ替えられている。
クーデター後、軍は暴力的な攻撃や逮捕によって組合と組合員を厳しく取り締まり始めた。
現在、60人を超える労働組合員が捏造された容疑で投獄されており、この組合員たちを直ちに釈放しなければならない。
投資は労働権に長期的影響を与える。インダストリオールは2021年9月、投資引き揚げキャンペーンを開始、現地で活動しているすべての企業に対し、業務を停止して新規注文を出さないよう求めた。
ミャンマーの関連部門で活動しているすべての企業に書簡を送り、軍事政権に支配され、組合が活動できない国ではデュー・ディリジェンスが不可能であることを強調した。トタル、シェブロン、ウッドサイド、テレノール、テスコ、ベネトン、アルディ・サウス、C&Aなど、早期に撤退した企業もある。
昨年の終わりごろ、いくつかの衣料ブランドとミャンマーからの責任ある撤退について議論し始め、プリマーク、ニュールックなど数社がミャンマーでの新規発注を中止した。
「ある意味では進展がある」とアトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は言う。「だが、軍はミャンマーで今なお不当に政権を握っており、相変わらず人権と労働者の権利を侵害しているので、圧力をかけ続ける必要がある」
グローバル・ユニオンは、国際・国家レベルでミャンマーの国民統一政府(NUG)をミャンマー国民の唯一かつ真正な民主的政府として明確に承認することを求めている。
「私たちはNUGの承認によって、ミャンマーの労働者の人権・労働組合権を保護し、軍事政権の残忍な独裁と国際社会に対する同国の虚偽の報告にきっぱりと終止符を打つ」
(グローバル・ユニオン声明、2022年10月)
軍事クーデターから1年後、世界の労働組合運動は、国民が権力を取り戻すまで手を緩めないと誓約した。
アトレ・ホイエは言う。
「さらに1年が過ぎたが、ミャンマー国民は暴力的な軍事政権のせいで大きな代償を払わされ続けている。この2周年にあたり、私たちとともにミャンマーの民主主義回復を改めて要求してほしい」
組織化は力の均衡を変える鍵
2023-01-20
【JCM記事要約】
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2023年1月20日:COVIDが原因で2〜3年ぶりとなったが、世界のエリートが今週、スイス・ダボスで再び一堂に会した――彼らはさらに裕福になっている。
「強力な組合の構築は力の均衡を変える鍵だ。そして、力の均衡を変化させることは公正な社会への唯一の道だ」とアトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は言う。
慈善団体のオックスファムは過去10年間にわたって毎年、ダボス会議の時期に合わせて所得不平等の拡大に関する報告を発表してきた。この報告は毎回、富裕層がより豊かになって富の集中が進んでいる一方で、その他すべての人々の賃金と公共サービスが削減されていることを示している。
今年の報告によると、パンデミック開始以来、上位1%の最富裕層が26兆ドルの富を新たに懐に入れた。新しい富の63%がこの1%の人々の手に渡り、その他全員が残りを不平等に分け合っている。
これは最も良い時期であっても不条理なことだろう――だが、気候危機、戦争、制御不能なインフレに起因する生活費危機、年金支給年齢の引き上げ、公共サービスの崩壊、世界同時不況という背景を考えれば、この状況は節度を欠いている。
毎年、不平等の拡大をめぐって苦悩に満ちた発言があり、右派・左派両方の政治家が変化を約束している。それにもかかわらず年々、不平等が悪化している。
私たちは誰も助けに来てくれないことを理解する必要がある。そして結局、すべての富は労働者が生み出していることを思い出す必要がある。力の均衡と富の分配を変えるために組織化する必要がある。
数々の暗いニュースにもかかわらず、イギリスからトルコ、インドに至るあらゆる場所で、インダストリオール加盟組織が労働者のために勝利を収めた例が数多くある。このような勝利がもっとたくさん必要だ。
