カイン・ザー・アウン氏が労働組合の権利に関するアーサー・スヴェンソン国際賞を受賞
2024-04-11
2024年4月11日:労働組合の権利に関する2024年アーサー・スヴェンソン国際賞が、ミャンマーの労働組合指導者・活動家であるカイン・ザー・アウン氏に授与される。この賞は、特に2021年以降のミャンマーの困難な状況下で、労働者の権利擁護に尽力した彼女の努力と決意を称えるものである。
カイン・ザーは16歳の時に縫製労働者として労働運動の道を歩み始めた。労働者としてタイに移住し、移住労働者の権利について仲間を訓練し始めたとき、彼女のアドボカシー活動はより明確な形になった。ミャンマーが民主化への第一歩を踏み出すと、彼女は帰国し、すぐにミャンマー製造業労働者連盟(IWFM)を率いるまでになった。彼女のリーダーシップは、2012年になってようやく合法化されたミャンマー労働組合総連合(CTUM)でも重要な役割を果たすまでになった。
彼女の指揮の下、IWFMは労働者の組織化、特に安価な労働力を求める国際的ブランドの流入で活況を呈した急成長中の繊維産業における若い女性のエンパワーメントで大きな前進を遂げた。
2021年のミャンマーの軍事クーデターにより、カイン・ザー・アウンはドイツへの亡命を余儀なくされた。亡命中にもかかわらず、彼女はグローバルな舞台でミャンマーの労働者の大義のために戦い続けている。彼女は国際的なブランドに対し、ミャンマーとの関係を断ち切るよう促し、欧州連合(EU)に対し、政権が退くまで貿易優遇措置を停止するよう働きかけている。
軍事政権は反対派を執拗に弾圧し、その結果4,600人以上が死亡、25~30,000人が拘束され、その多くは軍事政権に積極的に抵抗する労働組合員である。この混乱の中で、労働組合運動は大規模な抗議行動を調整し、民主政権の復活を目指す市民的不服従運動を支援するミャンマー労働同盟を結成する上で極めて重要な役割を果たしてきた。
今日、カイン・ザー・アウンのような人物の指導の下、労働組合と並んでさまざまな民族グループ、若者、学生、政治団体の同盟が、単にクーデター前の状況に戻るためだけでなく、真の連邦民主主義の確立を求めて闘っている。
軍事政権が最近、徴兵法を施行したため、ミャンマーの状況は悪化の一途をたどっている。この法律は、紛争や抵抗の際の人手不足に対処するための必死の試みであり、国民の恐怖と不安定を激化させている。
反対する政権下で兵役を強制された多くのミャンマー国民は、逃亡したり反対勢力に加わったりしており、国内の混乱や地域の不安定化に拍車をかけている。このような状況は、民主主義と労働権のためのミャンマーの闘いを支援する上で、カイン・ザー氏の提言活動と国際社会の役割が極めて重要であることを浮き彫りにしている。
2024 年 3 月のインダストリオール青年会議で、カイン・ザーは次のように表明した。
「若い労働者は徴兵制に反対している。なぜなら、徴兵制は国民や労働者の同意なしに軍政によって課されるものであり、国民に殺し合いを強制するものだからだ。国民兵役法は外的脅威に対する国防のために使われるべきであり、内乱のために使われるべきではない。」
インダストリオール・グローバル・ユニオンのアトレ・ホイエ書記長は、カイン・ザー・アウンへの称賛と支持を表明し、次のように述べた。
「彼女は、ミャンマーにおける労働組合の権利のための素晴らしい活動と、同国の民主化回復のための闘いに対して、今年のアーサー・スヴェンソン賞を受賞した。この賞が、軍事政権下のミャンマーにおける労働者の破滅的な状況にさらに光を当て、その崩壊に貢献することを祈る。」
アーサー・スヴェンソン賞は、カイン・ザー・アウンの犠牲とリーダーシップを称えるだけでなく、ミャンマーにおける民主主義と労働基本権を求める現在進行形の闘いを浮き彫りにするものである。
授賞式は6月12日にオスロで開催される予定で、世界の労働組合コミュニティがカイン・ザー・アウン氏を祝福する。
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労働者の権利を求めて闘うインドの組合
2024-04-09
2024年4月9日:インドの総選挙を前に、インド労働組合が与党の反労働者政策に反対するキャンペーンを展開している中、インダストリオール・グローバル・ユニオンのアトレ・ホイエ書記長がこのほどデリーを訪問した。
4月3日に開催された労働安全衛生に関する戦略的討議で、インドの加盟組合は、同国の産業安全は惨憺たる状況だと述べた。工場諮問労働総局によると、2021年以降、毎年少なくとも1,029件の事故が発生し、1,000人以上の労働者が死亡し、3,000人以上が重傷を負っている。労働関連の傷病は、特に被害者が不安定雇用労働者であることから、ほとんど文書化されていない。
インドの組合は、より大きな安全衛生リスクを伴う契約労働や不安定労働の 増加に反対する声を上げている。不安定雇用労働者の組織化が急務である。
