キャタピラー・ネットワーク会議
2013-05-27
世界五大陸のキャタピラー組合員がネットワークと連帯を強化
13年5月27~28日、英国イーシャーでキャタピラー・ネットワーク会議開く
米国キャタピラー・グループの労働組合代表、職場委員および従業員代表委員40人が英国イーシャーでキャタピラーネットワーク会議を開き、労働組合ネットワークを強化した。会議では情報交換・経験交流をするだけではなく、USW(全米鉄鋼労組)の同志を代表して行動も起こした。
このインダストリオール・キャタピラー・グローバル・ネットワークの労働組合代表は、全世界数千人のキャタピラー労働者を代表しており、ネットワーク活動を補強するとともに、世界中のキャタピラー従業員の労働・生活条件改善に向けた闘いへの確固たるコミットメントを再確認した。
世界五大陸、ブラジル、ドイツ、オーストラリア、インド、アメリカ、イギリス、フランス、ベルギーから代表が集まり、キャタピラーで働く契約労働者・賃金労働者・第三者請負労働者間のグローバルな連帯の構築を特に約束した。
ネットワークは以下の立場を確認した。
「世界中のキャタピラー労働者は自分たちの仕事を誇りとしている。長年に及ぶ継続的な労働と犠牲がなければ、キャタピラーが役員報酬の増額や株主配当の発表にあたって自慢する記録的な収益・利益は達成されないだろう」
「世界中のキャタピラー労働者の勤勉と献身のおかげで、キャタピラーは世界一の鉱業装置メーカーとなっている。そのような諸々の理由で、キャタピラー経営陣は、労働者による会社への貢献を認め、労働者の忠誠・技能・経験を尊重し、労働条件を引き下げようとする行動を控えなければならない。特に、契約労働をはじめあらゆる形態の不安定労働の不当な利用は容認されない」
インダストリオール・キャタピラー・グローバル労働組合ネットワークのデニス・ウィリアムズ議長は、会合で下された結論を要約して次のように述べた。
「世界・国家・工場各レベルのキャタピラー経営陣は、私たちが代表する労働者が同社の最も貴重な資産であることを認めなければならない。キャタピラー経営陣は従業員に対する態度を変えなければならない」
この会合では、過去数年このネットワークとともに行動したインダストリオールのアンヌ=マリー・ミューロー担当部長が、ネットワークを離れた。代議員は、アンヌ=マリーがこのグローバル・ネットワークのために献身的に、常に迅速に動いてくれたことに謝意を表明した。
米ベルショウ労働者と連帯
2013-05-31
米ベルショウ労働者と連帯
2013年5月31日
米ベルショウ・アダマティック・ベーカリー・グループ労働者は、3月24日からピケラインで断固とした態度を取っている。5月10日に会社側の最終提示を全会一致で拒絶し、新たな交渉はまだ予定されていない。
インダストリオール・グローバルユニオン加盟組織である全米機械工・航空宇宙労組(IAM)のベルショウ代表は、会社側の負担を月2万ドル以上軽減する医療計画を提示したが、その削減分の一部を1回限りの協約締結ボーナスではなく賃上げで労働者に還元するよう求めた。会社側は提示された医療計画を受け入れたが、従業員とのコスト削減共有は拒否した。
ワシントン州シアトルのIAM第79支部の組合員60人以上が、スト承認を全会一致で票決したあと3月24日からストを実施している。「企業欲と闘うためにこの紛争に関与している全組合員に連帯と支援を提供する」とインダストリオール・グローバルユニオンのユルキ・ライナ書記長は述べた。
第79支部の組合員は世界中で販売される高品質の製パン機械を製造している。スト中の組合員の多くが30年以上ベルショウで働いており、変わり続けるグローバルな製造環境で競争するという課題に一貫して取り組んできた。
使用者は4月30日、組合に代替労働者の雇用を通知した。5月10日、交渉単位の組合員は使用者の最新提示を拒否する。使用者が協約に加えた唯一の変更は、スト終結後も代替労働者を引き続き雇用できるようにするというもので、臨時労働者の雇用保障に関する文言が強化された。
