広報ニュース

インダストリオール・ウェブサイトニュース第14号(2013年9月19~27日)

ローテックに対抗してUSW第8565支部に国際支援

2013-09-27

ローテック社前でのUSW第8565支部のスト集会

 インダストリオール・グローバルユニオンは、オハイオ州オーロラのティッセンクルップ子会社ローテックで適正な雇用契約を求めて闘うUSW(全米鉄鋼労組)第8565支部を強力に支援している。ローテック社は北米の主要旋回軸受メーカーで、シームレスな鍛鋼・非鉄金属リングのマーケット・リーダーである。

 2013921日、ローテックで不当労働行為に抗議してスト中のUSW8565支部の組合員100人以上と連帯し、USW各支部と地域社会が行動に合流。降りしきる大雨をものともせず、およそ300人が参加した。 現地のUSW組合員やデイブ・マッコールUSW地区責任者、ティム・バーガ・オハイオ州AFL-CIO会長、ティム・ライアン議員らが演説した。

 加えて、驚くほど大量の国際支援書簡が届き、群衆の前で読み上げられた。その日の朝に現地でデモ行進が実施され、USW8565支部の組合員も参加した。デモ参加者は、20社以上の地元企業が軒を連ねる商業地区ラベンナを練り歩き、公平と公正を求めて闘うローテック労働者への支援を表明した。

 ユルキ・ライナ・インダストリオール・グローバルユニオン書記長は、国際労働組合を代表してUSW8565支部に対して、次のようなメッセージを送り連帯と支援の意を表明した。

「会社側が組合との交渉を再開せず、労働者の正当な要求に応じていないことは極めて遺憾だ。さらに私たちは、同社が代替労働者の臨時雇用によって生産を再開しようとしていることも非難する。従業員は、ますます頻繁に譲歩を要求されるようになっており、難しい経済情勢の代価を払うよう再三にわたって求められている。こうした状況は容認できるものではない。従業員に責任がないことを理解させなければならない――それどころか、従業員なくして事業の成功はあり得ない。ティッセンクルップ子会社のローテックが直ちに交渉を再開し、相互に合意できる紛争解決策を見つけるよう要求する。私たちは、公正かつ公平な契約を達成しようと争議行為を起こした皆さんと断固連帯する」

 

インドネシアのインダストリオール協議会が女性委員会を設置

2013-09-24

ジャカルタでの女性委員会の結成会合

インドネシアのインダストリオール協議会は2013922日、ジャカルタで女性委員会を設置し、女性たちは107日の活動を計画する機会を得た。この日、100人の女性から成る代表団が労働省を訪れ、ディーセント・ワークと女性問題の重視を要求する予定である。

 インドネシア協議会のスジャイフル議長は開会の辞の中で、「インダストリオールの指針に従って全国委員会を設置し、加盟組織11団体すべてに代表1人を指名するよう求めた」と説明した。SPNのリリス・マームダーが委員長を務める。2人のインダストリオール執行委員、ワティ・アンワルとニカシ・グリンティングも加わった。

 不安定雇用は相変わらずインドネシアの組合にとって大きな課題であり、最も重要な関連問題の1つは母性保護である。一般に不安定労働者には母性保護や出産休暇、育児手当がないからだ。女性は契約労働者であれば結婚して働き続けることができず、妊娠すれば契約を取り消される。

委員会は以下の目的を掲げた。

●女性を委員会に参加させる。

●女性のリーダーシップを奨励する。

●女性指導者のために活動する。

●女性問題を解決するための提言制度を設ける。

  委員会は月次会合か隔月会合を開く予定だ。まず第一に、107日のディーセント・ワーク世界行動デーに影響を及ぼしたいと切望している。さらに、1125日の女性に対する暴力撤廃の国際デー、121日の世界エイズデー、1210日の人権デー、38日の国際女性デーなど、労働組合の行動予定に従って介入を計画したいと考えている。

 委員会の会合に先立って、FNVLO/TCOの出資によるプロジェクトで女性だけを対象に基礎訓練が実施された。この訓練で女性は労働組合加入の重要性を理解し、安全衛生と団体交渉の基本概念について学んだ。女性たちが手に入れた手段はボディマッピングと貸借対照表を読む能力である。HIV/エイズの問題にも検討を加えた。

 会合後にインドネシアの加盟組織FSPMIKEPを訪問した際、不安定雇用が実際に大きな課題であることが明らかになった。それでもなお女性たちは、母性保護、職場における暴力、保険・課税面の均等待遇といった関心事に取り組む必要があると主張した。

 

相互援助で米VW工場を組織化

2013-09-19

 ドイツ系自動車メーカーのフォルクスワーゲンでは、全世界すべての工場が組織化され、労働者代表制度がある。唯一残ったテネシー州チャタヌーガ工場に努力が傾注されている。

 労働者代表機関の代議員はフォルクスワーゲン世界従業員代表委員会のメンバーである。同委員会は年1回会合を開いて国際問題をめぐり議論し、経営陣が会社の国際方針を定期的に報告している。

 米国チャタヌーガのフォルクスワーゲン工場だけが、まだ組織化されていない。しかし、UAW(全米自動車労組)とドイツのフォルクスワーゲン従業員代表委員会は、米チャタヌーガのフォルクスワーゲン工場を組織化して労働者代表機関を設置しようと、しばらく前から緊密に協力している。

 アメリカでは、組合との合意だけで従業員代表委員会を設置できる。「チャタヌーガのVW労働者にとって、UAWと協力して米国にこの新しい労使関係モデルを導入する絶好の機会だ」とボブ・キングUAW会長は述べた。8月にドイツでフォルクスワーゲンとUAWの当局者が会合を開き、そのような制度の確立にあたって協力する方法を引き続き議論した。フォルクスワーゲンには組合や従業員代表委員会と協力してきた長い伝統があるため、同社は工場での組織化活動に反対しないことに同意している。これは未組織工場の組織化に際して、異なる組合が協力して支え合っている好例だ。

 ヘルムート・レンゼ・インダストリオール自動車部門担当部長は次のように述べた。「インダストリオール自動車ワーキンググループの年次会合で、そのような相互援助の可能性について議論しており、フォルクスワーゲンは唯一の例ではない。」