組織化は私たち全員の優先課題でなければならず、組合組織率の向上は公正な未来のためのインダストリオールの基礎的要素の1つである。これはさらに多くの新規組合員の勧誘を意味するが、どこに資源を投入し、どこで組織機構を強化するかについて戦略的に考えるということでもある。
主要な使用者や部門で組織率を高める必要がある。職場で組合員が増えるほど交渉力が強くなり、より有利な妥結を勝ち取ることができる。そして、有利な労働協約を勝ち取れば、経済全体で条件を引き上げる先例となる。最終的に、労働協約の対象になる労働者が多いほど、すべての人の条件が改善する。
職場レベルで強力かつ敏感な組合委員会を構築し、代表が組合員の日常的なニーズに効果的に対応できるようにする必要がある。そして、経済が絶えず変化していることを理解し、私たちが伝統的に力を持っている部門に頼るだけではなく、新しい部門に進出し、これまで軽視していたかもしれない労働者を勧誘する必要がある。
勝利を収める組織化キャンペーンに関する原則については、『インダストリオールとともに組織化』を参照。
強力な組合を構築しよう。全世界で組織化しよう。グローバル資本に立ち向かい、労働者に有利なように勢力均衡を変化させよう。
スリランカの債務免除を公に要請
2023-01-16
【JCM記事要約】
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2023年1月16日:スリランカのインダストリオール加盟組織は、この国が最悪の金融危機に見舞われる中で債務帳消しを要求している。
世界中で180人以上の経済学者や開発専門家がスリランカの債務帳消しを求めている動きに呼応して、インダストリオール加盟組織は、これはスリランカが単独で解決できる問題ではないため、すべての2国間、多国間および民間の貸し手が再構築の負担を分かち合うよう要求しており、国際的な支援・連帯の拡大を呼びかけている。
スリランカへの主要な貸し手はアジア開発銀行、日本、中国、世界銀行などである。国際通貨基金(IMF)、世界的な労働者団体、労働者の権利を擁護する団体に書簡を送った。
「スリランカを対外債務危機から直ちに救済する必要があるIMFは貸し手に接触し、この国を助けるために責任あるフォーラムを設置しなければならない。スリランカの労働者階級は悲惨な状況にある。残念ながら、政府は2023年度予算で貧困層を救済しなかった」と自由貿易地域・一般サービス従業員組合のアントン・マークス共同書記は言う。
インダストリオールが開催した連帯会合で、加盟組織は、貧困の拡大、子どもの栄養失調の増加、耐え難い経済的苦難による学校の退学についてなどの懸念を表明した。
加盟組織は政府に以下を要求している。
- すべての不可欠な食品にかかる間接税・直接税の即時撤回
- 電力とエネルギーの関税引き上げの即時停止
- 経済改革のための全国政労使協議会の設置
ケマル・ウズカン・インダストリオール書記次長は言う。
「インダストリオールはスリランカの加盟組織をしっかり支え、要求を全面的に支持する。生活費の急上昇が重くのしかかる中で労働者が1日2回の食事も取れない国のために、国際社会が債務帳消しによって支持を表明するときだ」
2022年にスリランカで行われたデモの写真
インドネシアの組合、オムニバス法に代わる緊急規制を拒絶
2023-01-13
【JCM記事要約】
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2023年1月13日:インドネシアのインダストリオール加盟組織は、昨年12月に大統領が制定した雇用創出法(Perppu)に代わる緊急規制を非難している。この規制は組合の要求を満たしていない。
論争の的となっているオムニバス法(正式名称は雇用創出法)は、2020年10月に議会で可決されたが、インドネシアの憲法裁判所によって違憲と判断された。
ジョコ・ウィドド大統領は2022年12月末、2023年に世界同時不況のリスクに取り組むという名目で、労働者の権利を犠牲にして外国からの投資を増やすために、オムニバス法に代わる雇用創出に関する緊急規制を制定した。