5月10日に組合員が会社側の案を拒否してから、使用者は代替労働者を雇い続けている。今までのところ、交渉単位の組合員60人のうち39人が代替労働者で補充されている。
交渉単位の組合員60人は、使用者による代替労働者の永続的雇用を認める案は批准しないとの立場を維持している。
ベルショウ労働者に連帯メッセージを送ろう。
インダストリオール執行委員会、持続可能な産業政策に関する行動を開始
2013-05-30
インダストリオール執行委員会、
持続可能な産業政策に関する行動を開始
2013年5月30日
インダストリオール・グローバルユニオン執行委員会は5月29日、持続可能な産業政策に関する包括的な行動計画への取り組みを約束した。また、初めてエジプトの新規独立組合の加盟を受け入れた。
さまざまな産業部門で5,000万人の労働者を代表するインダストリオール・グローバルユニオンは、産業が国家経済にとって重要であり、質の高い雇用を提供する存在であることを認めるよう要求したいと考えている。
執行委員会は、以下を目指す持続可能な産業政策に関する包括的な行動計画を承認した。
●討議資料に基づいて、加盟組織の間で組合優先事項に関する共通の理解を深める。
●各部門の持続可能性に対する戦略的アプローチを策定する。
●持続可能な産業政策に関して各国政府に影響を及ぼすための効果的な戦略を共有する。
●多国籍企業の労働組合ネットワークを利用して共同行動を確認する。
●地域ワークショップを開催し、主な持続可能性問題を確認して共同行動を立案する。
労働組合ネットワークや多国籍企業とのグローバル枠組み協約(GFA)の問題をめぐって活発に議論した。ケマル・ウズカン・インダストリオール書記次長が、インターナショナル・ペーパー、サッピ、サンゴバン、オーエンス・イリノイで新設された労働組合ネットワークについて報告した。今年は21の企業別・部門別ネットワークが会合を開き、連帯と共同行動を構築する予定。
インダストリオール加盟組織はGFAに関して肯定的な例と否定的な例の両方を経験している。執行委員会は、GFAの内容と適切な実施を監視するとともに、ワーカーズ・ユナイティングが提案した「悪しき企業行動に対抗するための原則に関する憲章」に取り組むために、作業部会の設置を決定した。
インダストリオールは大手企業と40本を超えるGFAを締結した。先ごろラファージュと改訂GFAを締結し、6月14日にはイタリアの電力会社エネルと新しいGFAを締結する。これらの協約では、不安定労働に対する常用雇用の優先や組織化に関する中立性についての文言が改善されている。フランスの石油・ガス会社トータルならびに大手採鉱会社アングロ・アメリカンとの間で、新たな交渉プロセスが始まった。
執行委員会は、次期大会までに新しい加盟費制度を立案するために作業部会を設置した。
委員会はアルゼンチン、コンゴ民主共和国、ウガンダ、ナイジェリア、モルドバ、チュニジアの8組合の加盟を承認し、エジプトから初めて新しい独立組合(電力労組)を迎えた。
執行委員会は、2011年にアラブの春を引き起こした革命後のチュニジアにおける民主主義の発展への支援表明として、12月4~5日にチュニスでの会合開催を決定した。
インダストリオール執行委員会でマルチェロ・マレンタッキを追悼
2013-05-29
インダストリオール執行委員会でマルチェロ・マレンタッキを追悼
2013年5月29日
インダストリオール・グローバルユニオン執行委員会は、火災・建築安全に関する主要衣料品ブランドとの拘束力のある協定を歓迎する一方で、マルチェロ・マレンタッキとバングラデシュのラナ・プラザで死亡した衣類労働者1,127人を追悼した。
ドイツ・フランクフルトのIGメタル本部で開催された執行委員会の冒頭に、ベルトホルト・フーバー・インダストリオール会長は、1989年から2009年までIMF書記長を務めたマルチェロ・マレンタッキの傑出した貢献に敬意を表した。献身的・闘争的な素晴らしい労働組合員だったマルチェロは、2013年5月24日に66歳で亡くなった。