インダストリオール執行委員でユニオンズ・ユナイテッドの役員を務めるゴータム・モディは、次のように述べた:
「インドの製造業では労働者の85%が不安定雇用に就いている。不安定雇用労働者を組合に加入させることは、力をつけるための中心的課題であり、私たちの最大の課題だ。労働者の権利を守るためには、戦略と目的の統合が重要である。」
加盟組合はまた、職業病や危険性が常に無視されていることを強調し、 労働法の改正が職場の安全をさらに危険にさらしている」と述べた。
インダストリオール執行委員でインド全国鉱山労連(INMF-INTUC)書記長のS・Q・ザマ氏は次のように述べた:
「インダストリオールとインドの加盟組合は、新型コロナのパンデミック以来、安全衛生に関する懸念を一貫して表明してきた。インド政府は安全性に関して妥協してはならず、155号、183号、176号を含む安全衛生に関するILO条約を直ちに批准し、労働査察に関するILO 第81号条約の遵守を確保すべきである。」
しかし、職場での事件増加の惨状の中で、組合が大きな勝利を収めた例もある。インダストリオールと加盟組織の絶え間ない闘いの結果、香港条約は 2025 年に発効する予定だ。
4月4日に開催されたインダストリオールのインド加盟組織協議会では、加盟組合が組合の力をつけるために奮闘していることを強調した。共有された行動には、シーメンス工場でのホワイトカラー労働者組織化の試み、タタ・モーターズで 2700 人の労働者が正規化されたこと、公共部門の炭鉱で不安定雇用労働者や研修生を使用することに反対する闘い、気候変動が船舶解撤の川下産業で女性労働者にどのような影響を与えるかをマッピングしたこと、製鉄業で不安定雇用労働者のために大きな勝利を収めたことなどがある。
組合幹部は、今後、公正な移行、デュー・ディリジェンス、 ジェンダーに基づく暴力やハラスメントを含む労働安全衛生、 不安定雇用、中核的労働基準に関連する問題を優先的に取り 組まなければならないと強調した。
インダストリオール書記長のアトレ・ホイエは次のように述べた:
「2025年のインダストリオール大会を前に、私たちは行動計画を見直し、優先順位を明確にする必要がある。議論から明らかなように、私たちはより多くの女性や若者とともに、不安定雇用労働者を組合に取り込むための闘いを前進させる必要がある。私たちは組合を真に包摂的にしなければならない。また、労働災害を絶対的にゼロ・トレランス(容認度ゼロ)で対処する必要がある。労働者の命が無価値なものとして扱われるのは恥ずべきことだ。」
職場におけるジェンダーに基づく暴力とハラスメン ト(GBVH)に関するワークショップでは、女性リーダーたちがGBVHのリスク要因や、職場と組合スペースの両方でGBVHを防止するための対策について議論した。意識向上、工場内苦情処理委員会の有効性評価、GBVHに焦点を当てた保健キャンプの開催、組合内でのジェンダー方針の策定、各種委員会での女性代表の増加などの行動計画が策定された。また、インド女性委員会を復活させ、その付託事項を策定することも決定した。
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https://www.industriall-union.org/indian-unions-fight-for-workers-rights
公正な移行に関するMENA自動車労組ネットワーク会合
2024-04-09
2024年4月9日:インダストリオールMENA自動車労組ネットワークは3月2-3日にカサブランカで会合を開き、公正な移行と労働者に対するその影響をめぐって議論した。
地域の金属・自動車部門のインダストリオール加盟組織指導者、Fédération Nationale de la Métallurgie et des Industries Synthétiques Métallurgiques et Electroniques – FNMISME-UMTのKhaled Taher書記長、Syndicat National des Industries Métallurgiques et Electromécaniques – SNIME-CDTのMohamed Moufid書記長、Fédération Générale de la Métallurgie et de l’Electronique – FGME-UGTTのAbdelaziz Arfaoui書記長が、部門における移行の形態に焦点を当てた。この移行は段階的なプロセスだが、特にこの部門では現在モロッコ、チュニジア両国に多額の投資が行われているため、将来の転換に取り組むために積極的なアプローチを採用する必要がある。参加者たちは、新技術の導入、働く女性の状況、賃金政策、ロボティックスの導入と雇用への脅威に関して、この部門で見られる事態の進展を強調した。
