チャタヌーガで外部からの干渉がVW労働者の自由選択を妨害
2014-02-17
米国テネシー州チャタヌーガのフォルクスワーゲン(VW)工場で行われた組合代表に関する投票は、共和党の政治家と反組合的なグループによる脅迫と威嚇を受け、626票対712票でインダストリオール加盟組織UAW(全米自動車労組)の敗北に終わった。
フォルクスワーゲンのチャタヌーガ工場の労働者は、組合代表に反対の投票をした。賛成多数であれば、従業員代表委員会が設置され、フォルクスワーゲンと同社チャタヌーガ工場CEOのフランク・フィッシャーが支持する米国初の労使関係モデルになっていただろう。
全国労働関係委員会の監督下で行われた3日間の選挙の最終日である2月14日、フォルクスワーゲン労働者が712票対626票で全米自動車労組(UAW)による代表に反対の投票をしたことが明らかになった。
労働者の自由選択は、共和党の政治家と反組合的なグループが主導する脅迫・威嚇を伴う攻撃的な反対キャンペーンによって損なわれた。テネシー州の共和党議員は、「労働者が組合代表に対して賛成の投票をすれば、フォルクスワーゲンに税制上の優遇措置を適用しない」と威嚇した。ある共和党上院議員は、労働者が組合に反対の投票をすれば新規投資を「確信」していると断言した。
この選挙は、インダストリオールと全米自動車労組(UAW)、独IGメタル(ドイツ金属労組)による前例のない協力のもとに、実施された。UAWは選挙までの数週間に、工場に立ち入ることを許可され、業員代表委員会設置の意義と利益を労働者に伝えるために懸命に活動を行った。
投票の結果を受けて、ボブ・キングUAW(全米自動車労組)会長は、「もちろんこの工場で労働者に勝利を収めてほしかったが、労働者が組合結成に向けて基本的人権を行使できるよう自由で開放的な雰囲気を生み出すために、フォルクスワーゲン・グローバル・グループ従業員代表委員会、フォルクスワーゲン経営陣ならびにIGメタルが最善を尽くしてくれたことに深甚なる敬意を表したい」とコメントした。
今回のチャタヌーガのフォルクスワーゲン(VW)工場の投票結果を振り返って、米国南部の組織化を担当するゲーリー・キャスティールUAW第8地区責任者は、「フォルクスワーゲンがグローバルな人権、労働者の権利に取り組み、自由に決定する雰囲気を作ろうとしたことを称賛する」「残念ながら、政略的な第三者が、この工場の経済的未来と、労働者がテネシーで雇用を創出する有効な経営モデルを生み出す機会を脅かした」と語った。
今回の投票結果について、インダストリオールのユルキ・ライナ書記長は、「これはインダストリオールのグローバル・ファミリーにとってのみならず、チャタヌーガのVW工場労働者にとっても同様に残念な結果だ。外部からの干渉で労働者の自由選択が損なわれてしまった。テネシーの労働者が真の結社の自由を享受できるようにしなければならない。脅迫と威嚇に抵抗し、集団で自分たちの権利を守るために投票した626人を称賛する」とコメントした。
同テネシー工場は、グローバルに存在するフォルクスワーゲンの工場施設の中で、世界で唯一、組合代表を実現していない工場である。