代議員たちは、バングラデシュのラナ・プラザにおける産業殺人で命を落した衣類労働者1,127人も追悼した。ユルキ・ライナ書記長は代議員に、国際衣料品ブランドが驚くべき無頓着な態度を取っていることを思い出させた。来る日も来る日も瓦礫の中から遺体が引き出される中で、各社はようやく態度を変えた。世界中のメディアが強い憤りを表明したおかげで、インダストリオールとUNIは何とかブランド各社を交渉の席に着かせることができた。バングラデシュの火災・建築安全に関する法的拘束力のある協定には、すでに40社を超える有名ブランドと小売業者が署名した。インダストリオールはグローバル・レベルの強力なカウンターパートとしての地位を確保している。
インダストリオール執行委員会は、バングラデシュに関する下記4項目の行動計画を採択した。
●火災・建築安全に関する協定の実施
●結社の自由を確保するための労働法改革
●月38米ドルの最低賃金を2015年までに生活賃金水準に引き上げる賃上げ
●衣類工場5,000カ所で組合の存在を確保するための大規模な組織化プロジェクト開始
ユルキ・ライナ書記長は、バングラデシュ協定交渉をはじめとする作業について代議員に最新情報を提供した。
ケマル・ウズカン書記次長が中東のインダストリオール優先活動に関する最新情報を提供し、特にエジプト、イラクおよびチュニジアの主要3カ国に焦点を当てた。執行委員会は、イラクで迫害されている石油労組幹部ハッサン・ジュマーと、エジプトの独立労働組合向け訓練プログラムへの支援を誓約した。次の執行委員会はチュニスで開かれる予定。
フェルナンド・ロペス書記次長が、組織化とキャンペーンに関するインダストリオールのプログラムを発表した。このプログラムには、スタッフと加盟組織の技能訓練、不安定労働撤廃に向けた継続的活動、大手採鉱会社リオ・ティントに対抗する企業キャンペーン、フィジーの人権・組合権を保障するための行動が盛り込まれている。
ヨーロッパ、ロシア、南アフリカ、コロンビア、中東・北部アフリカその他の地域で、世界中のインダストリオール加盟組織が直面している大きな課題に検討を加えた。
フーバー会長は、最低賃金・不安定労働・社会保障・年金各分野におけるインドネシアの労働組合の勝利を他国の組合が見習うべき模範として称賛し、FSPMI指導者サイド・イクバルの蘭エリザベス・フェーベ賞受賞を祝福、インドネシアの組合への支援継続を約束した。インダストリオール・グローバルユニオン執行委員会の正委員であるメキシコのロス・ミネロスのナポレオン・ゴメスは、メキシコ政府当局によるでっちあげの法的請求をめぐる新たな訴訟が原因で、またしても執行委員会出席を阻まれた。代議員はメキシコにおける強力で自由な民主的組合の構築を目指す長期的キャンペーンの続行を約束した。
マルチ・スズキ労働者を支持して座り込み
2013-05-30
マルチ・スズキ労働者を支持して座り込み
2013年5月30日
インドの組合員は5月27日、マルチ・スズキ労働者を支援するために抗議行動を実施した。全インド労働組合会議、インド労働組合センターおよびインド労働者連盟の指導者は、マルチ・スズキ、ホンダ、スズキ・パワートレイン、RICCO、スズキ二輪、ヒーロー・モト、ソナ・コーヨー・ステアリング、サティヤム・オートの組合員とともに、5月19日にカイタール(インド・ハリヤナ州)で100人以上の労働者が警察に逮捕されたことに抗議してデモと1時間の座り込みを実施した。
この行動のきっかけは、これに先立ってマルチ・スズキ労組(MSWU)が、すべての労働者組織、労働組合、民主的権利・公民権団体、大衆組織ならびに民主派系の個人に対し、国家当局によるマルチ・スズキ労働者に対する残虐な弾圧への抗議を訴えたことである。
MSWUは3月24日から抗議集会やハンストなどの行動を組織し、同社に解雇された常用労働者546人と契約労働者1,800人の復職を要求してきた。MSWUによると、警察はこれまでにデモ参加者147人を逮捕し、その他66人に保釈の認められない令状を発行した。政府は解雇された労働者に十分に対応しておらず、常に経営側を支持していた、と労働者は考えている。
南アのメルセデス・ベンツで保護されないスト
2013-05-28
南アのメルセデス・ベンツで保護されないスト