インドネシア労働組合総連合(KSPI)、全インドネシア労働組合総連合(KSPSI)、インドネシア統一労働者総連合(KPBI)などは、インドネシア労働党とともに新しい規制を拒絶している。
組合と労働党の主張によれば、この規制には知事に最低賃金を決定する自由裁量権を与える条項が盛り込まれている。例えば、「することができる」という語の挿入、漠然とした可変インデックス、異なる方式を採用する知事の権限は、最低賃金規制の対象から特定の産業を除外したり、労働者の権利を侵害したりする恐れがある。
「この緊急規制は組合の要求を満たしていない。私たちは、外部委託や解雇手当、外国人労働者の採用、使用者に対する刑事制裁など、労働者に損害を与える9つの不利な条件に基づく内容を拒絶する」とインダストリオール・インドネシア協議会のイワン・クスマワン議長は言及。
組合と労働党は1月14日に大統領官邸で集会を計画している。インドネシア福祉労働組合総連合(KSBSI)はPerppuを憲法裁判所に持ち込んだ。
「私たちはインドネシア政府に対し、インドネシアの組合が非難している緊急規制の取り消しを強く促している。政府は憲法裁判所の判決を尊重し、労働者の懸念を考慮に入れるべきだ」と岩井伸哉インダストリオール地域事務所所長は言及。
「インドネシアの加盟組織は雇用創出法導入時から反対運動を展開しており、多数のデモを開くとともに、憲法裁判所で司法審査を申し立て、議員に支援を求めている。インダストリオールは、労働者の権利に悪影響をもたらす反労働者的な規制と闘うインドネシアの加盟組織を支援し続ける」
第3回インダストリオール大会は、インドネシア政府に雇用創出法の取り消しを求める決議を可決した。
KMWU、労働法改革を要求
2022-12-20
【JCM記事要約】
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2022年12月20日:11月末から韓国ソウルの国会前で、いてつく寒さのなか何人かの組合指導者がハンガーストライキに入り、使用者が労働者にストの損害賠償を請求する風潮を断つために労働法改革を要求している。
インダストリオール・グローバルユニオン加盟組織の韓国金属労組(KMWU)、ナショナルセンターKCTUおよび運輸労組の組合指導者は韓国政府に対し、改正された労働組合・労使関係法の第2条および第3条と、2021年4月に批准されたILO第87号条約および第98号条約の実施を求めている。
KMWUは、韓国政府が労働者と使用者の定義を拡大し、下請労働者に元請使用者と交渉する法的根拠を保証するよう要求している。労働者のスト権を尊重するためにも同法を修正しなければならない。
極めて厳しい現行労働法の結果、KMWU造船下請労働者支部出身の選出議員5人が、今年の夏のストを理由に元請使用者から470億韓国ウォン(3600万米ドル)の損害賠償訴訟を起こされている。
「ストの損害賠償で使用者に訴えられた労働殉教者Bae DalhoとKim Joo-ikの焼身自殺、2009年の双竜自動車労働者のストに対する損害賠償訴訟、2022年の大宇造船下請労働者のストに対する損害賠償請求を私たちは忘れていない。無数の労働者が死に追い込まれ、民主的組合が破壊された」とハンガーストライキ参加者の1人であるユン・チャンヒョクKMWU委員長は言う。
「ILO第87号条約および第98号条約の批准により、この状況に終止符を打たなければならない。韓国政府に対し、団体交渉権とスト権の効果的な承認のために法律を修正するよう求める」
「スト実施に対する天文学的な額の損害請求は卑劣だ。インダストリオールは、大宇造船海洋とハンファグループが労働組合員に対する訴訟を直ちに取り下げ、韓国政府が法律と慣行を国際基準に従わせることを求める。ILOで韓国政府による第87号条約および第98号条約の未実施問題を提起する予定だ」とアトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は言う。
石油・ガス部門における仕事の未来に関する新しいILO協定
2022-12-15
【JCM記事要約】