インダストリオールのアーメド・カメルとゲオルク・ロイテルトが、転換とサプライチェーンにおけるデュー・ディリジェンスに特に焦点を絞って、組合活動の最新情勢と地域・世界レベルの自動車部門の状況を発表した。2人とも、化石エネルギーから電気エネルギーへのシフトは、脱炭素化と地球温暖化に向かう世界的傾向に対応していると強調した。新技術(デジタル化、オートメーション、自律走行車)の開発と、それに伴う仕事の世界の変化を受けて、企業は自社の構造を変更し、組合との真のパートナーシップに基づいて社会的対話を行うアプローチを採用する必要がある。
会合では、この地域に大きなサプライチェーンを有するルノーとステランティスの実例も取り上げた。加盟組織は分析に基づく実行可能なプログラムを開発し、目標と戦略、評価を確認するために、公正な移行とデュー・ディリジェンスに関するアクション・プランを発表した。
アクション・プランの重点は、雇用とディーセント・ワークの維持、転換のペースへの対応、失われた雇用を埋め合わせるための新規雇用の創出、労働者の利益の保護、国家・地域・世界レベルの統一戦線の結成、公正な移行の擁護に向けて経験や専門知識を交換するためのインダストリオール加盟組織間のコミュニケーションの橋渡し、政府・使用者団体に対する対話の要求、転換を管理するための政策の策定、移行期間における労働者への安定性の提供である。
アトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は次のように述べた。
「全世界で仕事の世界が発展・変化している中で、公正な移行は非常に重要な主題だ。最も重要な移行の1つは電気自動車に向けたエネルギートランジションで、これは自動車部門で新しい構造を生み出し、労働者とその職業上の安定性に影響を与える。組合は、労働者の要求の提起・支持によって、この移行において重要な役割を担っている。使用者との社会的対話を通じて、この転換に備えなければならない。」
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https://www.industriall-union.org/meeting-of-mena-automotive-union-network-on-just-transition
ベラルーシの組合員と連帯する4月19日行動デー
2024-04-09
2024年4月9日:2022年4月19日、ベラルーシ民主労働組合会議(BKDP)の20人以上の指導者・活動家が国家保安委員会に拘束された。その後、何人かは釈放されたが、その多くはいまだ獄中にあり、釈放された者も絶え間ない嫌がらせや迫害にさらされ、望ましくない人物のリストに載せられているため、適切な医療を受けたり、求職に応募したりすることが不可能になっている。
2022年7月18日、最高裁判所はベラルーシ民主労働組合会議(BKDP)とその加盟4団体(うち3団体はインダストリオール加盟)、すなわちベラルーシ独立労働組合(BITUまたはBNP)、ラジオ・エレクトロニクス労働組合(REP)、ベラルーシ自由労働組合(SPB)、金属労働者自由労働組合(SPM)の清算・解散を決定した。
結社の自由という正当な権利を行使した労働組合指導者を有罪にすることは、結社の自由の原則の侵害にあたる。労働組合の権利は、世界人権宣言、市民的及び政治的権利に関する国際規約、特に個人の自由と安全に対する権利、恣意的な逮捕・拘禁からの自由、意見と表現の自由、集会の自由、公正な裁判を受ける権利、労働組合の財産を保護する権利に関して謳われている市民的自由が完全に尊重されない限り、あらゆる意味を失う。
アトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は言う。
「我々は、ベラルーシ当局に対し、平和的抗議行動や 争議行動への参加に関するすべての罪状を取り下げ、逮捕された労働組合員やすべての人権擁護者・政治犯を釈放し、独立した労働組合や人権尊重を求める個人に対する弾圧を停止することなどを含め、即時かつ無条件に要求する。」
インダストリオールは、ベラルーシの独立組合と民主主義を求める運動を公的に支援し続け、彼らが直面している激しい弾圧を非難するために、我々のグローバルな声を行使していく。
以下の行動のいくつかを実施しキャンペーンに参加するよう呼びかける:
– BKDP会長、ITUC副会長、ILO理事会メンバーであるアリアクサンドル・ヤラシュクを含む労働組合指導者との面会と解放を要求する書簡をベラルーシ共和国に送付し、大使館で行動する。
– 労働組合主義は過激主義ではないことを表明し、結社の自由と民主主義を求め、ベラルーシで投獄されている労働組合員の釈放を求める団体の指導者が参加する連帯メッセージを記録する。 私たちが再共有できるよう、各自のコミュニケーション・チャネルを通じてメッセージを共有し、インダストリオールのタグをつけてほしい。