2013年5月28日
メルセデスベンツで3日間の保護されないストが終結し、労働者は職場に復帰したが、NUMSAは交渉を通じて問題を取り上げている。イースト・ロンドンのメルセデス・ベンツで働く南アフリカ全国金属労組(NUMSA)の組合員は昼休みにピケを張っていたが、この行動は先週木曜日に保護されない本格的なストに発展した。
労働者は通勤手当とメルセデス・ベンツでの外部委託中止を要求していたが、経営側がピケに否定的な反応を示し、懲戒処分を下すと言って脅したことから、不満が募った。経営陣はスト違法を宣言する命令を求めた。民主的なピケ実施権の行使を理由に組合員が嫌がらせを受ける懸念はあるものの、NUMSAは経営側に有利な判決を支持している。
「ストを実施したのは、ピケを理由に労働者全員に冤罪的な懲罰を科すという使用者側の重大な挑発・脅迫があったからだ」とムプフムジ・マクンゴNUMSA全国財政部長は言う。「しかし、NUMSAは火曜日の職場復帰について労働者と合意し、会社側との交渉で労働者の正当な要求を取り上げている」
ロシア・カルガのフォルクスワーゲンで印象的な勝利
2013-05-23
ロシア・カルガのフォルクスワーゲンで印象的な勝利
2013年5月23日
地域間自動車労組(ITUA)傘下の労働者は、夏の週末休暇を取り戻した。5月22日、ITUAの活動家はロシアのカルガでフォルクスワーゲン経営陣と会談した。経営側は夏季の週末労働に2倍の賃金を支払うことに同意し、週末の超過労働は任意でのみ行われることになった。
経営陣は新モデルのシュコダ・ラピッドの生産に備えて、8月に1週間、工場の稼働を停止する計画を立てた。経営側の解決策は、その週の労働時間を夏季の週末に標準労働日として配分し、追加給は支給しないというものだった。
追加給なしで週末に超過労働を強制する計画に労働者は激怒した。4月5日、400人の労働者が管理事務所に集まって要求書を手渡したが、経営側の立場は変わらなかった。交渉が行き詰まり、組合はストの準備を始めた。
地方裁判所は、再度聴聞会を開いてストの合法性を判断するために、5月12日にストを禁止した。裁判所は5月22日にスト実施可能の裁定を下し、同日、経営側は組合の要求に同意した。
ロシアの法律に従って、8月の1週間の休止時間については標準賃金の3分の2が支払われる。そして、やはりロシアの労働法を完全に遵守して、週末の超過労働は任意とし、2倍の賃金が支給される。
ITUAは、この印象的な勝利について労働者を祝福しながらも、次のように述べている。
「勝利を収めたからと言って油断はしない。この成果は簡単に失われてしまうかもしれない。勤務スケジュールに関する問題は繰り返し持ち上がる。したがって、一般組合員を強化し、もっと多くのVW労働者を組合に勧誘し、週35時間労働に向けた闘いを開始しなければならない!」
この勝利は代償を伴った。経営側の計画に抗議してストの準備をした際、VW労働者は絶えず圧力をかけられ、VWのドミトリー・トルドボイITUA支部長は警察に呼び出された。インダストリオール・グローバルユニオンはモスクワのインダストリオール地域事務所の支援を受けて、カルガのフォルクスワーゲンの状況を注意深く監視していく。
アルメニアで2組合が統合
2013-05-23
アルメニアで2組合が統合
2013年5月23日
5月16日、2つの組合がエレバンの大会で統合し、アルメニア産業労働組合を結成した。アルメニア機械器具製造労働組合(インダストリオール・グローバルユニオン加盟組織)とアルメニア化学関連労働組合は、首都エレバンの大会で新組織を結成した。大会代議員には、さまざまな工場(オートメカニックス、アルメニアン・タイヤ)の組合支部長やナショナルセンター代表が含まれていた。
ハムレット・ダニエリアン前アルメニア機械器具製造労働組合会長が、新設されたアルメニア産業労働組合の会長に選出された。
大会では、ユルキ・ライナ書記長が送った以下の歓迎の辞が読み上げられた。「インダストリオール・グローバルユニオンは、労働者の強さと影響力を高めるために全国組合の団結を奨励しています」