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2022年12月15日:インダストリオールは、石油・ガス部門における仕事の未来に関する新協定を取り決めた労働者代表団に加わった。
ジュネーブのILO本部での1週間にわたる技術会合を経て、12月2日金曜日の夜遅くに政労使代表間の交渉が終了し、石油・ガス部門における仕事の未来に関する協定が締結された。
この種の会合は、部門の問題に取り組む方法についての手引を提供する。気候と技術の対を成す移行が原因で、新しい部門が生まれたり、既存の部門が大きな変化に直面したりしているため、このような会合は特に重要である。石油・ガスは温室効果ガス排出の大きな要因として、脱炭素化の必要性の影響を非常に大きく受けるだろう。組合にとって、これが体系化された計画的な形で進み、古い雇用が消える前に新規雇用を創出できるようにすることが不可欠である。
組合代表団は石油・ガス部門の専門家で、アメリカ、ブラジル、コロンビア、ナイジェリア、イラク、ノルウェー、オーストラリア、インドネシアから組合を代表するために民主的に選ばれ、ITUCとインダストリオール・グローバルユニオン、インダストリオール・ヨーロッパ労働組合の支援を受けた。
ILO事務所が議論のたたき台となる報告書を作成した。週明けに課題と機会、優良事例、要求についての問題が提起され、交渉者が各自の見解と主な要求を発表した。これらの情報に基づいて、ILO事務所が最初の要求原案を作成し、当事者は1週間にわたって修正をめぐり交渉した。
労働者代表にとって、重要な要求は以下のとおりだった。
- 組合が意思決定プロセスに参加する社会的対話によって取り決められた将来の適正な組合雇用
- 石油・ガス産業における外部委託の横行、エネルギー計画の策定にあたっての政府の責任、サプライチェーンのデュー・ディリジェンスに対する使用者の責任への言及
- 部門における公正な移行のための資金調達メカニズム
- 研修や再研修を含む中長期的なエネルギー計画への投資
組合代表団は、この会合のプロセスと結果の両方に不満を示した。多くの差し迫った課題、特に外部委託労働者の問題に取り組む機会がなかった。その原因は使用者による献身の欠如である。部門の大手企業は1社も会合に出席せず、国際使用者連盟(IOE)から参加した使用者側の交渉責任者は、IOEが観光、教育、農業、輸送、エネルギー、その他の部門で協定を取り決めているため、この部門での具体的な経験がまったくなかった。
今回の結果は組合が期待したほど規範的ではなかったため、来年夏のILO理事会後に、部門別の公正な移行ガイドの作成を提案する。
インダストリオールのエネルギーと公正な移行担当部長を務めるダイアナ・ジュンケラ・キュリエルが次のように述べた。
「この産業の公正な移行に関する労働者の懸念は、移行の資金調達、社会的保護、提供される適正な雇用の質と量などだ。社会的対話によって移行を進め、社会的保護、団体交渉、包括性を確保しなければ、万人のために未来を維持することはできない」
締めくくりの言葉で、労働者グループの議長を務めたUSWのマイク・スミスが次のように述べた。
「1週間に及ぶ実のある交渉を経て、この文書に関して合意に達したことをうれしく思う。この結論は石油・ガス産業の公正な移行に至る長い道のりの一歩となり、健全で生産的な産業の維持によってディーセント・ワークの創出を促進し、失われた雇用を同等以上の価値の雇用と置き換えると私たちは信じている」
「この文書に外部委託労働者への言及がないことを残念に思う。石油・ガス部門で外部委託が広く見られること、この慣行が労働条件を低下させていること、外部委託労働者が自分たちの懸念に取り組むための代弁機関がないことが、私たちにとって大きな懸念だ」
「直接労働者であるか外部委託労働者であるかにかかわらず、石油・ガス産業の労働者全員が結社の自由、労働安全衛生、労働協約によって勝ち取った良好な労働条件を享受できるようにするために、私たちは引き続き取り組んでいく」
インダストリオールとともに組織化
労働者は団結すれば強くなるのだから!
