フィンランド政府がスト権を制限
2024-05-29
2024年5月29日:フィンランド議会は、国際労働基準に違反して、スト権を実質的に制限する新しい法律を承認した。これにより政治ストは、スウェーデンのテスラで行われたような同情スト(北欧諸国でよく利用される手段)の権利と同様に、厳しく制限される。
今年に入って何度か抗議ストが行われたにもかかわらず、昨年発足したフィンランドの連立政権は、職場における組合代表の役割の制限や社会保障の削減といった政策を貫いている。
新しい法律では、労働組合がストを組織し、その後裁判所によって違法とみなされた場合、組合はかなりの罰金を支払わなければならない。裁判所が違法と判断したあともストを続ければ、個々の労働者に200米ドル以上の罰金が科せられる。この罰金は使用者に直接支払う。
新たに制定された法律は、フィンランドが批准済みのILO第87号条約および第98号条約を含む国際労働基準に違反している。政府は労働大臣へのILO勧告を無視している。この勧告はソーシャル・パートナーと協議して法改革を再交渉するよう求めているが、フィンランド政府は応じていない。
アトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は言う。
「これらの法律は、明らかに基本的労働権を侵害しており、中核的労働基準に違反しているだけでなく、公正な社会経済政策・慣行を促進する北欧モデルと著しく矛盾している。私たちは、これらの法律の取り消しを要求している傘下組合を支持する。この法律は労働者の発言権を奪い、政治ストや作業停止、産業ストを厳しく制限し、組合がストを要求したときでさえ『不法』ストに参加した労働者に罰金を科しているからだ」
ジュディス・カートン=ダーリング・インダストリオール・ヨーロッパ労働組合書記長は言う。
「フィンランドでは、労働者の権利に対する猛攻撃を受けて労働組合が抗議している。そして、それは当然のことだ。これはスト権を制限し、分散型の交渉を促進し、非組合労働者に労働協約の交渉権を与え、解雇からの保護を弱める。これは労働者の基本的権利と団体交渉の露骨な侵害だ!インダストリオール・ヨーロッパ労働組合は、この闘いにおいてフィンランドの労働者と組合を断固支持する! 私たちの1人に対する攻撃は私たち全員に対する攻撃だ!」
世界中の多くの国々でスト権が攻撃されている。スト権は過去10年間、労働権に関する国際基準を設定する国際労働機関(ILO)で使用者からも攻撃されている。昨年後半、ILO理事会はこの問題を国際司法裁判所に付託した。
https://www.ilo.org/resource/news/ilo-refers-dispute-right-strike-international-court-justice
6月上旬、ILO加盟国の年次会合であるILO総会が始まる。力を合わせて、代議員たちに、職場でスト権と民主主義を支持する義務があることを思い出させよう。
6月にジュネーブで代議員に届けられるITUC請願書に署名・共有のこと。
https://petitions.ituc-csi.org/strike
【原文記事URL】
https://www.industriall-union.org/finnish-government-restricts-right-to-strike
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