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第174号インダストリオール・ウェブサイトニュース

インドネシアで死者を悼み、生きている人々のために闘おう

2024-04-29

2024年4月29日:PTインドネシア青山鋼鉄(ITSS)の溶鉱炉爆発で亡くなった21人の労働者を悼むために、2024年4月28日にインドネシア中部スラウェシ州モロワリで記念行事が行われた。インダストリオール・グローバルユニオンとインドネシアの加盟組織が参加した。


松﨑寛インダストリオール書記次長が、職場で死傷した労働者に敬意を表するために黙祷を求め、参加者に対し、ITSSならびにインドネシア・モロワリ工業団地(IMIP)で生きている人々のために闘い続けるよう促した。産業全体で労働者の福祉を守ることの重要性を強調し、職場の安全基準を改善するために絶えず努力する必要があると力説した。

「インドネシアのニッケル産業は急成長を遂げているが、OSHは多くの職場で後れを取っている。適切な教育・訓練が行われず、規範的な権利が実施されず、そして最も重要なことだが、合同OSH委員会がない。もっと多くの労働者を組織化し、強力な労働協約を生み出し、職場をすべての労働者にとって安全にするよう努めなければならない」と松﨑は述べた。

この労働安全衛生世界デーに、仕事関連の原因で毎年実に300万人もの労働者が死亡し、数千万人以上が負傷している事実を忘れないようにすることが極めて重要だ、と書記次長は付け加えた。インダストリオールは、ILO第155号条約および第176号条約の批准を求めるキャンペーンにおいてインドネシアの加盟組織を支援し、インドネシアの労働者の知る権利、参加する権利ならびに拒否する権利を擁護すると誓約した。

何人かの労働組合員が感動的な証言を行い、現場で溶鉱炉爆発を目撃した体験を語った。彼らは実に勇敢に行動し、高さ50メートルから落下しかけていたインドネシア人と中国人の2人の労働者の体をつかみ、命を救った。彼らは摂氏1200度で稼働している溶鉱炉の近くで大量の死体を発見して怒りを感じた。

「この工場では労働災害に備えた防災訓練が行われておらず、会社側は火災避難訓練しか実施していなかった。労働者は避難して身を守る方法を知らなかった。私たちは、会社が定期的に防災訓練を企画し、今後このような事故が起こらないようにすることを要求している」と労働組合員たちは付け加えた。

採掘現場の他の労働組合員は、安全手順の違反といった問題を強調し、労働者たちは生産活動と修理活動を同時に行うよう指示されていたと説明した。労働者たちはIMIPの他社から異動してきており、非常口の場所が分からず命を落とした。IMIPほどの大規模な現場に十分な救急車やクリニック、現地の医療設備がなかったことが、事態をさらに悪化させた。

 

【原文記事URL】

https://www.industriall-union.org/indonesia-remember-the-dead-fight-for-the-living

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