組織化はインダストリオール・グローバルユニオンの重要な優先事項であり、ほとんどすべての活動に組み込まれている。組織化による組合の力の構築は重要な目標の達成に役立つ。例えば、生活賃金、不安定雇用の制限、人権・労働組合権の尊重、より健康でより安全な職場、より公平な社会などである。
そして、やらなければならないことがまだたくさんある。全世界の労働者ほぼ33億人のうち、自由で独立した組合に加入している者の割合は7%にすぎない。活動的な労働組合員となるとなお少ない。
例外はあるものの、ここ数十年、多くの国々で組合員数と組合の影響力が低下している。OECD諸国(世界の富裕国の上位38カ国)の組合組織率は、1980年の33%から2020年には15%に低下した。その一因は、多くの政府や多国籍企業が組合を弱体化させ、労働者の権利を攻撃しようとしていることである。
ここ数十年間に組合の存在感が弱くなったため、世界中で経済的不平等が広がり、労働分配率が低下している。こうした傾向を覆すために、世界中の組合がこれまで以上に効果的に組織化しなければならない。
労働者の力の強化とは、組織化を主要な優先事項にすることを意味する。
そのためには組合の文化を変える必要がある。組合は新規組合員の勧誘と現組合員の定着に、もっと多くの時間と努力、資源を注ぎ込まなければならない。連帯の構築と、すべての組合問題への組合員の積極的関与に焦点を合わせる必要もある。
インダストリオールは加盟組織による組織化の支援に集中している。この情報が、インダストリオールからの他の組織化支援とともに、貴組合がこれまでよりも大きく強力になるうえで役立てば幸いである。
組織化とは何か、なぜ組織化すべきなのか?
組合員は組合の最大の資源である。組合員が多いほど、組合は力を持つことができる。
- 組織化は、部門や職場における組合員数と組織率の向上、労働者間の連帯構築、労働者の組合参加の拡大を意味する。
- 組合員の勧誘と定着が組織化への鍵である。資本家と企業は組合よりも資金力があるが、組合の力の源泉は組合員である。
- だが、組合員数の増加だけでは十分ではない。組織化には、労働者の間で連帯を構築するとともに、労働者を組合に関与させて活動させ、共通の目的の達成に向けて協力させることも必要である。
組合は組織化すれば強くなり、以下のための力と資源を獲得できる。
- 組合員のために賃上げ、給付および労働条件の改善を達成する
- 多国籍企業と効果的に交渉する
- より大規模なピケやストを実施する
- 不安定雇用を制限する
- より健康でより安全な職場を確保する
- 不当解雇や虐待から労働者を保護する
- よりよく現組合員にサービスを提供し、新規組合員を勧誘する
- 世界中で労働者の権利を求めてネットワークを構築し、キャンペーンを展開する
組合員数や組合員の連帯、組合員の行動を拡大する組合は、政治力も獲得する。より大規模な政治的デモを動員したり、政治的意思決定にもっと影響を与えたり、労働者・組合に関係のある立法にあたってより大きな影響力を行使したりすることができる。
一般に、組合が十分に組織化されている場所では経済的不平等が小さい。組合組織化は、富と権力のより公正な配分によって強力な組合と経済を確立するうえで役立つ。
インダストリオールの組織化支援
インダストリオールは世界中で、主にアフリカ、アジア、ラテンアメリカで、組織化プロジェクトを支援している。焦点は、加盟組織が永続的な組織化文化を発展させ、独自の組織化プログラムを実施するよう奨励し、それを可能にすることである。
インダストリオールは加盟組織とともに、ワークショップや会議、職場訪問、訓練を実施し、組織化計画を討議・立案している。調査やマッピング、出版物、資料などにより、加盟組織の組織化活動を支援している。インダストリオールのプロジェクトで、オルグ活動資金への財政援助を提供する場合もある。
インダストリオールは14の産業部門で労働者を代表しており、それぞれに部門アクション・プランがある。すべての部門アクション・プランで、組織化による組合の力の強化が目標に掲げられている。各部門は、さまざまな方法でこの目標を追求している。
インダストリオールは20社を超える多国籍企業でグローバル組合ネットワークを支援している。そのうちいくつかはグローバル従業員代表委員会(一般に、使用者が正式に承認し参加しているグローバル組合ネットワーク)である。多くのグローバル組合ネットワークが、組合代表が存在しないか不十分な社内の職場で組織化に取り組んでいる。会社での組織化活動にあたって連帯支援も動員している。