– ベラルーシとの文化、経済、貿易、科学その他の国際協力分野を考慮に入れ、2023 年 6 月にILO 総会で採択されたILO決議の実施を要請する書簡を自国政府に送り、非強制送還に関する事項や他の国連・国際機関との関わりを含め、この点に関してすでに取られ た行動に関する情報を求め、投獄中の労働組合員との面会・解放のための外交努力を要求する。
– ベラルーシに関する使用者・政府との人権デューデリジェンス会議を開催し、ベラルーシ企業が関与するサプライチェーンや金融その他のビジネスサービスを分析し、違反に対処するための影響力を行使するための措置を講じる。
– ベラルーシに対し、ILO監視機関の勧告を尊重し、労働組合が政府ではなく労働者自身によ って所有・管理されることを確保するよう求め、ILO理事会が決定したとおり、ILO総会(ILC)の前に開催されるベラルーシに関するハイレベル・テーマ別会合に、三者パート ナーだけでなく、さまざまな国連機関の国家代表も参加するよう要求する。
ベラルーシにおける労働組合の権利と民主主義のための行動デー の一環として、4 月 19 日 9 時 30 分~ 11 時まで開催されるITUCとETUC共催のオンライン会議にご参加頂きたい。会議は英語とロシア語で行われる。
マレーシアとフィリピンで生活賃金を求めて闘う
2024-04-05
2024年4月5日:マレーシアとフィリピンの労働組合員は、生活費の高騰に深刻な懸念を表明し、労働者とその家族のための生活賃金を求めて団結していることを明らかにした。
クアラルンプールの東南アジア地域事務所を訪問したインダストリオールのアトレ・ホイエ書記長は、3月29日と4月1日の2回にわたり、マレーシアとフィリピンの加盟組織との会合に出席し、生活賃金を含む賃金政策に関するILO専門家会議の結論について議論した。
アトレ・ホイエは、この会議で生活賃金の権威ある定義が示され、労働者とその家族に適正な生活水準を提供するものでなければならないと述べた。同氏は、今後は各国の三者構成パートナーが国内の定義と価値を決定する必要があると述べた。
「この結論は、誠意と十分な情報に基づく団体交渉、経済成長の衡平な分配の原則、結社の自由に裏打ちされた団体交渉と社会対話の重要性を強調するものである。」とアトレ・ホイエ書記長は付け加えた。
東南アジア地域では、労働生産性と賃金上昇のデカップリング現象に対処するため、各国政府がさまざまな賃金政策を検討している。
マレーシア政府は6月に自主的かつ生産性に連動した累進賃金政策を実施する。このパイロット・プロジェクトでは、特定の部門に賃金体系を設定し、1,500リンギット(317米ドル)から4,999リンギット(1,058米ドル)の労働者を対象とする。対象となる雇用主は、12ヶ月間、毎月200~300リンギット(42.3~63.4米ドル)の政府補助金を受け取る。
インダストリオール執行委員でマレーシア協議会事務局長のゴパル・キシュナム・ナデサン氏は次のように述べた:
「インダストリオール・マレーシア協議会は進歩的賃金政策を全面的に支持する。製造業労働者は賃金の伸び悩みに苦しんでいる。20年以上働いている労働者の収入は、新入社員の最低賃金よりわずかに高いだけだ。しかし、我々はこの政策を義務化しなければならないと強調する。」
他方、現在の賃金設定政策がフィリピンの労働者を深く失望させているとして、親労働者のフィリピン議員たちは2023年賃金回復法を推進している。生活費が高騰し、多くの労働者が貧困にあえいでいる。フィリピンの労働組合は、全国の全民間部門労働者の日給をPHP150(2.7米ドル)に引き上げるというイニシアチブを支持している。
「私たちは、生活賃金を含む賃金政策に関するILO専門家会合の結論を歓迎する。労働組合がデータと証拠に基づくアプローチに基づき、労働者と家族のニーズを分析した賃金キャンペーンを開始することが重要である。労働者を貧困から救い出し、適正な生活賃金を求めて闘うことは、労働組合の責任である。」と、インダストリオール執行委員でALU全国副委員長のエヴァ・アルコスは述べた。
インダストリオール東南アジア地域事務所長のラモン・セルテザは次のように述べた:
「グローバル経済システムが失敗であることは明らかであり、一部の資本家を優遇するだけで、労働者階級と社会に不利益をもたらす不平等を引き起こしている。労働者は、自らの価値創造から公正な所得分配を求めている。物価インフレが急増しているこの時期に、生活賃金を議論に復活させるためのILOの時宜を得た対応には、さまざまなレベルで賃金決定構造に有意義に関与する労働者と組合の能力を構築することが必要である。インダストリオール東南アジア事務所は、このプロセスを確実に支援する。」
【原文記事URL】