インダストリオールは企業や国家に接触し、必要があれば、組織化を支援するために企業・国家に対抗して運動する。加盟組織からインダストリオールに、企業や国家による団結権侵害がたびたび報告される。対応は一般に、経営陣や担当の政府当局者に書簡を送り、労働者の団結権尊重を要求することである。
侵害が続けば、労働者の団結権を尊重させるために、企業や国家に圧力をかける戦術を用いる。例えば、他の組合や当該企業の欧州従業員代表委員会による連帯支援の動員、当該企業の顧客との対話、オンライン請願、年次株主総会での抗議、国際労働機関(ILO)やOECDへの提訴である。
インダストリオールは加盟組織と協力しながら、多国籍企業とのグローバル枠組み協定(GFA)を交渉・実施している。これらの協定は、高水準の労働組合権(団結権など)を導入し、組合が企業のグローバル事業とサプライヤーで組織化する機会を生み出している。インダストリオールは50本近くのGFAに署名した。
インダストリオールがどの企業とGFAを締結しているか調べたり、協定を読んだりするには、グローバル枠組み協定のページを参照のこと。
組織化の基本方針
以下、組織化を成功させる基礎を築くために、インダストリオールが加盟組織とともに頻繁に推進している主要原則を示す。
- 強力な組織機構の構築
強力な組合機構は職場で始まる。これは組織化委員会や職場代表機構、女性委員会、職場コミュニケーション担当者や活動家のネットワークなど、何であれ必要な職場組合機構である。これらの機構は、労働者が積極的に組合に参加して連帯を構築する機会を提供し、組合員の勧誘や維持に欠かせない。
強力な組合機構は職場外で効果的に組織化するためにも必要である。大規模な組合機構の傘下に入っていない個々の職場レベル組合は、グローバル経済では弱い。工場組合が連合すれば強力になり、全国組合はさらに力をつけることができる。よりうまく、組合が大規模かつ効果的な組織化プログラムを実行するための資源を結集できるようになる。
ある国で1つの部門に複数の組合がある場合、統合して部門別組合を結成することで力を強化できる場合が多い。複数部門にまたがる統合によって、組織力のある強力な組合の構築を達成した例もある。
いくつかのインダストリオール加盟組織がある多くの国々で、加盟組織が集まって国別協議会を結成した。これらの協議会は、加盟組織が会合を開いて全国的に重要な問題について議論し、共同行動を計画するための基盤となる。多くの国別協議会が、どの部門が優先的な組織化ターゲットであるか、どこで組織化プロジェクトを開発すべきかを決定している。
- 民主性と透明性
組合が明確なルールを定め、包括的な組織機構を確立し、定期会合や選挙を実施し、民主的に活動すれば、労働者が組合に加入して活動的な組合員になる可能性が高くなる。組合は組合活動に関して定期的に労働者とコミュニケーションを取ることによって、透明性と組織化の成功率を高めることができる。
- 包摂
団結は組合の基本原則である。労働者は団結すると強い。しかし、ほとんどの組合が大規模な労働者セグメントを歴史的に無視したり、過小評価したりしてきた。これらの取り残された労働者が一般に最も搾取されているという事実にもかかわらずである。例えば、女性、人種化された労働者、LGBTQI+労働者、不安定労働者、若年者、事務技術職労働者、移民などである。
労働力の構成が変化しているが、すべての組合がこの変化に順応しているわけではない。組合は積極的な戦略を採用し、これらの社会的に無視された集団を取り込んで組織化しなければならない。そのためには多くの場合、現在の機構の修正や新しい機構の創出が必要である。
女性や人種化された労働者、LGBTQI+労働者、不安定労働者、若年者、事務技術職労働者、移民を効果的に組織化するために、組合はこれらの集団にとって適切な存在になり、すべての組合機構(指導的役割、スタッフ、委員会、職場委員機構など)に彼らを包摂しなければならない。
組合は、これらの取り残された集団にとって重要な問題にも集中しなければならない。これらの集団のメンバーがすべての組合組織機構とプログラムに加われば、組合は集中しやすくなる。
- 協力・連携
労働者と組合は連帯して協力すると強くなる。組合は協力・連携し、お互いの組織化活動を支え合えば、より効果的に組織化することができる。
組合は、より広い社会との協力によっても組織化成功率を高めることができる。組合組織化の成功がより広い社会にどのように利益を与えるかを示し、直接的な連帯支援を提供すれば、社会からの支持が高まる。
- 競合禁止
同じ部門の労働者を代表する複数の組合が、職場で同じ労働者を同時に勧誘しようと競争してはならない。これは限りある資源を浪費し、組合間の対立や紛争を悪化させるだけである。組合は、このような形で互いに競争しないことについて合意しなければならない。ほとんどすべての国々では、組織化の標的にする労働者や職場に事欠かない。
- 自立
インダストリオールは、世界中の組合が組織化を改善・拡大しやすくするプロジェクトを支援している。しかし、インダストリオールの支援に頼っている組合が自立することが重要である。組合員数の増加はこの移行にとって重要である場合が多いが、それだけで十分というわけではない。
自立するには、組合が十分な会費を定期的に徴収するための効果的なプログラムを開発・維持し、現地・地域・全国レベルで組合活動(強力な組織化プログラムを含む)を実施できるようにする必要がある。また、組合員が払う会費を増額したり、組合に加入させるために逆に特定の労働者の会費を引き下げたりする必要が生じることもある。時には、組合が非常に小さいために、他の組合と統合しなければ自立できないこともある。
組織化への準備
現実的に行動し、勝算のある目標を優先させることは、常用労働者だけにターゲットを絞るということではない。世界中のインダストリオール加盟組織が不安定労働者の組織化に成功している。不安定労働者は労働者全体に占める割合が大きく、しかも増え続けているため、これは不可欠である。
目的が職場で新組合を結成することであれ、すでに組合がある職場でより多くの組合員を勧誘することであれ、組合員の連帯や行動を拡大することであれ、準備を整えることが重要である。
ターゲット
どの労働者を組織化のターゲットにするかの決定にあたって検討すべき要因がいくつかある。組合は次のような組織化ターゲットを選ぶべきである。
- 組合の力の強化に役立つ。これは例えば、部門全体で労働条件に影響を与える大手使用者が考えられる。
- 他のインダストリオール加盟組織がまだ代表しておらず、組織化のターゲットにもしていない。
- 勝算がある、すなわち、その組合には組織化を成功させる資源と能力がある。
組合は組織率の上昇を目指して組織化ターゲットを選ぶべきである。組織率とは、労働者全体に占める組合員の割合である。組織率が高いほど、労働者と組合はより強力になることができる。多くの国々では、職場で労働者の一定割合が組合に加入していれば、経営側は組合を承認して交渉しなければならない。組合が会社に経済的影響を与える力を持っている場合に限り、経営側が組合と交渉している国もある。その力は組織率が高く、かつ活動的な組合員が多い場合に得られることが多い。
組合組織率の強化は、職場の常用フルタイム従業員の大部分の組織化だけを意味しない。不安定労働者も含めて、すべての労働者の大部分を組織化することを意味する。
1ダースの職場で組織化しても、それぞれの職場でわずか数人の組合員しか勧誘できなければ、組合の力は強くならない。そうではなく、数は少なくても戦略的な職場にターゲットを絞り、それらの職場で高い組織率を達成すれば、労働者のために本当の利益を実現することができる。
調査
組織化は戦略的な企業調査の裏付けによって強化される。この調査は企業を分析し、企業に圧力をかけて労働者の要求を受け入れさせる方法を確認する。
どの職場を組織化ターゲットにすればよいか判断する前に、組織化を行う部門や地域を調査することが重要である。この作業には、職場の所在地、労働者数、労働者の男女構成、不安定労働者や契約労働者の割合、他の組合の存在、主要顧客、その職場を所有している会社や、その職場から調達している会社に関するその他の関連情報の確認が含まれる。
いくつかの職場は、組織化活動の勝算を高めることのできる国際的な関係を築いている。国際的な関係を築いているから格好の組織化ターゲットであるとは限らないが、そのような関係は役立つ可能性がある。
以下、潜在的な組織化ターゲットが、組織化キャンペーンに役立ちそうな国際的な関係を持っているかどうかの判断に使える質問をいくつか列挙する。組織化ターゲットを決めて組織化キャンペーンを始める前に、組合はこれらの質問の答えを求めるべきである。