https://www.industriall-union.org/fighting-for-living-wage-in-malaysia-and-philippines
ネクスペリア・フィリピンで労働者の権利に対する攻撃
2024-04-05
2024年4月5日:半導体産業で重要な役割を担っているネクスペリア・フィリピンは2024年4月5日、何人かをレイオフして組合役員に影響を与え、労働協約の条件に違反した。
ネクスペリアはレイオフに先立ってセンサー部門を閉鎖し、影響を受ける労働者向けに自発的離職制を実施した。同社はタイへの生産ライン移転計画を発表し、自社の行動を正当化する理由として低生産量を挙げた。しかし、この理由は、生産高が増える中で労働者が休日労働を余儀なくされ、休暇の承認を得るのに苦労している工場の現場の現状を反映していない。
労働者に対する弾圧は2023年9月に始まり、組合役員3人を含む8人の労働者が解雇された。2024年4月、さらに54人の労働者が6カ月間一時解雇され、あと72人がレイオフされそうである。
これを受けて、ネクスペリア・フィリピン労組は苦情を申し立て、不当労働行為と組合つぶし戦術への関与で同社を訴えた。インダストリオール加盟組織のフィリピン金属労働者同盟(MWAP)は懸念を表明し、この解雇は労働協約と定着した年功序列慣行の両方に違反していると強調した。
「MWAPはネクスペリアの大量レイオフと組合つぶしに強く反対する。同社は労働者を直ちに復職させ、雇用と労働者400人の生活に影響を及ぼしている一連のレイオフをやめなければならない」とMWAP代表は述べた。
アトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は、ネクスペリア・フィリピンのガレス・ヒューズ副社長に正式に書簡を送付、その中で、組合役員の解雇は労働者の権利に対する直接の攻撃であると述べ、同社に直ちに改善策を講じるよう強く要求した。
「これらのレイオフが、ネクスペリアで何年も働いてきた人々の生活に及ぼす影響を考慮するよう求める。私たちの要求は、公正な扱い、労働協約の条件の尊重、雇用保障を弱体化させる行動の停止だ」とホイエは述べた。
オランダに本社を置き、1981年にフィリップスによって創設されたネクスペリアは、2018年に中国政府が一部を所有するウィングテック・テクノロジーに買収された。ダイオードからトランジスタ、静電放電保護デバイス、アナログIC/論理ICまで多岐にわたる製品を取り扱い、半導体産業の主要企業の地位にある。
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https://www.industriall-union.org/workers-right-under-attack-at-nexperia-philippines
VWチャタヌーガの労働者、組合選挙の準備完了
2024-04-03
2024年4月3日:フォルクスワーゲン・チャタヌーガ工場で、4,000人を超える労働者が先週、全国労働関係委員会にインダストリオール加盟組織・全米自動車労組(UAW)への加入投票を申請し、4月17-19日の組合選挙で投票する予定である。
この選挙は、非組合自動車労働者が団結してUAWに加入しようとする全国的な運動における最新の突破口となる。この運動は、3大自動車メーカーに対する昨年のスタンドアップ・ストライキでUAW組合員が勝ち取った記録的な契約に触発された。
UAWは対プレス声明で、労働者たちは自分自身と家族の生活を改善し、勤務スケジュールや給付、賃金に関して発言権を得るために賛成票を投じようとしている、と述べた。これは、おそらく世界有数の反組合的な地域である米国南部で、10年以上にわたって自動車労働者の組織化に懸命に取り組んできたUAWにとって、非常に大きな勝利になる。
UAWは2014年と2019年に2回、この工場で組織化を試みたが、いずれも失敗に終わった。
アトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は言う。
「インダストリオールは、このフォルクスワーゲン工場における今回の歴史的な組織化キャンペーンにおいて、UAWを断固支持する。私たちは、世界で唯一残った組合代表のないVW工場で、この選挙が実施されることの重要性を十分に認識している。フォルクスワーゲンが選挙中に厳格な中立を守ることを期待する。同様に重要なのは、州や地方の政治家が選挙に干渉しないようにすることだ」
全国労働関係委員会は、この選挙を予定に入れており、VWテネシー工場での無記名投票を監督する。
【原文記事URL】
https://www.industriall-union.org/workers-at-vw-chattanooga-ready-to-vote-in-union-election