潜在的組織化ターゲットは、
- グローバル枠組み協定(GFA)を締結しているか? 締結している場合、インダストリオールはターゲットが組織化活動に反対しないようにすることができるかもしれない。企業はGFAで、労働者の団結権の尊重を約束している。(インダストリオールとGFAを締結している企業のリストは下記参照――https://www.industriall-union.org/global-framework-agreements)
- GFAを締結している顧客がいるか? いる場合、インダストリオールはこの顧客に、ターゲットに圧力をかけて組織化活動に反対しないようにさせることができるかもしれない。企業はGFAで、サプライチェーンにおける労働者の団結権の尊重を約束していることが多い。
- 大手ブランドである顧客がいるか? いる場合、インダストリオールはこの顧客に、ターゲットに圧力をかけて組織化活動に反対しないようにさせることができるかもしれない。インダストリオールは、サプライチェーンにおける労働者の団結権の尊重を約束している多くのブランドと関係を築いている。また、大手ブランドは評判に敏感であり、購入先の工場による組合つぶしを防止するために手を打つかもしれない。
- グローバル組合ネットワークがあるか? ある場合、インダストリオールは組織化活動にあたってグローバル組合ネットワークに支援を求めることができる。
- インダストリオールと関係を結んでいるか? よい確認方法は、インダストリオールのウェブサイトの検索バーで当該企業(と親会社)の名前を検索してみることである。
- 他国に職場があるか? 他国の職場に組合があれば、組織化活動を支援してくれる可能性がある。組織化を行うかもしれない国で、その会社の他の職場の組合が支援してくれる可能性もある。
労働者を計画立案に関与させれば意欲が高まり、より活発な組合員になる。
潜在的組織化ターゲットが上記のような国際的関係のいずれかを築いている場合、インダストリオールは、それらを利用するために手助けできるかもしれない。これは組織化活動を行う組合を潜在的組織化ターゲットの他の組合に接触させたり、ブランドやGFA締約企業に連絡を取ったりすることによって実行できる。インダストリオールに連絡する前に、国際的な関係に関してできるだけ多くの情報を収集すべきである。
計画の立案
組合は、ある地域を調査して1つまたは複数の組織化ターゲットを選んだら、組織化キャンペーンのために計画を練り上げるべきである。この計画では、何をする必要があるか、誰が何に責任を負うか、いつまでにそれをする必要があるかを明確にする。計画の実施にどんな資源が必要かも確認しなければならない。
組織化計画の策定・実施に参加する労働者が多いほど、計画は強力になる。より多くの人々に仕事を分散させることも、誰にも負担をかけすぎないようにするのに役立つ。
組織化計画には、特定の期日までに達成すべきベンチマークあるいは目標を盛り込むべきである。例えば、決まった日までに支持を取りつける労働者数、決まった日までに連絡先を入手する労働者数などが挙げられる。明確なベンチマークは、組織化キャンペーンが順調に進んでいるかどうか、調整を加える必要があるかどうか判断するうえで役立つ。
組織化計画には柔軟性を持たせ、予期せぬ状況が発生したときに対応できるようにしなければならない。組合または組織化委員会が定期的に計画を見直し、必要に応じて調整すべきである。
組織化計画の構成要素
- 労働者の指導者の確認
- 組織化委員会の設置
- 労働者リストの作成
- 会合の企画
- 結集する問題の確認
- 教育プログラム
- コミュニケーション・プログラム
結論
これまでよりも効果的に組織化しよう! インダストリオールは支援を提供する準備ができており、今こそ組織化するときである。これまでどおり、労働者は団結すれば強くなる。
世界の労働者のうち自由で独立した組合の組合員はわずか7%で、活動的な組合員はさらに少ないため、組織化は手のつけようもない大仕事のように見えることがある。実際にはそうではない。
世界中のインダストリオール加盟組織が進んで難題に取り組み、多様な環境で革新的な組織化解決策を提案している。
組織化計画の策定・実施に関する詳しい情報については下記まで:
ウォルトン・パントランド・インダストリオール・キャンペーン/組織化担当部長
wpantland